---山内一弥---
学校の図書室でお勉強。家の目録には禁術関連の資料しかないので、一般常識
系を勉強するには学校の図書室を利用している。
「ねぇ、都市伝説の暗号は解けたのか」
学校でも不届きな服装の火織に訊かれた。何故か高校3年として通っているら
しい。聖人なんだし、通う必要が無いのでは?
この不謹慎な服装の聖人に手を出すと、ペナルティーが発生する。聖典の書き
写し三日とか。この学校の都市伝説だが、試す勇者はいないらしい。おつきの
ガードにまずボコられるだろうからか。
「うん?火織がノーパンかどうかかな?」
「それは都市伝説にならんなぁ」
そうだな。
「そうじゃない。 YXMO 1412の方だ」
「あれ?あれは暗号じゃないし。まぁ、メモ書きだよ」
「どういうことだ?」
火織との距離が近い。思わず、Tシャツの中に頭を突っ込み、すぅ~はぁ~し
てみた。
「おい、ド変態。学校では止めろ」
家ならいいのか?谷間の汗をなめ、匂いも嗅いでおく。
「一弥様、そういうことは、だめですよ」
五和により、Tシャツから排除された。
「で、どういう意味だ、あれは?」
現代の聖人にすごまれる。顔が近い。鼻の頭でもなめるか?そろそろ怒るか
な。
「1412年に生まれし聖人のことだよ。性別は女性で、聖女ではなく聖人だ」
「なんで、そこまでのことが分かるんだ?」
「え?エム字開脚は上手って、かいてあるだろ」
「は?なんで、そんな解釈になるんだ?」
「あれって、俺の前世でのメモだからだよ。最初のYXは染色体の型で性別を
書いておいたんだ。XYはハズレ、XXが正解ってこと。まぁ、エム字開脚が
上手な男性はノーグッドだな」
「お前は前世もド変態だったのかぁぁぁぁ~」
そうだよ。世界線が変わっても、死んでも変わらなかったんだ。前世でも変わ
らないだろう。
「1412年生まれの聖女じゃない聖人だとだと…ジャンヌか?」
「正解だ。ここからが問題、そのジャンヌの魂を持つ人物は今世は誰かだ」
「お前は見つけたのか?」
「今日の火織は質問ばかりだな。あぁ、見当はついているよ」
「せんたくするのに必要なのか?」
「絶対に必要じゃない。それよりも、Gスポットってなんだ?火織先生、教え
て」
◇
夜。暗躍する時間。次郎吉の動きを封じる資料をようやく見つけた。全米民国
と次郎吉の間で取り交わされた密約の書類である。これまで見つからなかった
訳だ、紙ではなく羊皮紙に、ヘブライ語で書かれていた。ところどころ綴りが
間違えているし。火織経由で、バチカン、国連に提出しておく。
翌日、先の大戦の折に、バチカンから盗まれた契約の書が見つかったとネット
ニュースで流れた。旧ユダヤの長を鈴木次郎吉とし、全米民国は友好を結ぶと
か書かれていたそうだ。
次郎吉の探していた物は、イエスがの日本に来た証拠らしい。その子孫である
というお墨付きを手元に置きたかったようだ。
だけど、そんな証拠はない。イエスは日本に来ていないからだ。他の人物は来
たかもしれないけど…
証拠はあのエロい絵本である。既にバチカンに寄贈してあるけど。いくら地下
を掘っても出てこない。だって、山内家じゃなく、宗方家だし…
---工藤優作---
バチカンから盗まれていた契約の書。改竄され、契約主が鈴木家になっていた
そうだ。改竄されたら、契約の内容の効果がないはずである。原本は神が持っ
ているのだろうか?
鈴木家の評判は、悪くなる一方である。あの国を統べているなんて、言っては
いけない。象徴ではあるが、王家の支配する国である。次郎吉氏は鈴木家を王
家にしようとしたのか?そうだ、三種の神器も王家である証拠であるな。新た
な王家の証拠を探していたのか?一番の謎は、次郎吉氏の執着の原点、なぜ山
内家なんだ?
---江戸川コナン---
父さんからの依頼。鈴木家相談役の次郎吉さんの執着の原点を探れという。園
子に訊いてみるか。
変成器で俺の声にして、園子に暫くぶりに連絡をしてみると、蘭と共にベルツ
リー学園に転校したようだ。蘭から訊いていないんだが…
「学校に行ってないの?」
「あぁ、ずいぶんと行ってないなぁ」
それはおいておいて
「次郎吉さん、随分と山内家に執着しているみたいだが、何か証拠でもあるの
か?」
「随分前に買った古い書物に、『YXMO 1412 お宝みっけ』って言う走り書き
があったのよ」
暗号か?
「その書物を売った人物が、山内家の使用人だったの。だから…」
「でも書いたのは、違う人物かもしれないだろ?その前の所有者とか」
「その使用人って、謎の死で無くなったみたいで、その前の所有者が分からず
じまいなの」
う~ん、そうなのか?
「そうか。分かった。俺の方でも調べてみるよ」
◇
キッドに頼み、謎の書物を盗んで貰った。
「これ、人魚伝説に関する書物だぞ」
人魚伝説?あの組織絡みなのか。
「俺の勘だが、これ首を突っ込まない方がいいぞ」
泥棒の勘なんか、信じないぞ。
「俺の母さん、次郎吉事案で酷い目に遭ったらしい。あの案件には手を出さな
い方がいい」
ファントムレディが手を出したのか?
「なぁ、キッドのサイン入りの暗号は?」
「それな。俺は書いた覚えはないし、関わった覚えもないが、父さん、先代キ
ッドの方が、関わったかもしれない」
「それなら俺の父さんが知っていても良い気がするが…」
謎は深まる。
---山内一弥---
異世界では豚の皮がよく売れる。羊皮紙の代わりに使うらしい。人間の皮だ
と、縮むし、強度が無いそうだ。豚を精肉処理すると、皮は出るのでリサイク
ルだな。問題は、対価である。魔道具はノーである。奴隷なんか持って帰れな
い。悪魔には価値がない金細工をもらうか。
スライムの魔王の世界では、カップラーメンが売れる。ここも対価が問題であ
る。好みの女性をと思ったのが、その女性は異世界転移勇者だったので、対価
にならず。残念だあ~。
盾の悪魔の世界は、クレープの苗木一択である。ラフちゃんがかわいいのだ
が、亜人は持ち帰れない。残念…
ここ、時の扉の間には、先人達の記録が残されている。どの世界でどのような
物を売ったかとか、仲間達の記録とか。今日の取引の内容を記さなきゃ。クレ
ープの木の取引は俺が最初のようだ。先人達には甘味は縁がなかったのか。で
も、仲間には饅頭屋もいたようだが、饅頭を売っていなかったのかな。
居住区に戻ると、数馬が待っていた。
「今日の売り上げはどうですか?」
「魔鉄鋼とか金細工だよ。金細工は売ってくれ」
「オークションで売りますね」
金策は数馬に丸投げである。
「そうそう、近藤家の美優さんがお見えですよ」
近藤家とは、昔家臣だった近藤長次郎を祖とした家である。先ほど思いだした
饅頭屋の子孫である。
「応接間かな?」
頷く数馬と共に向かう。
「お久しぶりです」
黒いロン毛の女性がいた。胸は肉饅のような大きさ…美味しそうだ。
「兄さん、ド変態みたいな目つきですよ。おいたは、仕事の後にお願いします
ね」
数馬から注意された。そうだな。仕事は大事である。
「久しぶり」
全然、久しぶり感はない。初対面のような気がする。
「彼女は、完全調整体で人造人間です。なので、ミサカネットワークにせつぞ
くされています」
と、俺の疑問を解消するように、数馬から補足説明が入った。あぁ、だからお
久しぶりなのか。ネットワークには年がら年中接続している訳ではない。重要
と判断した情報が投稿され、配信されるようだ。
「近藤屋にはアンテナショップをして欲しい。ドールとか饅頭をね」
饅頭は現在異世界向けである。紅茶文化が主流の為か、黒砂糖がない異世界が
多いのだ。だから、茶色い薄皮の饅頭がうれるのだった。
「分かりました。近藤商会は販売に徹します」
数馬と細かい商談をするために、別室に向かう美優。ちょっとお昼寝をしよう
よ、と言える雰囲気ではない。
◇
急患が療養所に運び込まれた。ヒーラーの俺は医師免許は無い。なので医院は
開業できない。そこで、療養所なるものを作り、急患の受け入れをしている。
連れてくるのは、ルパンとかリョウとか冴子など、普通の病院へ行けない者達
の他、神の手を持つ外科医の養母の悠である。
神の手でも無理な患者のうち、闇医者でも良いという人物だけ、受け入れてい
る。
「これ、カルテよ」
養母からカルテなどの資料を渡された。それを元に患者の全身を探査してい
く。
「子宮癌か」
神の手でも切除可能であるが、今後子作りは出来なくなる。だから、ここに…
処理室に連れ込み、癌を『強奪』する簡単なお仕事。
「これ、切除した異物だよ」
トレイに乗せ、養母に渡す。
「ありがとう」
「毎度あり。経過観察するから、1週間くらい入院させえて」
「分かったわ」
スキル1カ所1回行使につき、100万ドルである。日本円だと、聖徳太子札で
払う金持ちがいるかもしれないので、お断りにしてある。そもそも鈴木家はお
断りであるが。
◇
恐れていた事態が発生した。地下トンネルが崩れたそうだ。国道は通行不可
に。何もするなと言われていた俺たちには責任はない。
責任の所在はどこに?土地を無断で売り、施工した鈴木家にあると思うのだ
が、山内家の責任転嫁をする次郎吉。あの爺が言うには、土地の所有者に責任
があるという。公正な判断の出来る裁判官が担当し、公正な判断の出来る官僚
が経緯を調べていく。結果、鈴木家に賠償命令が…出ても、無視するようだ。
通称次郎吉案件税が閣議決定され、負担は国民へ…当然、鈴木家に忖度する政
府は野党と心ある者の与党により、総選挙へ…うちの息がかかった議員が多数
誕生することになった。
---江戸川コナン---
次郎吉さんはやりすぎた。自分の尻拭いを全国民へ丸投げしようとした。結
果、鈴木次郎吉忖度政府は、国民審判で消された。
ベルツリー学園に文科省が入り、学校の免許を取り消された。学校設立の目的
が鈴木家を支える人材作りだったことが判明して。スパイ術、夜のお勤めなど
の教科が問題あると判断されたのだ。何を教えているんだ?どうせなら探偵育
成学科をつくるべきだと思う。化学では媚薬、自白剤などの作り方を教えてい
たらし。
次郎吉さんは塀の中へ引っ越し、平和になるかと思ったが、大金を叩き保釈さ
れた。まったく懲りていないようだ。
「キッドを捕らえ、暗号の解読をさせろ」
と、公安に命令しているらしい。命令権がないのに。
父さんにも、
「キッドを捕らえ、暗号の意味を聞き出せ」
と、命令口調だったそうだ。
「困ったよ。逮捕権ないのに、どう捕らえろと言うんだ」
困った声の父さん。
「あいつは知らないって言っていたぞ」
「今代のキッドではなく先代だよ」
「居場所はしっているの?あいつは死んだんじゃないかと言っているけど」
先代のキッドは、どこかの組織に消されたらしい。
「困ったなぁ」
---山内一弥---
闇のオークションサイトから数馬に注文が入った。近藤商会にもだ。
『人魚、生死を問わない』
無理な注文である。人魚の身を食えば、不老不死になると思っているのだろう
か?生の肉であれば、呪いで不死になるだろうけど。
「兄さん、どうしますか」
って、言われてもなあ。用意は出来るけど。ピチピチの若い個体はむりだけ
ど、老いた個体ならば。
異世界で人魚族とも取引をしているので。犯罪を犯した個体ならば、貰ってこ
られる。問題はミイラならば無いが、生きた状態だと、人体実験の材料にされ
ることか。人魚って、亜人であり、モンスターではない。刺身で食うには人道
上、どうなのって問題がある。
「取り敢えず、ミイラで様子をみるか?」
死刑宣告されている犯罪者から水分を抜き、干物にして、オークションへ。
◇
オークションの結果、1000万ドルで、次郎吉が落札したという。そして、落札の
翌日、また注文が別のオークションサイトから注文が入った。
『生きている若い女性の人魚』
と…あぁ、ミイラは男性だったな。食うのか、あいつは…
元々の発注主であるオークションサイトは、商品受け渡し時に、次郎吉率いる
コマンダー集団に襲撃され、代金踏み倒しの上、ミイラと顧客名簿、仕入れ先
名簿を奪われている。
敵は仕入れた先を襲う気満々である。どうするかな?