※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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美術館襲撃事件

---宗方一弥---

 

ビッグジュエルの案件が終わらないのに、呼び出しを受け、国際魔法使い協会に出向いた。重要案件を決議するとき、協会認定の賢者3名の評決で議決が決まるのだ。現在の賢者は、ダンブルドア校長、シンの祖父であるマーリン、そして俺である。

 

「シンの件か?」

 

「あぁ、そうじゃ」

 

ダンブルドア校長も、マーリンも疲れた顔をしている。あれこれ、論議したのだろうな。何故か、メリダがいるのだが。

 

「メリダは、マーリンの付き添いか?」

 

「まぁ、そんな感じさね」

 

なるほど。

 

「で、議案はどんな感じ?」

 

議案書に目を通すが、『前途ある若者につき、今回は初犯であることから、注意勧告とする』って、無罪放免に近い議案になっていた。

 

「おい!そこの老いぼれ!なんだ、こりゃ?」

 

議案書を燃やして灰にした。

 

「一弥!待て!落ち着いて話合おう」

 

ダンブルドア校長が顔面蒼白で、妙なことを言う。

 

「どう落ち着けって言うのさ?こんな犯罪者寄りの結論って、なんだ?」

 

ドン!

 

ドアが開き、異変に気づいたダンブルドア校長のガードが入って来た。留学先での同期であったハリー、ロン、ハーマイオニーだった。

 

「一弥、落ち着いて…」

 

ハーマイオニーが俺を落ち着かせようと、声を掛けてきた。その背後ではハリーとロンが詠唱を始めていた。攻撃ありきで、どう落ち着けと言うのだ?ハーマイオニーに、特製の紐ブラ、紐パンのセットをプレゼントだな。

 

「何、これ?えっ!ダメだって、なんで…」

 

その場で崩れる様にして、床に伏したハーマイオニー。それと同時にロンとハリーの杖から魔法が飛んで来た。捕縛魔法か?そんな幻想は俺には効かないのになぁ。

 

ドスッ!ズゴッ!

 

「痛っ!」

 

「うごっ!」

 

俺のガードの琴美が、二人を壁へとケリ飛ばし、二人の四肢を5寸釘で、壁に磔にした。

 

「お兄ちゃんに、危害を加えようとする者達は許さないよ!」

 

戦闘服を着た琴美が俺の隣に寄って来た。

 

「ダンブルドア校長、あなたには失望しました。なんですか、この決議案は?まさか、マーリンと結託するとはねぇ」

 

「彼は若気な至りでなぁ」

 

「あなたたち古きを重んじる魔王使いは、マグルに迷惑を掛けても、問題視しなさすぎる。だから、教会は魔女狩りを始め、そういう古き魔法使いを根絶やしにしようといた。異教徒としていね」

 

何も反論しないダンブルドア校長。歴史が物語っている。そのせいで、無関係のマグルも魔女として、多数処刑されたのだ。

 

「俺が次のステージにする。魔法使いと教会の共存への道を作る。なので、シン・ウォルフォードへの罰は俺が決める。異論、反論があるなら聴くが」

 

マーリンが口を出そうとするが、メリダに止められている。こんなことだろうと思って、事前に作成した決議書を見ながら、

 

『

1.この度、製造した偽札の総額の3倍を、シン・ウォルフォードとその在籍する国により、被害国への支払うものとする

2.シン・ウォルフォードにおいて、今後有事の際以外での在籍する国外での魔法および魔法具の使用を禁止する

3.上記2点に違反事項が見つかり次第、捕縛をし、収監して、拷問の上、処刑とする

』

 

公式な羊皮紙に、そう書き綴った。

 

「これは、重すぎるだろ?」

 

マーリンが文句を言ってきた。

 

「違反しなければ良いんだよ。それとも、マーリンは孫が再犯をすると確信があるのか?」

 

「いや、そうじゃのうて…」

 

渋い顔のマーリン。確信があるようだ。

 

「で、コレを持ってバチカンに行かないといけないんだよ」

 

「どうしてじゃ?」

 

ダンブルドア校長が不思議そうな顔をしている。まぁ、バチカンは、魔法使いとは縁の無い国であるから。

 

「今後、魔法使い協会は、バチカンの管理下に入るんだって。拒否するなら、ホグワーツに十字軍を派遣するって、言うんだよ。拒否する?」

 

十字軍とは十字教の戦士達の集団である。そこには、火織、土御門、インデックス、五和が含まれている。はっきり言って、ホグワーツの戦力では勝ち目はない。

 

「う~ん…一弥が話をつけてくれたのか?」

 

「まぁ、俺の家、十字軍が駐屯しているようなものだし。隣家は大英帝国の大使館だし…」

 

拒否しても、俺の家に実害は無いからいいんだけど…ホグワーツには、大英帝国の国家予算が流れている為、国教である十字教には逆らえないのであった。

 

「しかたあるまい」

 

ダンブルドア校長は肩を落とした。

 

「じゃ、俺さぁ。今日忙しいんだよ。行くよ」

 

ビッグジュエルの件があるので、早く帰国したい俺は、バチカンに転移した。

 

◇

 

バチカンに、凍結から解放したオーグことアウグスト=フォン=アールスハイド王子と、オーグのオヤジことディセウム=フォン=アールスハイド国王を連れて行った。

 

「じゃ、国際魔法使い協会として、採決をこの様にしたから」

 

と、先ほど決めたシンへの罰を二人に見せた。

 

「なんだと?これは内政干渉だろう!」

 

オーグのオヤジが怒っているようだが、バチカンに集まった十字教の各派閥の長達の視線は冷ややかなものであった。

 

「内政干渉?外交問題を引き起こして、国内で裁けない以上、内政に干渉します」

 

イギリス清教のヴィリアン。あのクソばばぁの代理である。第三王女であるが、王位継承権を得たようだ。二人の姉は、女王の地位に固執していないのが理由だとか。

 

「これでも甘い裁定だと思います」

 

ローマ正教教皇のマタイ・リース。

 

「お前達は何者だ?上から目線で…私はアールスハイド王国、国王のディセウムだ」

 

名乗らないでも、ここにいるヤツラは知っているって。

 

「だから、何?」

 

ロシア成教のワシリーサってシスター。ロシアのトップである総大主教に対しても、軽口を叩ける存在らしい。

 

「なぁ、俺は忙しいんだけど、帰っていいかな?」

 

早く帰国したい俺。

 

「そんなことを言わずに、もう少しいてくれ」

 

天草式十字教のトップであり、十字教の副教皇である火織。

 

「埋め合わせはしますから」

 

ヴィリアンまで、俺を引き留める。

 

「おい!貴様、何の権限で、我々をこんな目に遭わせるのだ?」

 

オーグのオヤジが俺に狙いを定めた。俺は十字教と関係無いんだけど…

 

「ここはバチカンの十字教総本山の会議室だよ。で、俺は十字教とは無縁の国際魔法使い協会の代表だよ」

 

代表は賢者がなるしきたりらしいのだが、何故か十字教は俺を指名したのだとか。

 

「はぁ?私は認め無い。お前のような若造が、魔法使いの代表だと?そういう役職はマーリン殿やシンがなるべきではないのか?」

 

オーグのオヤジはバカか?シンなる罪人の問題を会議しているのに、その罪人を魔法使いの代表に値するって…

 

「なるほど、一弥が頭を悩ませるほどのバカ者だな、この国王は」

 

ワシリーサが笑いながら言い放った。

 

「貴様!王である私を愚弄するのか?」

 

五月蠅いので、オーグのオヤジを凍結させた。

 

「一弥はどうしたら良いと思うのだ?」

 

マタイに訊かれた。

 

「他国との協調が出来無いようならば、どこかの属国扱いで良いかと思います。その上で、王族への外交というルールをたたき込ませるのが必須だと思います。現状、アールスハイド王国は、外交ルートも友好国も同盟国もない孤立無縁国家ですから、国際ルールを護れと言っても、無理難題だと思います」

 

「どこの国が最適だと思う?」

 

「ヴィリアンの国が良いと思います。飛び地ですが、ホグワーツを傘下に持つので、魔法使い対策は、進んでいると思います」

 

誰も反論しないし…俺は関係者ではなく、参考人のはずだぞ!

 

「じゃ、次の議題だが」

 

はぁ?何?次の議題ってなんだ?おい、俺の参考意見を採用なのかぁぁぁぁ~!

 

「次期教皇の件なのだが、彼を推したい」

 

マタイが俺を見てニコリとした。はぁ?まさか…

 

「ちょっと待て!俺は無宗教だぞ!」

 

「他薦でも選挙は戦える。問題は無いぞ」

 

楽しそうな顔のワシリーサ。火織に助けを求めるのだが、

 

「天草式は一弥の後ろ盾になる。安心して良い」

 

はぁい?うっ!まさか、本日の議題のメインはこっちか?嵌められたのか…凹む俺。

 

「では、常任理事会の全会一致で、宗方一弥を次期候補者に推薦いたします」

 

ヴィリアンが決議宣言した。嵌められた…オーグもあっけにとられている。俺の決定した地位にだ。

 

「ですので、先ほどのアールスハイド王国への勧告は、次期教皇の言葉として、全世界へと発布します」

 

なんか、頭がクラクラするんですが…

 

「異議あり!俺は平和な世界で、ヒモライフを満喫したいだけのダメ人間だぞ。なんで、教皇にしたがるんだ?」

 

「私達が一弥を養う。だから、平和の世界になるように尽力をしてくれ」

 

って、火織。俺は、十字教のヒモにはなりたくないのに。俺の反論、異論は、彼らの耳に届かず、会議は閉幕し、オーグ、オーグのオヤジを大英帝国へ連行して、帰国の途に着いた。

 

◇

 

ベルツリー美術館へ赴くと、みんなが集まっていた。

 

「一弥、どういう作戦にする?」

 

現場の責任者の探に訊かれた。

 

「侵入経路にトラップを張り、探偵、調査員は、キッドが現れたら、警察と共に追え。俺と琴美は、展示室に待機だ」

 

キッドのニセモノは確定事項である。快斗が魔石を盗む必要性がないし。

 

「快斗と紅子は空中に逃げたキッドを追え。深追いはしないでいいから」

 

「わかった」

 

重火器で襲ってきそうな予感がするのだ。警報装置なんか気にせずに、真っ直ぐにここに向かうと思う。怪盗キッドの敵はそう言うヤツラだし。

 

「護り切れるんじゃろうな?」

 

次郎吉が確認してきた。

 

「あぁ」

 

頷く俺。実は、既に魔石では無くなっていた。封印されていた者を解放し、既に忍へ預けてある。なので、目の前にあるのは、単なる大きなルビーである。封印を解くから魔石が割れてしまうのだと思い、封印された者を強奪してみたら、無事に解放出来たのだった。なので、次郎吉にすらばれていない。もし、盗まれても問題が少ないように、内部には発信器を入れて有るし。

 

◇

 

20時36分、いきなりの停電。自己発電に切り替えたところで、キッドを発見したと連絡があり、予定通り、目に見える戦力はキッドを追いかけていく。

 

「多数の悪意を確認しました」

 

琴美の悪意センサーに、早速ヒットしたようだ。

 

『対戦車砲が行くよ』

 

インデックスからの念話。外で爆発音が数回し、キャタピラの音がする。戦車で乗り付けたのか?目の前の防弾ガラスが粉々になっていく。対戦車砲には耐えられなかったようだ。

 

『上からバンカーバスターだよ』

 

天井を突き抜け何かが落ちて来た。俺は手で触れて無害化して、手で弾いた。不発となったバンカーバスターは、壁に激突し、壁を崩壊させてしまった。琴美は戦車に対して、電磁砲を撃ち込んでいるが、5寸釘では、装甲を貫通出来無いようだ。

 

「おい!砲門の砲口を狙え!」

 

「あい、お兄ちゃん!」

 

俺からの指示が嬉しいのか、琴美のテンションが上がっていく。その上昇傾向のテンションはシスターズ達に伝搬をしていき、銃撃戦に発展した。元々戦争用途で作られたシスターズ。銃撃戦は慣れたもののようだ。

 

『みつけたぜ』

 

敵の指揮官を土御門が見つけたようだ。深雪へ連絡をして、その座標を伝え、コキュートスをしてもらった。これで、捕縛出来たはずだ。戦闘が収束した頃、中森警部と落ち合い、敵の指揮官を引き渡した。

 

「なんじゃ、これは…」

 

見るも無惨な姿になった美術館を目にして、次郎吉が呆然としていた。戦車3両が侵攻してきた上に、バンカーバスターだものな。半壊で助かったのは運が良い。

 

「キッドではなかったのか?」

 

「そうだよ。そう言っただろ?」

 

ベルツリー探偵社には、本物のキッドと、キッドキラーのコナンがいるんだよ。怪盗キッドが来るわけないだろう。

 

「宝石は無事か?」

 

ポケットから取り出して、次郎吉に渡した。

 

「俺が持っているのが一番安全だろ」

 

「お前が持っていたのか…」

 

次郎吉が唖然としている。あれ?言わなかったっけ?

 

「安全第一がベルツリー探偵社のモットーですからね。よし!みんな、撤収だ。帰って寝るぞ!」

 

俺にとって、長い1日が終わった。

 

◇

 

目が覚めると、目の前にパンダがいた。ピチピチのパンダである。状況が読めない俺は、ベッドの上で固まった。

 

「ミサカ19365号です。と、ミサカはお兄様にご報告を致します。七里ヶ浜海岸での清掃作業中に、岩陰に隠れていたパンダを捕獲しました」

 

パンダである。いや、パンダのパジャマを着た女の子が怯えている。

 

「お名前は?」

 

「…かえで…です。あの…お兄ちゃんって…呼んで良いですか?」

 

「いいけど」」

 

なんか安心した、かえでという少女。って、この子、人間ではないんだけど…迂闊に触ると消えて仕舞いそうだ。専門家であるインデックスと土御門を呼び出した。

 

「う~ん、精神体が実体化しているようだね」

 

二人に怯え、俺に抱きついているかえで。

 

「誰の精神体?」

 

「わからないよ。データが少ないから。もっと生きたいって思いが強くて、実体化したのかも」

 

そうなると、死んだ人の精神体か?

 

「なぁ、器を作って、彼女を入れられないか?」

 

「そうだね~。純真無垢すぎるよ、この子…」

 

腹黒い巨大胃袋に言われたくないだろうに。

 

「お腹、黒くないよ」

 

巨大胃袋の件は否定せず、腹を見せようとするが、シスター服はそういう用途で作られていないので、服を脱いで全裸になったシスター。お前の全裸は見たく無い。相変わらず、幼児体型だな、お前…俺に腹が黒く無いことを確認させたインデックス。

 

「で、器を作ってくれよ」

 

シスター服を着始めたインデックスにお願いをした。

 

◇

 

翌日、目が覚めると、目の前にウサギがいた。ビチョビチョのバニーガール姿である。状況が読めない俺は、ベッドの上で固まった。脈は既に触れていない。所謂溺死体である。なんで、こんな場所に?知らない少女だし。

 

「ミサカ19365号です。と、ミサカはお兄様にご報告を致します。七里ヶ浜海岸での清掃作業中に、波打ち際に置かれていた処女のウサギを捕獲しました」

 

なんか、この子、普通の状態ではない気がする。死体だからって言うのもあるが…昨日と同様に二人を呼び出した。

 

「今日は溺死体?生き返らせるの?」

 

「俺は死体とする趣味はない」

 

「身体が腐ってきているよ。しょうがないなぁ。器を作って魂を入れよう」

 

「その前に、彼女の存在に違和感があるんだよ。これって何?」

 

俺の疑問に対して、インデックスが、何かを術を掛けた。

 

「この子は、存在が空気になっているみたい。誰からも認識されずに、絶望して身を投げたのかもね」

 

「呪いか?」

 

「呪術は掛かっていなかったよ。魂を回収できたら、死体は返品しておくね」

 

楽しそうに部屋を出ていくインデックス。

 

「なぁ、死者を蘇らせるのって、楽しいのか?」

 

土御門に訊いてみた。

 

「人によるだろうな。アイツは自分の知識を役立てるのが、嬉しいんだと思うぞ」

 

なるほど…

 

◇

 

翌日、目が覚めると、目の前に少女がいた。ビチョビチョの溺死体である。状況が読めない俺は、ベッドの上で固まった。脈は既に触れていない。

 

「ミサカ19365号です。と、ミサカはお兄様にご報告を致します。七里ヶ浜海岸での清掃作業中に、波間に見えた処女を捕獲しました」

 

また、七里ヶ浜か…何かあるのか?って、処女と言うだけで、捕獲してくるのは問題ではないのか?特技はあるのかな?これもインデックスに依頼して蘇生の方向にして、調査の為、真純とコナンを七里ヶ浜海岸に派遣した。

 

「お兄ちゃん!かえでは、ここにいて良いのですか?」

 

器を貰い、元気を取り戻して来たかえで。琴美がびびる程に、純真無垢らしい。普通、人間であれば、多少の悪意は芽生えているらしいのだが、かえでにはそれがまるで無いらしい。

 

「いいんだけど、全裸にパンダのパジャマでいいのか?」

 

「パンダ、大好きです」

 

垂れるぞ、とも言えず、琴美と蘭に、かえでの下着を手配した。

 

「かえで、覚えていることはあるか?」

 

「う~んっと…花楓さんが精神を病んで、私が生まれたらしいです」

 

話を聞くと、花楓という少女が学校で虐めに遭い、解離性の精神障害を負い、かえでという人格を作り、逃げたらしい。だけど、その症状が緩和され、花楓の主人格が復活し、かえでは追い出されたそうだ。

 

「もっと、生きたかった。もっと、お兄ちゃんの傍にいたかった。だから…」

 

強い思いを抱き、実体化することで、誰かに見つけてもらえる様に…そこをミサカ19365号が発見したようだ。

 

「まぁ、好きなだけいていいぞ、かえで」

 

「はい、お兄ちゃん」

 

かわいいからいいか…まだ、出来無いけど…

 

 

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