---工藤新一---
知らないアドレスからメールが届いた。う~ん、まさかの暗号通信か?俺へのメールは傍受されている可能性は大だし。あれこれ、解読を試みて、漸く解読出来たのは1週間後だった。
『YXMO 1412』
これはキッドからのメッセージである。YでなくてMってことのようだが…まさか、一弥でなく数馬ってことか?俺達の敵は…キッドも身動きが取れなくなってきたのかもしれない。こんな連絡手段を使うとは。あと、使える駒は誰だ?
---坂本一弥---
街中を練り歩く俺達。めぼしい店は呑み屋程度である。
「魔力の異常値は無いなぁ。どこかに隠れているのか?」
火織が方々に目をこらしている。俺には見えないからな、魔力って物が。
「うん?」
ある冒険者パーティーが目に入った。一人だけ重装備であるが、残りの3名は防具すら装備していなかった。
「火織、あのパーティーは強いのか?防具無しが3だけど」
火織とミーちゃんが臨戦態勢に入っていた。アイツらが敵ってことか?
「おい!なんだよ!」
リーダーらしき男が、妙な手つきをしている。うねうねと動く指先、狙いは火織か?男が何の呪文を唱えて、何かを発動した。俺は火織の前に出て、火織の盾になった。
「一弥!全員の頬を叩け!」
火織の指示。瞬動術で、相手全員の頬を軽く叩いた。
「えっ!ナニをしたのよ!」
水色の髪の少女が声を上げた。
「魔女裁判所の者だ。全員に出頭命令を出す」
火織が捜査令状を手にして、相手全員に見せた。
「魔女裁判?魔女なんか、いたっけ…」
リーダーの男性が片目の少女を見た。
「カズマ…私は魔女では無い。紅魔族随一の爆裂魔法の使い手だ」
魔族?ミーちゃんが素早く動き、その少女にお札を貼ると、少女はこの場から消えた。ミッション終了か?
「めぐみん!貴様、めぐみんをどうしたのだ?」
剣を手にした重装備の女。振り上げた剣の横っ面をチタンナックルでブーメランフックをたたき込んだ。
パーン!
金属らしくない音で、剣が折れた。剣としては厚みがありすぎるようだ。あれじゃ、キレ味が悪いだろうに。
「何?」
驚く女剣士。
「うっ!」
水色の髪の少女が倒れ込んだ。背後に五和がいて、何かをしたようだ。となると、聖属性の魔女ってことかな?
「一弥、撤収だ!」
火織、ミーちゃん、五和、俺は後方支援隊まで転移した。
◇
「さすが、一弥だ。効率がいいぞ。半日で3人の魔女を捕縛するとは」
土御門に褒められてもなぁ。最初のアイテム屋さんの店員さんは、即日送検され、執行猶予1年実刑死刑の判決が下された。1年間、何も問題が無ければ、無罪になるらしい。しかし、ちょっとでも怪しい行動をすれば、聖水による死刑が行われるそうだ。その為の魔具を取り付けられていた。魔女って、聖水で死んじゃうのか?
二人、三人目は、裁判所送りらしい。
「ちょっと、待て!」
魔女を入れた檻を飛行機に積み込んでいると、先ほど出会った重装備の少女が、やってきた。
「彼女達は魔女では無い。それは私が保証する」
胸元から家紋の入ったペンダントを取り出し、掲げた。
「悪いが、そんな物、俺達には通用はしないにゃ」
土御門が、せせら笑っている。
「では、どうすれば、信じてもらえるのだ?」
「信じるも何も、そんな小国の貴族程度の家系で、権力を使おうとするのが、気にいらない。そうだろ、キャーリサ」
貴族系のことはキャーリサに丸投げが良いらしい。
「そうね。交渉相手としては、小粒すぎるわ」
「まさか…大英帝国のキャーリア王女様…」
重装備の少女の顔が強ばっていく。
「そうよ。私はキャーリサ。まぁ、あなたの身体の価値次第で、保証額を決めましょうかね」
それは…
◇
全裸になったダスティネス・フォード・ララティーナ、通称ダクネスと言うらしい。貴族ダスティネス家の令嬢にして聖戦士らしい。捕縛した魔女の仲間だと言う。
「どうすれば、良いのだ?」
魔女の仲間であると認めた時点で、コイツも有罪らしい。そのことに気づいていない上、仲間の無罪釈放の為に、身体を捧げると言う。捧げ損の気がするのだが、キャーリサと土御門は、もらえる物はもらってしまえと言う。そういう物なのか?貴族社会の常識とは…
金髪のロングヘアで、身体付きは肉太にした加奈って感じで、期待が出来る身体付きである。
「まず、そのオイルを自らの全身にくまなく塗り込め」
媚薬成分たっぷりのオイルをダクネスの前に置いた。何の疑いも無く全身に塗り込んでいくダクネス。
「うっ…」
真っ赤な顔でうつむいたまま、固まったようだ。
「どうした?手が休んで居るぞ」
「はぁぁぁ~」
腰が動き始めている。悶々としてきたようだ。飛行機は大英帝国領内に入ったようだ。
「塗り終わったぞ…」
真っ赤な顔でうつむいているダクネス。オリが降ろされて、トレーラーに乗せられている。そのことに気づいていないのだけど…いいのか?
「うん?塗れていない場所もあるが…」
割れ目の内側に塗り込んでいく。
「そこは…ダメ…ダメです…」
又を固く閉じたので、アナル周辺に塗り込んでいく。
「そっちもダメ…いやぁぁぁぁぁ~!」
って、飛行機は帰路に入っている。日本まで連れ帰ることになりそうなんだけど…そうそう、うなじと耳タブとかにも塗り込んでいく。あぁ、唇と鼻の穴の中も…
「はぁ…はぁ…はぁ…」
目つきがいっているダクネス。
「じゃ、口で奉仕してくれ」
うぉっ!いきなり口に頬張った。まず舌ででは無いのか…欧州人は貪欲なんだなぁ。テクニック重視では無く、ワイルド重視というか、気持ちがさほど良くない。
「お前の中はどうだ」
押し倒して、交わってみる。う~ん…緩い…腹筋がスゴイのに、締める力はそうでも無い。
「どうしたの、一弥?」
俺の表情が良くないのか、キャーリサが心配そうに訊いて来た。
「見た目はエロいのに、中身はそうでも無いんだよ」
「調教が必要ってことかな?」
「基本が分かっていないような…テク以前の問題と言うか」
口に含むだけ、身体に入れるだけ…どうなんだろう、これって?加奈のように入れるだけで、極上気分なら問題は無いのだが…これは、不合格だな。
キャーリサと共に、隣の部屋に入った。そこには手足を拘束したボーイッシュな少女がいた。
「この子は?」
「魔女のようなの。名前はクリス。ダクネスの親友ってことだから、この子だけ連れ出してきたのよ」
見た目、真澄より少年に近いんだけど…スキンシップをしてみる。一瞬こわばり、徐々にとろけていく。ダクネスより気持ちは良い。中はどうだ?
「えっ?どうして?」
涙目で俺を見るクリス。そういや、クリスって三人目だな。
「仲間にクリスって、もういる。だから、お前はエリスにするいいな」
「どうして、それを…」
何かに驚いているエリス。なんだろう?無いはずの胸に見えない谷間があるような。とても安らぐのは不思議である。
「ダメ…そこで寝ないで…」
◇
気づくと、自分の部屋のベッドの上にいた。俺の下にはエリスがいて、エリスを抱きしめていた俺。
「どうして、アタシなんですか?ダクネスの方が女性らしいのに…」
「あぁ、アイツ、残念な身体なんだ。安らげ無いんだよ」
「そうなんだ…」
「アイツは返品だな。エリスは一緒にいて欲しい」
って、そのまま、睡魔に誘われて…安らげるなぁ~。
---エリス---
目の前に魔女がいる。まさか、魔女狩りの責任者が本物の魔女って、どんなジョークだ?私もアクア先輩も、異教の魔法使い程度である。この魔女に、狩られる程の魔女では無いはずだ。
「エリス、久しぶりね」
笑顔の魔女。
「なんで、こんなことをするの?ねぇ、みんなは無事?」
「無事だよ。能力は使えなくしてあるけど」
「なら、開放してよ」
「エリスはダメだよ。一弥が気に入ってしまったからね」
一弥って、あの青年か。
「彼にどんな恩恵を与えて、何を得たの?」
「『幻想殺し』を与えて、私達の主を得たの」
魔女の表情に狂気に似た物を感じた。彼に、そんな物を…だから、彼に触れられた瞬間、能力がロストしてのか…異能力を一瞬でロストさせる能力だ。触れられただけで、二度と行使出来無くなる、魔法使いキラーな能力である。魔女再度にそんな物があるのか。更に恐ろしいことに、夢や願望、欲望などの心に描いた事さえ消し去ることが出来るらしい。
「エリスが自由になりたいって、幻想だよね?そんな幻想は、ここでは叶わないのよ」
あっ!それは、彼の望まぬことは、叶わないってことか。
「ここで、一弥のペットになるのが運命だよ。逃げようとは思わないことだ。お前にも、お前の仲間にも魔具を取り付けてある」
現存する最強の魔女インデックス…十字教が誇る魔法の頂点である。それに勝てるのは、科学の頂点と言われるラストオーダーと、悪意の塊のワーストだけだ。この3名はジョーカーと呼ばれていて、各勢力が仲間にしようと、アノ手この手をつかっているとか。
「あぁ、他の2枚を味方に付けようと思わないことだ。それは、叶わないことだからね」
勝ち誇ったような顔の魔女。
「エリス、協力をしなさいね」
「うっ!」
いきなり、うっすらとした乳房を鷲掴みにした少女…その目には悪意が宿っていた。まさか、この子がワーストワン…
「ラストオーダーもいるんだよ、こっちにはなぁ」
更に強く掴みワースト。痛い…ちぎれちゃう。
「千切れたら、アイツが新しい着け胸をつくってくれるよ」
狂気に塗れた思考…殺される…
「殺さないよ。一弥が気に入っている間はな」
思考が読まれている。ミサカネットワークの力か?そんなことを考えていると、一瞬にして空気ががらりと変わった。何が起きたのだ?
「マズイ、一弥が目覚めたよ」
魔女の表情が柔らかくなっていく。ワーストも、他のヤツラの表情もだ。どういうことだ?
「ほら、エリス。来い!」
ワーストに連れて行かれる。
「あれ?ミーちゃん、どうしたんだ?」
「新入りをトイレに連れて行ったんだよ」
ワーストから悪意を感じられない。逆に愛おしいと言う逆の意識を感じる。これは…彼女は、彼を主として認めた証か。
「そうなのか。むにゃむにゃ」
眠そうな彼。
「一弥、もう少し寝た方がいいな。今ラストオーダーを連れてくる。一緒に寝ていな」
「うん…」
ラストオーダーもいるのか…3枚を同時に所有した主ってことか…
---黒羽快斗---
怪盗から足を洗い、手品師のプロを目指すことになった。高校を卒業したら、青子と…なんか、他人に敷かれたレールを走るのは抵抗がある。が、青子と一緒になるってことは、犯罪に手を染められないってことだ。バレ無きゃいいって思える時もあるが、万が一もある。
いや、青子と一緒にならなきゃいいのか?例えば、紅子とか。その場合、青子をどうするかだな。アイツに託すか?アイツなら安全なはずだが…
「青子…」
「ごめんね。そんな気になれないよ」
あの日以来、沈んでいる青子。アイツがそんなにいいのか?
「一弥のことが忘れられないのか?」
「うん…」
えっ!正直に素直に頷かれた。それはそれでショックなんだけど…
「アイツのどこがいいんだ?アイツ、セフレが多いだろ?」
「そうだね。多いね。でもね、快斗みたいに、私の身体を馬鹿にしないの」
それは、テレ隠しだって…
「私の身体を愛おしく愛してくれるの。でね、ダメな時はダメって言ってくれるんだよ。有耶無耶に物事をしないんだ」
なんか、一弥の話になると、目に活力が戻る青子。そんなに惚れていたのか…調教とか洗脳とかとは違うようだ。そもそも、そこまでしたら、返すマネはしないだろうし。
「わかった。お前の気持ちを、アイツに贈ろう」
青子の為にも、俺の為にもなぁ。
---坂本一弥---
コイツ、懲りないのか?怪盗キッドがまた潜入してきた。
「なぁ、話を聞いてくれ」
明日の児嶋対策を練っている時に…なんてタイミングなんだ。土産物を買い忘れた俺。キャーリサ達も忘れていたそうで、今まさに対策を練っていたのだ。
「何の話だ?明日じゃダメか?」
「直ぐに終わる」
では終わらせよう。今日は、コイツと遊んでいる時間は無い。
「青子を…頼めないか」
「新しい玩具が手に入ったから、頻繁には無理だけど…」
正直に答える。後で面倒事はゴメンであるからだ。
「それでいいよ。青子の気の済むようにさせてやりたいんだ」
まるでルパンのようなことを言う。手に余ったのか?ルパン同様に、コイツも淡泊なのか?
「お帰りは玄関から出ろよ。今後、警報を鳴らすな。近所迷惑だからな」
「あぁ、今後は玄関から入るようにする」
キッドが玄関から出て行った。
「で、どうしよう。児嶋対策は…」
キャーリサに再度訊いた。
「土産物になりそうな物ですよね?」
キャーリサが何点かを床に並べた。一流ブランドの香水…これで行くかな?試しに香りをチェックする。う~ん、好きになれない。何点か試して、気にならない香水があったのだが、無香料ってあるけど…香水って書いてあるし。
「これどうかな?」
「これですか?」
キャーリサが苦笑いしている。うん?ダメかな?
---黒羽快斗---
家に帰ると、知らない男が待っていた。どっちの勢力のヤツだ?
「お前が黒羽快斗か?」
「そうだけど、お前は?」
「悪党だ。で、お前は伝えることがある」
悪党?名前か?
「お前の探しているビッグジュエルはもう無い。涙を出して処分した」
そう言うと、屋根を突き破って出て言った男。おい…突き破るって…何も考え無いのは、一弥のサイドだな。そうか、もう無いのか。だから、俺に引退勧告をしたのか…アイツの弟は…
たぶん、一弥にとって、俺は気にならない存在なんだろう。玄関から出入りしろって言うくらいだ。俺をジャマだと思っているのは弟の数馬なんだろうな。アイツ、一弥のカゲで何をしようとしているんだ?