---毛利蘭---
家に帰った。
「蘭、心配したのよ。どこへ行っていたの?」
心配そうな顔のお母さんが、私に走り寄り、抱きついた。
「ごめんなさい。お父さん、お母さん、いっぱい心配を掛けちゃったよね」
呆然とした表情で私を見つめるお父さん。
「どうしたんだ、蘭。笑えるようになったのか…」
「うん…やっと、トンネルを抜けられたよ」
「本当…何が遭ったの、蘭」
お母さんが私の顔をまじまじと見て、訊いて来た。
「運命の人に再会出来たの。ねぇ、その人と住みたいの。ダメかな?」
「運命の人?まさか、探偵小僧?」
お母さんに訊かれた。
「違うわよ。今は自動車の整備工をしているんだって。だから、傍で整備士になる勉強をしたいの。ダメかな、お母さん、お父さん」
一弥…待っていてね。
---妃英里---
蘭の話…信じられなかった。死刑にされたはずの一弥君が、整形をして生き延びていたそうだ。坂本家と全米民主国との間の密約。坂本一弥は死んだことにして、今後坂本家の者として生きないことを条件に、整形して別人になることで、釈放されたというのだ。
「信じられない。そんな密約は…個人と国家の間での密約ってあり得ないわ」
「う~ん。でも、私は一弥の言い分を信じるわ。姿や声が違うけど、一弥なんだもの」
蘭に住所を訊いて、彼の元を訪れた。山を削ったような台形の土地に立つ家…隣家は大英帝国大使館とルシファード帝国大使館が並んでいた。地図で確認すると、大英帝国大使館の敷地に立っているような気がする。どうして?
呼びリンを押すと、彼の家の中に招かれた。
「妃先生がいらっしゃるとは…」
私の身体を舐めるような視線で見ている彼。見られているだけで、感じてしまう。又を固く閉じているのに、徐々に両膝間の距離が開いていく。耳が熱くなっていく。娘の彼に発情なんか、したらダメ。だけど…
彼に抱かれていた。服を着たまま、抱かれている。彼の手の平が、乳房に襲い掛かって来た。それだけの刺激で、大変なことになっている。
「子供を産んでも美しい裸体ですねぇ」
いつ脱いだんだ?全裸で抱かれていた。夢心地である。天に浮かんでいる気分…忘れていた刺激により忘れていた感触が蘇っていくようだ。十何年ぶりだろうか、こんな気分は…彼のモノを口に含み、舌で舐め上げて行く。そして、無防備なお尻を向けて、彼に食してもらった。突き抜けるような刺激、揺れる乳房、湿り毛を帯びる私の身体。忘れていた幸福感に包まれていく。
「信じてもらえますか?」
「えぇ…また、お願いできますか?」
娘の彼氏にリピート希望だと伝えている。母親ではなく、彼の前ではメスでありたい。
「努力したします」
夢心地のまま、帰路についた。
---中森青子---
今日も一人である。お父さんは仕事だし、快斗はフィールドワークだし…引きこもりの青子にとって、関係の無いことだけど、一人は寂しい…
「お嬢さん、何を泣いているんですか?」
部屋に知らない男性が現れた。
「あなたは誰?」
「布袋と申します」
「どこから入って来たの?」
「お嬢さんの心の隙間からです」
えっ!ベッドに押し倒された。だけど、いやな感じがしない。この人にこうされたかった気がする。青子の待ち人なのかな?
「青子でいいの?」
「そう、君がいいんです」
「うぅ~ん、あぅ…もっと…」
快斗にこけにされてきた胸を優しく責めてくれている。愛おしく扱ってくれている。股間が濡れてきた。彼を股間に誘導していく。
「青子の総てを堪能して。お願い」
総てを堪能して欲しい。青子のことをもっと見て欲しい。彼の鼓動に合わせて、青子の腰が動く。青子の呼吸に合わせて、胸を吸われる。いままでにこんなに優しく接してくれた人っていたかな?脳裏に一人の人物が浮かぶ。今はもういない一弥君だ…
「うっ、うっ、うぇぇぇぇ~ん」
彼を思い出し泣き出してしまった青子。
「泣かないで、お嬢さん。ねぇ、一緒に来るかい」
頷く青子。こうして彼に攫われた。
---黒羽快斗---
青子が、自分の意思で家出したらしい。壊れた精神で、家出?あり得ないだろう。青子の父親の中森警部を訪ねた。
「あの妃弁護士が信頼している筋に、預けられたそうだ。そこは妃弁護士の娘さんも、預かってもらっているそうなんだよ」
毛利蘭と同じ場所にいるのか。なら、安心かな。一応、工藤の元を訪れた。
「なんだって、蘭と青子が?」
コイツ、俺よりも放置していたようで、毛利蘭が家出したことすら知らなかったようだ。おいおい…
「どこに預けられているんだ?」
コイツの悪い癖は、放置癖があるくせに、独占欲が強いことだな。
「俺も知らないんだよ。妃弁護士が信用している筋だから、安心だけどな」
「そうだ、佐藤刑事が復活したらしいんだよ。それと関係があるのかな?」
佐藤刑事?あぁ、一弥がいなくなって、誘拐された女刑事か。
「どこにいたんだ?」
「新たな恋に目覚めて、駆け落ちしていたっていうんだよ。一弥の通夜の日に駆け落ちすると思うか?」
「並の神経じゃ、しないだろうな。あの女刑事は、一弥のことを心底惚れていたからな」
「一弥の死に、もう一捻りの裏がありそうだと想わないか?」
「あぁ、あるだろうな。本当に、アイツは何者なんだ?」
工藤の推理力でも分からないんじゃ、俺じゃ無理っぽいなぁ。
---毛利蘭---
部屋は青子ちゃんと同室になった。昼間は二人で整備士養成所に通い、夜は一弥達の手伝いをしている。一弥は徐々に、昔の同居人達を迎えに行っているようだ。
「この車は?」
ガレージに車が3台入れられている。
「今乗っているエリートに買手が付いたから、次に乗るやつだよ」
見た目はワーゲンビートルである。
「エンジンが違うよね?」
なんか、養成所で習ったエンジンの位置と違うような。タイヤも大きくて太いし。
「美和子さんに、怒られるんじゃ…」
なんか、やらかしている予感がする。
「大丈夫、車検は通っているから」
自信満々な一弥。
「なんで、4シーターなのに、2シーターなの?」
青子ちゃんが、やらかしたポイントを見つけたようだ。
「あぁ、エンジンルームに入り切らないので、後部座席もエンジンルームにしたミッドシップビートルだよ」
元になる車の設計を破綻させているような。
「それに、元の車はビートルでなくて、ボディを換装したんだよ」
キャーリサさんの顔が引きつっている。完全にやらかしているよな。
「ポルシェにビートルのボディを換装したのよ、このド変態は!」
え?ポルシェとして売った方が高く売れるんじゃ無いの?なんで、ビートルなの?一弥の価値感がわからない。
「ビートル相手だと、油断するでしょ?そこが狙いだよ」
斜め上を行く改造理由の一弥。
「こっちの車は?」
シャーシだけの車について訊いた。
「それは、真面目に設計しているわよ」
キャーリサさんから意外な言葉。真面目にって…普段は真面目では無いのかな?大丈夫か、この整備工場は…
「エンジンはRA168E改を設計中なの。ガソリンで動かす為のねぇ」
美和子さんに聞いたことがある。大英帝国の名を使い、車検を無理に通した車の話を。ソレのエンジンがRA168Eだったような。
「後輪の機構が複雑ですけど」
「あぁ、それは四輪操舵システムを開発しているんだよ」
って、一弥。なんか、やらかし放題の車の予感だ。
「じゃ、この車は?」
あれ?シャーシが無い。
「コイツのボディーだよ。これも設計途中だよ」
「それって、全くの新車を作っているんですか?」
「青子、正解だ。佐藤モーターズブランドの1号車だよ」
想いっきりのハンドメイド車なのか。一体いくらで売るのだろうか?
---佐藤一弥---
火織、五和、ミーちゃんと共に、全米民主国へ向かった。十字教教会でのミサに参加する為である。パスポートは十字教が用意してくれた。教皇代理って立場らしいので、怪しまれていない。五和とミーちゃんはボディガードである。年に数回、渡米をして教会を回るのが慣わしらしい。
「一弥はいるだけでいいんだ。法衣を纏って立っているだけでいいんだからな」
って、火織が念を入れてきた。それは俺にやらかすなってことのようだ。
「どのくらい?」
「45分くらいだよ」
「がんばる」
これも大事な収入源になる仕事である。
夜になると別の仕事をする。銀行とかカジノの金庫に入り、100ドル紙幣だけを奪う仕事である。土御門と協議の結果、1万円札に値する100ドル紙幣が無くなれば、経済に打撃を入れられるはずだって結論に達したのだ。市民は1000円札程度の10ドル紙幣があれば良いだろうしねぇ。
まず、金庫室に入れないという幻想を殺して内部に侵入し、絶対に奪えないって幻想を殺して奪い去る作戦である。当初、無理だろうと思っていたのだが、結構簡単に盗めたりするので、教会巡回行脚の際、最寄りの金庫で裏家業をしているのだ。奪った金は、スイス銀行の口座へ入金して、マネーロンダリングして、佐藤モーターズの運営資金に使っていたり…
「一弥、100ドル札の印刷所を見つけたぞ。使えなくしてくれ」
って、土御門から指示が出た。なので、絶対に壊れない幻想を殺しておく。そして、翌日…
「う~ん、あちらも100ドル抹殺計画に気づいたようにゃ。電子マネーに切り替え始めた。コチラの計画通りだよ」
電子マネーはネットを介して、ヤリトリをする。こちらにはネットを支配しているミサカがいるので、難なく、お金を強奪出来てしまった。いいのか、こんなに簡単で?セキュリティーはどうなっているんだ?
そして、無事、帰国。犯罪の証拠は何も無い。念じるだけのチートな作業だけだし。奪ったカネの一部は、十字教の財務部門で利殖してもらっている。儲けの1割を寄付する約束でだ。
「武器の無い国は、経済戦争で勝てる様になればいいんだよ」
って、土御門。なんか、しっくりこないんだけど…やはり、戦いといえば、拳を交えないとなぁ。百代は元気かな…
◇
紅葉は無事に回収出来た。問題は和葉である。大阪にいるらしい。転移術なんか持っていないし。交通機関を使って、大阪へ向かわないとなぁ。ビートルを仕上げて、近場で試乗をして、ならしていく。
「バックアップとして、ワーストがバンで付いていく。ガードは俺とアクセラレータで大丈夫だろう」
と、土御門。本当か?破壊的な肉弾戦持ちが3名もいるんだけど…五和のような繊細な攻撃は無理だぞ。だが、五和には大事な役目がある。ダメシスターとミサカの食事作りだ。あの巨大胃袋相手では、蘭、シルだけでは対応は無理であった。数馬と別居っていうのがデカイ敗因だな。
---鈴木園子---
誠さんは形成術を経て、無事に退院出来た。だけど、子供を産ませる力は無くなっていた。一弥のばっかぁぁぁぁぁ~!形だけは元に戻ったが、固く太くはならないらしい。海綿体を再生出来無いそうだ。なんてことなの。青春真っ盛りにこんな仕打ちが待っているとは。私の身体は一弥のせいで、やみつきになっているのに…
「アレ以外は、問題が無いですよ、園子さん」
いや、それが大問題なのだ。もし誠さんと結婚をすれば、私は一生禁欲生活をしなくてはいけない。一弥のバカのせいで、私の身体はサカリの付いたネコ状態である。欲しいの…力強く突いて欲しいのよ。あのバカもんが、調教なんかしやがって…、そのあげくに殺されたって、何の悪いジョークだよ。悪党なら長生きしなさいよね!!
そんな不幸のどん底にいた私に、蘭の家出ってニュースが舞い込んだ。家出?駆け落ち?新一君かな?連絡を取ってみたのだが、
「あぁ、園子か。蘭の居場所か?俺も知りたいんだよ。どこか知らないか?」
って…相手は新一君ではないらしい。引きこもっていた蘭。どこで知り合ったんだ?ずるい…一弥がいなくなって直ぐに、違う男を見つけるとは…ズルすぎるよ~。
探偵を使って行方を追うが、依頼した探偵が行方不明になっていく。なんか、ヤバい相手なんじゃ無いのか?新一君に依頼すれば良かった。って、後の祭りである。ついに、そのヤバい相手のキバが私に向かってきた。
◇
ヒモパン、ヒモブラで、制服姿…満員電車内に放置された。身体中をまさぐられているような気分だ。太ももを伝う液体。悶々とする身体。襲われたら、身を委ねてしまいそうだ。壊れていく理性、膨らんでいく性欲。私は鈴木家のお嬢様なのに…だ、ダメだ…誰かがついに、背中越しに胸を揉み始めた。相手の男の固いモノがお尻に押し当てられている。相手に身を委ねる私。制服の中に手が入ってきた。スカートの中に手が入ってきた。指が這っている。頭の中が真っ白になっていく…
どこかのホテルにいる。全裸にされ、目隠しをされ、後ろから突かれている。胸を愛撫され、相手の鼻先がうなじを這っている。相手のしたいようにされているだけの私。刺激を得たいので、抵抗なんかしない。どっかのバカのせいで、ドMになったのだろう。
舌で一生懸命舐めていく。徐々に太く固くなっていくアレ。これが入って来るのか。頬ずりしてしまう。頬ずりしながら、舐めて行く。そして、疲れる。裂けるような痛み、突き破られるような痛み、どれも気持ちが良い…
◇
蘭の声がする。どうして?ここは天国かな?
「うわぁぁぁぁ~、園子って、ド変態になったのね」
随分な謂われ方だ。失礼だろう、そんな言い方は…瞼を開くと、大スクリーンに映し出されている私の痴態の数々…こ、こ、こんなことをしたのか…私は…
「でも、勉強になります。そうか、こうすれば喜んでもらえるのかぁ~」
蘭に似ている少女が、感動している。誰だっけ、この子は?
「青子ちゃん、参考にしちゃダメだよ。一弥はドMは嫌いだからね」
「そうなんですか?」
一弥?死んだんじゃ無いのか?
「蘭…どういうこと?一弥は生きているの?
「あら?目覚めたの?」
随分と冷たい蘭。なんで?
「何しに来たの?」
「連れ込まれたみたい…」
「何をやらかしたの?」
無表情の蘭。怖い…こういう時の蘭はキレている場合が多い。
「何もしていないわよ」
「ふ~ん、何もしない害の無い者にちょっかいは出さないわよ」
信じてもらえないようだ。どうして?
「京極さんが使い物にならないからって、一弥に乗り換えたんじゃないの」
「何を言っているの?一弥のバカは死んだのよ」
「そうだったわね」
えっ!蘭に締め落とされた。どうして…
◇
え…っと…再びヒモパン、ヒモブラで十字架に磔られている私。目の前には、大勢の人達が、私に跪いていた。どういうこと?私は死んだの?こんな姿で…誠さんも跪いて、祈りを捧げているし。そんな…
見られることで興奮している私の身体。太ももを暖かい液体が伝え落ちている。生きているってことかな?もう、お嫁に行けないかもしれない。
「どうだ、マジックミラーの刑は?」
マジックミラー?って、ことは、人々からは見えていないのか?
「誰にその姿を見せたい?」
誰に?
「見せたく無い。もう止めて…」
「身体は喜んでいるようだけど…」
そうだね。ズブズブに濡れている。入れて欲しい。大きくて固くて太い一弥のモノを…
「なぁ、馬と象、どっちがいい?」
「どちらもイヤ。死んじゃうって…」
本で読んだことがある。とても人間のアソコには入らない大きさだったはずだ。
「じゃ、京極誠と俺だとどっちがいい?」
究極の2択か?ワナの匂いがする。どちらを選んでも、選ばなくても地獄な気がする。
「悩むことなのか?じゃ、インポな旦那と一生連れ添いな!」
え…
目の前に誠さんがいる。全裸の誠さんがいる。ケダモノのように、胸を口に銜えて、吸いだした。出ないって…役だたないモノを体内に入れてきた。何の刺激も無い。一生のこんな生活なのか…いやぁぁぁぁぁ~!
---佐藤一弥---
これで、ちょっかいはもう出さないだろう。京極に、園子をプレゼントした。工藤新一に化けて、行方不明の園子を見つけたと伝え、引き渡したのだ。
「工藤君、浮気をされないように、がんばるよ」
って、京極が園子を麻袋に詰めて持って帰った。全裸で連れて帰るのは良く無いって、麻袋に詰めて見えない様にしているのだが、服を買ってきて、着せるって発想はないのか?まぁ、麻袋に入れて、持って行った俺の言えることでは無いが。
京極を見送り、変装を解いた。さて、帰るかな。
「ちょっと、待て!お前は、何者だ?」
あれ?工藤新一が俺の前に現れた。一難去ってってやつか?