※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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記憶に無い偉業

 

---坂本一弥---

 

なんか色々遭って、学校へ通っている感が無いんだけど…

 

ウザミンが朝からウザい。俺の腕に抱き付き、頬ずりをしている。蘭と麻衣がいない上、和葉、紅葉もいない為、俺の両腕はフリーであるから。まぁ、片腕はミーちゃんがキープしているけど。

 

「おい、お前、ウザいぞ!」

 

「ウザミンだから、ウザいんですよ~」

 

言い方もウザいんですが…それに、ウザいから、宇佐美では無くウザミンになったはず。

 

俺の苛立ちを気にすること無く、ウザいマネをしまくる妹のウザミン…妹でなかったら調教して遠ざけるんだが…

 

「宇佐美、兄さんがキレ始めているよ」

 

数馬が俺の変化に気づき、ウザミンに注意をしてくれた。

 

「キレたら、私の愛で包み込んであげますわ」

 

いや、包まないでいい…ダメだ、こいつ…

 

◇

 

ウザミンパワーに押し切られ、朝から眠い。蘭からのツッコミは無いし…園子と世良は俺から距離を取っている気がする。工藤一家の追放が影を落としているのかもな。

 

急な沈み込みを感じ、目が覚めると、そこは学校では無かった。隣には大精霊チラエロメイド服の火織と、バドスーツに身を包んだ五和がいた。

 

「お目覚めですか?もしかして、今の乱気流で目が醒めましたか?」

 

恥ずかしそうな笑顔の五和。もしや、ノーパン、ノーブラなのか…五和をガン見している俺。

 

「私の事もガン見してくださいね」

 

って、背中に気持ち良さを感じる。幸せだ…だけど、土御門に完敗した気分で一杯である。

 

◇

 

そして、再び大英帝国の地に足を踏み入れた。一旦、あの老女の宮殿に行き、明日インデックスの母校へ向けて旅立つらしい。

 

「今回は三女のヴィリアンを同行させるよ」

 

相変わらず口調が汚い老女。

 

「キャーリサが良いんだけど」

 

希望を伝えた。

 

「あやつは今回の件に適さないんだよ。気に入ってくれたみたいで、嬉しいけどな」

 

「まぁ、秘書としてお気に入りな程度だよ」

 

「始めはその程度で良い」

 

このエラそうな老女は、どうにかならんか?インデックスも歳を重ねると、こうなるのか?

 

翌日…インデックスと同行者が馬車に乗り込んでいく。同行者は俺、ミサカ、ミーちゃん、ヴィリアン、土御門、アーシア、ルフェイ、ロスヴァイセ、アイズ、リヴェリアだ。

 

「なんで、五和も火織もいないんだ?」

 

土御門に訊いた。

 

「今回の件に適さないんだよ」

 

「じゃ、行きたく無い」

 

「そういうなよ。アイズとリヴェリアを好きにしていいから」

 

まだ、二人共怪我人である。無茶が出来ないし…ブツブツ言っていると、馬車はキングス・クロス駅に到着して、9番線と10番線のあるホームの柱の前に連れて行かれた。

 

「この柱に走り込むと、9と3/4番線のホームに行けるんだよ」

 

って、インデックスが自慢げに話し、実戦した。あれ?インデックスの身体は柱に弾かれることなく消えた。じゃ、俺も…

 

ガッツン!

 

柱に激突し、弾かれる俺。痛い…なんだ…

 

「おい、一弥…大丈夫か?!」

 

「一弥、死なないでって、ミサカはミサカは泣き付く」

 

「いや、死んでいないから…ミサカ」

 

ミサカの頭を撫でて安心させる。なんか、久しぶりに星を見たな…

 

 

 

---土御門元春---

 

あちゃ~。『幻想殺し』の効果で、魔法の扉の効力を無効化したようだ。柱に激突し、脳震とうを起こした一弥をアーシアとリヴェリアが回復させていく。

 

「どうしたんだよ?」

 

魔女が戻ってきた。

 

「お前、説明不足だ!一弥がダウンしたぞ」

 

「うん?あぁ~、アレが機能したのか。そうだった、忘れていたよ」

 

おい…打ち所によっては、死んでいたぞ。マジで…

 

「お~い!一弥、番外と打ち止めと手を繋いで行けば、問題ないから」

 

「もう、走り込むのが恐い」

 

さすがの一弥も鉄柱相手にタックルでは勝て無いようだ。ゆっくりと近づいて行く一弥。だけど、

 

ドン!

 

背後から、インデックスが猛タックルを噛まして、一弥達をあちら側へ連れ込んだようだ。

 

「じゃ、俺達も行くぞ。あっちに出たら、アーシアとリヴェリアは、引き続き一弥の回復を頼む」

 

先が思いやられる…本当に大丈夫なのか?マグルを連れ込んで…

 

 

 

---坂本一弥---

 

ホグワーツ特急の特別列車って言うのに乗車した。脳震とうを起こした俺は、アーシアとリヴェリアに回復魔法を掛けて貰っている。ミサカが抱き枕になり、しばしの睡眠という脳震とうの続きを始めた。

 

そして、半日を掛けて、ホグズミード駅に到着した。ここって、どこなんだ?駅を出ると赤い絨毯が敷かれていて、その先に馬車が待っていた。絨毯の上をエラそうに歩くインデックスとヴィリアン王女。俺達は後方にいる荷馬車に乗せられた。この待遇の違いは何?ミサカを抱き抱え、護る様に荷馬車に乗った。

 

荷馬車は廃城に向かっているようだ。インデックスは高級ホテルか?なんか、割に合わないんですけど。で、急に馬車が止まった。

 

「おい!マグルがいるのか?」

 

マグルって何だ?

 

「話はついているって、インデックスが言っていたぞ」

 

「聞いていない。マグルは置いて行くぞ」

 

「おい!待て!」

 

って、え…俺とミサカとミーちゃんだけ、廃城の前に放置された。閉ざされた門には『危険、入るべからず。危ない』と書かれた注意書きがぶら下がっている。

 

「置き去りって有り得ない。ここはどこだよ」

 

「う~ん、わかんないって、ミサカはミサカは困惑中。ここどこかな?GPS信号が届かないし…」

 

「ネットワークにも繋がらない」

 

ミサカとミーちゃんですら困惑している。どうするよ、これ…

 

「駅まで戻るか…」

 

って、お金も無いんだけど…ミサカを抱き上げ、ミーちゃんと、歩き出した俺。

 

 

 

---土御門元春----

 

有り得ない…一弥を置き去りって…アイツ、金を持っていないんだぞ。番外と打ち止めが、少し持っているとは思うが、あの駅って、マグルは利用出来ないじゃないか。

 

「アレ?一弥は?」

 

インデックスが訊いて来た。

 

「マグルだからって、道ばたにポイされたぞ」

 

「なんで?どうして?」

 

困惑しているインデックス。罠に放ったのか?マズいぞ…

 

「嘘っ!」

 

王女の顔色が悪い。この辺りは危険だからな。特に夜は…

 

「探しに行くぞ!」

 

「それはなりません。マグルは連れ込めないルールですから」

 

って、エラそうなヤツが、俺達を止めた。誰だ、コイツ…

 

「スネイプ!約束が違う。一弥はいいって言ったよね!」

 

スネイプ?コイツが「半純血のプリンス」セブルス・スネイプか。

 

「まさか、マグルとは思いませんでしたよ。ここにいる皆様は、来賓ですので、ここでは勝手な行動をされては困ります」

 

って、インデックスに何かの術を発動したスネイプ。

 

「お前…まさか…」

 

「禁断の目録を開かせてもらいますよ。禁書目録の精霊よ!」

 

インデックスは意識を失い、禁書目録としての機能を取り戻したようだ。マズい。マズすぎる。

 

「おい!インデックスを取り戻すぞ!」

 

ズドーン!

 

攻撃布陣に展開しようとした時、スネイプは壁に吹き飛ばされていた。

 

「おい!俺のペットに何をしているんだ?!」

 

一弥だ。キレている。まぁ、いいか。この状況だしなぁ。一弥は床に右手の手の平を当てた。その瞬間、部屋のアチラコチラで何かが弾けていく。魔法霊装や結界なんかが、無効化されているようだ。

 

中央の大きな扉が開き、長い顎髭の人物が現れた。ダンブルドア校長だ。

 

「スネイプ!何をしているんだ!貴様は…えっ…スネイプ…」

 

既に意識は飛んでいるようだ。脳震とうだろうにゃ。で、一弥は暴走中である。破壊出来そうな幻想物を次々に破壊している。誰も止めに入らない。どうせ、止められないからだ。

 

「おい!彼を止めてくれ!」

 

顔から血の気が失せている校長。一弥の危険性を見抜いたようだ。

 

「インデックス以外止められないよ」

 

当のインデックスは、スネイプの発動した魔法により霊装化しており、これも止められない状態であった。いや、一弥が触れれば、止まるはずだが、この場には一弥に指示を出せる者は誰もいない。

 

「禁書目録を発動したのか…なぁ、止めてくれ。あんな物が発動したら、ここは終わりだ」

 

「大丈夫だ。ここだけでなく、世界も終わるから」

 

『一弥…お願い…私を消して…』

 

インデックスの声…物凄く切なそうだ。

 

『一弥…フレンチトーストを食べたいって、ミサカはミサカは要望します。だから、インデックスを止めてよ。世界が終わっちゃうよ。もっと、一弥といたいよ~!』

 

打ち止めの声…いや妹達の声が重なっているようだ。ネットワークの総意ってことのようだ。何かの波動を感じ、目の前が一瞬眩しい光に包まれた。終わりの時か…が、終わらなかった。

 

ドサッ!ドサッ!

 

と、何かが倒れる音が2回した。霊装化を中断したインデックスと、打ち止めとインデックスを抱えている一弥が床に倒れていた。番外が近寄り、一弥の頭を自分の腿の上に置き、膝枕にして寝かせている。世界は救われたのか?

 

「助かりました」

 

一弥に跪くダンブルドア校長。

 

 

 

---坂本一弥---

 

目が醒めると知らない部屋のベッドで寝ていた。ミサカとインデックスが添い寝をしている。まぁ、場所を考慮しなければ、いつもの光景である。で、ここはどこ?

 

なんだろうか。全身が筋肉痛のようだ。なんか、やったっけ?記憶を遡る…そういや、ツルハゲのヤツに絡まれて、交戦し始めて、ミーちゃんがケガを負わされて…そこから、記憶がまるで無い。また、脳震とうでもおこしたのかな?

 

「おはようございます」

 

そのミーちゃんがやって来た。

 

「ケガは?」

 

「アーシアに治して貰いました。だから、大丈夫ですよ」

 

「それならいいけど…ここはどこ?」

 

「ホグワーツ魔法魔術学校にある医務室ですよ」

 

それって…

 

「インデックスの母校か?」

 

「そのようです」

 

ふ~ん、そうなのか。安心したら、眠気が…

 

 

 

---土御門元春---

 

一弥の役周りが見えてきた。禁書目録の精霊であるインデックスの切り札のようだ。魔法、魔術、霊装などのマグルから見たら幻想的な現象を無効に出来る、最終兵器って位置付けのようだ。

 

何故、一弥だったのかは、坂本流の免許皆伝者であり、物理攻撃に対して、絶対的に防ぎきれる能力保持者であるかららしい。あと、先祖譲りのコネ作りの達人であり、なによりもインデックスと坂本龍馬の約束が一番重要なポイントだという。

 

「私は約束したんだよ。龍馬を助けられなかった。だから、彼の子孫で、彼と同じ立ち位置になる者が産まれたら、今度こそ夜明けに向けた想いを護ってあげるって」

 

あのインデックスが熱く語っていた。一弥に見せてあげたいが、アイツは無理をしすぎてダウンしていた。

 

闇の魔法使いである闇の帝王を、一弥は消し去ったようだ。『幻想殺し』の能力を使って。いや、『幻想殺し』が一弥を使ったのかもしれない。魔法や魔術による攻撃や特殊能力による攻撃は一切、一弥には効果が無い。そう、一般人以外の相手であれば、一弥は負けることは無いのだ。その上、一般人の攻撃に対しても、一弥が負けることは無い。世界最強のマグルであるのだった。

 

「大金星だよね。あの名前を言えないヤツを倒すだけでなく、ロストさせちゃうんだもの」

 

まぁ、大金星ではあるが…たぶん、一弥自身は何が起きたのか、理解していない気がする。

 

「俺もそうだが、俺以上にお前は、説明不足過ぎるだろう?」

 

「説明しても、一弥は知恵熱出ると思うけど…」

 

それはそうなんだが…それはそれで…

 

「で、どうするんだ?」

 

「うん?全て片が付いたよ。一弥がホームシックになる前に帰ろう」

 

はぁ?やりっ放しか?

 

 

 

---坂本一弥---

 

目が覚めると、俺の部屋で寝ていた。あれ?夢だったのか?インデックスの母校に行ったのって?インデックスとミサカが添い寝をしている、いつもの光景である。で、ここは俺の部屋で間違いは無い。なんか、解せないが…

 

頭がズキズキするし、筋肉痛も酷い。何故?何をしたんだ?

 

「おはようございます」

 

五和が入って来た。普段着である。バドスーツでは無いのか?

 

「起き上がれますか?」

 

「頭が痛い。筋肉痛も酷い。俺は何をしたんだ?」

 

「悪い奴を倒したんですよ。じゃ、珈琲をお持ちしますね」

 

五和が部屋を出て行った。悪い奴を倒した?服部平次を倒したのか?どうやって?う~ん、思い出せない。なんでだぁぁぁ~!

 

◇

 

曖昧な記憶の中、知らない間に1週間が過ぎていた。なんか、物凄く損した気分だ。久しぶりに行った学校で、表彰された。はて?なんかやったかな?

 

「スゴいじゃないか。大英帝国とバチカンから感謝状を貰うって」

 

世良に言われた。が、まるで記憶に無い。

 

「バチカンは行ったことないんだけど…何をしたんだ、俺…」

 

「大英帝国は行ったことがあるのか?」

 

「あぁ、3回ほど…」

 

「何しに?」

 

園子が聞き耳を立てているようだ。

 

「宮殿にいる老女に呼び出されてだ」

 

「宮殿って、バッキンガム宮殿か?そうなると老女って…おい!女王陛下じゃないのか?」

 

「どうだろうか?あぁ、娘が王女とか言っていたかな」

 

世良と園子の顔から血の気が引いていく。何を驚いているんだ?

 

「お前…何をしているんだ?学校を休んで…」

 

園子の声が震えている。

 

「何だろうな?気づくと、キャーリサのプライベートジェットの中が多いし」

 

「おい…それって、第二王女のキャーリサ様か…」

 

「う~ん、次女だったはずだから、第二だな。先週はヴィリアンが一緒だったような」

 

「ヴィリアン…それって第三王女だぞ」

 

世良の声も震えている。どうしたんだ?何も驚くことは言っていないし。

 

「一弥…お前は何者だ?」

 

園子に訊かれた。

 

「お前、痴呆症か?俺はお前の幼なじみだろ?忘れるなよ」

 

って、俺も記憶に自信が無い、今日この頃である…

 

 

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