---槇村香---
殺しの依頼が来た。ターゲットは高校生だと言う。
「一介の高校生相手に、俺をチョイスするって、何かありそうだな」
いつになく、リョウが慎重である。
「だけど、今月も赤字なんだよ。これを受けないと、ダメなのも事実よ」
このバカの夜遊びのせいで、家計は火の車である。
「だって、高校生だぜ…それに、俺以外にも雇ったって噂だよ」
リョウはトップクラスの殺し屋である。それなのに、リョウ以外に雇うって、どういうことだ?
「ファルコンやルパンにも依頼が行ったそうだよ。これって、相当にヤバい相手ってことだろ?」
ファルコンは狙撃よりも火力勝負向きである。ルパン一味は総合力勝負ってことだよな。
「依頼主は大英帝国大使館だし、取りっぱぐれは無いだろうが、MI6でも消せない相手ってことだろ?」
確かに…大英帝国はMI6っていう諜報機関を持っているなぁ。
「じゃ、断る?」
「もう遅いだろう。話を受けた段階で、俺達は敵としてマークされたはずだ。得体の知れないヤツラにな」
なんか、やばそうだ。
「今回の件は、香は関わるな。ちょっと、ファルコンの処へ行ってくる」
リョウは家を出て行った。一人、家にいる私。得体の知れない相手…
「ゾクゾクしますか?」
えっ?知らない相手の声…護身用の拳銃を引き抜き構えた。だけど、声のした方向には誰もいない。どこだ?
「なかなか良い身体ですね」
はい?誰かに抱かれていた。いつの間に…背後から抱きつかれている。私はソイツのモモの上にいる。なんとも言え無い感覚だ。雲の上に浮かんでいるような。
「締まりもいいし、感度も良い。それなのに、初物とは…君のパートナーは、食わず嫌いなのかな?」
締まり?感度?なんの話だ?あっ…唇に誰かの唇が重なってきた。舌が絡み合い、相手に身体を預けていた。
---冴羽リョウ---
くそっ!やられた。ファルコンの処から戻って来たら、香がいなくなっていた。カギは掛かっていた。どこから侵入したんだ?監視カメラの映像を見る。部屋に一人いる香が、いきなり自ら脱衣し始め、全裸でソファに座った。そして、自ら慰め…俺の留守中に何をしているんだ?って…徐々に香の姿が消えていく。何が起こったんだ?そして、数分後、部屋には誰もいなくなった。
ドーン!
扉が派手に壊されて、ファルコンが入って来た。
「おい!美樹が消えたんだが…」
美樹とは、ファルコンの相棒である女性である。
「そうか…こっちも香が消えたよ。今度の敵はヤバいなぁ」
「そのようだ」
どう取り戻せばいいんだ?交渉の余地があればいいんだけど…
---峰不二子---
ここはどこ?どうして、ここにいるの?四方八方が石組の壁に囲まれた部屋。出入り口も窓も無い。どうやって、運び込まれたの?乳首とクリトリスに何かが着けられている。これは何?取れない…一体化しているみたいだ。
「ねぇ!ここはどこ!私を誰か分かっているの!ルパンの愛人の峰不二子よ!早く、ここから出しなさいよ!!」
返答代わりに、いきなり全身がうずき出した。これは…マズイ…刺激に飲み込まれそうだ。この刺激は…危険だ。
数分もせずに、床に倒れ込み、床に身体を這わせていた。もっと刺激が欲しい。股間は既にグジュグジュに濡れている。自分の指を入れて、慰めている。でも、それでも足り無い。欲しい…太くて固い物が…
「無様な姿だな。女豹が雌犬に成り下がったか?」
声の聞こえた方を見るが誰もいない。
「殺さないよ。昇天もさせない。君たちは取引材料だからね」
たち?私以外にも同じ状況の女性がいるのか?
「お前は誰よ!取引って、何の取引よ!」
ダメ!お尻が掴み上げられた。穴に何かを塗られると、下半身の感覚がなくなっていく。そして…太くて固い物がお尻に…それは、小刻みに振動していた。この刺激…耐えられそうも無い。だけど、声の通り、イク直前で刺激が無くなり、余韻に浸っていると、突然再始動する。地獄のような責めだ…悶々とした気分が蓄積されていく。自分を保つことが難しい。自分を失えば、後は廃人へ一直線に堕ちていくだろう。そういう責めである。
「さすがに、猛者達のパートナーだな。まだ耐えているとは」
猛者達?ルパン達は何かをしたのか?その報復なのか?
「なぁ、もう人間とは出来無い身体にしてやろうか?」
次の瞬間、何も考えられない状態になった。何も感じ無い。真っ白な世界へと旅立ったようだ。
---ルパン3世---
一介の高校生が一人で、この俺様と交渉している。どこからどう見ても、普通のガキである。金属探知機で武器を持っていないのは確認済みだし。
「無理は言いません。敵対行為を止め、あのババァから念書を貰って来てくれればいいんですよ」
大英帝国の女王陛下をババァ呼びするガキ。コイツは何者なんだ?
「お前、何者だ?なんで、大英帝国から狙われているんだ?」
「俺の申し出が意に介さなかったのでしょう」
女王陛下に何を申し出たんだ?次元も五右衛門も、ガキを狩れる距離にいる。コイツの返答次第で、終わらせるか。
「無条件で不二子を返せ。悪いことは言わないからさぁ」
「断れば、俺を殺しますか?逆に問います。殺せますか、あなた達に俺が?」
自信過剰なやつは嫌いじゃないが、俺達はそれぞれの得物でガキを狩る…
「『遠隔霊装 電磁砲』」
ガキが呪文を唱えると、俺達に何かが放たれて来た。なんだ、これは…『電磁砲』だと…まさか、こいつ、ジョーカーなのか?
「次元、五右衛門!撤退だ!」
その場を後にして車に乗り込み逃げた。
「おい、ルパン!防弾出来ねぇぜ」
次元が吐き捨てるように言った。車が蜂の巣にされていく。それよりも射程が長すぎるだろ?
「ルパン!上からも来るぞ!」
上からも撃ち込んで来た。あれは…人工衛星からのビームか?隕石を破壊する為に設置されているはず。あんなのを受けられ、俺達は消し飛ぶ。
「飛び降りろ!」
俺達が飛び降りると、車は消滅した。なんて、破壊力だ。
「逃げられないですよ。俺達の追い込みからはねぇ」
あのガキが目の前にいた。ガキの仲間の気配を感じる。
「取引に応じてもらえますよね」
涼しい顔で言い放つガキ。コイツ、ヤバすぎるだろ。脳裏にマモーが浮かぶが、アイツよりもヤバそうだ。
「応じた後、どうするんだ?」
「あのババアの念書を受け取れば、人質は返します。後は今後、俺達と敵対しないという念書を頂ければ、リリースしますよ」
ジョーカー相手に勝てるのは、ジョーカーだけと訊いたことがある。
「わかった。応じる」
「早く行動してくださいね。同様の殺し屋が後2名いますから」
そう言い残し、ガキと仲間達の気配も姿も消えた。アイツ、魔術師か?
---エリザード---
人生2度目の試練が訪れた。シティハンター、ファルコン、ルパンに、念書を求められている。あのガキ…
「情けないねぇ。世界を又にかける殺し屋のトップクラスが、高校生一人やれないとは」
「はぁ?MI6でも消せないガキを、どう消せって言うんだ?」
シティハンターが感情の籠もらない声で言い返してきた。相当にキレているようだ。
「婆さん、アイツは何者なんだ?俺達を赤子同然に扱っているんだが」
ルパンの目もマジのようだ。アイツ、コイツらに何をやらかしたんだ?
「ラスボスだよ。ジョーカーを総て集めた危険人物だ」
ジョーカーの意味を知っているようで、3人とも狼狽えている。
「そういう情報も無しに、俺達を巻き込んだのか?」
ルパンが私を睨んで来た。
「知れば、尻込みするだろ」
殺し屋風情でも止められないのか?
「うん?役者は全員揃っているようですね」
アイツが、現れた。娘達の他、ルパン達のパートナー達も連れてだ。
「約束通り、念書を頂ければ、全員解放しますよ」
相変わらず涼しい顔の忌々しい小童。だが、その周囲にはガードがいる。遠隔で仕掛けられる距離にいるのだろう。
「婆さん、念書を書いて、渡せ!それで、総て終わる」
ルパンが最後通告をしてきた。この先に待つのは静寂である。何も起きない静寂か、殺戮の後の静寂か。私に選択権が握らされたようだ。
「わかった。最後に1つ確認するよ。お前の目的は何だい?」
「おいおい、そういうのは最初に質問しろよ。ババァはもうろくしすぎか?娘に継承した方が良いのでは?」
アイツは呆れている。その上に、私に説教だと…何様のつもりだ?!
「目的か?当面の目的はクレープの木を見つけることだな」
「何?クレープの木だと…」
「そうだよ。俺と、お前が道具だと思っているシスターの共通の目的だよ。で、最終の目的は、俺がまったりヒモライフを送れるくらい平和な世の中にすることだ。その為に、この国は必要なんだよ。国連の安保理決議で拒否権を持つこの国がね」
まったりヒモライフだと?こいつの夢はジゴロになることなのか…大馬鹿者か?今すぐに世界征服出来る戦力を保有しているのに、何だ!そのちっぽけな野望は…
「お前らにとって、ちっぽけな野望かもしれないが、俺にとっては大切な夢だ。その夢をジャマするなら、総て消し去っていくだけだよ」
「おい、婆さんよ。あんたのプライドで、この世界を戦火に巻き込むのは止めて欲しいなぁ。俺は、このガキの意見に賛成だよ。平和な世の中で無いと、盗賊は盗みが出来無いからな」
ルパン…正論をここで言うのか。
「俺は酒と不二子とお宝があればいい。余計なことを起こすなよ」
「その宝が、そこのガキが持っているとしたら?」
「ふっ、持っている訳無いだろ?俺の欲する宝と、コイツの宝は別物だと思うぜ」
「悪いけど、タイムリミットだ。家に帰って飯の準備しないと、巨大胃袋が拗ねちまう」
そういうと、アイツだけ消えた。娘達を残して…だが、娘達は氷像にされていた。『コキュートス』で身体も心も魂をも凍らせられて、仮死状態のようだ。
「これは術者に解いて貰わないとダメなやつだな」
シティハンターがそう言うと、銃口を私に向けてきた。
「俺も平和的な解決を望む。あのガキが帰ってくるまでに、念書を書いて貰おうか?お前のプライドと世界の滅亡の2択だよ。さぁ、どうするんだ?」
どうするって…選択の余地は無いのだろう…
---冴羽リョウ---
女王陛下は観念をして念書にサインをした。そのおかげで、俺達にはパートナーが無事?に帰ってきた。本当に無事なのか?
全裸の俺の上に、全裸の香がいる。たぶん、ルパンもファルコンも同じ状況なんだろうな。あのガキ…俺達にも念書へのサインを迫ってきたのだった。「今後、敵対しない」と「求めに応じて協力を惜しまない」の2点の念書である。確か、女王陛下にも同じ事を求めていたはずだ。理不尽な条件では無い。だが、この脅迫方法は何だ?
既にインサートされている俺のアレ。俺の括れは、内部の狭き隙間に嵌まっている。つまり、そこで放出する事態になれば、出来ちゃう可能性が大である。
『あぁ、確実に出来るよ。だって、みんな危険日だもの』
っと、無情な宣告が脳裏に響く。あのガキ…なんてことを…
『はい、ファルコンさんはサインをしてくれました』
ファルコンは、こういう状況にむちゃくちゃ弱いからなぁ。
『逃げるには萎えれば大丈夫!』
萎える為には、出さないと…おいおい。
「香…目を覚ませ。こんなことを望んでいないだろ?」
「うん?まさか、おのれは冴子さんと…許さない。一弥!問答無用に受精させてちょうだいよ!」
『えっ!』
おい、脅迫者の方が戸惑っているんだが…
「リョウ!あんた、私では不満なの?!」
こんな香は見たく無い…この状況を脱するには、念書にサインなんだが…負けた気分になりそうで、拒否をしたい。内容に関しては異論は無いんだけど…
『タイムリミットがあります。リミットに達した折には、無条件で念書にサインしてもらいますから』
なんだ?そのむごい仕打ちは…って、ダメかもしれない。うんうん、リョウちゃん、もの凄くピンチ。耐えられない刺激が、敏感な部分に与えられている。もって1分間?いや、30秒保つかどうかだな。それは、いきなり来た。俺の思考は真っ白になった。
---ルパン3世---
う~ん、あのガキにやられた。まさか、こんな手を使うとは…さすがの俺様でも、耐えられなかった。
「ルパン…嬉しいわ。あなたとの子供を産めるなんて。一弥が性別を選ばしてくれて、娘にしたのよ」
耐え損のようで、結末はどう転んでも同じだったらしい。
「名前はどうする?」
確実に受精したと、さっき脳裏に響いた。男の尊厳を攻撃とは、あのガキ…なかなかエグいやつだ。
「ルパン…」
不二子が俺に纏わり付いている。インサートは子供に影響があるので、軽いスキンシップであるが、それなりに愉しめる。こんな展開になるとは、リョウのやつも凹んでいるんだろうな。世界滅亡を回避したと思ったら、これだもんな。
---宗方一弥---
久しぶりにマリアの元へ転移した。
「一弥!」
マリアが俺を見つけると、駆け寄り抱きついて来た。
「ねぇ、アレ、持って来てくれた?」
「勿論だよ」
マリアに黒いレジ袋を3つ渡した。
「妹達や知り合いに頼んで見繕ってもらったんだ。身体に合うのがあったら、中に入っているシートに記入してくれる?次回から、それをメインに持って来るから」
「ありがとう」
頬にマリアの唇。柔らかい…だが、押し倒すほどでは無い。
「シンに頼むのはちょっとねぇ。良かったよ、一弥が相談にのってくれて」
「で、あのツアーはマリアとアリスとユーリだけでいいのか?」
あのツアーとは、俺の家に来るって話である。ドクターフィッシュとドクターオクトパスがいる温泉に、興味を持ったらしい。身体の内部って、洗えないもんなぁ。
「オーグが行きたいって。後、シンとシシリーも…」
「後者の二人は拒否だ。アイツらは俺に殺意を持ったことがあるから」
殺意を持たしたのは、俺の行為が原因ではあるが…
「だよね。いつ、開催?」
「来週、迎えに来るよ。俺も暇じゃ無いから」
高校に通いたいので、今、探、真純と学校選び中である。美琴は、近くの中学に通いだした。義務教育なので、選択の余地はなく、すんなりと通っている。
---オーグ---
来週、一弥の家に行けるらしい。メッシーナにこっそりと教えて貰った。そのメッシーナだが、黒い袋をコーナーとカールトンに渡していた。
「それは何?」
シンが興味を持ったようだ。
「男の子には関係の無い物よ」
「へぇ~、ねぇ、何?」
今度はクロードが訊いている。メッシーナがクロードの耳元でゴニョゴニョ伝えている。男子には知られたくない物なのか?説明を聞くなり、クロードの顔が真っ赤に染まっていく。つまりは、そういう関係の品物なんだろう。
「シシリー、なんだって?」
なのに、あの常識知らずと来たら…訊き出そうとしているし。
「えっ、シン君…あのね…ゴニョゴニョ…」
「はぁ?生理用品?」
女性陣が隠していた言葉を、あっさりと口にする空気を読まないシン。
「なんで、言うんだよ!だから、シンには絶対に相談なんかしたくないんだよ!」
だろうな。アイツ、口を滑らす率が高いし。
「どんなの?」
生理用品に興味を持ったシン。もう、止められないだろうな…予想通り、メッシーナの手から黒い袋を拝借して、中身を机の上にぶちまけた。見た事の無いパッケージが山積みであり、女性陣だけでなく、俺を含めた男性陣もそれらを見つめていた。
「えっ!これは…どうして、ここに?」
ある商品のパッケージを手に取り、何かを考えているシン。まさか、アイツは女性専用の品も開発するのか?そんなシンを、目に涙を溜めたメッシーナが睨んでいるが、気づいていないようだ。
◇
その日の帰り道、シンに訊かれた。
「一弥はどこにいるんだ?」
「アイツは、遠い異国にいる」
「その国の名前は?」
「ヤポンだったかな?」
「その国の国旗は白地に赤い丸が1つか?」
「そのはずだが、なんでお前は、そのことを知っているんだ?」
外交関係者しか知らないことを、シンが知っていた。コイツ、何をしでかすつもりだ?
「そうなのか…そうなると…なぁ、オーグ!俺も一弥の家に連れて行ってくれ」
って…と、言われても、一弥が許さないと思う。
◇
週末、一弥が来た時に、そのことを話した。
「アイツが、そんなことを?そうなると、アイツは…まぁ、今回はダメだ。用意が間に合わない。さぁ、行くぞ」
俺の目の前に、メッシーナ、コーナー、カールトンが転移してきて、俺達は一弥の家へと転移をした。
そこは見慣れない物があふれた部屋だった。
「深雪、彼女達を頼む」
「はい、お兄様」
この俺が見とれる程の美女がいた。一弥の妹か?似ていないんだが…
「さぁ、こちらへ」
メッシーナ達ですら見とれているようだ。
「どうしたんだよ、俺の妹に惚れたのか?」
「あぁ…あんな美しい女性は見た事が無い」
「あぁ、それは当然だよ。深雪の身体の寸法は黄金比で構成されているからな」
黄金比で構成されている?人間では無いのか?
「本人は人間だと思っているので、そういうことは言わないでくれよ。考えて見ろよ。左右対称の人間はあり得ないだろ?」
さらっと一弥が言うが…人間では無いって…
「ここには、多いんだよ。人間では無い者がねぇ。だから、気にするな。声にだすな。気にしているやつも、いるんだからな」
まさか、一弥も…
「俺か?どうだろうな。幼少の頃の記憶が曖昧だから、もしかするとそうかもな」
そうなのか…
「オーグ、種族での差別はやめろよ。種族は関係無いと思わないか?」
あぁ、そうだな。一弥の言う言葉を受け入れてしまう俺。いや、反論する気が起き無いのが原因か?
「で、シンの件なんだが…アイツは何をしたがっているんだ?」
一弥にはわかると思い、訊いてみた。