※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき   作:もっち~!

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異世界への扉

 

夕食は土御門と三人で、ルームサービスを利用した。

 

『出品品を見て来たぜ』

 

土御門が念話で話し掛けて来た。盗聴防止の為だ。幸い、俺はゲロゲロ状態なので、言葉が少なめな為、念話で会話をしても怪しまれないだろう。

 

『亜人や異世界人と思われる者達がいた。異世界への扉を使って、攫って来たのかもな』

 

ハイエルフ、エルフは勿論、この世界の者では無い者もいたようだ。

 

『そうなると、主催者は異世界への扉の所在をしっているか、所有しているってことか?』

 

『そうなるな。で、どうする?』

 

オークションは明日である。何かを仕掛けるには、今夜がベストか?

 

『緊急連絡であるとミサカが報告します。そちらへ、世界の警察を自負する全米民主国の海軍が、近しているとお伝えします』

 

シスターズからの緊急連絡が念話に割り込んで来た。まずいなぁ。たぶん、商品達の解放目的では無く、横取りする気なんだろう。

 

『奪われる前に奪うぞ。犯歴の無い者だけを奪う』

 

『了解にゃ』

 

素早く、この部屋に同席している少女の意識を刈り取った土御門。さて、俺も動くかな。

 

◇

 

翌日、歩美を目暮警部に引き渡した。攫った相手の情報も伝え、全米民主国が絡んでいることを示唆して、国際問題になるから、穏便に動いてもらうことにした。得物の大半を、この国が横取りしたと思われるのは心外だからだ。

 

商品達は、遠隔霊装のコキュートスで凍結して、ここへ強制転移して持ち出して来た。1体ずつ、心のケアをしつつ、身体のリペアをしないとダメな感じである。ある女性は両腕が引き千切られている。切断面は焼き固められているので、神経の再生が難しそうであるし、エルフ、ハイエルフは媚薬によるエロフ化の影響なのか、女性器がやたらに目立つ。どう治療すれば良いんだ?

 

横目で、巨大胃袋に視線を送る。

 

「う~ん…難しい個体が多いなぁ~。身体のリペアの要らない者から、蘇生しようか」

 

チートな魔女でも、匙を投げるレベルらしい。

 

「まずは、クレープで頭脳に栄養を与えるかな」

 

かえでが収穫してきたクレープを、幸せそうに頬張るエセシスターな巨大胃袋。

 

「五和達の治癒術でどうにかなりそうか?」

 

治癒術を持つ変態教会組に訊いてみた。

 

「う~ん…難しいですね。身体に傷が無くても、精神を病んでいそうですし」

 

まぁ、獣とのプレイを前提にされていた者もいるしなぁ。目の前では灰原哀が、睡眠薬と鎮静剤で眠っている。蘇生させた瞬間に暴れ出したのだ。精神が壊れているんだろう。想像も付かない酷い調教でも受けたのだろうか?

 

「なぁ、一弥…これってどうだ?」

 

火織が書物を持って来た。この書物は、俺的はエロ本、見る人によってお宝の歴史的な価値のなる書物である。火織の開いているページには、女性が…いや女神様が恍惚な表情を浮かべている絵があり、その上には魔方陣が描かれていた。

 

「女神すら幸せにする魔術かぁ…」

 

催淫術系かな?魔方陣は神格文字で描かれている。効果は絶大な予感だが…

 

「神格文字の魔術って、誰が行使出来るんだ?」

 

俺を指差す火織。はぁ?

 

「俺は単なるイリュージョニストだよ」

 

「これが、神格文字ってわかる時点で、一弥以外にいないってことよ」

 

火織の目には神格文字は絵の一部に見えていて、文字として認識出来無かったらしい。それは、あの巨大胃袋もだったそうだ。

 

「読めるのと行使出来るのは別だと思うけど…」

 

試しに、目の間に横たわる哀に言葉を掛けた。

 

「理を読み解き、かの者を絶頂の極みへと導かん…『催淫』」

 

哀の身体をピンク色の光が包み込み、哀の表情が徐々に恍惚なものへと変貌していった。

 

「出来たじゃない。あぁ、その術で、手は抜かないでね」

 

って、真っ赤な顔の火織。術ではなく、俺の手で逝きたいらしい。

 

「一弥のクセに、神格魔術が使えるのか~」

 

クレープの味を堪能しながら、巨大胃袋に言われた。使えてもなぁ、。使いどころが難しい術だよな。

 

◇

 

翌日、両腕の無い少女を解凍、蘇生をし、催淫術で心の闇を払った。その後、腕のリペアを始めた。焼き固められた切断面から火傷だけを薄く切り離していき、生きている神経と筋肉繊維の状態を確認して、五和、インデックスで、出来る限り修復をしてみた。

 

「思わしくないなぁ」

 

傷口を覗き込むインデックス。その脇では、シスターズは、神経の検査をしてくれている。神経に微弱な電流を流し、脳に届いているか、途中断線をしているかを検査しているのだ。断線していなければ、脳と肩口までの信号の受け渡しが出来るってことで、ホムンクルス的な義手が使えるってことだ。

 

「ダメです」

 

断線ではなく、切断面から雑菌が入り込み、腐っている箇所があるらしい。汚染拡大を防ぐ為、腐っている神経ラインを、『強奪』で取り除いた。

 

「体表の上に絶縁皮膜を置き、体表面上に信号を流すことを、ミサカは提案します」

 

首から指先まで、特殊スーツで覆うってことか。考えても仕方が無い、やれることはしてあげる。生き残れる可能性が出来た時に、本人にどうするか訊けばいいか。

 

ミサカの案を取り入れ、インデックスに、丸投げした。

 

自分の部屋に戻ると、裸体の女性が数名いた。

 

「助かったよ。礼を言う」

 

リーダー格らしき、緑の髪のハイエルフが口を開いた。

 

「ハイエルフが、人前で肌をさらすなよ」

 

「何を今更…お前には見られてもいい。触られてもいい。弄んでもいいんだぞ」

 

弄ぶ?まさか、あの催淫術の副作用か?惚れ薬効果でもあったのか?

 

「いや、間に合っている。だから、服を着ろよ」

 

俺にしたら大量の裸体の女性を前にして、狼狽える。せいぜい、3Pが限界である俺。無言で俺に近づく女性達…無理、こんなにたくさんの女性は無理だから…

 

◇

 

部屋にいた女性達と、それぞれ1回以上身体を交え終わった。もう、粉しか出ないかな。これって、お礼ではなく拷問では無いか?

 

「これからも、好きな時に抱いてくれて構わない」

 

確かに、エルフ、ハイエルフの身体は気持ち良かった。人間とは違う刺激をたくさんいただいた。

 

「まぁ、元気そうでなによりだよ」

 

こんな俺と交われるなら、トラウマも無く生きられるんだろう。

 

「で、どこから、こちらの世界に来たんだ?」

 

「同じ世界では無いのか?」

 

ハイエルフであるリヴェリアが逆に訊いて来た。

 

「この世界には亜人はいないはずなんだよ」

 

「そうなのか?」

 

考え込むリヴェリア。そうなると、この世界にいるのか?

 

「そう言えば、見慣れない船で攻めてきたな」

 

船?異世界への扉は海上にあるのか?

 

「見慣れない武器で攻め込まれ、我々は捕まり、奴隷にされたんだ」

 

海から攻めたのか。念話で磁気異常のある海域が無いかを、ネットワークに調べて貰うように指示をした。

 

「どの辺りか、わかるか?」

 

この世界の世界地図を、彼女達の前に広げた。

 

「う~。わからないわ。でも、捕らわれて、そんなに時間は経っていない気がするの」

 

そうなると太平洋上か?あの辺りで怪しい海域は…

 

『ムー大陸では無いかと、ミサカは推測を披露します』

 

念話が届いた。ネットワークの出した推測なのかな?そうか、ムー大陸か。ハワイ、イースター、フィジー、果ては沖縄すらも含んだかもしれない巨大大陸。もし、そこに異世界への扉があり、大陸の沈下の影響で、扉が海上に残った可能性はあるなぁ。そして、そこは全米民主国の領海内だとしたら、あの横取り劇の説明が付く。

 

自ら異世界への略奪はせずに、裏組織にやらせて、漁夫の利を得るって感じか。情報を集めて、万全の体制で占領へと向かう気なのだろうか?

 

『可能性はあるよ』

 

って、巨大胃袋からの念話。

 

『あそこって、移民国家だろ?先住民を圧倒し、国土を広げる国だ。やりかねない』

 

歴史は繰り返す。どんなに選択を変えてもか…ふと、閃きが舞い降りた。もしかして…ある物を『強奪』し、ある場所へ強制転移させた。

 

『おい!何をやらかしたんだ?』

 

巨大胃袋から驚いたような念話が届いた。

 

『転移をさせた。例の封印された扉の部屋の地下に…』

 

『そうか…あの部屋は、見つけた異世界の扉を収集しておく部屋なのかもな』

 

って土御門からの念話。あっ!そういう考えもあるなぁ。あの場所なら、安心して保管できそうだ。

 

『なぁ、一弥くん…まさか、考え無しに転移はさせていないよな?』

 

巨大胃袋の勘が冴えている。ビンゴだよ。

 

『否定もなく無言って、そういうことだ?一弥に考えなんかあるかよ』

 

って、土御門に酷いことを言われている。だけど、その通りなので、反論はしない。

 

◇

 

灰原哀を鑑識チームに入れ、ヴァイオレットの両腕のリハビリが始まった頃、花園たえを目暮警部へ引き渡し出来た。たえはルームサービスの少女で、洗脳が酷く、解くのに時間がかかってしまったのだ。

 

リヴェリア達からの事情聴取も終え、彼女達を、彼女達の世界へと送り届けることも出来た。あの時、強奪できた異世界への扉は数枚あった。ヴァイオレットの世界は戦争真っ只中であり、開かないように封印をした。戦火はいらないからだ。

 

「私はどうするれば良いですか?」

 

ヴァイオレットに訊かれた。

 

「まずは、腕のリハビリが最優先だよ。あの戦争の世界には戻れないだろ?」

 

彼女の義手は日常生活は出来ても、まだ戦いが出来るほど、腕力が無かった。剣を力強く振ることも出来無い。

 

「そうですね。この家で、メイドをしても良いですか?」

 

「そうだな。無理の無い程度に、頼むよ」

 

笑顔で俺に頭を下げたヴァイオレット。やっと、笑顔が自然に出せるようになってきたようだ。救い出した当初は、笑顔というか表情筋が壊れていたしなぁ。

 

久しぶりに、探偵社に出社をすると、報告書が溜まっていた。七里ヶ浜の案件の物だった。

 

「で、どんな感じ?」

 

美和子に訊いた。

 

「大学生の牧之原翔子の正体が、未だに不明なの」

 

報告書で見る限り、出来る手立ては総て使った調査が為されたようだが、彼女の正体は依然不明のままである。奥の手のネットワークを駆使するかな。ネットワークに指示を出すと、数分で、報告が上がって来た。

 

『牧之原祥子の出現前後に、強力な電磁波が発生していたことをミサカが報告いたします』

 

協力な電磁波?なんらかの能力が使われたのか?

 

『発生原因を探ってくれ』

 

ネットワークへ指示を出した。

 

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