---坂本一弥---
誘拐容疑は晴れた。紅葉本人が家出って言っているし、俺のアリバイは鉄壁であった。なんせ、警視庁に捜査協力していたので、時間的に誘拐なんかしている暇は無いと判断されたのだった。。
損害に関しては、俺は関与せず。会社と弁護士団と、大岡家との話し合いだしなぁ。京都府警のエスピーって名乗っていたが、どうやら大岡家の私設エスピーだったそうだ。銃器などの使用など、違法行為が多数見付かり、大岡家は終わったらしい。大岡家への取り調べ及び摘発に、京都府警が及び腰だった為か、警察庁が乗り出し、大事件へと発展しそうである。
そういう話は、向こうへ置いておいて、俺にとっての問題は、どこに住むかである。蘭の家には、余分な部屋が無いし、美和子か麻衣のマンションに同居が落とし処か。
「一弥さん…」
俺の腕を胸の谷間に挟む女性。誰だっけ?
「住む場所が無いんですよね。一緒に住みましょう」
って、連れて行かれる俺。胸の谷間に腕って…こんなにも気持ちが良いのかって、堪能していて、思考力がゼロだった俺を連れ去る女性。
「ここの部屋でどうですか?」
って、マンションの1室に連れて来られた。
「あの…」
真っ赤な顔で俺を見つめる女性。誰だっけ?
「私が身を捧げますから、プリエステスとは関係を断ってください」
って…あぁ、火織の教会の子か。
「おまえの名前は?」
「五和です」
「火織とどういう関係だ?」
「プリエステスを尊敬し、お慕いしております」
教皇とシスターの淫らな関係なのか?う~ん、女性しかいない世界では、女性同士で恋が芽生え、肉体関係を結ぶらしいと、ラノベで読んだ気がする。それか?
「わかった。ここで火織と幸せな生活を送れよ」
俺の言葉で真っ赤な顔で俯く五和。妄想の世界へと旅立った彼女を残し、俺はその場を立ち去った。格好良く…
って、住む場所はどうするかな?留置場に泊まると学校へ通えないしなぁ。夜の街を彷徨う。どこかに住めそうな洞窟は無いかなぁ?行き着いた先は、川神院だった。そうだ!百代の部屋に住めば良いではないか。あいつは服部と仲良く収監中で、いないはずだし。勝手知ったる百代の部屋。ベッドに横になり、睡魔に襲われ…
◇
身体を誰からに揺られている。
「おい!起きろよ…」
「おはよう…」
「なんで、私の部屋で寝ているんだ?!」
百代が釈放されていた。
「あれ?収監されたんじゃ…」
「されていない。なんで。私の部屋で寝ているんだ」
なんで、だっけかな?目の前の百代に抱き付き、添い寝をさせた。
「ち、ち、ちょっ…待て…準備ってものが…」
百代のうなじの臭いを嗅ぎ…睡魔に攫われていく。
身体が蠢く。いや、俺の上に載っているヤツが蠢いているようだ。
「はぁ~…一弥…」
百代が俺と交わっていた。俺の身体は百代に預けて、もう一眠りするか…
◇
翌朝、目覚めると、全裸で百代と抱き合っていた。服を着て、学校へ行く準備をする。あっ!制服が無い。私服で通えばいいか。百代は果てて居るようなので、そのまま起こさずに、学校へと向かった。
教室に入ると、蘭が走り寄って来た。
「ね、住む場所は決まったの?」
「決まってはいないよ。麻衣が撮影から戻って来たら、麻衣と暮らそうと思っているけど」
「むっ!」
なんか機嫌が悪そうな蘭。
「どうした?」
「なんで、彼女を前にして、愛人と同居する宣言をしているの!」
あぁ、そうだな。でも…
「蘭の家、住む場所ないだろ?」
「それはそうだけど…」
「後、美和子のマンションだな。」
「う~ん…複雑です。どうしましょうね」
って、蘭が困った顔をしている。
「そうか…紅葉と住めばいいのか。アイツ、家出中だし」
「はぁ?」
なんか呆れている蘭。
しかし、昼休みになると、状況が一変した。
「兄さん、一戸建てを購入しました」
って、数馬。
「一戸建て?そうか、数馬は家持ちになったのか。俺はどうするかな…」
「うん?兄さん達も、同居ですよ」
俺達も?
「兄さんだけでなく、数名が同居出来る広い間取りです。地下にはトレーニングルームがあり、兄さん用のプレイルームも併設します」
俺用のプレイルーム?はて?
放課後、数馬、ウザミンと共に、新居へと向かうと、既に紅葉がいた。
「一弥…」
「紅葉、大丈夫か?」
「うん…」
家に入ると、美和子と由美もいた。
「一弥、おまえは良い弟を持ったなぁ」
って、美和子。うん?数馬が先読みして何かをやらかしたのか?
「ここにシェアで住めば、マンション代が浮くし、助かるよ」
って、由美と美和子も、ここに住むらしい。数馬に訊くと、マンション住まいの麻衣も、ここに同居するそうだ。
「帰れない日も多いし、ここなら、家賃が安いし助かるよ」
って、家賃と言うなの食費を皆で出し合う方式らしい。
「兄さん、連れ込み宿代も浮くでしょ?」
って、誰と遊んだか、バレる気がする。あぁ言うのは、こそこそ遊ぶから良いんだと思う。真面目な数馬には分からない話だと思うけども。
--江戸川コナン---
マジか…俺の自宅の隣に、坂本兄妹が引っ越して来たようだ。園子から連絡を貰って、初めて知った。なんで…そんな場所に越してきたんだ?
早速、偵察に行くと、蘭がいた。
「隣が、元カレの家なんだよ」
って、元カレになっている俺…
「あぁ、高校生探偵だっけ?東も西も碌な男で無いなぁ」
服部と同列になっている俺。俺は警察の厄介にはなっていないんだが。
「はぁ~、帰って来ていないみたい。何をしているんだか、アイツは」
アイツ呼ばわりかよ…なんか、扱いが悪くなっていく。今夜辺り、連絡をするか。
◇
変声機を使い、蘭へ連絡をした。
「蘭…オレだ。元気か?」
『オレって、どなたですか?』
声がキレている。
「新一だよ。どうした、機嫌が悪そうだな」
『あぁ、工藤君ですか。なんか、馴れ馴れしいですね』
コイツが敬称付きで呼ぶ時はキレている時だ。なんで、キレているんだ?
「どうしたんだよ、蘭」
『気安く名前で呼ばないでください。工藤君とは他人なんですから』
うっ…
「アイツと何かあったのか?」
『アイツって?』
「坂本だよ」
『誰に訊いたの?』
「園子が情報を連絡してくれるんだよ」
『園子さんとそういう関係なんですね。ガチャ』
へ?通話を切ったのか…リダイヤルするが、着信拒否設定をしたようだ。なんでだ、蘭…
---坂本一弥---
新居で目覚めた。目の前には、堕天使エロメイド服に身を包んだ五和がいた。真っ赤な顔をしてモジモジしていた。
「どうしたんだ?」
「え?似合いませんか?」
「あぁ…火織なら似合うと思うが、五和は普段着がいいなぁ」
「え…普段着ですか?」
更に困った顔になっていく。
「なんで、ここにいるんだ?」
「メイド募集に応募しまして…掃除、洗濯、食事のお世話から、ボディガードも出来るってアピールしましたら、住み込みで採用になりました」
「子作り、子育ては業務に入らないのか?」
「へっ…」
茹だったような真っ赤な顔になった五和。相変わらず、こういう話題に弱いようだ。起床して、数馬に訊くと、採用したのは本当だそうだ。
「五和さんとは料理教室で知り合いまして」
って、数馬は料理教室に通っているようだ。
「で、メイドを探しているって、お話したら、住み込みで働きたいって。なので、即断でお願いしました。主に兄さんのお世話が、彼女の仕事内容ですよ」
それは、誰も構ってくれない時間帯に、俺がどこかで、何かやらかすのを防止ってことかな?訊けないけど…
で、紅葉は、俺達と同じ高校に転校してきた。クラスは数馬達のクラスのようだ。
「ね、紅葉ちゃんとどういう関係?」
蘭に訊かれた。
「紅葉のアニキ枠だそうだ。だから、俺にとっては、妹枠になる」
「ふ~ん」
何か納得している蘭。
「一弥への口調が、とってもかわいいのよね。私達には、威厳のある感じの口調だけど」
「それは、気を許していないんじゃ無いかな。緊張して話しているんだと思う」
紅葉は昔から、俺に対しての口調が、皆への口調と違っていた。それは、分かっていた。
昼休み、紅葉が俺に駆け寄って、俺にしがみついた。
「一弥…」
「紅葉、緊張しすぎだよ。もっと、肩の力を抜きはれ」
「そうだけど…」
「兄さん、お弁当を持って来ました」
って、いつもより多いような。朝から、数馬と五和で料理対決したらしい。コイツら、何をしているんだ?
「そうだ、兄さんへ手紙が来てましたよ」
数馬から手紙を受け取った。果たし状かな?封を切って中を見た。
「おぉ!マーシャルアーツの招待状だ。相手はベガ・ユーゴだ」
マーシャルアーツとは、フルコンタクト空手、プロ空手などの総称である。そして、ベガ・ユーゴはマーシャルアーティストの世界ランカーである。
「世界戦か?」
世良が寄って来た。
「数馬、参戦をする。返事を出しておいて」
「わかりました」
書類類は数馬に丸投げである。
「2週間後だよ。世良、セコンドをしてくれないか?」
「はぁ?招待状って、お前、出場するのか?」
「は?ベガと対戦するんだよ」
世良の顔から血の気が失せている。どうしたんだ?
「お前…まさか、プロなのか?」
「世界ランキング9位だよ。ベガは5位だろ?」
「9位?って、あのマスクマンは、お前か?!」
格闘オタクの世良は知っているようだ。
「そうだよ。リングネームはTレックスだよ。楽しみだな。久しぶりに本気で戦えるし」
◇
百代の道場でスパーリングを始めた。勿論、百代相手でだ。投げ、極め無しだと百代は強敵である。百代の蹴りや拳を受け流していく。
「本気で撃ち込んでこいよ、百代!」
「先程から、本気だ。まったく、一弥と来たら…」
川神院で身体を絞る。余分な贅肉は、空気抵抗になるからだ。百代がバテると、百代の祖父である鉄心先生に相手をして貰う。
「なぁ、お前、本気で無いだろ?」
「あれ?老師には分かりますか?百代は分からないのに」
「分かる。重りを総て外してみろ」
パワーアンクル、パワーリスト、パワーベルトを外した。
「…こんなに着けて、私と戦っていたのか?」
「まぁ…試合以外では外さないからね」
「重い…これってどの位だ?」
「1つ20で、5こ100だよ」
「はぁ?100キロを常時着けていたのか?」
何かに驚いている百代。まぁ、いいか。スルーだな。老師とのスパーリングを再開した。
---川神百代---
ますます一弥に惹かれていく。こんな物を着けていたのか…。目の前で繰り広げられている別次元な戦い。世界最強と言われている祖父を相手に、互角以上の戦いをしている一弥。祖父の攻撃を総て受け流し、祖父に出来た一瞬の隙に、一瞬で詰め寄り、攻撃を撃ち込んでいる。
「ふぅ…さすが、坂本流の免許皆伝者じゃな」
二人の表情は対照的であった。苦しげな祖父、楽しそうな一弥…祖父との戦いを楽しんでいるようだ。一方、祖父は必死に耐えているようである。
「まいった…」
祖父が負けを認めた。片膝を床に付き、呼吸が荒いようだ。一方の一弥は、満足げな表情で、私を見つめている。まだ、戦い足り無いのか…
◇
身体に力が入らない。道着が身体から剥がされていく。これからされることに、身体がワクワクしているようで、私の身体は彼の受け入れの準備が出来ていた。
ゆっくりと彼が入って来て、胸に手の平が辺り、指で乳首が挟まれ、唇が重ね合わさる。ケダモノと化した彼は、私を貪るように食べている。だけど、抵抗が出来ない。抵抗する気力も体力も既にない。彼の好きなようにして貰うことしか出来ない。
私はマグロ…手足は無い…
---坂本一弥---
試合当日…満員の会場。セコンドには火織が付いてくれるそうだ。世良は観客をしたいらしい。試合の為のコスチュームに着替えていく。マスクを被り、レッグプロテクターをセットし、ナックルガードの為のハーフグローブを嵌めた。あぁ、口にマウスピースを入れないとダメか。
そして、火織と共に、リングへと向かった。
リングに上がると、それぞれの選手の国旗が掲揚され、国歌が流れる。世界ランカー同士の戦いの前のセレモニーは長い。その長い時間中に、戦意をたぎらせ続けるのも戦いのうちである。
長々としたセレモニーが終わり、ゴングが鳴り響いた。
ベガの攻撃を受け流し続ける。老師との戦いを経た後では、ベガの攻撃は子供の遊び程度に思えた。ベガの作った隙を見逃さずに、突き上げる様な前蹴りで、顎を捕らえた。一瞬ベガの身体が宙に浮き、静かにスローモーションのように、後方へと落ちていく。
ゴングが鳴り響き、俺の腕が高々と上げられた。まるで夢の世界のような気分である。
◇
俺が俺に戻ったのは、控え室のベンチの上だ。心配そうに俺を見つめている火織。
「試合まで、後どのくらいだ?」
怪訝な顔付きの火織。
「大丈夫か?もう終わっているんだ」
意識が朦朧としている。俺はダウンしたのか…
「俺は負けたのか…」
「本当に大丈夫か?一弥が勝ったんだよ」
俺が勝ったのか…まるで、実感が無い。
「病院へ行こう。一緒に行くから」
パンチを貰ったのかな。試合の記憶がまるで無い。
◇
検査入院をしている俺を、堕天使エロメイド姿で、世話をしてくれている火織。なんで、その姿なんだ?
「この姿を見て、元気にならない男はいないそうだぞ。だから、早く元気になれよ」
って…言葉は固いが、姿が恥ずかしいのか、顔が真っ赤な火織。ハーフカップの胸当て…乳首が見えそうな位置である。
「いつもの火織の姿が好きだよ」
「お前は、変わっているのか?五和にも同じことを言ったそうだな」
言ったかもしれない。
「自然体が一番良いと思うんだよ。俺はね」
「そんなお前が好きだ…」
俺の唇を奪う火織…