※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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一弥VS怪盗キッド*

 

 

---宗方一弥---

 

「ねぇ、週末、暇だよね~」

 

琴美が訊いて来た。コイツ、なんかやらかしたのか?

 

「新作のイリュージョンを作る予定なんだけど…」

 

「じゃ、ヒマだね。お友達の家でパーティーが開かれるんだ。そこで、お兄ちゃんのイリュージョンと料理の披露が、決定しているからね」

 

決定済みなのか?うん?俺の耳は幻聴を聞いた気分なんだが…

 

「俺のイリュージョンだけだよな?」

 

「うん?お兄ちゃんはバカになったかな?理解出来無いの?お兄ちゃんのイリュージョンと料理だよ」

 

満面の笑みを浮かべる琴美。

 

「どうして、俺の料理なんだ?」

 

「お兄ちゃんの料理はサイコーって自慢したんだよ」

 

満面の笑みを維持している琴美。

 

「なぁ、何のパーティーだ?」

 

「琴美のお兄ちゃんの帰国パーティーだよ」

 

コイツ、何を考えているんだ。

 

「私のお兄ちゃんを自慢しまくるパーティーだよ」

 

俺は自慢出来る兄では無いはずだ。手は汚れているし、精神だって…

 

「誰がなんと言おうと、お兄ちゃんは自慢出来るお兄ちゃんなんだよ」

 

コイツ、俺に泥酔しすぎていないか?

 

◇

 

週末、琴美を後部シートに乗せて、パーティー会場である、琴美の友人宅へ向かった。

 

「ここみたいだよ」

 

表札に『中森』とある。割と大きな家だな。

 

「で、琴美のボーイフレンドってどんなヤツ?」

 

「うん?青子ちゃんは女の子だけど…」

 

「百合なのか?」

 

「お友達だよ。勘違いしないでね、お兄ちゃん」

 

あぁ、単なる友達なのか。呼びリンを押すと、蘭に似た少女が出てきた。髪型と胸のボリュームが違うけど。

 

「あの~、どちら様ですか?」

 

琴美を知らないようだ。家を間違えたのでは?

 

「青子ちゃん。私だよ、コトミンだよ」

 

「え…」

 

なんか、戸惑っているけど…あぁ~!そういうことか。

 

「おい!琴美、お前、今日は休日モードだろ?」

 

はっとした琴美。たぶんこの子は、ダサ少女メイクをしていない素の琴美を知らないんだろう。

 

「青子ちゃん、洗面所を借ります」

 

家人の許可なく上がり込む琴美。まったく、ムダなメイクをして学校へ通うからだよ。

 

「あの~、どういうことですか?」

 

「あぁ、あれが素顔の琴美だよ。忘れてやってくれ」

 

ダサメイクの件を伝えると唖然としているし。

 

「悪い虫がつかないように、ダサい女の子を演じていたんですか?」

 

「まぁ、琴美が言うにはそういうことらしい。そうだ、これはプレゼントです」

 

空中からバラを一輪出して。青子へ手渡した。

 

「ネタを仕込む段階で、トゲは総て抜いてありますから、掴んでも大丈夫ですよ」

 

「あ…ありがとうございます」

 

瞳をキラキラさせて俺を見てくれた。そういう表情を見たいんだよ。イリュージョニストはね。

 

◇

 

キッチンの説明を聞き終えた頃、ダサメイクを終えた琴美が戻ってきた。

 

「コトミン、聞いたよ。なんてムダなことを…」

 

「ムダじゃないよ。変な虫が付いてからじゃ遅いんだよ」

 

ダサメイクで力説されてもなぁ。出来上がっている料理を次々にテーブルの上に置いていく。あらかじめ料理した物を、空間収納術でしまっておいたのだ。慣れないキッチンでは、火力などが違うし。

 

「えっ!もう、こんなに料理をしてくれたんですか?」

 

琴美との会話をして、振り向いた青子の目に、俺の料理達が映ったようだ。

 

「煮込み物は、少し時間がかかるけどな」

 

温め直しの時間は必要である。

 

「コトミンが自慢するだけのことはあるのね」

 

そうこうしていると、琴美と青子の友達が次々にやってきた。なぜか、知り合いがいるし。

 

「探!」

 

「えっ!一弥か?まさか、琴美さんのお兄さんて…」

 

留学先での自由時間に通った手品スクールで出会った俺と真純と探。そうか、全員帰国していたのか。

 

「真純には先週会ったよ」

 

「あの女流探偵も帰国しているのか?」

 

「こっちで探偵なのかは、知らないけどな」

 

「白馬君の知り合いなの?」

 

青子が訊いて来た。

 

「あぁ、ロンドン時代のボクのワトソンだよ」

 

「医者の卵?」

 

知らない女子に聞かれた。普通の人間では無い気配…魔法使いかな。ヒーラーの雰囲気では無いし。

 

「俺はイリュージョニストを目指しているんだ」

 

空中からバラを取り出し、一輪ずつ女子に配っていく。

 

「なんですって?」

 

魔法使いなら、今のタネはわかったはずだ。俺を見る目が変わった魔法少女。

 

「紅子ちゃん、すごいでしょ?私のお兄ちゃんは」

 

魔法少女の名前は紅子か。調教するのも悪く無いなぁ。

 

「じゃ、少しイリュージョンでもしましょうか?」

 

紅子の額に手を翳しつつ、『マリオネット・プレイ』を発動した。その状態で、後ろに押し倒し行く。頭が倒れると同時に足が上がっていく。床と、頭と足のラインが平行になると、空中浮遊が完成した。

 

「上下、左右、前後をチェックしてみてください」

 

紅子の身体を、みんなのへそ辺りまで上昇させて、チェックしやすいようにした。

 

「ワイヤー、台や棒で支えていないことをチェックしてみてください。探ならトリックがわかるかな?」

 

「ふふふ、僕には一弥のネタは解けない。それだけの完成度だよ、君のイリュージョンはいつもね」

 

俺のファンである探。コイツの前ではハンパなイリュージョンはしたくないし。

 

「青子、何か食い物は無いか?って、空中浮遊か?」

 

遅れて来た男が、チェックをし出した。コイツは手品師か?

 

「青子、アイツは誰だ?」

 

「隣に住んでいる幼なじみの黒羽快斗です」

 

黒羽?まさか…

 

「黒羽盗一の息子か?」

 

「そうですよ」

 

なるほど…ねぇ。少し面影はある気がする。

 

「えっ?タネが分からない」

 

頭をかしげる快斗。

 

「じゃ、彼女を解放してあげるかな」

 

紅子の横に立ち、つま先を床方向へ動かし、直立不動な状態にし、首筋に細工をした後、意識を戻してあげた。

 

「あれ?」

 

「あれって、お前がしたのか?」

 

「そうだよ、快斗君。君にトリックは分かったかな?」

 

「う~ん…」

 

手品師の前で手品をするのは楽しい。

 

「では、カードマジックでもしますか。青子、トランプある?」

 

「普通のだけど、いいの?」

 

「普通のヤツがいいんだよ。ネタの仕込むヒマの無いカードがね」

 

探にカードをシャッフルしてもらい、青子にその束を持ってもらった。

 

「一番上のカードをタップすると、ハートのエースが出ます」

 

一番上のカードをタップし、青子にめくってもらうと…

 

「スゴイ、ハートのエースだよ」

 

「じゃ、好きな場所に入れて。入れた直後にタップすると…」

 

何度やっっても、ハートのエースは一番上に来るのだ。

 

「ちょっと待て、俺にやらせろ!」

 

黒羽快斗が乗り出た。何かやらかすようだ。ハートのエースを手に取り、山に戻す振りをして、ポケットにしまっている。俺がタップすると、ジョーカーが一番上から出てきた。

 

「ふっ!失敗だな」

 

「あれ?ジョーカーは除いて渡したんだけど…」

 

驚きの声を上げた青子。カードケースを開けると、中からハートのエースが出てきた。

 

「そんなはずは…」

 

快斗のポケットからは、紅子のパンティーが…お約束だと思う。紅子に頬を叩かれた快斗。ズルにはズルで対抗しますからね。そのことが引き金になり、パーティーはお開きになり、琴美を後部シートに載せて、帰宅だな。疲れた…

 

 

 

---小泉紅子---

 

琴美の兄も魔法使いのようだ。それも私よりも上位の魔法使いのようである。あの時、何かをされた気がする。急いで家に戻り、自分の部屋へ戻った。背筋に冷たい物が流れている。それはお尻の沢を駆け上がり、洞窟に向かって流れ込んでいる気がする。服を脱ぎ、姿見で確認をした。鏡に映った姿を見て固まる。何…これは…全身の皮膚に触手らしき物がプリントされていた。その触手は皮膚の上を蠢いている。乳首を舐めまわしているのが居る。その刺激を感じる私の身体。濡れていく下腹部、その湿り気に集まる触手達。一部は体内に侵入しているようだ。

 

「どうだい?『這い虫』の感触はさぁ」

 

這い虫…皮膚の外皮と内皮の間に虫をいれる魔術である。絶対に駆除は出来無い。皮膚をまるごと剥がさないとダメだと訊いたことがある、憎悪系の魔術だ。

 

「言う事を聞けば、助けてやるぞ」

 

声は這い虫のどれかが発しているようだ。乳房に手が現れ揉み始めた。気持ちいい…意識が飛びそうだ。口元からヨダレが零れ落ちていく。立っているのがつらい。

 

「どれ、初めてかな?」

 

「やめてください…」

 

身体の底にある2つの穴から串刺しにされた感覚ある。足の裏は床に着いていず、空中をブラブラしているだけの両脚。

 

「あぁぁぁぁぁ~」

 

乳首から亀頭が二つ現れた。体内を貫かれたようだ。これは幻覚だろうか?いや、幻覚であって欲しい。亀頭のような乳首から白い液体がこぼれて行く。2筋の支流は1本の本流となり、身体の中心にある裂け目に向かっていく。

 

ダメ…そこには入らないで…心の中で絶叫をした。声が出ないのだ。裂け目に轟音を立てて流れ落ちる本流…そんなイメージが脳裏に流れている。

 

「逆らえば、正夢にしてやる。我が名はナイトメアだよ。ふふふふ」

 

 

 

---宗方一弥---

 

翌日、青子に呼びされた。昨日のお礼をしたいって。お礼って言われても…特に何にもしていないし。待ち合わせの場所に向かうと、知った顔が数名いるのは何故?

 

「一緒に美術館でもどうかなって…」

 

もじもじしている青子。そそる表情であるが、まだお子ちゃまだしなぁ。

 

「いいけど、なんか物々しくないか?」

 

「怪盗キッドから予告状が届いたみたいなのよ」

 

怪盗キッド…この国を荒らし回る和製アルセーヌ・ルパンらしい。

 

「だから、探偵もどきが多いのか?」

 

探がいる。真純もいる。何故か、蘭と園子がいるし、あの少年もいる。

 

「お父さん、お弁当よ」

 

「おぉ、いつも悪いな青子。うん?新しいボーイフレンドか?」

 

青子のオヤジは警備員か?

 

「そうじゃないよ。友達のコトミンのお兄さんだよ」

 

「ふ~ん…」

 

「中森警部!」

 

「おぉ~、今行く!」

 

警部?青子のオヤジは警察官なのか。

 

「ここの館長の鈴木次郎吉って人は、いつも怪盗キッド挑発しているんだよ」

 

鈴木?園子の関係者なのか。

 

「お~い!探!」

 

「あぁ、一弥。うん?青子ちゃんとデートか?」

 

「この警戒はなんだ?デートも何も無い気がするんだけど」

 

物々しい為、デート気分では無い。

 

「今夜8時にここで展示している宝石を盗むって、予告してきたんだよ」

 

探が写真を見せてくれた。大きなエメラルドのようだ。う~ん、これ宝石では無く魔石じゃ無いかな?

 

「なぁ、これ、宝石じゃ無いんだけど…」

 

「そうなのか?これは、なんだい?」

 

「詳しく鑑定しないとわからないけど、魔石の一種だと思う」

 

魔石は魔法を秘めた石である。魔石にもいろいろな種類があるので、どういった物かは、鑑定してみないと確定は出来無い。

 

「わかった。鑑定出来る様に、手を回してみるよ」

 

探が、蘭達の方へ走っていった。

 

◇

 

目の前にあの石がある。鑑定ルームには俺の他、探と、鈴木次郎吉、なぜか園子と蘭と真純に、あの少年と、青子、青子のオヤジ、知らない刑事が数名いる。

 

俺の身元保証は探がしてくれた。後、スコットランヤードとMI6が、国際警察機構を通して保証してくれたそうだ。身分的には、非科学的な物に関する調査員って言う、胡散臭い身分であるけど。

 

手袋をして鑑定をする俺。光に翳すと、内部で何かが蠢いていた。魔石は確定であるが、何の魔石だ?封印系の気もするけど…

 

「どうじゃ?」

 

次郎吉に訊かれた。

 

「魔石は確定です。この光を通すと、中で蠢いているでしょ?」

 

ろうそくの光など低温の光源に翳すと、よく分かる。高温だと、防御の為に固まる場合が多いからな。

 

「確かに、何かが息づいているな」

 

「この手の石に封じ込まれているのは、良くない物か、敵対していた者で、まぁ、あれですよ」

 

「あれかぁ…どう処分すれば良いのじゃ?」

 

「一番確実なのは、出てきた処を倒すのが確実だけど、被害は想定出来ません」

 

何が出るかわからないので、想定出来無い分、被害は甚大になる。

 

「そうだ!これって、どこで見つかったんですか?」

 

「いや~、オークションで巡り巡ってだからな、わからんのだ」

 

そういうやつって、ニセモノか、マジ本物の2択だよな。まぁ、これ後者だけど…

 

「粉砕していいなら、今対処しますけど」

 

「粉砕か?う~ん…」

 

「粉砕の方が、残留物は多く確保出来ると思います」

 

生まれる時は、内部の物質を取り込む為、残留物は少なくなるのだよ。

 

「わかった。粉砕してくれ」

 

「探と真純と次郎吉は残って、後は出て言ってくれ!探は方角を確定してくれ。真純は次郎吉を護れ!何が出るかわからないから」

 

「わかった」

 

「まかせろ」

 

だけど、あの少年が出て行かなかった。椅子の影に隠れている。しょうが無いなぁ…

 

「真純、蘭だけを入れろ、あのガキが出て行かない」

 

「えっ!コナン君か?わかった。蘭ちゃんだけ、入って、コナン君が出ていかないんだよ」

 

「えっ!コナン君がぁ!」

 

蘭が入った来てので、ドアに封印をしていく。

 

「次郎吉、外部と繋がるのはドアと、あの通風口だけか?」

 

「後は、そうじゃなぁ。電灯線とセキュリティーの為のコントロールラインの類いじゃな」

 

そうか、現代だと、そういう穴もあるのか。面倒だな…

 

「次郎吉、別の場所で処分していいか?」

 

「それはダメじゃ。ここで頼む」

 

床に魔方陣を描き、中心に魔石を置いた。うん?

 

「どうしたんだ、一弥」

 

俺の様子で探が気づいた。

 

「本人とは違うヤツが2名、ここにいるんだけど…一人は、アイツで、もう一人が問題なんだよ。石をすり替えたようだ」

 

魔石が模造品に変わっていた。もう時間は無いのに、欲の皮の厚いやつがいるようだ。

 

「なんだって…誰に化けたんだ、怪盗キッドよ!」

 

探が蘭、園子、真純、コナン。次郎吉を見回す。

 

「言っておくけど、あれが生まれたら、被害は覚悟しろよ」

 

脅してくが、動じないようだ。波動を強く感じ始めた。産まれ出るなぁ。人肌に触れて、促進したようだ。

 

ドーン!

 

空気が大きく震えた。その瞬間、『強奪』『強制転移』を連続して発動した。これで、被害は最小のはずだ。

 

「何が起こったんだ?」

 

探が震えて床に蹲っている。生まれる瞬間に恐怖をバラ蒔いたようだ。大丈夫だったのは蘭と俺だけのようだ。

 

「生まれたんだよ。今、石を強奪したヤツのポケットは液体塗れで、気持ち悪いと思うよ」

 

「ソレは誰だ?」

 

探の問い掛けをスルーして、

 

「蘭、真純、その女を確保しろ!」

 

「えっ!」

 

恐怖が抜けない真純は、生まれたての子鹿のように、立てないでいた。蘭が、園子を制圧した。

 

 

 

---江戸川コナン---

 

蘭が怪盗キッドを捕まえた。だけど、この部屋から出て直ぐに、脱走していった。この部屋は、キッドの運動能力を制限していたようだ。なのにアイツと蘭は何故か普通に動けていた。どうしてだ?

 

「で、中身はどうだったんじゃ?」

 

次郎吉じいさんが訊いた。

 

「確認する間も無く、封印したんで、まだ確認していません。あぁ、これが、残留物です。中身の物資は、生まれるタメに消費されて、残っていません。一番の外側はエメラルドで間違いは無いと思いますが、鑑定はしてください」

 

残留物を次郎吉じいさんに手わたしたアイツ。

 

「探、悪いけど報告書は頼めるか?」

 

「あぁ、まかせろ。書類仕事は俺の分野だ。悪いな、デート中に」

 

「あっ!そうだ!青子!」

 

デート相手を探しに行ったアイツ。おいおい…一方、蘭は、唖然としていた。なんでだ?

 

「蘭姉ちゃん…」

 

「お願い…来ないで!コナン君…」

 

悲しそうな顔の蘭。何が起きたんだ?

 

「どうして?」

 

「私の身体は…彼の加護で護られているの…それがどういう意味か、わかったのよ」

 

涙をこぼしている蘭。アイツの加護だと?アイツの加護で、あの異常な空間で、アイツを除いて蘭だけが、正常な動作が可能だったのか?

 

「蘭ねえちゃん…」

 

蘭の肩にふれると、ビクッと反応した蘭。

 

「触らないで…迂闊に触らないで…」

 

俺が触ることで蘭に何かが起きたようだ。何が…

 

「もう。戻れないの…あの日には…」

 

どういう意味だよ…

 

 

 

---黒羽快斗---

 

あの一弥って野郎は、何者なんだ?魔石だと…確かにいきなり炸裂して、何かが出て行ったようだ。急に軽くなったし。その後のあれは何だ?急に恐怖を感じて…パニックに陥るとは。

 

中に入っていた液体は、分析の結果、不明だった。年代測定も不可なくらい古い液体のようだけど。魔石について調べる必要がありそうだな。

 

うん?窓の外を見ると、青子と一弥が寄り添って帰宅してきた。どういう関係だ?聞き耳を立てて会話を聞き取る。

 

「今日は悪かったな」

 

「いえ。ありがとうございます。お父さんに花をもたしてくれて」

 

「でも、結果的に取り逃がしてしまったし」

 

「いいんです。一弥さんは探偵でも警察でも無いんですから」

 

なんか、良い雰囲気の二人。俺のおかげだろうに…

 

『なるほど…親子二代で…ふふふ』

 

脳裏に誰かの声が響いた。部屋の中を見回すが、誰もいない。誰だ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

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