※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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一弥死す*

---坂本一弥---

 

久しぶりの留置場…柵越しに笑顔の美和子がいる。

 

「今回は、誤認逮捕だってねぇ」

 

「若い女性を監禁だって…俺は強制していないんだけど…」

 

濡れ衣である。親元を離れて暮らして居る少女が多数いるだけで、監禁って…この国の刑事はバカか?

 

「蘭も、和葉も、紅葉も、明日奈も、自分の意思で、移り住んでいるんだけどな」

 

「だよね~」

 

「その上、身分証明書が偽造だって言うんだよ。あの証明書はババァが作った物なのにだよ」

 

身分証明書の提示を求められて、キャーリサが出した証明書。大英帝国のロイヤルファミリーの物だった為、偽造だと決め打ちされた。まぁ、こんな札付きが持つような物では無いものなぁ。

 

「キャーリサも、女性専門の留置場へ入れられているわよ」

 

苦笑いしている美和子。まぁ、疑われるよな。王女が住む環境では無いし。

 

「シル達は入管の留置場にいるわよ」

 

奴隷市で買った為、彼女達のパスポートなんか無い。

 

「それぞれの国へ強制返還だって。帰れば再度、陵辱の上、奴隷として売られるでしょうね」

 

真顔になる美和子。たぶん、生かしておかないかもしれない。奴隷として売れば、再度救出される危険があるからだ。

 

「俺のやっていることは間違っているのかな」

 

「一弥は悪くない。悪いのは、この国のシステムだと思う」

 

ダメシスター達教会関係者達は、土御門の機転で、難を逃れたそうだ。麻衣と美琴は、さーやの家に逃げ込み、難を逃れたそうだ。

 

「どうなるんだ?シル達の強制返還だけは、阻止したいんだけど」

 

ここにいたら、何も出来ない。

 

 

 

---目暮十三---

 

事態は緊迫していた。警察庁と、外務省、防衛省が対立している。ICPOの手配書に、何故か国際テロリストとして載っていた一弥君。警察庁はICPOへ借りが出来ると喜んでいた。だが、大英帝国、ルシファード帝国などの後盾国の猛抗議が、外務省と防衛省へ集まっているそうで…

 

「警部!一弥は悪いことはしていない。なんで、身柄拘束の上、引き渡しなんですか?」

 

佐藤君の猛抗議。

 

「全米民主国がICPOを通じて、一弥君を国際テロリストとして、手配していたそうだよ」

 

「どんなテロをしたのですか?」

 

「してからでは遅いので、する前に死刑が妥当だと言っているそうだ」

 

あの国の不利益になる為に、死刑にするらしい。

 

「おかしいでしょ?」

 

おかしい。だが、

 

「一介の公務員に過ぎない私達では、どうにもならないんだ。既に問題は国際問題に格上げされているからな」

 

国連決議は難航しているそうだ。ロシアと大英帝国が、全米民主国の主張に反対している為らしい。どうすれば良いんだ?

 

 

 

---土御門元春---

 

俺達は大英帝国へ脱出した。一弥とキャーリサを残して…インデックス、ラストオーダー、ワーストの身の危険が生じた為で、トカゲの尻尾切りって感じである。

 

「どうするんだ?おい、インデックス!」

 

「どうもこうも無いよ。一弥を救いたい」

 

「誰が裏切ったんだ?いや、誰が全米と手を組んだんだ?」

 

「わからない。ネットワークに引っかからない」

 

ワーストの目には涙が浮かんでいる。世界の命運を握る3名が揃っているのに、一弥を救えない事に、悔しさを感じているようだ。

 

「一弥が消えて得するヤツって、誰だ?」

 

「工藤新一を筆頭に、全米だろうな」

 

ねーちんのオーラは殺気立っていた。

 

「だが、工藤新一には、そんな力は無い」

 

そうなると、全米民主国が残るが、アイツらの諜報力では、俺達のことを調べ切れないと思う。そもそも推理力が無いからなぁ。

 

「一弥は暗殺される運命なんだって、ミサカはミサカは確信したり。先祖と同じだよ。死をもって時代を切り開く運命なんだよ、インデックス」

 

笑顔成分がまるで無いラストオーダーが結論づけた。

 

「龍馬と同じ道かぁ…アイツの死後、歴史は確かに動いた」

 

無表情のインデックスが、唸るように言葉を返した。一弥は死ぬのか?たぶん、アイツは喜んで死ぬだろう。役割を果たせると思って。だけど…だけどなぁ…

 

「土御門にしては、感情が荒れているなぁ」

 

って、毒気が完全に抜けきった表情のワースト。

 

「一弥の死を無駄にしない。あっちについたら儀式を開始する。大丈夫だよ。一弥には『幻想殺し』がついている」

 

一弥の死をもって、アレを発動する気のインデックス。一弥の再生っていう幻想が消えると思うんだが…

 

 

 

---坂本一弥---

 

全米大使館へ移送された。犯罪者引き渡し条約により、俺は引き渡された。目の前には電気椅子があり、そこに座らせられる。

 

「兄さん…兄さんの死は無駄にしないから」

 

全米大使の横に、数馬とウザミンがいた。

 

「これで兄さんは、僕達だけの物だよ。誰にも渡さないからね」

 

「数馬、ウザミン…愚か過ぎるだろ?」

 

「何が?ねぇ、お兄ちゃん!」

 

コイツら、本質がわかっていないようだ。

 

「死んだら、俺は誰の物にもならない。俺は自由になれるんだ。これで、坂本家の呪縛から解き放たれ、俺は俺のやりたいように出来る。この世界を洗濯してやるよ」

 

濡れたスポンジが頭の上に載せられて、電極を取り付けられていく。そして…

 

「兄さん、良き死後を…」

 

数馬の声…目の前が真っ暗になって…

 

 

 

---インデックス---

 

一弥が逝ったようだ。予定より早すぎる。本国へ連れ帰らずに、大使館内で死刑にしたのか。飛行機の中であるが、かまわずに儀式を執り行う。陰陽師として土御門元春こと安倍晴明が術を行使していく。目の前に浮かぶ一弥の魂と龍馬の魂。二つの魂は勾玉のような形になり、2つは合わさり、1つの形に戻っていく。私も術を行使をして、本来の身体をこの世界に発現させた。復元された玉は、器である身体へと戻り…

 

『龍馬、約束を果たすよ。これから、我らは永遠に一緒にいる』

 

私の想いを、彼の器へ流し込んでいく。

 

「普段から私のビリビリに慣れている彼に、電気は通用しないのに、愚かな者達だね」

 

御坂美琴ことお龍が、ほくそ笑んだ。

 

「で、どうするんだ、この先は?」

 

現代の聖人である火織に訊かれた。

 

「一弥の意識が戻り次第、反撃をするよ。その前に一弥の手料理三昧かな」

 

 

 

---佐藤美和子---

 

目の前に、一弥が横たわっている。既に死後硬直も解け、棺に横たわっていた。

 

「どういうことだ?なぁ、数馬」

 

「見ての通りです。兄さんは引き渡された直後に、電気椅子送りになりました」

 

祭壇に掲げられている一弥の遺影を見つめている数馬。宇佐美は、棺に抱きついて居る。

 

「坂本家の力なんて、こんな物ですよ。兄さんすら助けられない程度の力です」

 

キャーリサも引き渡されたが、行方不明だと言う。蘭ちゃん達は、ショックが強すぎた為か、涙も声を出ないようで、ただ一弥の亡骸を見つめるだけだ。

 

「この国は、国民を守れないのか?」

 

「この国は、全米民主国の属国扱いです。独立をしない限り、この国の国民の生命は、全米国の物ですよ」

 

淡々と無表情で語る次期坂本家の当主になった数馬。

 

◇

 

部屋に戻り、身を清めて、遺書を書き残し、拳銃を手にした。一弥を一人になんかさせられない。今、逝くからな。待っていてくれ。

 

拳銃を口に銜え、目を瞑り、いざ…

 

「美和子は愚か者になるなよ」

 

えっ!咄嗟に拳銃のセーフティーロックを掛けた。この声は…

 

「お前は誰だよ。何の悪い冗談だよ」

 

あれ?カギを閉め忘れたのか?って、誰だ、コイツは…

 

「弥勒と申します。美和子を迎えに来た」

 

声は違う。だけど、言葉のイントネーションが同じである。どういうこと?

 

「この国は腐っている。俺達の国で話そう」

 

目の前に光の渦が見え、そこに飲み込まれていく。不思議と怖さは感じない。

 

 

 

---工藤新一---

 

帰国出来る様になった。そして、蘭とも逢える様になった。だけど…蘭は抜け殻のようになっていた。一弥の死は蘭の精神を壊すのに最適だったのかもしれない。蘭だけでなく、和葉も紅葉も青子も皆抜け殻のようになってしまったそうだ。

 

紅葉だけ帰る場所が無いので、坂本家の養女になったらしい。数馬は一弥の手に掛けていた事業を、総て手中に入れ、ポピパなどの継続支援をしているそうだ。

 

大量にいたメイド達は、それぞれの祖国へ引き渡されて、その後に不明になった者が多いと、風の噂で聞いた。

 

一弥に関係した者達だけ、悲惨な目に遭ったけど、この国の体制には異常は見られない。

 

「どう思う?」

 

キッドに訊かれた。

 

「なんか、しっくり来ない結末だよな?」

 

「そうだろう?俺もそう思うんだよ。だって、一弥を消さなくても、一弥本人は当主になりたくなかったんだろ?殺す必要性は無いよな」

 

そう思う。アイツはなりたくなくて、粗野で粗暴を演じていただけだ。数馬がやりたいと名乗れば、成れたはずだ。

 

「裏に何があるかだな」

 

「そういうことだ。共闘するだろ?」

 

俺はキッドと手を組んだ。いや、服部、ルパン、リョウもだな。皆口々に

 

「この結末は、裏に何かある」

 

と言う。

 

 

 

---弥勒(坂本一弥)----

 

目が覚めると、右に美和子、左に加奈がいた。この二人がいればいいかな。そんな毎日である。シャワーを浴び、厨房という戦場へ向かうと、シルと五和が下準備をしてくれていた。あのダメシスターとミサカの食いっぷりは健在であるのだ。

 

「おはよう」

 

「「おはようございます」」

 

ここは、大英帝国にあるマイトレーヤ聖堂と呼ばれる、俺達の住処である。下準備の終わった食材で、朝飯を作っていく。

 

「おっ!土御門、キャーリサの行方はわかったか?」

 

未だに行方不明であるキャーリサ。大英帝国への引き渡しはされず、人質にされたそうだ。

 

「全米民主国のどこにいると思う。見つかり次第、救出に行くよ」

 

地下に引き込まれたらしい。その為、足取りが追えないそうだ。あの国の地下は、ギャング、マフィアがはびこっているそうで、たぶん、人質と言うより、肉便器落ちしているらしい。

 

キャーリサ以外にも、不二子、ダクネス、リュー、リヴェリア、アイズが行方不明になっていた。ヴィオレットは、シルと共に、救出できたらしいけど。

 

「状況はどうなんだよ?」

 

「思わしく無いのが、分からないのか?」

 

分かりたく無い。

 

「相手が悪いんだ。好転するのは難しい」

 

あの国を守る為に、俺を売ったらしい数馬と宇佐美。

 

「どうすれば独立出来るんだ?」

 

「あの国が無くならないとダメだろ。政権や大統領が代わっても、手放す気は無いようだし」

 

「どうすれば無くなると思う?」

 

「大災害かな…」

 

関係無い無垢なる民に被害が膨大に出そうである。

 

「後は、膨大に所有している武器を無くすかだな」

 

それでいくかな。

 

「ネットワークで出来るか?」

 

「出来無い。防御対策が施されている」

 

八方塞がりじゃ無いか。

 

「近代兵器相手には、俺達は分が悪いんだよ」

 

「じゃ、資源を奪うのは?」

 

「奪う?どうやってだ?」

 

「地下にパイプラインを通して、石油や水を奪い、海底ケーブルを切断して、ネットを使えなくするとか」

 

「市民生活に影響が出るぞ」

 

ダメか…

 

「じゃ、市民生活には影響の出ない部分をカットだな」

 

「裏社会とか暗部を消して、大金を奪うか…それなら可能かな?」

 

方向性は見えた気がする。

 

 

 

---キャーリサ---

 

ブタのような男に肉便器にされる日々…自殺出来無いように、既に舌は無い。言葉がしゃべれない。味覚も無い。食事は栄養点滴である。既に人間として扱われていない。アイズ達は壊れて、廃棄処分にされたようだ。ここには、私、ダクネス、不二子しかいない。

 

「これが大統領専属の肉便器か。絶世の美女3名が相手とは…ふふふ」

 

ここは、多分、大統領府の地下だと思う。一弥…助けて…

 

「で、商談はどうなのだ、弥勒殿」

 

「この3つの肉便器も付けてくれるか?」

 

「う~む、それはかまわないが…」

 

「じゃ、成立だな」

 

弥勒と呼ばれた男が取り出したのは、ロンドンの地下通路の絵図面であった。大英帝国を潰すつもりか…

 

「じゃ、梱包してくれ。持ち帰る」

 

麻袋に入れられて、木箱のような物に収められた。もう、ダメか…

 

◇

 

悶々とした感覚で目が覚めた。周囲には、失神したダクネスと不二子が床に転がっている。どんだけ、プレイしたんだ?このド変態は…あぁぁぁぁ~、お尻に走る刺激の波。そこはダメ…栄養点滴だけの食事、腸の中は入って来た異物を食べ物と誤解して、蠢いていく。口元から垂れるよだれ。そんな醜い私を撮影する者達。死にたい…

 

「まだ死ぬには早いよ、キャーリサ。もっと愉しませろよ」

 

胸を揉み、乳首をこねるド変態に声を掛けられた。なんで、心の中を見られたんだ?

 

「お前は誰だ?」

 

はっとした。言葉が口から出るってことは、舌が再生しているのだ。もう何も感じ無くなっていたのに、乳首が気持ち良い。これは…

 

「『幻想殺し』の効果にゃ。肉便器であるという幻想から解放したんだよ」

 

土御門…じゃ、コイツは一弥か?

 

「坂本一弥は死刑を執行された。俺は弥勒だよ」

 

弥勒…あの男の取引相手ではないか?

 

「あれか?あれはロンドンの地下じゃない。ニューヨークの地下だよ」

 

「そういうことにゃ。相手を潰す切り札って幻想をぶち壊したんだ。だから、影響の無い範囲で事実が塗り変わったんだ」

 

そういうことか。あの力を一弥は受け入れたのか。

 

「一弥…会いたかった」

 

素直に喜ぶ私。もっと、突いて欲しい。もっと…

 

「徐々に反撃するぞ。これで人質は回収できたからな」

 

そうか、床に転がっている彼女達も、感覚が戻って、昇天したのか。って、ことは、意識が飛ぶまでプレイする気か?このド変態は…

 

「正解だよ、キャーリサ。俺、たまっているんだよ」

 

嬉しそうな彼の声…嬉しいやら怖いやらだよ、まったく…

 

 

 

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