※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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狙われた一弥 Part1

---坂本一弥---

 

「何?要らないじゃと…」

 

目の前で、老婆が俺に睨みを入れている。

 

「あぁ、お前の娘達に触手が動かない。だから、要らないよ」

 

「おい!こっちは王女を差し出すと言っているんだぞ!」

 

だから、何だ?

 

「価値を見いだせない。だから、要らない」

 

「おい…一弥。相手のメンツを潰すにゃ!」

 

「メンツで出す人質に価値は無いだろ?ウザいだけだ」

 

ウザい女は嫌いである。

 

「ただし、ルシファードの人質は受け入れたいが、グレイフィアって、子持ちなんだってなぁ。なので断念する。だから、ルシファードの人質も要らない。おい、土御門、帰ろうぜよ」

 

「あぁ、お前は頑固だからな」

 

謁見の間を立ち去ろうとすると、俺達の前に立ち塞がった者がいた。

 

「待ちなさいよ!私に価値が無いと言うの!」

 

紅髪の女だ。

 

「あぁ、彼氏持ちはいらない。まぁ、そこの黒髪の女体なら欲しいが…」

 

「朱乃を?出せる訳ないでしょ?」

 

「だから、いらない」

 

なんだか、イライラしてきた。俺のいらつきなどの負の感情は、ミサカを通じて、ミサカネットワークに分散されるらしい。なので、臨戦態勢になるミーちゃん。

 

「一弥、あの青髪の剣士と、魔法騎士を貰えばどうだ?」

 

火織がアドバイスをしてくれた。どの子だっけ?紅髪の女体の後に立つメンバー達から、探し出した。う~ん、確かに虐めがいはありそうだが、出さないだろうな。

 

「おい!出してくれのか?」

 

「眷属を人質には出さない!」

 

紅髪の女体が首を振らない。

 

「もう、いいや。帰ろうよ。女体よりも、今は和食を食いたい…」

 

「今から作りますよ」

 

って、五和。そうなのか。

 

「じゃ、頼む、五和」

 

「はい」

 

五和とミーちゃん、何故か美琴が厨房へ消えた。

 

「じゃ、俺は部屋で少し寝る。喰ったら、帰るぞ、土御門!」

 

ミサカを抱いて、部屋へ戻る。ミサカを抱き枕にして寝ると、安眠出来るのは、俺のストレスをミサカネットワークで分散して、発散してくれているそうだ。美琴の仮想妹達が…

 

 

 

---土御門元春---

 

一弥は完全にホームシックである。海外4日目で、これかぁ…長期遠征は無理やにゃ。

 

「おい!私のメンツはどうしてくれるんだ?!」

 

英国の女王が俺に叫んだ。こいつ、レディの欠片も無い口調だな。

 

「一弥が価値を感じ無い以上、メンツは関係無いにゃ」

 

「こちらとしては、善処したいが…」

 

ルシファードの帝王サーゼクスは、何やら考えている。が、子持ち、彼氏持ちはNGの上、王女達はウザいと斬り捨てたし。一弥の基準は明確だと思う。アイツの機嫌を損なわないようにすれば、操縦は楽なんだが…こうもアイツの興味の無い話では、アイツの機嫌を損ねるだけだし。

 

「人質に俺が行く。いいだろう?サーゼクス」

 

次期帝王であるヴァーリがトンでも無いことを言う。次期当主が人質って、前代未聞では無いか?いやいや、男はダメだろう…いや、組手の相手になれば、性別は関係無いか…

 

「お前がか?」

 

「あぁ、俺は一弥を気に入った。政治問題は関係無しに、アイツを見守りたい。女体進呈は、ルフェイを差し出す」

 

「ふへぇ?」

 

中学生くらいの少女が声を上げた。あれが、あの時のリアル体か。

 

「ルフェイなら、英国の人質にもなる。ペンドラゴン家の娘だからな」

 

ペンドラゴン家かぁ…確かに、英国貴族の家系ではある。まぁ、落としどころとして、悪くは無い。

 

「じゃ、一弥にそう伝える」

 

俺は一弥の元へ向かった。

 

 

 

---毛利蘭---

 

コナン君が新一って…今までの記憶が脳裏に浮かびあがる。全裸で抱きついたことがある。二人だけでお風呂にも入った。う~ん、新一は役得感が満載では無いか。私は見られ損、触られ損である。

 

一弥だったら、どう対応するんだろう?って、一弥は全裸を見ても、全裸で寝ていても、普通に接してくれた。私の気持ちを一番に考えてくれる。紅葉ちゃん、和葉ちゃんにしてもだ。

 

新一からは服部君臭がするしなぁ。彼は和葉ちゃんのことを、一番に考えてくれていないようだ。

 

「蘭さん、悩みかな?」

 

紅葉ちゃんが話し掛けてきた。

 

「うん…新一がふらりと来て、プロポーズの返事を訊かせろって…」

 

「受けるか、悩んでいるの?」

 

「う~ん…。一弥に出逢う前は、私の一番だったけど…今はねぇ」

 

一弥、帰って来てくれないかな?

 

「そうやな、一弥に触れ合うと、アカンなぁ」

 

って、和葉ちゃん。

 

「私も平次はんが一番でしたけど、今は…でも、一弥にとって、私は妹枠なんだけどね」

 

はにかむ紅葉ちゃん。

 

「ねぇ、なんで妹枠なの?」

 

「ちっさい時、お兄ちゃんって、慕っていたから…一弥は分家によく預けられていたの。それで、ちっさい時から、一弥といる時間が多かったのよ」

 

「ふ~ん。なんで、一弥だけ分家なの?」

 

「数馬はん、宇佐美はんが、ブラコンだから…数馬はんは、男の子なのに、宇佐美はんと、一弥の取り合いをしてとか」

 

今の生徒会長代行から、想像が付かないけど…ある意味、強烈なブラコンだったのか。

 

「一弥が言うには、数馬はんは、性同一性障害らしいって…」

 

あぁ、そう言う事か。兄と弟の間で、不適切な行為があるとマズいってことか。

 

「で、数馬はんに負けずに、一弥への好きな気持ちを暴走させて、宇佐美はんは病的なブラコンになったそうや」

 

その兄妹って、負けず嫌いだよね…

 

「一弥は普通の妹が欲しかったみたいで、私を妹としてかわいがって、色々相談に乗ってくれていたんよ」

 

頬をうっすら紅色に染めた紅葉ちゃん。本当は紅葉ちゃんも一弥のことを…

 

「ウチも平次が諦めてくれんと、プロポーズしてくるんか…」

 

凹んだ和葉ちゃん。

 

「そんなに一弥っていいのか?」

 

世良ちゃんが訊いて来た。

 

「あぁ、一弥は世良はんのことは、相手にせぇへんよ」

 

「なんで、言い切れるんだ?」

 

「縛っても引っ掛からない女体は、幼児と一緒やろと、思うてんのよ」

 

「うっ!」

 

基準はそこか…一弥…年齢では無いのか。なんか、ほっこりする。なんでだろう。一弥のことを話していると、癒やされる感じがするんだよなぁ。

 

 

 

---江戸川コナン---

 

う~ん、どうするかな。事実は話したが…蘭の気持ちがイマイチわからねぇ~。心は許しても、身体は許さないって…結婚はして、アイツとの関係は続けるって…偽装結婚かぁ。そうなると、和葉ちゃんも服部と…

 

灰原に相談しても、ダメかな?

 

「うん?何を見てんのよ!で、昨晩はどうなったの?」

 

機嫌の悪い灰原。

 

「どうもこうもねぇよ」

 

ダメ元で、灰原に相談してみた。

 

「そう…プロポーズの返事はオーケーなんだ」

 

「だけど、身体は許さないって…」

 

「偽装結婚でいいんじゃないの?工藤君、欲張ると良く無いわよ」

 

蘭とのスキンシップって、欲の張りすぎなのか?

 

「健全な男子だぞ。結婚して、お預けってどうなのさぁ」

 

「なら、結婚しないか、彼を倒せば?」

 

倒す?誰に情報を渡せば、アイツを消してくれるんだ?

 

「あぁ、そうそう、彼にヒットマンを送ると、彼の周囲が依頼主を排除してくれるそうよ。工藤君、気を付けてね」

 

え…俺の心が見えるのか…灰原には…

 

「裏情報よ。彼は裏の世界のキングになったみたい」

 

裏の世界のキングだと…

 

「英国とルシファード帝国から、王族の娘を嫁にって話が出ているそうよ」

 

おぃおぃ…アイツ、何者なんだ。単なる高校生じゃ無いのか?

 

「アイツ…組織を持っているのか?」

 

「う~ん、難しい質問ねぇ。彼自身は持っていないけど、色々な組織の長が、彼の仲間になっているようよ」

 

アイツのコネ?いや、アイツに対しての忖度か?

 

「坂本家って、裏でも有名なのか?」

 

「無名に近いわよ。そもそも、裏の世界で活動していないし。ただ、坂本一弥は違う。裏の世界の住民の可能性は大かな」

 

裏の世界の住民?単なる高校生でなかったのか。

 

「蘭が危ない…」

 

「あぁ、探偵の娘は、安全じゃないかな。むしろ、一弥を裏切った時が危険かな」

 

裏切る…俺と関係を持つってことか…

 

「哀君、脅すのはソレくらいにしてやらんか?新一が深刻な顔をしておるぞ」

 

「あぁ、本当ね。そんな顔しても、どうにもならないわよ。あの組織から逃げている時点でね」

 

それは…そうなんだが…一弥があの組織と抗争すれば…必要悪…アイツは必要な悪なのか?

 

 

 

---坂本一弥---

 

五和、ミーちゃん、美琴の作ってくれた和食。う~ん、材料がダメなのか?調味料がダメなのか?見た目は度外視にして、美琴の作った卵焼きが一番美味しかった。

 

「美琴、おいしかったよ」

 

「そうでしょ。母直伝の卵焼きだからね」

 

「日本と食材が違うのは、問題だな」

 

ミーちゃんが唸っている。五和と俺に料理を習っていたのに、美琴の家庭に味に負けたことが、悔しいらしい。

 

「次回、海外遠征時には。調味料と乾物は持ち込みますよ」

 

五和はリベンジに燃えている。それよりも、海外遠征は今後パスしたい。

 

「政治的なことは土御門に丸投げでいいから、俺を遠征メンバーから外してくれよ」

 

「ダメですよ。一応キングなんですから、決済権は一弥にあります」

 

って、火織。そうなのか?

 

「じゃ、俺は下っ端でいいぞ」

 

ミサカが、むにゅっと俺に力を込めて抱きついた。拒否ってことなのか?

 

「ダメだよ。一弥で無いと。他の者がトップだと、まとまらないんだよ」

 

インデックスが説明している。コイツ、海外だと働いているなぁ。その反動で、家で喰う寝る喰うな生活三昧なのか?

 

「なんだよ?いいね。一弥はキング。これは変えられないからね」

 

誰も異論を唱えない。どうして、俺なんだよ。

 

「俺は粗暴だぞ」

 

「だから?そんなの、みんな理解しているんだよ」

 

問題視されていない、俺の素行…

 

「俺は女体が好きだぞ」

 

「知っているよ。今更なんだよ?!」

 

インデックスが仕切っている。誰も文句を言わないし。コイツ、エラいのか?

 

「お前、エラいのか?」

 

「う~ん、どうだろうか?私は知らない」

 

俺と理解度は同じ程度のようだ。少し安心だな。

 

「インデックス様は、エラいって言うか…シスターとして最上位ですよ」

 

アーシアが説明してくれた。最上位のシスターか…

 

「まぁ、現存する魔術書を総て記憶しているんだ。価値はあると思う」

 

火織の説明…そうなると、インデックスを図書館のように扱えばいいのか?いや、待てよ…

 

「なんで、お前、魔女でなくて、シスターなんだ?」

 

「魔女は教会に反する者だよ。これでも私は教会サイドの者なんだよ。だから、魔女では無いと言いたい」

 

それは、教会を辞めると、魔女扱いってことか?アーシアは聖女、火織は聖人、五和は聖槍遣いだ。これらは教会サイドで間違い無いけど…

 

「土御門の立ち位置は?」

 

「俺か?俺は魔術と科学の交差点だ。魔術サイドと科学サイドの間を取り持っているんだ」

 

美琴は天然の能力者で、アクセラレーターとミサカ達は科学の産物だろ。

 

「う~ん…」

 

「一弥、知恵熱出るぞ」

 

「そう思う…で、いつ帰れるんだ?」

 

「今、ヴァーリが手続きをしてくれている。帰りはルシファードのプライベートジェットで帰ることになる」

 

「あぁ、明日か明後日にはテイクオフ出来る。で、日本での住処だが、物件を紹介してくれないか?」

 

「あぁ、俺の弟に言ってくれ。不動産系は、弟に丸投げしているから」

 

「わかった。後で連絡をする。で、ルフェイは、一弥の家に住まわせればいいのか?」

 

「う~ん、そうだな。そうしてくれ。たっぷりとガン見したいから」

 

やっと、帰国できそうだ。お汁粉、くず餅、焼きもろこしもいいなぁ。脳裏では食い物が渦巻いている。

 

 

 

---安室透---

 

ベルモットに呼び出された。

 

「仕事があるんだけど、どうする?」

 

俺に選択の余地があるのか?

 

「勿論、しますよ」

 

「そう…死ぬ覚悟はある?」

 

死ぬ覚悟?そんな危険な仕事なのか…

 

「う~ん…」

 

「まぁ、いいわ。失敗すれば、殺されると思っていた方が良いわよ」

 

なんかヤバい相手のようだ。

 

「明後日、ある人物が帰国する。その人物を消すのよ。いいわね」

 

帰国?まさか…

 

「あら、心辺りがあるようね」

 

坂本一弥か…

 

「全員参加だって。一介の高校生一人を消すのに…ボスは何を考えているのかしらね」

 

全員参加だって…羽田か成田が火の海になるのか?

 

「どこで消すんですか?」

 

「着陸する直前に、狙撃するのよ。いい?失敗すれば、こっちが全員消されるから…」

 

ベルモットの顔は、珍しく余裕が無いみたいだ。それだけ、ヤバい相手が、一弥の後にいるのか。

 

「どこの組織が、彼の後にいるんですか?」

 

「分かっているのは、ルシファード帝国、必要悪の教会、天草式…」

 

十字教団…おい!英国、バチカン、ロシアを敵にするのか…そこに、ルシファード帝国って…成功しても、生きていられないかもしれない。死んでも、魂は地獄にも天国にも行けずに、彷徨いそうだ。

 

「相手が悪過ぎませんか?世界で一番の宗教団体の関係者を…」

 

「ボスからの指示…いいわね!」

 

念を入れるように言うベルモット。彼女も必死なようだ。

 

「なんで、彼は狙われているんですか?」

 

「APTX4869…これに関する資料を集めているらしい。その過程で、私達の属する組織に接触があったらしい。製造法、解毒方法を開示しろって…」

 

誰から漏れたんだ?そもそも、一弥が、ボスに接触したのか?これって、罠では無いのか?

 

「開示はしない。なので、開示を要求した彼には、消えて貰うことにしたらしい…」

 

一弥の周囲に、あの薬を知っている者がいるのか?マズい…これは回避出来るのか?空港が戦場になるのかぁ…

 

 

 

 

 

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