---工藤有希子---
どうして、こんな風になったんだ?記憶が混乱している。英里にアレコレ言われて、部屋でアレコレ考えて…そこまでしか記憶がないんだけど…
四つん這いになり、肉棒を咥えている。股間に巨大バイブがセットされ、体内で蠢いていた。首には性奴隷の証である首輪が嵌められている。それにしてもデカい…顎が外れそうである。激痛により、目から涙が零れている。
「大人で嘘吐きって最悪だよな、おばさん」
この声は、蘭ちゃん達の彼氏か…口から肉棒が抜き取られ、仰向けにされた。蘭ちゃんと麻衣ちゃんもいるのか?
「なぁ、両脚を開いてくれ」
彼の言葉に、無言で頷き、私の両脚を思いっ切り左右に引っ張られた。痛い…身動きが出来ない。顎が痛くて声も上げられない。そんな私の股間に、何かの液体を一滴垂らして来た。一瞬で頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなっていく。マズいって…
意識が戻ると、彼の上で踊っていた。目の前のモニタには、私の醜態が映し出されていた。私から彼を求め、あれこれ奉仕している映像である。
「助けて…」
「旦那と息子に見せるって言うのは?」
「ダメ…ダメよ。こんな姿は見せたくない」
「流出物として売るのは?」
「全て買います。だから、出さないで…」
今後、麻衣ちゃんの後盾になることを条件に、解放された。
◇
自分の部屋に戻ると、クリスがやって来た。
「だから、言ったでしょ?彼は危険だと…」
「クリスもされたの?」
「えぇ…調教されたわ。身体の隅々の写真を撮られ、様々な部位の測定もされたわよ」
クリスもそうなのか…
「逆らえば、身の破滅決定よ」
そうだろうな。あんな物、優作さんにも新ちゃんにも見せたく無い。
---坂本一弥---
翌日…先生は俺を見ないようにしている。躾が効果でたようだ。今日は誰で遊ぼうかな?って考えていると、授業時間なのに、スマホが鳴動している。チェックすると土御門からメールであった。
『ペット屋 出物有り』
って…今度はどんな訳有り商品なんだ?お金は、FBIから補填されているので、買えると思うけど…ジョディと浅香の2名分の報奨金を貰えたし。
放課後、土御門と待ち合わせて、ペット屋さんへと向かった。
「コイツだ…」
緑髪の女性。薬漬か?目が虚ろであり、肉棒のギミックを握り絞め、舌で舐めている。
「性の奴隷状態だよ」
調教する楽しみは無い。彼女の番号をメモしておく。彼女だけでは怪しまれるので、周囲を見ていく。
「なぁ、なんか、薬漬けが多くないか?」
目付きがおかしいのが多い気がする。
「一弥もそう思うか?」
土御門も何かを感じているようだ。これって、なんの為に?
「入荷先は皆同じか?」
「確認してみるか」
ペット屋さんのエラい人と話し込んで、戻って来た土御門。
「みんな冒険者のようだ。性交は出来ない身体になって、売られていたそうだ」
「出来ないのに、性奴隷として売るのか?」
「まぁ、性嗜好によっては、こういう女が良い男もいるからだ。おっ!一弥、あの子を買ってくれ…」
土御門が指差した先には、銀髪の女性がいた。目は虚ろであるが、身体は問題無さそうだ。その隣のグリーンゴールド髪の女性は、対照的に全身がボロボロであった。銀髪の子を庇ったように見える。
「土御門、この3名を買う。値段の交渉を頼む」
「あぁ、打倒な線だな」
今回は3名で200だそうだ。身体に問題が無い女性は問題があったのだ。貞操帯を嵌められ、彼女がしたくても出来ないらしい。その為に、悶絶により精神がやられたそうだ。酷い拷問だな。
◇
今回はヴァーリの邸宅に運び込んだ。五和の教会が手狭になりそうだったから。ヴァーリの邸宅は大使館の機能もあり、治外法権エリアでもあるので、ちょうど良いらしい。何が良いのだろうか?
「鎮痛剤で大人しくさせて、入浴させて、全身を綺麗にして置きました」
って、ソーナ。シトリー家って、ルシファードの貴族だったらしい。
「どうします?」
「一人一人抱きしめてみるか。俺による抱き締めの効果で改善することは、判明しているし」
まず、緑髪の女性。抱き締めてみた。俺の興味は緑色の陰毛にあったから。どうすれば、あんな鮮やかな陰毛になれるんだ?根元から染まっているし、自毛なんだろうな。
「おい!一弥、お前、まさか、アンダーヘアに興味が行っていないか?」
土御門の問い掛けに頷く俺。
「コイツを治したいって、念じてくれないか?」
あれ?抱き締めるだけではダメなのか?では念じてみると、女性の表情が穏やかになっていく。
「お前の興味の先が、読めない時が多いんだが…」
「大丈夫だよ。次の興味はあの貞操帯だし」
どんな仕組みなんだ?あれ…土御門が頭を抱えている。
「お前はどうして、この緊迫したシーンで、そうなんだ?」
「気にならないか?」
「なるけど…はぁ~」
溜息を吐かれた。俺はダメダメ人間にダメ出しをされた気分だよ。
貞操帯はあっさりと外れた。俺って外す天才か?外して露わになった下腹部をソーナ達が診察をしている。
「このままでは使えないわね。炎症をおこしているわ」
じゃ、次はグリーンゴールドの女性。外傷が酷いんだけど…取り敢えず、精神をいやしていく。外傷の治癒術はアーシアが得意なので、任せることにする。
---土御門元春---
能力を使い過ぎた一弥は眠りに着いた。貞操帯の解除に、エネルギーを大食らいされたようだ。
「一弥には伝えていないの?」
ソーナに訊かれた。
「あぁ、一弥は右腕を自前の腕と思っている」
「いつか、バレるのでは?」
「そうかもしれない。だが、出来るだけ隠し通す。能力を知れば、コイツ、無茶をしすぎるからな」
ここ一番で発揮してくれれば良いんだ。俺達が出来ない事案だけ、熟してくれればいい。
「バレ無いように、俺達でアシストしていく。それだけだ」
さてと、話の出来るヤツはいるかな?
緑髪の女性は、一弥の隣に横になり、抱き締めている。添い寝希望か?
「お前の名前は?」
「リヴェリアだ。ジョブは魔術師になるかな。私達の為に、マインドロストか?」
「あぁ、不器用なヤツだから。で、どこから来たんだ?」
「迷宮都市オラリオだ」
ヴァーリが動いた。情報を集めさせている。
「それはどの辺りにあるんだ?」
「フランスの森の中だ」
フランス領か。
「どうして、売られたんだ?」
「敵対しているギルドとの抗争で、捕虜になって、この様だ…」
戦争でなく抗争か…
「何が元で争っていたんだ?」
「金だよ。迷宮で取れる鉱石を売った金だ。苦労して地上へ持ち出して、売った金を、苦労無しで奪う奴らがいてな。それらとの抗争でだ。女も鉱石同様に売れるって、気づいたバカ共のせいだ」
人身売買組織絡みか…一弥の嫌いな輩だな。
「ヴァーリ、一弥が気づく前に一掃出来るか?」
「そうだな。一弥を危険に晒す訳にいかない。やってみよう」
「そのギルドのボスの名前は?」
「ソーマだ」
「密造酒の王か…」
「ソーマだな。内偵チームを出してみる」
---坂本一弥---
柔らかい物に挟まれている。なんだろう。触れてみると乳房のようだ。誰のだ?
「おはよう…」
グリーンゴールドの髪の女性だった。
「もう、いいのか?」
「どうにか生きている。助けてくれて、ありがとう…」
逆サイドに緑髪の女性がいた。
「助かったよ。ありがとうな」
ゆっくりと起き上がると、二人も起き上がった。
「うん?お前は女性の全裸に興味無いのか?」
緑髪の女性に訊かれた。
「興味あるけど…疲れ切った後は、性欲が湧かないんだよ」
俺のアレは萎えている。いや、まだ頭がぼぉ~っとしている。意識が遠くへ去って行く。
◇
ここは?ミサカとインデックスが添い寝をしている。上にはミーちゃんがいる。俺の部屋のようだ。あれは夢だったのか?
「あっ!おはようございます」
「おはよう、ミーちゃん」
二人で起きて、二人でシャワーを浴び、キッチンへ行く。
「おはよう、兄さん」
「おはよう、数馬」
数馬と宇佐美が、朝食の準備をしていた。俺達もそれに加わる。五和は教会に戻っているので、厨房の戦力が激減中であった。そこで、宇佐美に料理を仕込み、手伝わせている。
「おはよう、一弥!」
麻衣が起きてきて、手伝い始めた。その後、紅葉、和葉も手伝ってくれた。今日は土曜で学校が休みの為、みんなで来週分の食材の下処理をしていくのだ。
「翼紗、買い物を頼めるか?」
「はい」
足り無い食材や調味料などを翼紗に頼んだ。う~ん、駅近くのスーパーまでの買い出し。近くに販売所があると便利だよな。
「数馬、住宅街に食材ショップって採算は合わないのか?」
「う~ん、どうでしょうね。住宅地は、家賃が高いから…」
そこが問題かぁ…
「山吹ベーカリーの隣に、食材ショップは有りか?」
「まぁ、あそこなら家賃は格安ですが…どの程度の品目を置くかですね」
「ここで使う物を置いて欲しい」
要望をストレートで伝えた。
「兄さんの言いたいことはわかりますが…」
難色を示す数馬。ダメかぁ…
「たぶん、あそこだと狭いと思うんですよ」
狭い?
「採算を考えるなら、もっと大きい土地に作らないとダメです」
じゃ、無理だな。この辺の地価は高いし。
「新しい箱物に、スーパーを入ります。そこで食材を積み込み、移動販売車で売る方式であれば、行けると思います」
なるほど、セントラルキッチンを作って、ケータリングみたいにして売るのか…
「まずは、箱物が出来ないと、兄さんのアイデアが活かせませんよ」
数馬は考えていてくれていた。
---ヴァイオレット---
義手が届き、装着してみた。胴体の腕の付け根の神経信号を拾える装置を胴体に装着し、そこに義手を装着したる。
「どうかな?指は動く?」
微かに動く。指も肘も手首も。腕の付け根は筋肉が機能していないのか、義手を適切に動かせない。
「インデックス、これて肩からサポートしないと、無理じゃ無いか?」
「そうだね。義手の重さに耐えられないみたいだな」
装着した義手は外され、手首から先だけ、ベッドサイドに置かれた。
「リモートで動くから、指のコントロールの訓練をしておいて。義手は改良して貰うよ」
白いシスター服を着た少女がそう告げた。まだ、働けるようだ。戦え無いでも、出来ることはあるだろう。助けてくれた彼に、恩を返したい。私の参加していた戦争は終わったそうだ。ケンカ両成敗で、どちらの陣営も得は得られない結末だったらしい。
---アイズ---
数で押し切られた。ゴブリンの集団に飲み込まれ、手足を押さえ付けられて、陵辱されていった。
「いやぁぁぁぁぁ~!」
誰かに優しく抱かれている。心の闇が消えていく。悪夢が思い出せなくなっていく。ここはどこ…あなたは誰?
重い瞼を開いていく。恐る恐る。私を抱いてくれた人は、ぴくりとも動かない。まさか、私を庇って…私に抱きついている人を見た。私と同じ位の青年である。これは、マインドロストか?意識が無いようだ。
「アイズ、目覚めたか?」
副団長のリヴェリアがいた。ここは?助かったのか?
「彼は一弥だ。アイズを癒やす為に、マインドロストするまで、能力を出し切ってくれたんだ。大切にしてくれよ」
一弥…彼の名前…
「ここ?」
「日本と言う平和な国だ」
「日本?イーストエンドにある黄金郷?」
「あぁ、そこだよ。私達は、奴隷として売られていたそうだ」
奴隷…一弥にしないとダメなのかな?
「でも、一弥が奴隷から解放してくれた。この国で、生きてみないか?一弥の元で働いてだ」
生きる…
「どんな仕事?」
彼を愉しませる仕事かな?
「彼のやりたいことを、サポートする仕事らしい」
肉棒を咥えればいいのかな?
「身体が良くなったら、アイズは剣術を極めろ。わたしは魔術を極める」
剣術?あれ?彼を愉しませないの?ちょっと、残念…
「シルとリューも救出してくれたが、二人は重傷のようだ」
「シルも?非戦闘員だよ」
「アイツらは女性なら、誰でも売るってことだ」
酷い…
---坂本一弥---
翌日…月曜日は眠い…
「一弥、寝ちゃダメよ」
蘭に起こされた。はぁ?抜き打ちテストだと…睡魔と戦いながら、難問と対峙か…
昼休み…麻衣の膝枕で熟睡し、放課後、麻衣とアーシアと共に帰宅…
「大丈夫?」
ベッドまで送ってくれた麻衣。
「なんだろう。とても眠いんだよ…」
「昨日は何をしたの?」
「昨日?あぁ、怪我人の介護…途中で寝ちゃったらしいけど」
「過労じゃないの?」
「う~ん…大丈夫だよ。たぶん…」
たぶん、巨大底なし胃袋との対決で、疲れているだけだろう。
---土御門元春---
一弥が過労気味らしい。インデックスに訊いてみた。
「あの義手が大食らい過ぎるんじゃ無いのか?」
「順調に身体に馴染んでいるよ。ただ、一弥の思いの強さに比例して、エネルギーの消費、一弥的にはカロリーの消費が多いだけだよ」
大食らいってことだろ?
「喰えば、喰っただけ、エネルギーを補給出来るお前と、一弥では違うと思うんだが」
「違うだろうな。それに『幻想殺し』は想いの強さにより、威力が上がるんだよ」
うん?エネルギーの大食らいによるマインドロストでは無いのか?精神力を大食らいしているのか??
「おい!一弥は一般人だぞ。精神力は能力者ほど多く無い。お前…一弥を潰すつもりか…この魔女がっ!」
「この程度で潰れたら、それだけの人間ってことだよ」
涼しい顔のインデックス。
「それに潰れることは無いさぁ~。だって、一弥にはミサカシリーズがいる。最低限の精神力は維持してくれているし~」
コイツ…全てを考慮しているのか。コイツの前では、一弥もミサカ達も道具に過ぎないのか?
「じゃ、お前を潰せばいいんだな?」
ねーちんと結標が現れた。何をするんだ?結標が、一弥を転移させて、インデックスにぶつけた。
「えっ!何をするん…」
インデックスから黒いモヤが湧き上がって消えていく。まさか、『幻想殺し』をインデックスに発動させたのか?
「あれ?ここは?なんで、一弥が乗っているんだ?」
「土御門、インデックスに何か取り憑いていたようだ」
ねーちんが俺を睨んでいる。それは、俺が気づいていなかったからか?
「なんで、お前、気づかないんだ?」
俺に詰め寄るねーちん。
「一弥!重いよ~」
インデックスがジタバタしている。一弥は爆睡している。寝ていても発動するのか?
「正気だったインデックスは、能力を右手限定にしていない。一弥の身体のどの部位が触れても、発動するようにしていたんだ。寝ていても発動する。一弥に助けを求める者がいればな」
「火織…助けてよ~。一弥に押し倒されたよ~」
「はいはい」
ねーちんが一弥を優しく抱き締めた。
「う~ん、まさか、あの女性達に呪系ウィルスが、仕込んであったとは…」
って、インデックス。あのペット達自体が罠だったのか。くそっ!嵌められたのか…