※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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和葉攻防戦

 

 

---黒羽快斗---

 

妃弁護士の事務所に侵入して、青子が預けられている先の住所を盗み出す。宝石を盗むよりも簡単である。予告状も出していないし、あっさりと手に入れることが出来た。

 

そこは自動車の整備工場のようである。名称は『佐藤モーターズ』だという。翌日、調子の悪い原付で、そこへ向かった。

 

そこは国道に面した店構えであった。交差点の角にあり、横断歩道の向こうには消防署、交差点の斜め向こうにはガソリンスタンドという立地である。バイクで事務所らしき建物の前まで行き、バイクから降りて、建物に入った。

 

「いらっしゃいませ。今日はどういうご用件でしょうか?」

 

いきなり青子が、営業スマイルで対応してきた。白いツナギを着ている。こいつ、整備工になったのか?

 

「うん?快斗?どうしたの?」

 

「いや。バイクが調子悪くて…たまたま目に入った整備工場が、ここだったんだよ」

 

と、いうことにした。自宅から随分と遠いけど…

 

「ふ~ん、偶然なのか。どんな具合かな?」

 

一緒にバイクの元へ行き、状態を調べる青子。

 

「なるほど…たぶん、マフラーの内部が汚れているんだろうな。じゃ、中で書類を書いてね」

 

事務所内でお客様カードに記入し、免許証のコピーを取られる。まともなお店のようだ。

 

「じゃ、こちらへどうそ」

 

って、バイクと共に、整備工場のような場所へ連れて行かれた。そこには、工藤の彼女、服部の彼女が、元気に働いていた。

 

「みんな、整備工なのか?」

 

「まだ見習いよ。平日は整備工の養成所に通って、週末は勉強も兼ねて、ここで働いているの」

 

青子が手際良く、マフラーを解体して、内部を取り出し、掃除をしだした。

 

「手入れしていないでしょ?サイレンサーは交換した方がいいわね」

 

奥の倉庫みたいな場所から、新しいパーツを持って来て、交換してくれた。

 

「青子!エアクリーナーもチェックした方がいい。後、オイルのチェックな」

 

うっ!あの時の野郎だ。青子に指示をしている。

 

「はい」

 

笑顔を向け返事を返した青子。こんなかわいい女子だっけ?なんか、俺の知らない青子を見て、ショックである。

 

「和葉、青子を手伝ってくれる?」

 

「はい」

 

ツナギ女子達が笑顔でキビキビ働いているし。

 

「なぁ、青子。ヒマな時間とかあるのか?」

 

「無いよ」

 

即答だ。

 

「早く一人前になって、彼の右腕になりたいの」

 

あの野郎に惚れたのか?

 

「アイツのどこがいいんだ?」

 

「快斗みたいに馬鹿にしないもの。青子は青子のままでいいって」

 

頬を赤らめる青子。血色も良くなったようだ。

 

「よし、後30分くらいで終わるから、事務所で支払いをお願いします。和葉ちゃん、後お願いね」

 

「まかせてな」

 

なんか、生き生きしていていいなぁ。

 

 

 

---工藤新一---

 

キッドから連絡があった。蘭たちの居場所が分かったそうで、元気そうに生き生きと働いていたそうだ。一緒にいたのは、先日のアイツだったらしい。彼女達に寄り添い、生きがいを与えたのか?俺達に出来無かったことを代わりに…

 

問題は服部だな。アイツに知らせて、納得できるかだな。問題化すれば、戻るものも戻らねぇからなぁ。とりあえず、知らせておくか。

 

 

 

---服部平次---

 

工藤から連絡が入った。和葉の居場所を特定してくれたそうや。早速、おとんに知らせて、和葉の奪還作戦を開始する準備を始めた。大阪府警、京都府警の合同チームで、ヤツラのアジトに踏み込み、和葉の他、工藤の女と、キッドの女も奪還をする。そして、ヤツラの構成員をお縄にし、組織の内情を知るって作戦をおとんと俺で立てた。完璧やで、この作戦は。

 

問題は1つ。工藤の捜査で、黒幕は警視庁捜査一課の佐藤刑事の弟らしいので、警察庁に応援を依頼した。で、佐藤刑事を監察に内部精通者として通告した。これで、警察の情報は漏れないだろう。

 

当日、捜査一課には監察が入り、捜査二課が応援に来てくれることになった。あの野郎、これで終わりにしてやる。

 

 

 

---佐藤一弥---

 

服部親子が、何かを画策しているようだ。大阪府警、京都府警の覆面を含めたパトが、東京に集結しているらしい。

 

「まさか、ここに踏み込む気か?」

 

土御門がニヤニヤしている。ここって、治外法権だものな。入った時点で、外務省へ抗議する用意は出来ているらしい。

 

「侵入ルートは?」

 

「正門を突破して執務室、裏門は教会の敷地だから、無理はしないかな」

 

って、キャーリサ。正門へ至るには私道である細い道を通らないとイケナイのだが、そこは大英帝国とルシファード帝国の敷地を私道にしているので、警察の立ち入りは、法律上不可である。

 

「後は、ここへ空挺部隊とか、整備工場を占拠しての侵入かな」

 

整備工場の事務所の奥に、住居部への隠しエレベータがあるのだ。ちなみに、整備工場は俺の敷地らしい。隠しエレベータは大英帝国の敷地だけど…

 

「ワナは既に張ってある。それに気づけるかな、アイツらは…ふふふ」

 

土御門が楽しそうだ。ちなみにコイツの立場は、大英帝国の大使館員だったりする。

 

「俺の立場は?」

 

「公務上は、大英帝国の王女の旦那だぞ。胸を張っていいと思う」

 

ここ、住居部分でタイホされた場合、国際問題になるらしい。

 

「さて、どんな展開になるんかにゃ~」

 

コイツ、他人事のようだ。

 

「それよりも、アレの人選はしてくれているか?」

 

「厨房戦士の件か?あぁ、ルシファード大使館員の朱乃と白音が手伝ってくれるよ。後は教会のアーシアがミサカ担当だな」

 

アーシアの癒やし能力でミサカの寂しさを癒やす作戦らしい。寂しさって癒やせるのか、疑問であるが。

 

 

 

---工藤新一---

 

安室さんから連絡をもらった。久しぶりに、喫茶ポアロに向かった。

 

「久しぶりだね、新一君。一弥君の通夜の件以来かな」

 

「そうですね。で、今日はどんな案件ですか?」

 

安室さんによると、服部親子が仕掛けるらしい。大阪府警、京都府警、警視庁、警察庁を巻き込んでの大捕物に発展しているそうだ。

 

「やめた方がいいですよ。きっと、ワナが仕掛けられているはずだ」

 

忠告をした俺。アイツの正体がはっきりしない以上、うかつに手を出せば痛い目に遭いそうだ。現に、世良とジョディさんは入院中だし。あの二人は、俺に返品されてきたことで、解放された訳だし。園子も救い出した訳では無い。解放されただけだ。

 

「僕も、なんかイヤな予感がするんだよ」

 

安室さんもワナの予感がするらしい。

 

「これを見てくれ」

 

テーブルに地図を広げた。アイツはここにいるのか。だけど、これって…

 

「気づいたようだね。彼らの住居部分なんだけど、たぶんここだと思うんだよ」

 

佐藤モーターズの裏にある、建物が3棟ある敷地を指差す安室さん。

 

「だけど、ここの敷地って大英帝国大使館の敷地なんだよ」

 

大使館の敷地は治外法権で、相手の国の同意がない場合、捜査は出来ない国際ルールである。

 

「正門へ至る細い道は、私道でここも大使館の敷地なんだよ」

 

それは、捜査員の立ち入りは禁止であるってことだ。

 

「アイツ…大英帝国の関係者ってこと?」

 

「彼が一弥君なら、そうなる。王女の旦那だしな」

 

だけど、一弥は…

 

「一弥君はもういない。だけど、大英帝国は喪に服していないんだよ」

 

「あ、そういえば…」

 

服していない。

 

「それは、一弥君が生きているように振る舞っているのか、一弥君の影武者を立てたかだ」

 

アイツは一弥の代わりなのか。

 

「問題の男の名前は、わかりますか?」

 

安室さんに訊いてみた。

 

「佐藤一弥だ。警視庁捜査一課刑事の佐藤美和子の弟とされている」

 

名前が一緒なのか。そうか、逆なのか。

 

「坂本一弥が影武者で、本丸は佐藤一弥だとしたら」

 

「なるほど…大英帝国の後ろ盾は消えていないってことか。ジョーカー3枚の居場所も不明なのは、一緒に隠れているってこと…あり得る」

 

そうなると、自衛隊並の戦力が無いと、戦え無いのでは?アイツらの戦力は未知数だし。少なくても、ルパン達の火力程度では制圧されてしまう。

 

「警察庁長官に進言した方がいいな。これはワナだとな」

 

安室さんの顔が強ばっていた。

 

 

 

---佐藤一弥---

 

やつらの作戦決行日。目の前の国道が通行止めになったので、たぶん今日だろう。消防署があるのに、通行止めってどうなんだ?あそこには化学消火式の消防車がいるんだけど…水では逆に大惨事になるような火災用の消火剤を積んでいるのだ。

 

美和子は欠勤させた。監察に捕まる恐れがあるから。蘭たちも養成所を休ませた。攫われる心配があるからだ。籠城戦を選択した俺。戦わずに勝つのがスマートであろう。

 

静かな朝。目の前の高架を走る電車も運行を止められたのか、とても静かである。そんな静けさを、パトカーのサイレンとヘリの轟音が打ち破った。戦が始まったようだ。

 

正門前の細い道に捜査車両が進入してきた。外務省へ抗議の電話を掛ける土御門。裏門に隣接する十字教の教会の敷地にも捜査車両が入ろうとしている。アーシアが外務省へ抗議の電話を掛け始めた。ヘリからの空挺部隊の一部がルシファード大使館の敷地に降り立った。リアスが警察庁へ通報した。さぁ、どうするんだ、服部平次君。

 

 

 

---服部平次---

 

奪還作戦が始まった。俺は整備工場からのチームにいた。ガレージに侵入したが、犯罪の証拠はなかったので、事務所への突入を始めたところだ。だが、ドアが開かない。なので、ドアや建物を破壊して、内部に侵入した。書類類は、段ボールに詰め込み、次々とバンへと運び込んでいる。住居へ繋がる経路が見つからない。どうないなっているんだ?

 

おぉぉぉ~!隠しエレベーターを発見した。電源が落とされているようなので、ドアをこじ開け、内部をよじ登っていく。

 

 

 

 

---佐藤一弥---

 

目の前のヘリポートに、警察のヘリが次々に降り立ち、捜査員をバラ蒔いている。侵入出来る経路を探しているようだ。ハンマーとかで壊す気満々のようだよ。どうしても、俺を誘拐犯人にしたいようだ。

 

「平次のボケ~!なんで、一弥を追い詰めるんや~!」

 

和葉が激高している。

 

「大丈夫。追い詰められていないよ」

 

和葉を抱き、頭を撫で、感情をクールダウンさせていく。怒り染まったら負けである。戦況がスピーカーから聞こえてきた。

 

『第三王女ヴィリアン様、教会内で公務執行妨害でタイホされました』

 

『第二王女キャーリサ様、執務室で公務執行妨害でタイホされました』

 

『次期帝王ヴァーリ様、敷地内で公務執行妨害でタイホされました』

 

『プリエステス火織様、執務室で公務執行妨害でタイホされました』

 

次々にタイホ者が報告されているが、いいのか?そういう身分の者達を正当な敷地内でタイホって?

 

「おっとり刀で外務省の事務次官が来たようだぞ」

 

って、土御門。

 

『執務室の書類が強奪されました』

 

「国際問題化は決定だな」

 

他国の領土へ、許可無く侵犯し、重要書類を強奪って、終わっただろ。この国の信頼は…

 

「おぉ~!アチラの本丸も侵入してあれこれ、物色しているぞ」

 

全米民主国のコマンダー達が援軍として参加して、ダミーの重要書類をごっそり持ち帰っていく。俺達のターゲットはコイツらである。服部親子はオトリなのだ。

 

「ミサカ、発信器の信号を追え」

 

土御門が指示を出した。どこへ持ち帰るんだ?厚木か?座間か?横須賀か?六本木か?

 

「六本木のヘリポートみたいだよ」

 

ミーちゃんが追跡結果を報告してくれた。USBメモリに偽装した小型爆弾を多数、持ち帰ってくれた。頃合いを見て起動させるのだ。

 

「電波を遮断されると、即起動する鬼仕様だにゃ」

 

GPS信号の届かない場所に持ち込まれると、自発的に爆発する仕組みらしい。

 

 

 

---安室透---

 

予想は的中した。両国の重鎮を、彼らの領土である大使館敷地内で逮捕して、警察庁へ連行したそうだ。当然、両国から猛抗議が、内閣府へ押し寄せたそうだ。

 

十字教のプリエステスに対し、薬物検査の為に、目の前で尿を出せと言った捜査官もいたらしい。バチカンからも猛抗議が入っていた。

 

どうするんだ、これ?警察庁が混乱している最中、六本木で大規模な爆発事案が発生した。場所は…六本木の某国のヘリポート近辺らしい。便乗して、何かを盗み出したのか。大阪府警が援軍としてコマンダーを借りたらしいから。

 

はぁ~。まったく、何をしているんだ。

 

この大捜査作戦は、首相の鶴の一声で終わりを告げた。首相は警察の暴走により、お詫び行脚と賠償補填をするはめになったようだ。

 

 

 

---佐藤一弥---

 

どうにか終わったようだ。被害は想定内で収まり、被害を受けた物をリストにして、損害を請求する。

 

「この私に、尿検査するから、目の前で尿を出せって。拒否したら公務執行妨害でタイホだよ」

 

怒り心頭の火織。まぁ、その格好は、薬をやっていそうな服装だよな、って言え無い程、激高している。

 

「回されるのかと、思いましたよ」

 

ヴィリアンが涙目で俺に縋りついている。さすがに、そこまでしないと思いたい。彼女は、裏にある十字教の教会の責任者である。

 

「見事なくらい書類が無くなっているし」

 

キャーリサが苦笑いしている。まさか全部を、持ち出すとは思ってもいなかったようだ。

 

「全部ダミーにして正解でしたよ、一弥」

 

ヴァーリは釈放されたのだが、そのまま警察庁に残って、長官に詰め寄っているそうだ。大使館の敷地内で、タイホって…あり得ないだろうって、怒りをぶつけているそうだ。まぁ、想定の行動だから、連れ戻ることはしない。

 

「日本政府、警察庁、外務省、大阪府警、京都府警が謝罪をしたいってよ」

 

土御門が報告してきた。

 

「謝罪よりも補填が先だろ?店が当分開けないんだけど…」

 

事務所はボロボロで、ガレージは半壊、顧客リストは押収されたままで、工具類が壊れているし…

 

「居住棟のガレージでも仕事は出来るんだろ?」

 

「出来るけどさぁ。カーリフトも一部破壊されたみたいだよ」

 

丘の麓にある店から、高台にある居住棟に車を持ち込むには、カーリフトが必要である。

 

「まぁ、当分はオリジナルカーの制作だけだな」

 

整備工軍団が一斉にジト目で俺をみている。やらかすと思っているのか?少しだけだよ~。

 

 

 

---服部平次---

 

まさかの負け戦やった。国家反逆罪で牢屋に入っている俺とおとん達警察幹部。大使館の敷地に住んでいるアイツ。アイツ、何者だ?治外法権というチートな手を使いおって…くそっ!

 

「彼は大英帝国の次期王だよ」

 

安室の兄ちゃんが、目の前に立ち、そう言った。

 

「次期王って、どういうことや?」

 

「今回分かったことだが、彼は第二王女キャーリサと暮らしているんだよ。第三王女ヴィリアンも同居しているそうだ」

 

はぁ?王女の婚約者なのか?

 

「そんなヤツが、なんで、和葉を誘拐したんや?」

 

「誘拐していないと思うよ。一緒にいるのは彼女の意思じゃないかな?監禁していないし、彼女達の笑顔は洗脳されていない証拠だと思うんだが」

 

手渡されたタブレットに映る和葉の動画…眩しい笑顔でバイクを整備していた。

 

「洗脳されたら、そんな生き生きした笑顔は出来無いよ。あんなに伸び伸びと行動だって出来無い。そもそも、逃げようと思えば、逃げられる環境だと思わないか?隣は消防署だよ」

 

あぁ、そうやな。冷静に判断すると…

 

「まぁ、しばらくは、くさいメシを食えよ。お前達親子の暴走で、この国は危機的状況に陥ったんだからな」

 

そういうと、安室の兄ちゃんが去って行った。

 

 

 

---安室透---

 

今回の事案の後始末を任された。度胸を買われ、警察代表として俺、冷静な推理力を持つ工藤君、優秀な弁護士である妃弁護士の3人に白羽の矢が立ち、交渉チームを結成された。補填、謝罪方法の検討、再発防止策の策定など、政治家がすべき仕事を丸投げされた。政治家では足をすくわれかねないクセ者が交渉相手らしい。

 

「大英帝国在日大使館一等書記官の土御門だぁ」

 

サングラスを掛けたラフな格好の男が名乗った。

 

「ルシファード帝国在日大使館大使のサーゼクスです」

 

一転、どっしりと構えている紅髪の紳士が名乗った。この二人と交渉をすることになったのだ。

 

「まぁ、補填内容はリストで渡してあるだろ。100%以上で補填をしてくれ」

 

強気な要求をする土御門。

 

「あと、強奪した重要書類を全部返却してくれ。押収したパソコンも全部だぞ」

 

某国のコマンダーが持ち出した為か、リストにある物が全部有る訳では無い。困ったなぁ…

 

「あちらの国に直接請求してくれませんか?」

 

妃弁護士がいらついた顔で提案した。

 

「国交が無いんだよ。ルシファード帝国とは。俺達は個別交渉は応じない。俺達両国を平等に扱ってくれないと困るんだよ」

 

サングラス超しで、土御門の表情が読めない。不利な交渉だな。

 

「免責は無いんですか?」

 

工藤君が声を上げた。

 

「最初に言っただろ?100%以上の補填を望むとな。お前の発言は、前提条件で拒否ってことか?」

 

二人は顔を見合わせ、席を立った。交渉決裂だな。

 

「お前達、交渉する気は無いんだな?後悔するなよ」

 

「ちょっと待ってください。そんなことは言ってませんよ。確認しただけですから」

 

妃弁護士が彼らをつなぎ止めようとする。

 

「なら、その探偵坊やは違うヤツと交代させろよ。俺達は、服部平次の仲間である工藤新一と交渉する気は無い」

 

そういうと、二人は出て行ってしまった。

 

 

 

---妃英里---

 

個人的に交渉相手を変えた。目の前には佐藤一弥がいる。

 

「君なら、大英帝国にモノが言えるはずよね?うっ!」

 

彼の指先が、私の顎から谷間を抜け、へそを経由して割れ目を這っていた。

 

「妃弁護士の身体で、交渉を有利にってことですか?」

 

彼の指先が割れ目に沈んでいく。それだけなのに、乳首が立っている。

 

「ちょっと無理かな。悪いけど、今回の被害は大きすぎるからね」

 

いつもと違い、彼の視線には怒りが混じっている気がする。何かに対する怒りのようだ。彼の指が体内で蠢いている。グチャ…グチャ…っと、いやらしい音を立てる私の身体。

 

「尿検査するから、目の前で尿をしろって、女性に掛ける言葉かな?それも女性の聖職者にさぁ~」

 

彼の怒りの原因はそれか。それはセクハラでありパワハラである。そんなことを言うヤツは刑事失格だ。

 

「妃弁護士はそういうこと出来るの?」

 

えっ!ここでしろって言うのか?蘭の目の前で…出来無い。これは拷問なのか…

 

「お母さん…出来るの?」

 

蘭に訊かれた。

 

「出来無いわよ…」

 

「ふ~ん…」

 

蘭の目つきが痛い。軽蔑されたような気分になる。

 

「まぁ、交渉相手はあの二人だ。俺では無い。それに、蘭の母親をいじめる趣味は無い。言っている意味はわかるよな?」

 

それは彼らの母親を引き渡せってことか…

 

 

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