※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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悪夢の連鎖*

---江戸川コナン---

 

俺の目の前に全裸の蘭がいる。一糸纏わぬ姿で、俺の前にいるのだ。ここは蘭の家の風呂場である。たまには一緒に入ろうって、俺は蘭に脱衣所に連れ込まれ、全裸にされて風呂場に入れられたのだが、その後で蘭が全裸で入って来たのだ。

 

「どうしたの、コナン君」

 

いつもの笑顔の蘭。だけど、俺の顔は蘭の股間に押し当てられた。

 

「頭を洗ってあげるわね」

 

えっ!この体勢でか?俺の鼻先は蘭の敏感な部分に当たっている。俺の口は、蘭のもう1つの口の口づけをしていた。俺が俺の姿であれば夢のような状況であるのだが、コナン姿の俺は…

 

「うっ、うぅぅぅ~ん。コナン君のお鼻って、気持ちいいのね」

 

って、喘ぎ声を交えて言われても…あぁ、小学生なのに反応しているよ。マズイって…

 

「ハイ、洗い終わったわよ。次は、身体を洗ってあげようか?」

 

俺を抱き締めるようにして、スポンジで洗い始めた蘭。俺のあれは、蘭の中に入っている。まさか、筆おろしの相手が蘭になるとは…俺の顔は蘭の谷間に押し込まれている。気持ち良い…だけど、蘭に何が起こったんだ?これは異常だろうに。

 

泡をシャワーで洗い流し、俺を抱えたまま湯船に…なんか死亡フラグが立った気がする。こんないい思いをしていいのか?えっ?俺の位置を変えて、俺の口が乳首の前に置かれた。これは舐めろってことか?

 

「どうしての、コナン君。舐めてもいいのよ。しゃぶってもいいのよ。君のしたいようにしていいんだからね」

 

蘭の指先は、俺のアレをいじり回している。

 

◇

 

いつの間にか、俺は意識を飛ばしていて、蘭の上で寝ていた。顔は谷間にホールドされていた。俺のアレは、蘭のへその窪みに差し込まれていた。状況が見えないが、頭上からは、蘭の静かな寝息が聞こえて来た。俺は抱き枕にされたのか?

 

結局一睡も出来ずに朝を迎えた。蘭は、いつもと変わらない表情で学校へ向かった。だけど、俺は寝不足でボロボロである。こういうことって、誰に相談すればいいんだ?悶々とした気分で学校に向かった。

 

「工藤君、どうしたのよ?」

 

灰原が俺の異変に気が着いた。昨夜のことを灰原に話した。

 

「願ったり叶ったりの状況じゃない」

 

「そうは言うが、あの蘭の行動はおかしい」

 

「あら?女性でも溜まるのよ」

 

そうかもしれねぇいが、

 

「俺を相手に発憤っておかしいだろ?」

 

「他の男性ならいいの?」

 

「バァロ~!そんなコトは言っていない」

 

「ふふふ、冗談よ。状況から考えて、薬とか催眠術は除外していいわね」

 

一晩中保つ催淫剤は無いだろうな。催眠術はきっかけが必要であるが、きっかけがわからなし。

 

「残るのは精神感応術かな。これは精神を操る術らしいわよ」

 

怪しげな術か…そうなるとアイツが怪しい。世良を呼び出すか。

 

◇

 

世良を人目に付かない場所に呼び出した。

 

「どうしたんだい、コナン君。人目に付かない場所を指定とは、オスに目覚めたのかな?」

 

「この前の、アイツとは、どんな関係なんだ?」

 

菊次郎の関係者と、関係があるように見えた世良。

 

「この前の?あぁ、一弥か?単なる友達だよ」

 

「単なる友達?違うでしょ?顎クイされて、抵抗をせずに受け入れていたし」

 

「あぁ…それは…」

 

言いよどむ世良。少し頬に紅が差し込んだ。

 

「どういう関係で、彼は何者なんだ?」

 

「コナン君、世の中には知らない方が、良いことってあるんだよ」

 

えっ!世良の目つきが変わった。戦闘モードだ。俺を殺すのか?

 

「ボクが囮になる。逃げるんだ。いいか?絶対に振り返るなよ!」

 

俺を抱えて、塀の向こう側に投げ捨てた世良。どういうことだ?塀の隙間から、向こう側をのぞき込むと、世良が蘭に襲われていた。いや、蘭と菊次郎の兄、一弥の二人で、世良が痛めつけられていた。

 

「なぁ、一弥。蘭ちゃんを解放してくれ。うっ!」

 

蘭の正拳突きが世良の腹部にめり込んだ。

 

「一弥…うっ!」

 

蘭の上段回し蹴りにより、こめかみを撃ち抜かれた世良。地面に倒れて、動かなくなっていた。

 

「一弥さん…ご褒美をください」

 

一弥が蘭の顎をくいっと持ち上げて、唇を重ねた。蘭は自らブラウスとブラを脱ぎ、一弥に抱きついてた。

 

「好きにしてください」

 

蘭のことに気を取られ、背後からの気配に気づかなかった俺の意識は遠くへ…

 

◇

 

うっ!ここは?俺は蘭と世良に抱かれていた。俺は俺の姿に戻り…3Pを愉しんでいた。これは現実なのか?蘭の胸、下腹部の感触がリアルに、俺の指に感じている。俺はケダモノのように蘭と世良に襲い掛かり、二人を…こんなのは俺じゃない!

 

拒否した瞬間、俺はその世界からはじき出された。そして、あの人気の無い場所に放置されていた。これはどういうことだ?首筋に手を与えると、スタンガンを食らった痕跡がある。夢だったのか?

 

塀の隙間から見ると、そこには誰も居なかった。塀をよじ登り、向こう側に降りて、痕跡を探すが、何も残っていない。世良はどこに行ったんだ?蘭は?

 

スマホで世良へ連絡を取ってみる。

 

「どうしたんだ、コナン君?」

 

「大丈夫なのか?」

 

「え?何のことだ?何が大丈夫なの?」

 

戸惑っている世良の声。

 

「今、どこにいるの?」

 

「えっ?!え…っと…ラブホ…」

 

はぁ?

 

「あぁぁぁ~、蘭ちゃん、そこはダメだってぇぇぇえ~!」

 

へ?蘭とラブホ?

 

「誰と連絡をしているのかな?プレイ中に浮気はダメよ」

 

蘭の声だ。

 

「いや。コナン君だよ」

 

「ふ~ん、コナン君も来る?」

 

おい…蘭にラブホの場所を教えられた。小学生が行っていい場所なのか?

 

◇

 

教えられた場所に行ったのだが、そこは廃墟だった。どういうことだ?廃墟に足を踏みいれて、教えられた部屋へ向かうと、蘭と世良が交わっていた。69の体勢で…廃墟に残ったベッドの上、愛し合っていたのだ。これは一体…

 

「ガキんちょ!アンタの相手は私よ」

 

全裸の園子に抱きかかえられて、隣の部屋へ連れ込まれた。なんだ、この悪夢のような連鎖は!

 

『夢なら醒めてくれ!』

 

ダメ元で強く念じてみると、俺は俺の部屋にいた。上には蘭が全裸で乗っていた。誰かに、精神を操られているようだ。くそっ!

 

 

 

---世良真純---

 

一弥に顎クイをされ、唇を奪われ…あれ以来、一弥を意識してしまっている。マズイなぁ。真っ直ぐに一弥を見られない。

 

「なぁ、蘭ちゃんとボクだと、どっちが好き?」

 

「虐めるなら真純、愛し合うなら蘭かな」

 

一弥の指が下腹部を這う。それだけで、もう抵抗が出来無い。一弥の命ずるままに身を捧げてしまう。

 

「で、あのコナンってガキは何者だ?」

 

「不思議な少年だよね?」

 

「お前も小さくなるか?そうだ!寝る時だけ、彼と愛し会うのはどうだ?」

 

目の前に全裸のコナン君がいる。彼と身長が同じくらいになったボク。彼のアレが私の中に入り、抱き合っている。

 

『朝まで、毎日、そうしていろ。おとなしくしていれば、痛い目には遭わないよ』

 

一弥の気配が消えた。コナン君のスキンシップを全身で感じている。こんなことを毎日か?ダメだって…

 

 

 

---宗方一弥---

 

うろうろする虫に対策を講じた。これで、ジャマにならないだろう。

 

「ねぇ、私もここに住んでいいかな?」

 

難問が解決すると、次の難問が生じるのが、問題である。

 

「美琴、学校はどうするんだ?」

 

「転校して、近くの学校へ通う…もう、学園都市に帰りたくないんだよ」

 

まぁ、嫌な思い出がたくさん詰まった街だろうな。そうなると、次の難問は、家が狭い件だ。俺と琴美、五和、インデックス程度であれば、十分広い家であるが、そこに、深雪、ミサカ、美和子、美琴、ラフタリアが住むとなると、狭い気がする。

 

「先立つ物はなし。どうするかな…」

 

金目の物は無い。うん?いや、金目の者がいたなぁ。

 

◇

 

園子と交渉をして、鈴木財閥の使っていない箱物を手に入れた。ヘリポート、プールなどを完備している、潰れた保養施設だと言う。

 

「なんで、潰れたんだ?」

 

立地は悪く無い。小高い丘の上に立つ、地上4階建て、地下空間あり、ヘリポート、プールがあるし。

 

「アクセスする道路幅が狭いのよ。リムジンで乗り付けないの、ここはね」

 

確かに、正門は細い路地の奥にある。裏門は森の中で道路は無し、緊急車両用の道路は、急斜面と来ている。

 

「ヘリポートで空港からダイレクトに来られる利点よりも、荷物を運び込む手間が大変なのよ」

 

ヘリに、大量の荷物は載らない。しかし、ここのターゲット層は富裕層であり、大量の衣服などの荷物と共に移動する種族らしい。その種族には、ここは不便らしく、破綻したと言う。

 

「まぁ、あんたが、使うなら、それでいいわよ。その代わり、たまには、私にも愛情を注ぎなさいよ!」

 

奴隷の首輪のせいで、俺以外とは添い寝が出来無い園子は、俺が手を出さないせいで、溜まった物を出す機会が無いらしい。

 

「彼氏がいるって、蘭に訊いたけど」

 

「なら、この呪いを解きなさいよ!彼には、私のがのっぺらぼうに見えるんだってぇぇぇぇぇ~!」

 

あぁ、交わる権利が無いとそうなる。俺がインデックスの全裸を見てもそうだし。溝すら無いもんな。

 

「この豊満な胸が触れないって、どんな呪いなのよ?!」

 

権利が無い者にとって、園子の胸は真純未満だしなぁ。

 

「へぇ~、園子は苦労しているのね」

 

適度に愉しんでいる蘭にとっては、園子の地獄は他人事のようだ。

 

「まぁ、家賃分くらいは、抜いてやるよ」

 

◇

 

引っ越し自体は楽だった。俺とインデックスが転移術を使えるので、引っ越し業者要らずだからだ。問題は、学校である。

 

「美琴は、近所の中学に通うとして、琴美と深雪はどうする?」

 

「お兄ちゃんと留学生活かな」

 

「私もそうします」

 

まあ、ガードにはなるかな。この二人なら。厨房要員は美琴の妹達が交代で勤務するようだ。地下空間が異様に広いので、2万人の美琴の妹達を受け入れ可能になったのだった。考えようによっては、小高い丘というよりも、台形タイプのピラミッドって構造にも思えたり。崖の一部は、人為的な石組構造になっているし。

 

高級ホテルの名残で、部屋はスィートルームばかりである。数人で一部屋をシェアがいいようだ。

 

「ラフタリアはミサカと美琴にまかせる。俺と、インデックスは一人で一部屋だな。五和は美和子を頼む」

 

デカイ厨房の隣に食堂があるのも良い。インデックスの部屋は食堂になりそうだな。あと、目玉の施設は、整備工具付きの巨大ガレージだな。ヘリが数機入る規模のガレージであった。現在は、俺、琴美、深雪、五和のバイクと、美和子の車が入っているだけだけど。

 

「ここ、パワースポットみたいだよ」

 

って、インデックス。そうなると起源として、ピラミッド説が有力視されそうだ。

 

 

 

---中森青子---

 

琴美ちゃんが引っ越したって言う。せっかく、お兄さんとお知り合いになれたのに…私と白馬君、紅子ちゃん、快斗で、引っ越し先へ遊びに行った。最寄り駅から歩いて5分くらいの場所にあるって…駅のロータリーを超えると、そこは住宅地であった。商店街って物は無いようだ。

 

「お屋敷街のようだね」

 

って、白馬君。確かに、1軒1軒の家が大きいようだ。怪盗キッドが出そうな街だな。大丈夫かな、琴美ちゃんの家は…

 

「これかな?小さい間口の路地の先に正門って…」

 

白馬君の指差す先は正門らしき門が見える。路地を入って行くと、『宗方』って表札があった。ここのようだ。呼びリンを押すと、門が開いた。監視カメラで私達を確認したみたい。

 

「じゃ、入ろうか」

 

快斗と紅子ちゃんが周囲を見回している。

 

「青子ちゃ~ん!」

 

奥にある建物から琴美ちゃんが現れた。

 

「これは何?」

 

快斗が手前の建物を指して訊いた。

 

「離れでゲストルームだよ」

 

ゲストルーム?3階建ての建物が鎮座している。

 

「で、ここがプールだよ。夏場においでよ。部屋は一杯あるからね」

 

プールがあるの?スゴイ…

 

「で、ここが母屋。一階は共用部で、私のお部屋は2階だよ」

 

階段に向かう途中に大食堂があり、大きな厨房があり、美味しそうな香りが漂っていた。2階にある琴美ちゃんの部屋は、スィートルームのようだ。

 

「ヘリポートもあるのか?」

 

窓から外を見た白馬君がつぶやいた。窓は2重窓で、そこからはヘリポートが2基分見える。

 

「元々、高級リゾートだったらしいんだけど、潰れたそうで、安く譲ってもらったんだよ」

 

高級リゾートホテルを自宅にしているんだ。スゴイなぁ~。

 

「こんなに大きい建物が必要だったのか?」

 

白馬君がなにげ無く訊いた。

 

「うん、お兄ちゃんのギミックとかネタの置き場に必要なんだって」

 

そうだ、イリュージョニストを目指しているんだ。色々と必要だね。

 

「ここでタネも作っているのか?」

 

快斗が訊いた。興味があるらしい。この前の空中浮遊術のタネが見破れなくて、悔しいらしいし。

 

「作っているよ。お見せは出来無いけどね。そうだ!今日、泊まって行けば?お兄ちゃんがイリュージョンしてくれるかもしれないし」

 

それは見たいなあ。

 

「そうなのか?是非、見たいな」

 

って、白馬君。

 

「私も見たいです」

 

挙手した私。快斗も紅子ちゃんも泊まることになった。

 

「じゃ、客間は男部屋と女部屋を1つずつ用意して貰うね」

 

部屋に設置してある内線電話で、部屋の準備を頼んでいる琴美ちゃん。

 

 

 

---小泉紅子---

 

ここって、パワースポットのようだ。油断をすると魔力が暴走しそうである。アイツの秘密を探れるだけ探らないとなぁ。しかし、食事の前にお風呂って…着替えを持って来ていないんだけど…作務衣のような部屋着を渡された。リゾートホテルで用意されていた物らしい。殆ど居抜き状態で、備品も手に入れられたそうだ。

 

「お風呂は温泉だよ」

 

温泉?

 

「効能は?」

 

「疲労回復、ストレス軽減、美肌だっけかな?」

 

お風呂場へ向かうと、洗い場は内風呂風であるが、湯船は洞窟風呂のようだ。脱衣所で衣服を脱ぎ、洗い場で身体を洗い…なんか悶々としてきた。媚薬が混じった石けんなのか?アイツが、何かしでかすのか?身構えるが、洗い終えても、ヤツの気配は感じない。だけど、悶々さは強くなっている。湯船に向かう。少し薄暗い。洞窟特有の頭上から水滴が落ちてくる。それがなんとも言えない刺激を生み出す。雰囲気に飲まれているのか。

 

湯船に浸かる。なんか、疲れが吹き飛び、リラックスしていく。心地よい気分である。だけど、何かに手足を拘束されている感覚である。手足が自由に動かない。のぼせちゃう。まずい、出ないと…でも、出られない。顔に汗が浮かび上がる。股間に何かが触れている。ゆっくりと開かれて、内部をツンツンされたり、舐められたりしている。

 

「ダメっ!」

 

お尻の穴に何かが群がっている。お尻の穴の入り口をツンツンされている。あぁ、プチ昇天を繰り返して居る。クリトリスを何かが啄んでいる。ダメ…やめないで、もっと…優しく…乳首を啄む何か、乳房を締め付ける何か…様々な非日常な刺激を受け、昇天を繰り返し、温泉に引き込まれて行く。視線の上に、室内灯に照らされ揺れている水面が見える。湯船の底に横たわっている私。横目で見ると青子さんも同じ様にしている。このままでは溺死しそうだ。たすけてぇぇぇぇぇ~!

 

◇

 

目が覚めると、どこかに横たわっていた。全身が身動き出来ない。顔の上にも何か乗っているし。

 

「どう?気持ち良くて寝ちゃうでしょ?エステって」

 

琴美ちゃんの声。エステ?そういえば、エステの時の感覚に似ているが、いつ受けたんだ?湯船に沈んでいたのに…

 

「二人共湯船で寝ちゃうんだもの。ドクターフィッシュの感触でやられたみたいね」

 

ドクターフィッシュですって?体表面の古い角質を食べてくる魚だっけ…そういえば、あのツンツンされる感触、啄まれる感触って…

 

「あの湯船の中に放し飼いにしているんだよ」

 

身体の重りが外されていくようだ。乗っていたのは、蒸しタオルのようだ。でも、固まる私と青子ちゃん。施術者はアイツだった。全身をくまなく見られたってことだよね…

 

「いや、イリュージョンだけで食えないだろうから、お兄ちゃんはエステティシャンの資格も持っているんだよ」

 

「新作の体内エステはどうだったかな?」

 

体内エステ?体内にドクターフィッシュのタコバージョンを入れて、生理の際の残留物を食べさせるそうだ。って、体内にタコを入れたのか…じゃ、あの昇天気分って…私と青子ちゃんの顔が茹だるには、さほど時間は掛からなかった。

 

 

 

---黒羽快斗---

 

家は広いが、お宝らしいお宝はなさそうだ。って、その割には、セキュリティーが固い。見たことの無い方式のようだし。

 

「快斗、何をしているんだ?盗みの下見か?」

 

白馬が余計なことを口走っている。

 

「盗み物なんかないぞ。あぁ、トリックか?」

 

一弥が不気味な笑みを浮かべている。

 

「空中浮遊なら、今見せられるけど」

 

ふわりと宙に浮かんだ一弥。タネはなんだ?足下をチェックするが、何も無い背中をチェックするがワイヤーの類いも無い。

 

「じゃ、タネが仕込まれていない証拠を見せてやろうか?」

 

えっ!俺の身体が浮遊している。サクラでない俺が宙に浮かんでいた。タネを仕込まれていないのは、俺自身で証明できるはずだ。

 

「で、これのネタはなんだ?」

 

白馬が興味深そうに訊いた。

 

「おいおい、イリュージョニストにタネを明かせと言うのか?このへっぽこ探偵は」

 

呆れている一弥。まぁ、白馬、それは禁じ手だぞ。

 

「マネされないと思うから、教えてやるよ。リニアモーターカーの原理だよ。靴の底にマイナス極の板を取り付け、床の特定の場所にはプラス極になる仕組みが埋め込んであるんだ」

 

なるほど…一歩踏み出すと、足が床に着くが、足を戻すと再度浮遊している。そうか、初めから、室内用スリッパの底に仕込んであるのか。

 

「原理は簡単だろ?この前の紅子の時は、身体の背面に板を着けていたのさ。磁気を利用しているので、手で探しても、見つからないのさ」

 

「なるほど…」

 

白馬が納得しているのだが…この方式の利点は分かるが、難点はどうクリアしているんだ?身体を浮かすほどの強力な磁場をどう発生させているんだ?青子の家に磁場発生装置はなかったはずだ。

 

「あの炎のイリュージョンは?」

 

「へっぽこ探偵の探、考えろよ。俺のオハコだから、あれは明かせないよ」

 

タネは魔法使いだからってオチか?

 

 

 

---小泉紅子---

 

夕食後、彼のイリュージョンショウが始まった。トランプのマジック…タネが分からない。炎のマジック…これもタネが分からない。青子を使った空中浮遊。これも分からない。言えることは、彼も魔法使いであれば、可能なことである。

 

「じゃ、コインのマジックでもしようか?紅子、手を出してごらん」

 

言われた通り、右手を出すと、

 

「その手の下に、快斗、手のヒラを上にして置いてくれ」

 

快斗が手を出した。一弥の手にした500円玉が、私の手を透過して、快斗の手の平へ…

 

「何?」

 

快斗が困惑している。彼にもタネが分からないようだ。

 

「じゃ、カードの山から任意にカードを取り出して、探のサインを書いてくれ」

 

白馬が1枚カードを取り出して、サインを書き込んでいる。

 

「そのカードを青子が受け取り、紅子の頭の上に置き、手の平で隠して」

 

青子が言われた通りに、私の頭の上にカードを置き、手の平を置いた。

 

「じゃ、隠しようの無い場所に、カードを移動させてみよう」

 

一弥の手が青子の頭の上をタップした瞬間、私の身体に異変が起きた。谷間に何かが挟まっている気がする。まさか…

 

「青子、手の平をどけてみて」

 

「あれ?カードが無いよ」

 

「さぁ、どこに行ったでしょうか?快斗は分かるか?」

 

まさか、人前で快斗に私の胸を検めさせる気か?

 

「普通に考えて、紅子のパンツの中か?」

 

おい、こら!見たいんか?

 

「それだと、見ている前で出せないだろ?紅子、答えを教えてやれよ。青子が確認してくれ。快斗だとセクハラになるからな」

 

「たにま…」

 

恥ずかしさから小声で答えた。

 

「えっ?!まさか…」

 

青子が私の胸の谷間に手を…

 

「どうやったの?」

 

カードを手にして、白馬の書いたサインを確認する青子。

 

「企業秘密だよ」

 

笑顔の一弥。コイツ、絶対に魔法使いだと思う。それがネタだと、反則では無いのか?

 

 

 

 

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