---坂本一弥---
教室に入ると突然、工藤に胸倉を掴まれた。
「お前、どういう了見だ?!」
思い当たる節は無い。こっちは久しぶりの学校なんだけど…あぁ、コイツもか。
「どういうって?」
「ベルモットのことだ」
小声で話す工藤。
「婚約か?」
「お前のシナリオかっ!」
壁に押し付けられた。
バーン!
しかし工藤の頭部が横にブレ、工藤が飛んでいく。
「お前!私の一弥に何をするのよ!」
蘭が登校してきた。朝から元気だな。工藤の側頭部を後回し蹴りしていた。
「蘭…コイツは、酷いヤツだぞ」
「だから、何?」
うん?ソレは、蘭も俺が酷いヤツと思っているのか…
「なんで、コイツになびいたんだ?」
「久しぶりに登校して、言うことは、今更それですか、工藤くん!」
蘭のプレッシャーに、狼狽える工藤。
「待て!お前は洗脳とか催眠術で、思い込まされているだけなんだぞ」
「な訳ないでしょ?一弥が、そんな姑息な手段を使わないわよ」
まぁ、確かに…あぁ、先生が入って来た。席に着かないと。
---工藤新一---
昼休み…アイツは蘭、弟、妹達とランチだと…
「工藤君…」
世良が寄って来た。
「なんだ?」
「話があるんだよ。放課後、会えないかな?二人っきりで…」
モジモジして言う世良。う~ん、それは俺にモテ期が復活か?
「いいぜ」
◇
そして、放課後…二人でホテル街に溶け込んだ。
「ここなら、内密に話せるな」
「で、何の用だ?」
コイツ、マジにちっぱいのようだ。サラシを巻いている気配は無いし…
「直球で訊く。どうやって、元に戻れたんだ?!」
うん?告白では無く、ソッチか…領域外の妹の件かな?
「さてねぇ。アイツに訊けよ!」
実際問題、どうやって戻れたのか、わからない。
「一弥か?」
「あぁ…」
何かを考え込む世良。
「その場合…一弥に何のメリットがあるんだ?」
メリットかぁ…そうだな…特に無いか。
「一弥は意味のないことはしない。どういうことだ?」
「アイツじゃ無いのか?じゃ、誰が?」
他に思い当たらない。灰原でさえ、完全な解毒剤は完成出来ていないし。
「探って見るか。済まない、こんな場所に連れ込んで、何もしないで」
えっ!何もせずに帰って行く世良…おい、ここってラブホなんだが…
◇
翌日、蘭に話し掛けると…
「私でなくて、世良ちゃんに話し掛けなさいよ!」
「どうして、そこで世良が出てくるんだ?」
「昨日、二人でラブホに入ったじゃない」
えっ…何故、それを…一弥か?
「一弥の嘘だよ」
「工藤くんのそういう誤魔化しが嫌いなの。一弥の嘘にしないでよね!私が見たんだから」
見た?ラブホ街だぞ…なんで、そんな場所に?
「どうしたんだよ、蘭」
一弥がやって来た。
「この男、一弥を嘘吐きって言うんだよ」
「どんな嘘?」
「昨日、工藤くんと世良ちゃんが、ラブホに入ったことよ」
「あぁ、それは事実だろ、工藤。俺と蘭で、あそこにある玩具屋さんに行く途中で目撃したよ。あぁ、写真も撮ったし」
アイツのスマホに、バッチリと映っている俺と世良…
「二人がこんな関係だったとは。あぁ、高校生探偵にはJK探偵が馬が合うのかな?」
「きっとそうよ。私と一弥が拳で会話するようにねぇ」
嬉しそうにアイツに話す蘭の姿…それはショックであった。
---ジェミー・ソマーズ---
聞き耳を立てて、彼らの会話を聞く限り、平凡な高校生に思える。だけど、先日送られて来た資料によると、彼は海軍の最新鋭軍艦とイージス艦を沈めたとある。どこに、そんな戦闘力を秘めているんだ?もしかして、彼もバイオニックシステムを装備しているのか?
明日は皆で集まって、収集したデータを付き合わせて、今後の方針を決めることになっている。たまには、ストレスを抜くかな。
帝都にあるクラブに行き、踊ったり、カクテルを飲んだり…清楚な高校教師姿では無く、カジュアルな服装である。周囲の女性達と変わらぬ衣装である。だけど…
「あれって、ジェミー先生じゃないか?」
「あっ!本当だ。実は遊び人だったのか…」
って、声が聞こえた。えっ!生徒が来ているのか?こんな高級クラブに…周囲を見渡すが、暗めの照明でよく見えない。なのに、なんで、私を認識出来たんだ?
「なぁ、一緒に呑まねぇか?」
ナンパされた。だけど、今はそれどころでは無い。
「おい!無視かよ?!」
右腕を掴まれて、咄嗟に投げ飛ばした。軽く飛んでいく男性。
「きゃ~!」
騒然になるホール内。しまった。酔いで力加減を誤ったようだ。逃げないと…
クラブを出て、タクシーに乗り込み、家としているホテルへ逃げ帰った。ここなら、安全だわ。
「逃がさないよ」
えっ!周囲を見回すが、気配も姿も見えない。気の性か?
「お前の呑んだカクテルは、大量の媚薬入りだよ」
媚薬入り?そういえば、身体の芯が熱い…無性に欲しくなる…快楽を…部屋に戻らないと…ン
周囲に注意をしながら、部屋に戻った。ドアを開け、部屋に入った瞬間、首筋に衝撃を受け…
◇
うぅ…ここは…椅子に座らせられている。手足を拘束され、開脚気味である。ここはどこ?なんで、こんな目に…
股間を覗き混んでいる男子…坂本一弥だ…脱出を試みるが、バイオニックパワーを発揮出来ない。
「あぁ、バイオニックシステムは、無力化してあるぜ」
サングラスをした男子がそう説明してきた。コイツは、暗部組織『グループ』の土御門元春かぁ。あぁぁぁぁ~、股間が熱い…一弥が針の無い注射器で、何かを注入していた。
「あぁ、そのバカは興味が生じると、行動的になるんだよ。今ソイツの興味は、清楚な先生が乱れるかどうかだと。清楚も何も関係ないよな?メスはメスだろ?」
あっ…ああぁぁぁ…ダメ…欲しい…快楽がもっと…股間に何かを塗り込んできた。狂いそうなくらいな性衝動…欲しい…
「一弥、ソロソロ入れてやれよ。それ、生殺しだぞ」
「そうなのか?」
あっ!乳首に一弥の舌が…それだけで、ヨダレが止まらない。
「ほら、乱れ捲っているぞ」
「おぉぉぉ~、本当だ」
そうか!一弥は利用されているのか。こいつら、暗部組織に…一弥の声から悪意は感じられない。
ズン!とした衝撃が下腹部から上半身に伝搬した。なんだ、この感覚は…一弥が突く度に、骨格が上へ上へ押し上げられていく。千切れそうだわ。上半身が下半身から…だけど、もっと欲しい。もっと…
---土御門元春---
もう精神がボロボロで、ほとんど廃人に近い。身体は問題は無いから、一弥の玩具でもかまわない。バイオニックシステムを解析し、完全の無力化にはしてある。一弥が飽きたら、返却だな。
「ただ、返却するのも、つまらないよね?」
魔女に、よからに考えが閃いたようだ。コイツ、一弥の前では純真無垢であるが、俺達の前では結構エグい。
「返却先で、殺戮マシーン化するのはどうだろうか?」
一弥が飽きた後、バイオニックシステム内を改造した。時限装置で、凶暴になる薬剤の注入と、バイオニックシステムの再起動化を行うように、装置を改修して、米国大使館へ送り付けた。あとは、アチラで処分してくれるだろう。
---クリス・マンロー---
打ち合わせ会が中止になった。理由を訊いても、教えてくれないサブリナ。
「何があったの?」
根気よく訊きだしている。ここは、米花町にあるカフェ。人目がある場所を指定してきたサブリナ。
「ケリーとジェミーがやられたの…それに、ボスレーも…」
重い口調…耳に染み入り、理解していく。その結果は、言葉が出ない程のショックである。どうして…
「後、潜水艦が2、最新鋭戦艦が1、イージス艦が1の合計4隻が沈められた。空母に搭載した戦闘機は半数ほどが使用不可になった」
我が国に、甚大な被害が出ていたようだ。
「彼がやったの?」
あの彼がやったとは思えない。私の前、いや、スタッフ全員に対し、優しい彼が、やったとは思えない。
「そう。彼がやったのよ」
サブリナの言葉は、無情にも、私の見てきた彼を否定していた。
「彼は危険よ。クリス、撤退の時期を誤らないでね。あなたが心配なの」
彼がそんな暴力的に思えないんだけど…何かの間違いでないのか?
「本当に彼なの?」
「えぇ、彼よ」
サブリナと別れて、バイト先に向かう。
「あれ?クリスじゃないか」
その彼に出逢ってしまった。どうしよう…
「これから、SPACEか?」
「えぇ…」
「今日も、頼むよ。じゃな!」
彼は笑顔で立ち去っていく。何もされない…どうして…多重人格なのか?
---坂本一弥---
世良に呼び出された。ラブホ街ではなく、ホテル街にだ。高級ホテルは、玩具が無いから好きじゃ無いんだけど…
「あぁ、待った?」
高級ホテルから出て来た世良。援交でもしているのか?
「で、何の用だ?」
「訊きたいことがある」
「今日か?かまわないぞ。そこそこ溜まっているし」
「うっ!そういうことじゃない」
「あぁ、そうだった。お前は工藤の女だったな。俺は蘭の男だ」
「一弥、真面目な話をしたいんだよ」
どこかピリピリしている世良。あの日か?
「俺はいつだって真面目だぞ」
頭を抱える世良。俺って、ダメダメ人間だからな。蘭もよく頭を抱えているし。
「単刀直入に訊く。どうやって、新一君を元に戻したんだ?」
「それは、世良が元々は老婆だってことか?」
「違うって…これが、元々のボクだよ」
「じゃ、誰?」
「ボクの母親だ…」
「親子丼で手を打とう」
固まる世良。そんな世良に抱きつく。
「おい!往来で何をしているんだ?」
我に返った世良のブラを服の上から外し、生胸感覚を愉しむ。
「お前…」
「アレが欲しいんだろ?」
弱みに漬け込み悪人な俺。
「世良と世良の母親で、スペシャルな奉仕をしてくれたら、提供してやる」
「わかったよ。こっちだ」
覚悟を決めた世良が俺を、母親の元へとつれて行った。どことなく、志保の幼い姿に似ている世良の母親。
「どうすれば、いいんだ?」
世良と世良の母親の意識を狩り取り、アレを投与して、今日の処は帰る事にした。今日の玩具は決めてあるからだ。
---服部平次---
和葉を奪還せな、あかん。どないするかな…工藤へ連絡をした。なんと、工藤はコナンではなく工藤に戻ったらしい。
『いいことだけでない。あの野郎のせいで、婚約危機だよ』
訊けば、クリス・ヴィンヤードって、米国の若手女優と婚約一歩手前らしい。
「えぇ、話やないか」
『ばぁろ~!アイツの筋書き通りだよ』
なるほど、一弥のアホんだらの敷いたレールを走行中なのか。
「なら、和葉奪還を手伝ってくれや。それなら、俺も協力を惜しまんよ」
『裏切るなよ、服部』
ってことで、どうやって東京へ行くかやな。未だに、東京への出入りは禁止である。う~ん…そうか、福井に行くと見せかけて、北陸経由で北から東京を目指すかな。うふふふ。
---坂本一弥---
カルタの全国大会に行く和葉と紅葉。
「どこで開催?」
「京都よ。お土産は何がいい?」
紅葉はすっかり標準語である。
「生八つ橋かな。後、しば漬けもいいなぁ」
「ウチもこうてくるで」
和葉は標準語の時もあるけど、気が緩むと、これである。
「そうやな、冷や飴もえぇなぁ」
「わかった。まかせぇ~」
「って、優勝しろよ。二人で決勝戦目指せよ」
「はい」
「おぉ~!」
二人を品川駅へと送りに行き、川崎に向かった。久しぶりに川神院で汗をかく為だ。
「おぉ、百代。元気か?」
「一弥…久しぶりだよな…」
モジモジしている百代。なんか、女っぽい仕草であるが。
「どうした?カマっぽいぞ!」
「おい、これでも私は女性だぞ!女子高校生だ!」
あぁ、忘れていた。そうだったなぁ。勝手知ったる百代の部屋で、道着に着替える。
「なんで、更衣室を使わないんだ?どうして、私の部屋なんだ?」
真っ赤な顔の百代。なんか、悪い物でも喰ったか?
「いいだろ?疲れたら、百代のベッドに横になれば、百代の香りに包まれて、寝られるし」
「お、お、お前…ド変態かぁぁぁ~!」
「そうだよ。最近、認識してきたよ」
って、道着に着替えて、百代のベッドへ…
「練習前に寝るのか?!」
「軽くだよ。練習後だと、自分の汗の臭いで、百代の香りが消えちゃうし」
真っ赤な顔で俺を見下ろしている百代。
「10分経ったら、起こしてくれ」
「うん♪」
そして、速攻で睡魔に襲われる俺…