※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

54 / 87
和葉の奪還

---工藤新一---

 

俺に化けて、京極さんに接触とは、大胆なヤツだ。その素顔は、まったく知らないヤツだったのには、驚いた。一弥が生きていたんでは無いのか?

 

「工藤新一君が何のようだね?」

 

声も違う。一弥とは別人のようだ。

 

「お前は何者だ?!」

 

「そういう君は何者なんだい?名探偵君」

 

う~ん、隙が無い。武術をしているのか?顔はポーカーフェースか?表情が無表情に近い。

 

「俺のことを知っているようだな」

 

「あぁ、よく知っているよ。毛利蘭のことを好きでたまらないのに、彼女の感情を逆なでるかの如く、彼女を飼い殺しにしている悪いガキだな」

 

なんだと…

 

「なぁ、蘭の性感帯を知っているかね?名探偵君になら、この謎は簡単過ぎるかな?」

 

蘭の性感帯だと…コイツ、蘭に何をしてやがるんだ?!

 

「あれあれ?知らないのかな?そんなことだから、彼女に逃げられたんだよ。俺は奪ったんじゃ無い。乗り換えられただけだ。逆恨みはするなよ」

 

う~ん、言い返せない。確かに、放置しすぎたかもな。

 

「あぁ言う場合、傍に寄り添ってあげるのが、正解だと思うよ。君たち、探偵の悪い習性だよ。大切な者より、真実の究明の方が大事なんだろ?」

 

反論出来無い。くそっ!

 

「で、お前は何者なんだ?」

 

アイツの背後に、キッドが舞い降りた。

 

「ほぉ~、一人で来た訳では無いのか。烏合の衆が集っても、烏合の衆だけどな」

 

切り札はまだ隠してある。

 

「後、隠れているのは、泥棒と掃除屋か?」

 

「ふん!ばれているのかよ」

 

「節穴ではなさそうだな」

 

ルパンとリョウが現れた。

 

「似た者同士が集まったのか?ムダなことを」

 

「なんだとぉぉぉぉ~!」

 

ルパンが銃を手にした。

 

「まぁ、楽しく余生は生きろよ。あばよ!」

 

何?目の前から、アイツの姿が消えた。

 

 

 

---佐藤一弥---

 

逃げられないって幻想を殺してみた。一瞬で、ガレージの前にいた。逃げる先を指定出来無いのは不便ではあるが、チートな手なので、しょうがないか。ガレージに入り、作業を始めた。今日はボディの溶接だっけ?

 

「一弥、強度を上げる為にロールバーを入れると、重量が重くなりすぎるけど、どうする?」

 

キャーリサがロールバーの総重量を計算してくれた。

 

「だけど、安全策をしておかないと、車検通らないし」

 

ボディはこれ以上軽くならないような…後は電装品か。いや、エンジンパワーを上げるのが正解かな?

 

「エンジンルームには空き地はあるか?」

 

「あるといえば、あるけど…」

 

キャーリサが図面をチェックしてくれている。

 

「スーパーチャージャーも載せられるか?」

 

「ターボが付いているのに?」

 

「重さが気になるのは、発進時とか低速からの加速時だろ?ターボが反応するまでをカバーできれば、多少の重さも気にならないと思う」

 

「燃費が悪くなるわよ」

 

ガソリンダンクをでかくするか。リアトランクを潰せば、場所は確保出来るかな?

 

 

 

---毛利蘭---

 

紅葉ちゃんも整備士になるそうだ。で、一弥は和葉ちゃんを迎えにいく準備をしていた。あのビートルで迎えに行くらしい。

 

「問題はルートだよな。大阪府警を敵に回すからな」

 

帰路のルートを考えている。検問に遭遇しないようにする為らしい。

 

「美和子、他県への検問って、すぐに出来るのか?」

 

「現場判断では無理、上の了承は必要だよ」

 

現役刑事である美和子さんが、協力しているので、多少は裏がかけるらしいけど…

 

「たぶん、京都府警も敵だろうな」

 

大阪、京都っていうと名阪道路は無理のようだ。

 

「神戸に向かってフェリーに乗るか?」

 

「海の上だと逃げ場は無いぞ」

 

「そうだよな。俺一人ならいいけど、和葉がいるしなぁ。そうなると、福井経由して、日本海沿いから関越か?」

 

「峠を越えて、中央狙いも手だぞ」

 

「峠か…ビートル向きじゃ無いなぁ」

 

「なんでだ?あのビートルなら峠でもいい走り出来るだろう?」

 

「和葉がリバースすると思う。ジェットコースター感が半端ないし、俺もリバースしそうだし」

 

なんか、やらかした仕様らしい。

 

「貰いリバースが強敵だな…美和子、試して見る?」

 

って、ことでサーキットへとやってきた。ちょうど真子さんがフリー走行の日だったらしいのだ。

 

「よぉ!真子」

 

「あぁ、一弥君…美和子さんも?」

 

真子さんが後ろめたそうな顔である。一弥とそういう関係なんだろう。

 

「あれ?真子、一弥に調教でもされているのかな?」

 

「え…そんなことは…で、今日は大勢でどうしました?」

 

サーキットの見学も兼ねて、整備士予備軍である私達も同伴したのだった。

 

「ビートルの試乗会だよ。真子も載ってもらよ」

 

カートレーラーからビートルを降ろす。公道で走れるのだが、誰もドライバーを名乗り出なかったのだ。美和子さんは愛車で来ているし。

 

「じゃ、まず私が乗る」

 

美和子さんが、ビートルに乗り込み、走り出した。

 

「何?あのビートルは…一弥君、今度は何をやらかしたの?」

 

真子さんが驚きの声を上げた。

 

「あれは…」

 

言いずらそうな一弥。やらかしているのは確実のようだ。

 

「ビートルの皮を被ったポルシェ930ターボだよ。ターボは3連装に換装してあるけど…」

 

「おいおい…」

 

真子さんの顔が引きつっている。

 

そして、美和子さんが1周で戻って来た。

 

「うっ!すまない、トイレ…」

 

リバースのようだ。

 

「美和子さんが平地でリバースって、あり得ない」

 

そういいながら、真子さんがスタートし、やはり1周目で戻り、トイレへ…

 

「どうするかな。違う車を用意した方が早いかな」

 

「一弥、アレは危険だ」

 

美和子さんが戻って来た。涙目である。よほど怖い目に遭ったのだろう。

 

「でも、ドリフトなしで曲がれるでしょ?」

 

「いや4輪操舵システムは切ったよ。なんか、違う乗り物に乗っている気分がしたからな。うっ!ダメだ…」

 

再びトイレに走り込む美和子さん。

 

「そんなに悪い車で無いはずだけど…」

 

一弥がスタートした。

 

◇

 

無事にガレージに帰ってこられた。美和子さんはぐったりしている。帰路は一弥がFD3Sのハンドルを握っていた。

 

「そうなると、和葉には無理だな。違う車を用意するか」

 

キャーリサさんの顔が強ばっていく。また、やらかすことが目に見えているからか?

 

数日後、ガレージに1台の車が運び込まれた。ヤケに古そうな車である。

 

「こいつは、デ・トマソ・パンテーラっていうイタリア車だよ」

 

何をやらかすのだ?みんなが身構える。

 

「とりあえず、足回りを強化して、乗り心地を優先する。キャーリサ、設計を頼む」

 

「乗り心地だけでいいのよね?」

 

「とりあえずな」

 

とりあえず…やらかす内容は伏せるようだ。

 

数日後、ガレージに見慣れない車が置かれていた。整備したパンテーラは消えていた。

 

「ねぇ、一弥。パンテーラは?」

 

「あぁ、アレを売って、これを買って来た」

 

わらしべ長者か?この車は何?見かけたことの無い車である

 

「これ?これはトヨタスポーツ800だよ。800ccの車だよ。コイツの足回りを強化して、スーパーチャージャを載せる」

 

「これで迎えに行くの?」

 

「そうだよ。小回りがきくし、乗り心地も悪くないし。整備のしやすい車だし、蘭たちの練習用にもなるし。やっと、良い中古を見つけたんだよ」

 

 

 

---佐藤一弥---

 

計画を実行した。だけど、和葉は和葉の家にいなかった。どこにいるんだ?和葉と会えない幻想をぶっ殺してみると、目の前に和葉が現れた。

 

「誰や?」

 

答えずに、和葉のオナニー姿の画像を数枚見せた。

 

「なんで?これもっとんの?一弥にだけしか見せておらんのに…お前…一弥か?」

 

「話は後や、はよ載れ!」

 

助手席に和葉を乗せ、一路、舞鶴を目指す。そこから日本海沿いを走って行く。そして糸魚川まで行き、今度は川沿いに走り、安曇野に向かった。安曇野にはカートレーラーが待機しており、そこに車ごと乗りこんだ。

 

「オープンカーでのドライブ、最高や!」

 

喜んでいる和葉。リバースすることなく走破出来たのは良かった。

 

「どうします?どこかで一泊しますか?」

 

五和が訊いて来た。

 

 

 

---服部平次---

 

家に帰ると、和葉が消えていた。

 

「おかん、和葉はどないしたんや?」

 

「部屋におらんのか?」

 

「おらんから、訊いておるんや!」

 

攫われたのか?座敷牢に匿っていたんのに、どうやって攫ったんや?!直ぐに、おとんへ連絡をして緊急配備をして貰った。大阪からださへんで。

 

「名阪の入り口、空港に人員を配置させた。取り戻すのも時間の問題だ、平次」

 

短時間で緊急配備を敷けるように、あらかじめ許可を取ってあるんや。工藤の女、キッドの女を攫ったヤツのツラを拝むのも時間の問題やな。ふふふ…

 

しかし、検問に引っかからなかった。京都府警には早い段階で、検問を設置してもらたんだが…どこへ消えたんや?まさか、逆方向か?九州や四国って可能性は無いか?レンタカーで移動して…そうなると羽田かぁ!

 

「おとん、羽田やっ!」

 

 

 

---佐藤一弥---

 

あれは、糸魚川まで後少しって時である。美和子から連絡があった。大阪府警から、羽田空港に遠山和葉を攫った人物が向かった可能性が高いって、捜査依頼があった。攫った者と一緒に飛行機なんか搭乗する誘拐犯って居るのか?相当テンパっているらしい。まさか迷わずに、京都府を縦断しての北上とは想わなかったようだ。

 

和葉は俺の上で踊っている。軟禁状態で溜まっていたようだ。服部は、何もしてやらなかったのか?

 

「ニュー一弥の方が男前やなぁ。惚れ直したでぇ」

 

なんか、なんだかなぁだけど、褒められたことにしておこう。

 

「こっちは相変わらずやな。ほんま、サカリの付いた種馬やねぇ」

 

いや、サカリが付かないと種馬って失格では無いのか?性欲の無い種馬って居るのかな?

 

『一弥!メシは?ねぇ、私のメシはぁぁぁぁ~!』

 

ダメシスターから連絡があった。しまった。俺と五和が一緒にいる。厨房にはシルと蘭しかいないようだ。

 

『今、帰って来て…お願いだよぉぉぉぉぉ!』

 

食う速さに料理が追いつかないらしい。紅葉もいるはずだけど…厨房要員を増やさないとダメか?これでは、おちおち五和と旅行へ出られないじゃないか。

 

『待っているからって、ミサカはミサカは…寂しいよ。早く帰って来てよぉぉぉぉぉ!』

 

半べそのミサカ。メシ以外にも問題があるのか。子守要員もいるのかな。散らばっている仲間を、早く救出しないとダメだな。

 

 

 

---世良真澄---

 

蘭ちゃん、青子ちゃんが消えた上、和葉ちゃんまでもが消えたそうだ。どこへ消えたんだ?工藤君に呼び出されて、待ち合わせ場所へと急いでいた。待ち合わせ場所は、ちょいと胡散臭い場所であった。路地裏の呑み屋って、未成年だろうに。そこに何かがあるとでも言うのであろうか?

 

店内に入ると客はまばらに座っていた。カウンター席に座ると、工藤君が隣に座った。

 

「マスター、いつものを頼む。彼女にも同じ物をだ」

 

工藤君の前には琥珀色の液体が置かれ、私の前にはカクテルが置かれた。未成年だよ。これはダメだろうに…横目で見ると工藤君は一気に飲み干していた。

 

「俺からのカクテルは飲めないのか?」

 

目が据わっている工藤君。何かがおかしい。何かが…うっ!後ろから胸をわしづかみにされ、後方に引き抜かれた。そのまま、リフトアップされている。胸が痛い。千切れそうだ。

 

「ほら、飲めよ」

 

えっ!顔を上に向けられ、鼻をつままれ、息をする為に口を開くと、そこへカクテルを注ぎ込まれた。飲み込まないと、息が出来無いのか…注ぎ込まれたカクテルを飲み干し、息をした。すると異変は直ぐに起きた。身体の芯が熱い。千切れそうな痛みが気持ちが良い。催淫剤か?太ももが震える。床に落とされて、ビリヤード台の上に載せられた。

 

「世良、どうしたんだ?ふふふ」

 

こいつ、工藤君では無いのだな。台から飛び降り、身構えた。

 

「ほぉ~、俺と戦うのか?いいよ。戦ってやる」

 

「あぁぁぁぁぁ~」

 

また、背後から誰かに胸を鷲掴みにされて、どこかへ運ばれていく。

 

「ここは地下の格闘場だよ。四方を金網に囲まれて、逃げ場は無いからな」

 

金網デスマッチってことか?ゲージ内には私とアイツだけである。身体が重い…えっ!いきなり一歩背負いで投げられ、背中から金網に激突した。

 

バチッ!

 

「うがぁ!」

 

この金網、電流が流れているようだ。背中に火花が舞っている。間髪を入れずに、顔から金網に…

 

バチッ!

 

「あぁぁぁぁぁ、顔がぁぁぁぁぁ~」

 

バチバチッ!

 

「うわぁぁぁぁぁ~」

 

乳首だけ金網に接触だと…股間から流れ出る液体。殺される…

 

◇

 

目が覚めると手首に鎖が巻かれ、天井から吊り下げられていた。

 

「殺すなら殺せ…」

 

死を覚悟したよ。全身が火傷しているようで、痛い。

 

「簡単には殺さないよ。蘭、塩でも塗って消毒してやれ」

 

えっ!蘭ちゃん?

 

「うがぁぁぁぁ~!」

 

躊躇せずに蘭ちゃんが、傷に塩を塗り込んでいる。激痛が全身を駆け巡る。

 

「この状況で濡れるのか?コイツ、マゾなのか?」

 

「マゾは嫌いだよね、一弥」

 

アイツに寄り添う蘭ちゃん。一弥だと…死んだ筈だ。生きているのか…

 

「苦しむ姿は好きだよ。なぁ、もっと唄ってくれよ、真澄」

 

殺される…死にたく無いよ…

 

◇

 

あれからどの位経ったのか。火傷は治っている。だけど、一弥の玩具にされていた。四方八方がコンクリートの打ちっぱなしの部屋。コンクリートの冷たさが気持ちが良い。舌で舐め上げて、下腹部の中で出す。その繰り返しである。愛撫なんかせずに、いきなり来て、そのルーチンをして出て行く毎日だ。食事は1日1回栄養点滴1本だし。逃げるにしても体力は無いに等しい。

 

「蘭ちゃん…助けて…」

 

「一弥の敵対勢力なんだよね?助けない。苦しめばいいのよ」

 

意識が遠くなっていく。ここはどこだ…コンクリートの冷たさを感じる。あそこにいるのか。

 

「大丈夫?助けに来たわ」

 

救いに来てくれた。助かったようだ。

 

「秀一の妹さんよね?」

 

シュウ兄を知っているようだ。私を背負い、部屋を出て行く。だけど…見つかり、折檻を受ける女性。私達は殺されるのかな…女性は調教され…舌を使い、体内に誘っている…私と同じ。その女性が動かなくなると、

 

「お前達はリリースしてやるよ。また元気になったら、捕まえてやる」

 

と、言われ、意識が闇へと沈んでいった。

 

◇

 

病院のベッドの上で目覚めた。助かったのか?全身に包帯を巻かれている。口元には酸素吸入マスク…点滴もされている。隣には、私を助けてくれた女性が横たわっていた。

 

「目覚めたのか、世良」

 

工藤君がいた。本物か?

 

「もう関わるな。次は殺されるぞ、お前…」

 

「あぁ、そうだな」

 

でも、たぶん、殺さないと思う。動けるようになれば、また遊ばれるのだろう。身体が治るまでが、私の休息時間なのだろう。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。