※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

29 / 87
探られる一弥 Part2*

 

 

---坂本数馬---

 

兄さんのアイデアノートを見ながら、図面を描いていく。イートインスペースか…ライブハウス内に談話室のような食べられるエリアって、感じのようだ。そうなると、ショッピングモール内のイートインスペースと隣接すると良いかな。エントランス前にオープンテラスを置いて、野外でも食べられると良いかもな。

 

兄さんのアイデアは好きだ。僕には無い発想の広がりを感じるし。僕の大好きな兄さん。ずっと、傍にいたい…なんで、僕は男の子に生まれたんだ?そこだけが不満である。妹ならば、もっと…ウザいって嫌われるかな。そのことを考えると弟でもいいかなってなる。性別の壁が、僕からウザさを感じさせないでくれているから。

 

 

 

---ジェミー・ソマーズ---

 

担当教科は英会話である。1週間のコマ数は少ない。だが、クラス担任で有る為、毎日学校には来ている。空き時間を利用して、彼のことを調べて行く。三つ子の長兄である。学校内では目立たないようだ。寧ろ弟と妹が目立っているようだ。

 

昼休みを利用して、彼の取り巻きの女生徒と仲良くなり、情報を引き出していく。

 

「一弥のことが興味あるんですか?」

 

「生徒会長と副会長の兄でしょ?」

 

「あぁ、あの二人は代行ですよ。実質の会長と副会長だけど」

 

遣り手の弟と妹。彼は学校内では大人しいようだ。これが表の顔か…

 

「そうそう、みんなの家を家庭訪問しようかと思うの。この国の文化を知りたいからね」

 

家を訪れる理由を前振りしておく。目的は彼の家だけであるが。

 

「一弥の家は、どうなのかな。実質、会長の家だし」

 

それはリサーチ済みである。

 

「一弥は家に帰るのか?」

 

真純が訊いた。

 

「う~ん、用が有る時は遅いけど、帰ってはくるよ」

 

蘭は、彼について詳しそうである。

 

「さすがは、本妻候補ね」

 

園子…彼の潰した鈴木財閥の関係者である。

 

「本妻候補じゃ無いと思うよ。本妻だと、美和子さんとか麻衣さんじゃないかな」

 

美和子?麻衣?誰かしら。

 

「それに本妻じゃ無くてもいいの。一弥の傍に居られるだけでね」

 

幸せそうな蘭。どこに惹かれたのか。

 

 

 

---工藤新一---

 

う~ん…なんか雲行きが怪しい…

 

「クリスを調教って、どういうこと?ねぇ、新ちゃん」

 

母さんに攻められいる俺。調教したのはアイツなのだが、ベルモットにフェラをさせている現場を見られたらしい。俺とベルモットの行為は、家のテレビに映っていたそうだ。

 

「新一…クリスと一緒になりなさい!」

 

何?ベルモットとか?そう言えば、彼女は何も言葉を発しない。どうしてだ?

 

「おい…お前もなんか言えよ!」

 

ベルモットに声を掛けた。

 

「新ちゃん、クリスをお前って…二人はそういう関係なの?」

 

やべぇ~。母さんが誤解しているし。

 

「有希子…息子さんと…ごめんなさいね」

 

おいおい、誤解が深まるような発言かよ…

 

「そうなの?新ちゃん!男なら責任を取りなさいね」

 

ダメだ、こりゃ…母さんがキレていて、正常な判断は無理そうだ。父さんは、何も言わない。何かを考えているようだ。

 

「父さん…」

 

「うん?孫の顔は早く見れそうだな」

 

え…父さんまで誤解していたのか。これは、マズすぎる。アイツの書いたシナリオなのか?!坂本一弥めぇぇぇぇ~!

 

 

 

---佐藤美和子---

 

一弥が無事で良かった。なるべく家に帰ろう。署にお泊まりだと、寝た気がしないし。

 

「佐藤君、ちょっといいかな?」

 

目暮警部に呼ばれた。警部の隣には、白人の女性がいる。はぁい?

 

「なんでしょうか、警部」

 

「彼女の面倒を見て貰えるか?海外の警察との人材交流で、米国からここに来たケリー・ギャレット警部だ」

 

「ケリーです。よろしく」

 

「はい、佐藤美和子です」

 

流暢な日本語だな。

 

「1ヶ月ほど、君の相棒にして欲しい。いいな」

 

「わかりました」

 

それは1ヶ月ほど、楽な勤務になるってことかな?

 

「美和子の部屋に一緒に住める?」

 

いきなり訊かれた。

 

「ゴメン、彼氏が来るから…」

 

「そっか、わかったわ」

 

プライベートまで合同はちょっとなぁ。一弥が彼女に興味を抱くと面倒な事になるし。

 

 

 

---ジョディ・スターリング---

 

ボスレーは本国にいるチャーリーとの連絡係で、私はサブリナ・ダンカンと行動を共にすることになった。ケリーとクリスは潜入を開始したようだ。

 

「ジョディはどう思う?」

 

彼の第一印象を訊かれた。

 

「そうね。資料を読む限り、よくわからないわ。一介の高校生が裏の世界のキングになれると思う?」

 

「問題はそこなのよね。ターゲットの読み違いかな?」

 

その可能性はある。

 

「どうやって、ボスの座に上り詰めたのかしら?」

 

「そこよね。資料には記載がなかった。表の世界と違って、お金だけでは、キングにはなれないと思う。強力なコネ、もしくは人脈が必要だと思うの」

 

サブリナの言葉に頷く。コネなくして、なれるものでは無い。複数の組織から推薦をされないとなれないはずだ。立候補するようなヤツはまずなれない。

 

「そうなると、どんなコネかってことね」

 

日本支局にある端末で、彼を調べて行く。だけど、何も出ない。犯歴は無いし…補導歴も無い。出てくるのは脳筋タイプで、バトルジャンキーってことだけだ。

 

「う~ん、バトルジャンキーって、キングになれない気がするんだけど…」

 

サブリナの呟き。私もそう思う。キングが前に出てはダメだろう。普通は、自分の手を汚さない人物像だと思う。

 

ジェミーからのメールが着信した。

 

『美和子、麻衣という女性を調べて』

 

とある。彼の彼女の可能性が高いようだ。彼の住んでいる地区の役所のサーバーに侵入して、住民台帳を調べた。いた…佐藤美和子は公務員、桜島麻衣は女優である。住所は、坂本不動産所有の賃貸マンションである。囲っているのか?

 

待てよ…警視庁の捜査一課に佐藤美和子って、刑事がいたはずだ。今、ケリーがそこに潜入中なので、メールで内偵を依頼すると、その彼女の相棒になったそうだ。ちょうど、いいわねぇ。

 

 

 

---土御門元春---

 

番外から連絡があった。モグラを見つけたそうだ。一弥のクラスの担任、佐藤美和子の相棒で潜っているそうだ。ミサカネットワークが、通信傍受しているので、連絡は筒抜けである。ベース基地はFBIの日本支局って判明しているし。

 

「どうする?」

 

ねーちんに訊かれた。

 

「泳がすか?一弥に危害を加えるなら、介入はするがな」

 

「皆、女性か?」

 

「みたいだな」

 

一弥が調教するかな。

 

「男の方は始末するか?」

 

「情報を訊き出してからな」

 

◇

 

その日の夜、ボスレーって男を攫ってきた。

 

「君達はどこの勢力だね?」

 

「名乗るほどデカくないんだよ」

 

首筋に注射を打った。

 

「何を打ったんだ?」

 

「自白剤だよ。何しに、この国に来たんだ?」

 

「言える訳無いだろ?」

 

「そうか…じゃ、犯罪者になるか?」

 

「何?」

 

もう一本打った。

 

「これは…自白剤では無い…」

 

えっ?薬の判別能力者か?そんな能力有るのか?まぁ、いいや。

 

「早く言った方が良いぞ。犯罪者として、殺されたくないだろう?」

 

更にもう一本打った。

 

「あぁぁぁ…はぁ…はぁ…」

 

目がイキ始めたようだ。じゃ、狩りを愉しんで来てくれ。

 

 

 

---ケリー・ギャレット---

 

1日目の勤務が終わり、住処にしているホテルの部屋に向かった。相棒の美和子が、彼の恋人の可能性があるのか。美和子は恋人が、頻繁に部屋に来るようなことを言っていた。もう少し、美和子との距離が縮まれば、彼女の部屋に上げて貰えるだろう。

 

部屋に入り、まずシャワーを浴びる。衣服を脱ぎ、シャワールームへ…シャワーを頭から浴びて、目を閉じた。その瞬間、誰かに後から抱きつかれ、首元に電気刺激を感じ…

 

◇

 

ここはどこ?頭部に黒い袋のような物を被せられている。体内で蠢く何か。誰かにヤラレているようだ。男の荒い息遣いが聞こえる。背中の後で手首に手錠で拘束されているようだ。

 

「うっ!」

 

電気刺激を感じる。鰐口クリップがクリに、尿道に何かを挿入されている。電極代わりか?

 

「うっ!」

 

一定のリズムで、パルスが下腹部を襲う。男は、胸を舐めたり噛んだりしながら、私を突いていた。どうやって、助けを呼ぼう。

 

「うっ!」

 

湿り気を帯びる程、奥深くにまで刺激が届くようだ。

 

「助けて…うっ!」

 

口から零れたヨダレで、袋が濡れていく。完全に濡れれば、呼吸がしづらくなる。早く脱出しないと…

 

「あぅ…」

 

達したのか、全身の筋肉が緩んでいく。男は、それを楽しんでいるのか、突くことを辞めない。

 

「助けて…袋だけは、外して…うっ!」

 

マズい、お腹の中で何かが起きたようだ。考えろ…考えられるのは…子宮に電気刺激が到達した…子供が産めなくなる…マズい…

 

「うっぁぁぁぁあ…」

 

男の苦しそうな声、私の上に男が崩れ落ちてきたようだ。額に鈍器で殴られたような痛みが…

 

 

 

---ジョディ・スターリング---

 

ケリーと連絡がつかない。サブリナと共に、ケリーが泊まっているホテルの部屋へと向かった。ホテルの前には消防車や救急車が沢山いた。ホテルで火災があったそうだ。混乱していてケリーと連絡がつかないのか?

 

「ジョディ、大変よ。火元はケリーの部屋らしいの」

 

えっ!何で?彼女はタバコなんか吸わないのに?

 

翌朝、私の上司が情報を得てきてくれた。火元の部屋には、炭化した遺体2つあったそうだ。そして、シャワールームには脱いだと思われる、男女の衣服が1組ずつあったと思われるそうだ。焼け焦げて、残っている部分を調査した結果らしい。

 

「つまり、彼女は男を部屋に入れ、シャワーを一緒に浴びて、ベッドへ行き、なんらかの原因で火事に巻き込まれたという見解になりそうだ」

 

「有り得ない。ケリーが男を引っ張り込むなんて…」

 

サブリナがそう上司に告げた。男?まさか、彼を?彼の所在を確認する。9時過ぎに、ジェミーから、彼が登校していると、メールで判明した。後、男性だと…まさか、ボスレーか?ボスレーの潜伏先へ行くと、彼の姿は無かった。

 

ボスレーの部屋から、チャーリーに確認をした。定時連絡が途絶えたのは何時からかをだ。

 

『昨晩の現地時間で、22時以降の連絡は無かった。その前の18時の連絡はあったが』

 

チャーリーに、ケリーの部屋の惨状を伝えた。

 

『わかった。こちらから手を回して、その火災の資料を手に入れ、ジョディの元へ届ける』

 

と。この件は、クリスとジェミーには内緒にってことを言われた。潜入中に、動揺するのはマズいからだそうだ。既に、サブリナは動揺を隠せないでいた。

 

「なんで、ケリーとボスレーが…潜入1日目で…」

 

 

 

---佐藤美和子---

 

昨日、相棒になったケリーが、登庁して来ないそうだ。

 

「佐藤君、悪いけど、見て来てくれるか?」

 

警部からメモを渡された。彼女の泊まっているホテル名とルームナンバーだ。あれ?これって…

 

「警部、このホテルって、昨夜、火災のあったホテルでは?」

 

「うん?なんだって?おぉ…」

 

警部がどこかへ、連絡をしている。

 

「う~ん…」

 

連絡を終えた警部は唸っていた。

 

「どうしましたか?」

 

「火元は彼女の部屋だそうだ」

 

はぁ?来日した初日に、羽目を外したのか?

 

「佐藤君、すまないが、消防署へ行き、情報を得てきてくれ」

 

「わかりました」

 

◇

 

「出火原因ですが、コンセントが激しく燃えていたので、何らかの電気器具による火災の可能性があります」

 

署内の事故調査官から話を聞いている。

 

「ホテルの備品以外の電気器具だと思います」

 

出火原因になったと思われる装置を見せてくれた。あれ?これって、大人の玩具屋さんで見た事がある。が、そんなことを言えない。独身の女性刑事が、そんなお店に彼氏と行ったなんて、バレるとマズいし。

 

その玩具は、確か、電子パルスをクリップと電極の間に流す装置である。女性の身体に使い、クリップをクリに挟み、細い髪の毛のような電線を尿管へ入れるのだ。一弥によると、何かの弾みで男性の陰毛が、両方の電極に触れるとショートする危険があると言っていたような…う~ん、この情報をどう伝えれば良いかな。ははは…

 

つまりは、ド変態の男性とド変態プレイをしての火災だな。でも陰毛が燃える程度で済むって言っていた。陰毛が燃えて気づかないことは無いから、直ぐに消すからって。

 

可能性は、男性の腹上死か…燃えていても、気づかない。いや、動かない状況であれば、女性の陰毛に燃え広がり、いずれ体毛全体に広がるかぁ。

 

「ここに、商品名らしきプレートがありますよ」

 

って、さも、いま発見したようなことを、調査官に伝えた。この装置のわかりにくい箇所にプレートが貼ってあるのだ。これも一弥に聞いたのだ。一見みただけで、商品が何かがわらない方が売れるって…

 

「あっ!本当ですね。これで、用途が調べられます。さすが、捜一の刑事さんだ」

 

褒められた。一弥、予習させてくれて、ありがとう…

 

そうなると、ケリーの連れ込んだ男は、ド変態だったのか?いや、そんな物を持ち歩くド変態はいない。そうなると、部屋にあったのか?ド変態はケリーの方か?注意事項を男性に言わなかったのかも知れない。

 

炭化した遺体の写真も見せて貰えた。これって…背中の後で手錠を嵌めていたのか?

 

「この写真の性別はわかりますか?」

 

「そうですね。骨盤形状からして、女性かな?また、何かに気づいてくれましたか?」

 

「いえ、このご遺体は、背中の後で手錠を嵌めていた気がするんです。この肩の角度からするとね」

 

「なるほど。だから、遺体の下から焼け焦げた手錠が見付かったのか」

 

手錠の写真も見せて貰った。これって、ケリーに支給された手錠のようだ。

 

「これは警視庁から支給されている手錠かもしれません。ここに、うっすらと警視庁って見えませんか?」

 

「あぁ、…本当だ…。そうなると、ご遺体は、アナタの相棒の可能性が大ですね」

 

そうなるな。警部の元へ戻って、報告しないと…

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。