※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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連続失踪事件*

 

---高木渉---

 

訳有って、美和子さんと同棲生活をしている。将来はこのまま、夫婦生活も夢ではないと思う。美和子さんの精神的ダメージは徐々に快方へと向かっていた。俺以外の男性の視線で、発作が再発しなければ、職場復帰しての婚約という流れをイメージしている。

 

「事件が終わりましたので、今日は定時に帰れます」

 

『そうなんだ。お疲れ様。じゃ、食事の支度とお風呂の準備をしておくね』

 

って、スマホでのヤリトリで、顔がにやけてしまう。

 

帰路を急ぐ俺。そんな俺の視線が、歩道で蹲る女性を捉えた。

 

「どうしましたか?」

 

近づき声を掛けた、次の瞬間、首筋に何かが刺さり、意識が遠くなっていった。

 

 

 

---宗方一弥---

 

ベルツリー美術館に、快斗、探、コナン、真純と来ている。次郎吉がビッグジュエルを手にいれたそうで、早々と怪盗キッドから予告状が届いたと言うのだ。事前に快斗に確認したのだが、出した覚えはないという。

 

「この予告状なんだが…」

 

「これ、ニセモノだな。マークがにじんでいるし」

 

快斗に手わたして、確認して貰った。

 

「そうだな。これはニセモノだ」

 

「ニセモノだとしても、狙われているのは事実じゃ。そこで、我がベルツリー探偵社の出番じゃよ」

 

まぁ、そうなんだけど…

 

「これ、魔石なんだけど…」

 

問題のビッグジュエルから、何らかの波動を感じた俺。

 

「展示会の後に、処理を頼む」

 

処理をすると砕けるしなぁ。

 

「で、どこで手に入れたんだ?」

 

「トランシルバニアじゃ。その名を『ブラッドハート』と呼ばれるルビーじゃよ」

 

トランシルバニアと言えば…

 

「まさか、中身はドラキュラの心臓だったりしてなぁ」

 

「おぉ、そのキャッチコピーは良いなぁ。採用じゃ。吸血鬼の心臓と呼ばれるルビーかぁ」

 

マジだったら、ヤバいんですけど…家に戻ったら、対策を練るか。

 

「ここの案件はここにいるメンバーに任せるよ。リーダーは探がしてくれ。真純はコナンのガードを頼む」

 

俺だけ先に家に戻った。

 

◇

 

インデックス、火織、土御門に、『ブラッドハート』の件を伝えた。

 

「魔石である以上、なんらかの良くない物が入っていると思うんだよ」

 

「吸血鬼相手だと厄介だよ」

 

って、インデックス。

 

「火織と五和で楽勝で無いのか?」

 

二人共、聖戦士だし。

 

「一弥の認識が間違っていると思うんだよ。吸血鬼は聖属性が弱点では無く、光属性なんだよ」

 

「聖属性でダメージが入らないのか?」

 

「致命傷には程遠いなぁ。アイツら、再生能力があるんだよ。致命傷を与えないと、意味が無いんだよ」

 

なるほど…

 

「ニンニクとか、十字架は?」

 

「ニンニクで無くても、臭い物なら避けるよ。でも、致命傷は入らない。そもそも、避けるからダメージも入らないし。ニンニクは論外だよね。十字架は、光輝く物ならダメージが入るよ。十字架に限らずに、銀の銃弾とか」

 

「太陽の光は?」

 

「一般的な吸血鬼ならば灰化する。でもねぇ、イレギュラーのディウォーカーだと、疲れやすくなるけど、ダメージが入らないよ」

 

なんか、一般人レベルの知識ではヤバいような相手だな。

 

「じゃ、どうするよ?」

 

「一弥の『幻想殺し』が最適かな」

 

触れないと効果無いんですけど…

 

「噛まれても、一弥なら『幻想殺し』が自動で発動するし」

 

俺が囮になればいいのか?

 

「俺以外に対抗出来る人材は?」

 

「ワーストとシスターズかな。ラストオーダーは体力不足だし、オリジナルは論外だし」

 

琴美に銀製の5寸釘を渡しておくかな。

 

◇

 

翌日、目暮警部に呼び出された。猟奇的な事件が発生したかもしれないと。俺と琴美、土御門の三人で向かった。

 

「これを見てくれ」

 

早速、何かの干し肉を見せた目暮警部。見るからに怪しい肉片。探査能力で正体を見極めてみてから、

 

「これは…人肉ですか?」

 

と、訊いてみた。

 

「科捜研の検査結果も、そう出たのだよ」

 

まるで、さきいかのような人肉。カラカラに干したようだ。

 

「人肉って、こんなに見事に干せる物じゃないぜ」

 

土御門が見解を述べた。これって、あれだよな?

 

『懸念していた敵が出たのか?』

 

インデックスから念話が届いた。まさに、それだろうう。確か、血だけで無く、水分なども吸い出すんだよな。

 

「原因を知っているのかね?」

 

目暮警部が訊いてきた。

 

「眉唾な原因ですが、吸血鬼の吸血により干からびた人体を、吸血鬼が食べた残りカスだと思います」

 

「はぁ?吸血鬼だと?」

 

頷く俺と土御門。実在が怪しい者だよなぁ。

 

「それしか考えられないです」

 

「う~ん…」

 

あのルビーが呼び出したんじゃないのか?

 

『あり得るねぇ~』

 

インデックスの応答により、がっくりと肩を落とす土御門。厄介そうな相手だよなぁ。

 

◇

 

肉片の見つかった辺りで、連続行方不明事件が起きていないかを、所轄に訊いて貰うことにした。1体で済むと思えないし。美術館の警護要員に、吸血鬼対策として、五和と火織を派遣することにした。巨大胃袋達は、クレープの木の恩恵を受け、腹が減ったら収穫へ向かうようになったようだ。

 

捜索の方は俺と琴美、深雪の3名1チームと、土御門、退院した一方通行、淡希の3名1チームの2チームで行うことにした。厄介な相手だし、2次被害は避けたいし。

 

「男性ばかりが行方不明か。これって、女性の吸血鬼ってことか?」

 

『そう思うよ。もしかすると眷属として男性がいるかも』

 

吸血鬼が吸血した場合、手下としての眷属になるか、エサになるかの2択らしい。眷属の数は無制限に増やせるらしいが、絆の強度が弱くなる為、頭の良い吸血鬼は眷属を1名作り、眷属に眷属を作らせて戦力を増やすらしい。

 

「眷属の眷属は女性ってことか?」

 

『だね』

 

「追い込むのに、何か手がかりはないのか?」

 

あっ!閃きが舞い降りた。そうか、鏡に映らないんだよな?じゃ、監視カメラには?

 

『映らないはずだよ』

 

ならば…

 

「琴美、シスターズを使って、太陽が出ていない時間帯、この近辺の監視カメラの記録で、相手がいないのに会話をしているやつを探してくれるか?」

 

「お兄ちゃん、了解だよ」

 

男を誘って、ねぐらに誘い込んで、行為に及んでいる可能性はあるだろう。

 

「怪しいマンションを見つけたよ」

 

俺達のチームはそのマンションへと向かった。そのマンションの前に立ち、嫌な予感を感じる俺。ここって、美和子のマンションなんだけど…まさかなぁ…

 

目暮警部に確認をした。高木刑事は、どうしているのかをだ。結果、ここ数日連絡が途絶えているそうだ。目暮警部的には、美和子と仕事を忘れて旅行をしていると、楽観視していたようだ。まだ、そこまで回復していないはずだ。三人で美和子の部屋を目指した。

 

◇

 

美和子の部屋のあるフロアに降り立つと、死臭が微かにしていた。琴美も気づき、警戒を強めていく。

 

『土御門、ビンゴだ。お前のチームは、逃亡防止を頼む』

 

『一弥…ブチ切れるなよ』

 

土御門が俺の心配をしてくれている。アイツの予想も、俺の予想と同じなんだろうな。

 

美和子の部屋の前。電気メーターは動いていない。

 

『深雪、部屋の中を瞬間凍結してくれ』

 

『了解しました』

 

敵に気づかれないように、目で見える距離でも念話で会話をする。深雪の『コキュートス』が発動して、みるみるドアに霜が付いていく。凍結が完了すると、琴美がドアを蹴破り、部屋の中へと突入した。

 

部屋の中には男性と思われるミイラ化した頭部が、いくつも転がっていた。頭部は食わないようだ。リビングへ行くと、金髪の女性と、その前に跪く男女の姿を確認した。

 

「ダメ!お兄ちゃん!」

 

俺は無意識に、何かをしようとしたようだ。琴美が必死になって俺を留めていた。

 

『おい!クソシスター!どうすれば良いんだ?早く指示しやがれ!ぶち殺すぞ!』

 

俺以外には、もの凄い口調の琴美。

 

『一弥…落ち着いて聴いてね。眷属になった者は、人間には戻れないの…』

 

はぁ?俺の能力を使ってもか?

 

『死者を生き返らせることは出来無い。それは幻想では無くて、確定事項だから…』

 

何を言っているんだ、この巨大胃袋は…ふざけるなよ!

 

『一弥!その能力は万能じゃないんだよ。それに、人間に戻れなくても生かす方法はある。少し時間をください』

 

「これはひでぇ~な」

 

土御門が入って来て、頭部のミイラを見て声を上げている。

 

「なぁ、主を消せば、眷属からは解放されるんだよな?」

 

「あぁ。だが、生き返らないぜ。その女の彼氏である、高木って刑事が主なんだろ?」

 

「そのようだ」

 

「凍結を解いた瞬間、眷属クラスは死ぬぞ。大本の吸血鬼はタフだから、死なないがな」

 

この金髪が元凶か…コイツから、吸血鬼属性を外すと、美和子がまずそうだな。どうするかな?そう、問題は美和子だよ。どうする。

 

待てよ…人間には戻れないけど、死なない方法があるじゃないか。アンデッドにすれば、美和子を美和子として残せるはずだ。

 

『おい!待て、一弥!』

 

インデックスの慌てた声。スルーだな。

 

「深雪!美和子だけ仮死状態にしてくれ」

 

「わかりました」

 

美和子の身体が解凍されていく。解凍されて、まず吸血された傷を治した。他にも怪我が無いかを確かめ、怪我も治していく。

 

『何をするんだよ、一弥…』

 

不老不死にするんだよ。

 

『はぁ?正気か?既に死んでいるんだよ』

 

吸血鬼として生きている。ならば、不老不死にしてから、吸血鬼属性を外せば、問題ないだろ?そうだな。ホムンクルムにすれば良いのか。なぁ、琴美…

 

「さすがです。お兄ちゃん。それは手ですね」

 

不老不死薬を手にして、美和子に飲ませた。少し血色が良くなってきたので、吸血鬼属性をホムンクルムになるように幻想を破壊した。

 

これでどうだ?

 

「深雪、蘇生を頼む」

 

「わかりました」

 

更に血色の良くなっていく美和子。

 

◇

 

金髪女をプレイルームに拘束し、美和子はベッドの上に寝かせ、無修正の高木刑事の遺体だけ、部屋に残した。その後で、目暮警部達に臨場してもらった。

 

「高木…なんて、姿に…あれ?佐藤君は?」

 

「俺の家に連れ帰った。美和子を晒し者にはしたくない」

 

心臓の鼓動も無く生きられる美和子。見世物確定である。美和子に、どう説明するかな。

 

「う~ん、確かに高木の犬歯はキバのようだな。首筋には穴が2つあるし…」

 

「検死をすれば、どうですか?」

 

「そうだな。鑑識さん、これを運んでくれ」

 

テキパキと指示を出す目暮警部。だけど、オペ台の上の照明を浴びると灰になっちゃうけどね。

 

頭部は10個以上あったそうだ。このマンションの男性住民の一部も被害にあったようだ。

 

◇

 

連れ込んだ吸血鬼の処女血をすする俺。再生力万歳だ。何度やっても処女って、なんか得した気分である。

 

「どうだ?血をすすられる気分だ?」

 

「このド変態やろ~が!儂を誰だと思っているのだ~!」

 

既に10回以上達している金髪女が偉そうな態度を崩さない。ヤラテイル時は、「やめてください」とか「だめぇぇぇ~!」とか、可愛い声で歌っているのにだ。威厳なんか、既に無いんだが。

 

「俺はお前の主だ。名を名乗れ!性の下僕よ!」

 

注射器に蓄光剤入りの聖水を注入して、女性のクリちゃんに針を刺し、少し入れてあげた。蓄光剤には光をたくさん食わせてある。

 

「ちょっと…ダメだって…それはダメな刺激だよ~」

 

みるみる涙目になっていく金髪女性。

 

「なら、名を名乗れ、下僕よ!」

 

下僕として名乗らせる事に意味がある。この行為により、俺には逆らえなくなるのだ。

 

「儂は…キスショット…アセロラオリオン…ハートアンダーブレードじゃ…」

 

長い名前だな。覚えられるかな?

 

「おぉ、結構大物じゃないか。ソイツの和名は忍だぜ」

 

土御門がやってきて、良いことを教えてくれた。

 

「そうか、忍。お前を俺の下僕として認定する」

 

認定をすると、何故か金髪の幼女に姿を変えた忍。なんだ?出来無いじゃん?

 

「お前、本当に幼女が集まるよな」

 

って、土御門に笑われた。

 

「たぶん、やらせろって、命令すれば、やれる年齢になるはずだぜ。ソイツはお前の性の下僕って、認定だしなぁ」

 

それなら良いか。幼女を全裸拘束する趣味はないので、拘束から解放してやり、俺は美和子の元へと向かった。

 

◇

 

「一弥…ゴメン。なんか、つらい選択をさせたみたいだね」

 

俺の葛藤を、美和子は見ていたそうだ。あの場に漂う魂の状態で。

 

「あの選択で良かったのか?」

 

「一弥が選んだ道だ。問題は無い」

 

それならいいか。

 

「なんで、私を高木君に預けたのよ。それが問題よねぇ」

 

問題は、そこか…預けた経緯を話した。

 

「戻れない可能性があったのかぁ。でも、この新しい身体は気に入っているよ。心の病も治ったみたいだし」

 

そもそも、ホムンクルムには、心の病は無いからって、言い出しにくい。

 

「もう、見捨て無いで、傍に置いてよ。ねぇ、一弥」

 

美和子に押し倒されて、そのまま…主導権がまったく握れないのは、不本意なんですが

 

 

 

 

 

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