---坂本一弥---
学校の帰り道、蹲り苦しんでいる女性を見つけた。
「大丈夫か?」
起き上がらせて、抱き締めた。抱き締め効果の為と、胸の感触狙いであるが…なんて気持ちの良い乳房だ。彼女は着やせするタイプなのか?見た目はスリムだったが、マシュマロのような乳房がなんとも気持ち良い。
「おい!俺の彼女に何をしてやがる!」
俺のドリームタイムは、男性の怒声で終わった。女性から離れて、振り向くと、半グレグループの浜面がいた。
「おぉ、浜面じゃないか?!」
俺の顔を見て、青ざめる浜面。
「か、一弥…」
「そうか~、お前の彼女かぁ~」
「てめ~、いつからナンパ師になったんだ?」
「なってねぇよ。浜面、たまには戦うか?」
「はぁ…ふざけるなよ…」
更に青ざめる浜面。
「まぁ、寛大な俺は、お前に忠告してやる。真面に仕事しろよ!彼女が出来たんならさぁ~」
俺はその場を後にした。乳房の感触の妄想を膨らませて…
◇
そういや、五和に最近、会っていないような。ヴァイオレットも見かけない。家にはいない。そうなると変態信者が集う教会にいるのか?なので、教会に立ち寄った。そこで、聞いた衝撃的な事実…五和とヴァイオレットは海外遠征だという。
「まさか、フランスじゃ無いだろうな?」
首を縦に振る変態の長。
「五和が敵に捕まって、あんなこと、そんなことされて、回されたら、てめぇ~、どう責任を取ってくれるんだ?」
「そんなヤワではないのよな」
こいつの口調は苛つく。
「火織は?」
「バチカン…なのよな」
俺から徐々に距離を取る変態信者達。
「ふざけんなよ~!」
次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
---土御門元春---
一弥の五和と会えない為の禁断症状は深刻だった。インデックスが何かを念じると、一弥はその場で倒れ込んだ。
「お前、何をしたんだ?」
「義手に埋め込んである緊急停止コマンドを起動させた」
そんなコマンドを埋め込んであるのか?
「壊さない為の処置だよ。壊れたら一弥の料理が食べられなくなるもん」
そんな理由なのか…さすが、喰う寝る喰う女は言うことが違う。
「で、どうする?五和はいつ戻るの?」
「後、1週間は無理だな。ねーちんも、その位だな」
「その間の一弥の興味をどうするかだね」
その通りだ。番外もフランスだしなぁ。あとは、探偵の娘と、女刑事と、若手女優かぁ…ちょっとインパクトが低いかにゃ。
「インデックスが脱ぐとかは?」
「私と打ち止めでは発情しないと思うよ。あと、オリジナル体もだな」
幼児体型はダメか…後は…誰だ?
---坂本一弥---
あれ?教会にいたはずだけど…
「疲れているんじゃないの?」
美和子が隣にいてくれた。
「そうなのかな?」
「最近、会っていないもんね」
留置場に最近行っていないし…
「放置して、ごめんね」
美和子が俺の上に載った。萎えていたアレは、美和子の中で元気を取り戻していく。
「忙しいのか?」
「そこそこ…凶悪過ぎる事件は無いのが、救いかな」
平和が一番だよな。
◇
翌朝…二人でシャワーを浴び、美和子は出勤準備をし、俺は登校の準備をしていく。美和子の仕事道具から、1枚の男の写真が落ちた。
「あれ?コイツは…」
「一弥、知っているの?今、探しているヤツなんだけど…」
コイツ、どこかで見たなぁ。あぁ、浜面のところボスか…
「半グレの武装集団『スキルアウト』のボスで、駒場利徳だよ」
美和子が俺の情報をメモしている。
「サンキュー。助かったわ。前科が無いから、人物特定が出来なくて困っていたのよ」
って、笑顔で出勤をしていく美和子。う~ん、俺も放課後、探すかな。駒場は争いごとを好まないが、俺と同じで、護る戦いはするヤツである。何か、起きて居るのか?
放課後、駒場の元を訪ねた。だけど…フルボッコにされて、息も絶え絶えだった。
「どうしたんだ?」
「あぁ、一弥か…浜面を頼む…」
そこまで言うと意識が途絶えたようだ。美和子経由で救急車を手配してあげた。浜面を探すか。
駒場の抑えていたエリアは、違う半グレ集団がたむろっていた。領地闘争か?新顔のアイツらに挨拶をしていく。そして、コイツのボスの情報を集めていく。
「おもしろそうなことをしているじゃねぇか!」
アクセラレーターに見付かった。コイツも俺と同じ護る戦いを好む、俺と同じ粗暴人である。
「新顔に挨拶中だよ。なぁ、浜面、見なかったか?」
「見てねぇな。駒場に訊けや」
「アイツ、たぶんICU行きだ」
「ほぉ~、新勢力誕生か。面白い展開だなぁ」
二人で粗暴自慢をしながら、新装開店したパチンコ屋に来た。
「ここの地下に、裏カジノがあるんだそうだ」
「なるほどな…」
周囲を鉄パイプなどを持った集団に囲まれた。う~ん…
「ここは俺にまかせろ!お前は中へ行け!」
そういうとアクセラレーターが、躍動して、次々に伸していく。俺は店内に入った。方々から銀玉や銃弾が飛んできた。が、チタンナックルを嵌め、叩き落としていく。地下への階段はどこかな?
あっ、これからな?『関係者以外立ち入り禁止』の看板の向こうにある階段へ向かう。階下からは女体の叫び声が聞こえた。
---浜面仕上---
敵対組織に捕まり、滝壺が薬漬けにされ…くそっ!
「なかなか、良い女じゃないか。浜面!お前にはもったいないぞ。ふふふ」
下着姿の滝壺に抱きつく、ケダモノ達。
「おい、商品にするんだ。傷は付けるなよ!」
潮岸…代議士のクセに、半グレ集団のボスとは…
「浜面、お前も駒場の元へ行ってもらうぞ!」
もうダメだ…
ドスッ!
うん?入口に立っていた奴らが、床に倒れた。
「あぁ、ここにいたのか…浜面!」
最悪な場面で、最悪なヤツが現れた。
「貴様は誰だ?」
「浜面の彼女を横取りしよう画策中の通り縋りのバトルジャンキーでぇ~す」
ほぼ、一瞬で俺と滝壺以外の奴らの意識を狩り取った一弥。
「浜面!彼女、薬漬けか?お前はクソだな」
一弥が滝壺を抱き上げ、頬を重ねている。
「お前は、ハイエナか…」
また、誰かが入って来た。
「一弥、終わったか?」
更に絶望的な状況だ。アクセラレーターだと?
「お目当てが薬漬けだよ」
「それは災難だったなぁ。おぉ、浜面じゃないか」
俺の人生は終わったかもしれない。この凶悪な二人から逃げる自信は無い。まして、滝壺が人質に取られているし。
「さて、帰るか。浜面、彼女を一晩借りるぞ!文句無いよな?助け賃だし」
「文句は無いけど、それはダメだよ」
知らない女性が入って来た。誰だ?
「えっ!なんで、ここに?」
「一弥、浮気はダメだと思うんだけど…」
「いや。浮気とかでは無くて…」
「上に救急車を待たしているの。彼女を連れて来なさい!」
女性の言葉に項垂れる一弥。あれが、一弥の彼女か?!そんなことを考えていると、警官隊が入って来て、俺は捕獲された。あれ?アクセラレーターがいない。逃げたのか…
---坂本一弥---
五和の代わりにって思ったのに…美和子に阻止をされた。そして、別荘へ…
「浮気未遂ってことで、次の非番まで入っていなさいね」
柵の向こうには笑顔の美和子がいた。非番なんかあるのか?って、浮気未遂って、刑法にあるのか?
「そんな顔しないの。明日、非番だから、明朝迎えに来るよ」
俺はどんな顔をしていたんだ?
◇
数日後…美和子の機嫌が良くなった。毎晩、ご機嫌伺いをしてして…美和子には頭が上がらない俺。美和子のケツに敷かれているのかもしない。
放課後、有希子の亭主が待ち伏せをしていた。バレたのか?
「一弥君だね。ちょっと話がある」
二人で、工藤優作の缶詰になっている部屋へ向かった。何の話だ?
「楽にしてくれていいよ」
ペットの亭主相手に、楽になれるわけ無いだろう。
「で、有希子のことなんだが…君は、有希子をどう思っているんだね?」
アイツ、亭主に告白したのか?う~ん…
「どう?そうだねぇ。嘘吐きの大人って、思っているけど」
事実を述べた。本人達の意志を無視して、アイツが蘭と麻衣と別れろと言って来たんだし。
「嘘吐きとは?」
アイツ、事実をねじ曲げて、伝えたのか?俺は、アイツに、言われたことを伝えた。
「そんなことを言ったのか?」
「あぁ、だから、俺は二人に、二度と会わないと伝えた。それが、二人の為だと言われたからな。だけど、彼女達は望んでいなかった。あんたの女房は、とういう了見だ?二人共、工藤新一の物になればいいのか?」
「いや、それは…彼女なりの親心が、働いたのかもしれない」
「クリスがいるのに、まだ二人も息子の物にしたいのか?とんだ、ハーレムの女王様だなぁ」
話をすり替えて、話を誤魔化す。
「そうか、君達には迷惑を掛けた。その点は謝ろう」
上から目線の謝罪だな。それよりも『その点』って言い回しはなんだ?
「で、君は有希子に報復をしたのかね?」
『その点』って、そこか?
「報復とは?」
「有希子に何かしたのかね?」
「何もしていないが…どういう意味かな?」
あれは、アイツが勝手に奉仕しただけである。
「有希子がな…君に脅されたって言うんだよ」
「脅す?意味がわかりませんが…」
「君は嘘吐きなのかな?」
まぁ、嘘吐きである。そこは自己納得しているし。
「どう嘘吐きだと言うんですか?」
「う~ん…有希子と肉体関係を持っているのかね?!」
どストレートな質問だな。
「持っていないですよ。どうして、そんなことを言うんですか?」
「うっ…」
言えない部位の変化で気づいたのか?この夫婦、ずいぶんとご無沙汰のようだし。
「証拠は有るんですか?」
「証拠か?あるにはあるが…」
「その相手が俺である証拠はあるんですか?」
「有希子の自白だ」
アイツ、旦那に泣き付いたのか?
「愛する奥様の告白は信じるのですね。ならば、信じれば良い。それは夫婦間の問題ですから、俺の介入する問題では無い」
「貴様!開き直るのか?!」
「開き直る?俺は、その告白をダウトします」
「否定するのか?!」
するだろう?普通は…
「本当に、自分の息子のクラスメイトと不倫したと、奥様が自白されたんですか?」
「それは…」
「俺は工藤有希子って、女優のオナニー姿を、見たことがありますよ」
ジャブで話題を変えてみた。
「何?!」
「生では無くて、流出物の所謂裏AVってヤツですよ。確かにムラムラするボディですよね」
「裏AVだと…」
工藤優作の声は裏返っていた。
「後で、コピーして、持って来ますよ。長い夜長に見てはいかがですか?」
ショックを受け、固まった工藤優作を残し、家に帰って、支障の無い映像をDVDに焼いて、工藤優作の部屋に届けてあげた。
---工藤優作---
有希子のオナニー姿…激しい…こんなにも、彼女は溜まっていたのか。彼女を放置してしまったのは、俺の責任か…だから、彼の言葉は鵜呑みに出来ない。確かに、有希子本人から告白はされていないし。全て、俺の勘である。
そもそも、この映像はどこから流出したのだ?背景から察すると、有希子の部屋だと思うが、どこから撮影したんだ?有希子が自ら撮影したとして、何の為に撮影したのだ?
疑問が尽きない。坂本一弥…有希子とどういう関係なんだ?
プロに探って貰うか…俺は新宿へ向かった。
---槇村香---
久しぶりの仕事…問題は依頼主が男である点である。私の相棒は、依頼主が女性で無いと、快く仕事を引き受けてくれない。どうするかな。
「で、今度の依頼主は、女性か?」
相棒である冴羽リョウに訊かれた。
「う~ん…男性なんだけど…有名人だったよ」
「有名人?誰だ?」
あっ、興味持ってくれたようだ。
「工藤優作よ」
「頭脳明晰な彼から依頼?殺しか?」
「浮気調査よ。奥様の工藤有希子の浮気の調査!」
だけど、浮気の調査だけでは、わざわざスイーパーには依頼しない。浮気が確認できれば、相手を殺せってことなんだろう。
「おしどり夫婦は、実は仮面夫婦だったのか」
参考資料を見せるか…優作氏から預かった流失物のAVを再生させた。
「どうして、工藤有希子は、こんな映像を撮影したのか?だって…」
「そこに男の存在を疑っているのか?」
「そんな感じよ」
「で、容疑者はいるのか?」
依頼主が男なのに、ずいぶんと真剣である。
「息子さんの同級生の坂本一弥だって」
「坂本一弥?」
一瞬、リョウが固まった。高校生にビビってのか?有り得ないよね?
「まさか…あの坂本一弥か…う~ん…」
「あのって?」
「裏の世界のキングに上り詰めたヤツがいるんだ。ソイツの名前は坂本一弥、職業は高校生だ」
うっ!情報がドンピシャなんだけど…まさかねぇ。
「たぶん、工藤有希子が、何かをしでかして、彼の逆鱗に触れたんだろう」
「じゃ、浮気は事実?」
「浮気はしていない。強要だろうな。二度と逆鱗に触れるように、罰を与えているのだろう」
落とし前ってことか…
「救い出せないの?」
「夫婦で謝罪をしていないんだろうな。このヤマ、ヤバ過ぎるぞ」
「ヤバ過ぎる?」
「あぁ、香、断れ。この件には関わるなよ。深入りすれば、大事になる」
「なんで?ただの高校生だろ?」
「ただの高校生が、裏の世界のキングになれると思うか?」
あぁ~、そういうこと…とっても危険な香りがするわね。
「関われば、香だけでなく、俺の周囲にいる女性達が、何かされるぞ」
それは、冴子さんとか、麗香さんとか、冴子さん?
「断って来い!いいな、香」
久しぶりの仕事なのに…断るのか…まぁ、リョウが危険だと判断した以上、引き受けられないわね。