ふぅ。
目の前の書類の束を片付け終わり、一息つく。
この書類の山は、更識の、いわゆる機密事項の山である。
自己紹介を兼ねるが、俺は更識の分家の人間だ。
分家という立場上書類整備よりも実務の方が性に合ってはいるのだが、現当主である刀奈ちゃん、失礼、楯無様から頼まれてしまったのだ。
なんでも完全に失念していたとの事で、完璧に見えるがやっぱり昔からあまり変わっていないのが彼女なんだろうと思う。
湯呑片手にそんなことを考えていると――
「たっだいま~」
ガラガラと引き戸を開ける音が耳に響いた。
そしてそれ以上に陽気な声を決して聞き逃さなかった。
縁側を歩く音が障子の向こう側で止まる。
「久しぶりだね」
障子の戸を開いて現れたのは、布仏本音。
俺の幼馴染でもあり、彼女だ。
「帰ってきていきなり会えるとは思ってなかった~」
緩んだ笑みを浮かべる本音に、それはこちらの台詞だと返す。
学園はもう冬期休暇に入ったのか?
「うん。これから年末年始にかけてお休み。かんちゃんもいるよ」
簪様か。
本音は簪様の侍女だ。一緒に帰ってきてもいるのだろう。
ここは布仏家の離れだから、恐らく彼女は本家の方にいるのだろう。
そういえば彼女には彼氏ができたと、聞いていたが本当なのだろうか。
何でも2人目の男性搭乗者で名前は
話は合うだろうか。
「あれ、もしかしてかんちゃんの事考えてる?」
ニヤニヤと笑いながらこちらを覗き込んでくる本音。
この子は昔からこちらの考えをたまに読んでくるのがちょっとだけ怖い。
「ふっふっふー、伊達にアナタの彼女を3年やってないよーだ」
したり顔で頷く本音に少しだけイラっとして軽くチョップを繰り出す。
ポコンと軽い音を立ててチョップは彼女の頭に当たった。
「あいたっ。チョップは酷ーいっ」
大げさな。本気でやるわけがない。
チョップを繰り出した右手そのままに、彼女の頭を撫でる。
柔らかな髪の毛の感触が手に広がる。
少しだけ驚いたような表情を浮かべた本音だが、すぐに受け入れてくれた。
優しく、慈しむ様に頭を撫でる。
「……こうされるの、好き」
トロンと蕩けた様な表情を彼女は浮かべている。
9月の大型連休以来だから約3カ月振り。
触れ合う機会も中々取れなかったためか、俺も夢中になってしまっていた。
名残惜しいがいつまでもこうしているわけにはいかない。
書類整備が終わった事を報告しなければならないし、仕事も他に残っている。
「……うん、またあとで……ね」
彼女の言葉に頷いて、俺は自室を後にした。
―――――――――
一日の疲れを落とす方法は多岐にわたる。
人それぞれ効果のほどは違うが、マッサージやストレッチ、睡眠等、そして入浴もその選択肢に含まれる。
何が言いたいかというと、今俺は風呂に入っている。
今日を含めて今年分の仕事は全て片付けて、楯無様に報告済みだ。
彼女からも今年一杯の仕事はもうないと言われているが、実務がいつ舞い込んでくるかは微妙な所ではあるのだが、休めるときに休もうと判断した。
風呂桶に溜めたお湯を頭からかぶる。
少し熱めの温度だが俺にはちょうどいい温度だ。
フゥーっと長めに息をついて、身体を洗うためスポンジに洗剤をしみ込ませる。
そんな時だ。
「あれ、もしかして……お風呂入ってる?」
脱衣所から声が聞こえた。
その声は本音の声だ。
それにあぁと答える。
恐らく風呂が空いていると思い、来たのだろう。
「ねぇ、入っても……いい?」
心臓が一瞬止まりかけた。
何を言っているんだと声を出す間もなく、風呂の戸が開かれた。
「えへへ」
バスタオルを巻いた本音がそこにいた。
咄嗟にタオルで腰の部分を隠した。
スラっと伸びた脚に凹凸のバランスが取れた身体。
そしてバスタオルで隠された豊満な胸、いや隠しきれてはおらずその存在をタオル越しでも明確に主張している。
「視線がえっちー」
思わずガン見していたのがバレた。
仕方ないだろう。俺だって男である。
彼女の綺麗な身体に見ほれるのは仕方がないことだと思う。
「……もう、上手いんだから」
嘘偽りなく正直な感想だ。
「……よし、背中流すよー」
えっ、と声を漏らしたが、手に握っていた泡まみれのスポンジを彼女に取られてしまった。
そしてすぐに背中をこすり出す。
「いいからいいから。ご奉仕、させて?」
殺し文句だろう、それは。
そういわれてしまったら頷くことしかできない。
俺が抗議の声を出せないことを知ってか知らずか、フンフンと鼻歌を歌いながら楽しそうに背中を洗ってくれている。
「気持ちいいですかー?」
ごしごしと彼女に背中を洗われ、それに頷いて返す。
いつもは自分でやっていることを他人に、彼女にしてもらうというのはだいぶ変わった感覚だが悪い気はしない。
それどころか心地いいものだ。
「よかったー」
そして彼女の手が止まる。
それを不思議がっていると、ムニュッと柔らかい感触が背中から伝わってくる。
――その感触に思考が止まった。
思考停止が一瞬であったのは、実務部隊として動いていた経験と鍛錬からか。
背中に伝わる感触。
それは間違いなく、本音の身体の感触。
一糸纏わぬ、女体の柔らかい感触。
程よく肉付きのいい彼女の――いや、俺は何を考えているんだ。
本音、何をしてるんだ。
「何って、ご奉仕だけど?」
ご奉仕、いやだからって何故身体を密着させるのかが分からない。
いや、分からないというのは嘘だ。
おそらく本音は自分の身体をスポンジに見立てて俺の身体を洗ってくれようとしているのだろう。
確かそれ専門の店では洗体とか言ったか。
全くどこでそんな事を覚えたのだろうか。
とにかく一旦やめようと言う前に、彼女が身体を大きく動かした。
その結果として俺の右手が彼女の豊満な胸に挟み込まれる形となった。
腕に伝わる乳肉の感触に腕を包み込む暖かさ。
身体の一部に血液が集まる感覚に、前かがみになる。
腰をタオルで隠しているが、流石にまずい。
「んっ、動いちゃだめっ」
そうはいってもと、抗議の声を出す前に、泡で滑りがよくなった互いの身体。
身をよじった結果、にゅるっと体勢が入れ替わった。
今度は背面ではなく、身体の前面で。
彼女は入ってきたときにつけていたタオルを外していた。
当然一糸纏わぬ彼女の身体が視界に入る。
年齢に不釣り合いなほど大きく実った極上の果実。
そして適度に括れた腰のラインに余分なものがない綺麗な腹部。
芸術とはこういうことだろう。
控えめに言っても女神だと思うのは贔屓が過ぎるだろうか。
腰を隠していたタオルはあっけなく床に落ちていた。
「おっきいね」
本音が嬉しそうに笑った。
もうどうしようもない。
正直言って俺は今の状況に興奮していた。
いきなり彼女が風呂場に現れてご奉仕と言って身体を密着させるのだ、それは当然だろう。
しかもこうして互いの肌と肌を触れ合わせるのなんて数カ月振りなのだ。
不可抗力だ。
誰だってこうなる。俺だってそうなる。
自身の剛直は天を衝くほど勃起している。
それにまだ泡が残る手を本音は伸ばす。
「本当に大きい。20㎝くらいあるよね、これ」
ツゥッと細い指が絡まる。
そしてゆっくりとしごき出してくれる。
グロテスクなそれに、彼女の綺麗な指が絡まるのはとても淫靡で、どこか芸術的でもあった。
泡が潤滑剤になり、本音の指の動きが普段よりも明確に伝わってくる。
ゾクゾクと快感が背筋を奔るのを止められない。
扱く速度に緩急をつけて、本音は笑みを浮かべて行為を続ける。
俺はすでに抵抗する気なんて微塵も起きず、ただ彼女の奉仕に身をゆだねていた。
そして泡とは違う粘性の液体が鈴口に浮かんでいることに、本音が気付く。
「嬉しいなぁ。こんなに感じてくれて」
俺のペニスを見た彼女は、そう言って桶の中に溜まっていた湯をかける。
本音の手とは違う湯の熱さが、また別の刺激となって俺の神経を攻める。
そして泡が完全に洗い流されたのを確認した本音は、顔を股に近づけて口を開いた。
「あむ」
そんな可愛らしい声を出して始めたのは、フェラチオだ。
彼女の口内の温かさと、唾液によってニュルリと這わせる舌の感触。
「じゅるっ……んちゅっ……じゅっ、じゅぽっ……あむぅっ」
すでに本音もスイッチが入っているようで、一心不乱に口淫を続けてくれている。
先程から特異なシチュエーションによって高ぶっていた為か、限界が早くも見え始めていた。
だがもう少し、この快感を感じていたい。
本音の頭を撫でながら、愛していると口に出して告げる。
「ふぁたしも……しゅき、大好き」
口にくわえながら、そう蕩けた目で告げた本音を心の底から愛おしいと感じる。
そしてこちらもその言葉に返す様に彼女の頭を撫でる。
本音がペニスを咥えて漏れる淫靡な音が風呂場を支配してすでに数分が立っていた。
ここは離れの風呂場であるため基本的には自分しか利用しない。
だから安心して彼女との行為に没頭できるのだが。
しかし、そろそろ限界が近い。
「いいよ、全部私が受け止めるから」
ペニスの震えで感じ取ってたのか、本音が一旦口を離して言った。
そういわれてしまったらもう、それに従うしかない。
互いにスイッチが入ってしまっているのだ。
風呂場の温度と、行為によって高まる興奮は互いの思考能力を奪っていた。
腰の奥からこみ上げてくる感覚がどんどん強くなる。
そしてそれは本音が勢いよくモノを喉まで飲み込んだところで爆発した。
「んんっ!」
彼女の喉の奥でこみ上げてきたモノを吐き出す。
ぐっと彼女のを押さえつける。
あまりの勢いの良さに本音は苦しそうに声を上げていたが、申し訳ないが受け止めてもらう。
「んくっ……んんっ……」
吐き出された白濁を、喉を鳴らしながら彼女は飲み込んでくれる。
その様子にたまらない愛おしさを感じた。
そして長く続いた射精が終わり、本音は吐き出し終えた肉棒から口を離す。
最後の一滴まで搾り取った白濁を口の中に溜めたまま。
「んんっ……はい、全部飲んだよ」
そうほほ笑んだ彼女をそっと抱き寄せる。
「ん、あったかい」
俺もだ。
そう告げて彼女の顎に手を当て、クイッと持ち上げる。
それに驚いたように声を出した。
「待って、口でしたから……っ」
確かに口でした直後だ、本来ならキスは憚られる。
だが、そんな事はどうでもいい。
こちらも彼女を愛しているという事を表現しなければ、男が廃る。
抵抗しようとした彼女の手を掴んで、動きを止めて。
体格も力も俺の方が上だから、彼女の動きを止める事は容易かった。
半ば強引だが口づけする。
彼女の口内に舌を入れ、舌同士を絡め合う深いキス。
確かに普段とは少し違う味がするが、そんな事よりも目の前の彼女の反応が興奮を高めて行く。
「ん、んちゅっ……ぷぁっ……んんっ」
本音も最初は手に力を入れていたが、すぐにその力を抜いて、指を絡ませてくる。
それに答えるように、ぎゅっと握り返す。
「んちゅっ、ぷはぁっ……キス、好きぃ」
上気して、息が荒くなっている彼女の言葉にうなずく。
そしてそっと彼女の秘所に手を伸ばす。
「んっ」
指に絡みつく粘液の感触。
すでに本音の秘所は愛撫の必要もない程に濡れている。
太腿には秘所から零れる愛液が、いくつもの軌跡を作っている。
もうとっくに準備は出来ているようだ。
「ねぇ、お風呂で……するの?」
言葉では否定の声を上げているが、まさに身体は正直と言うヤツだ。
全くと言っていいほど、本音は抵抗しない。
彼女の言葉に何を今さらと返す。
だが、本音が嫌ならばやめることはやぶさかではない。
「やだ。最後まで、して?」
即答。
ならば彼女の背後に回って、風呂の壁に手を当てさせてた。
所謂後背位と言われる体位で、胸と同じように年齢に不釣合いな安産型の尻に自身のモノを当てる。
先ほど口の中で果てたばかりだが、すでに完全回復している。
「んっ……あぁっ!!」
愛液が潤滑油となり、俺のモノはそのまま本音の秘所に包まれた。
膣肉を搔き分けて、一気に彼女の最奥まで貫いた。
「んくっ……ホント、大きぃっ……んんっ!!」
一気に最奥まで突かれた彼女は、肩で息をしている。
肩と脚を震わせており、どうやら軽く達してしまっているようだ。
その様子を素直にうれしいと感じる。
「ちょっ、ちょっと待って。久しぶり過ぎて、いっ、いま少し、余裕ないのっ……!」
振り返りながら涙目で懇願する本音に嗜虐心が沸き立ってくる。
余裕がないなら仕方ない。
そう言って彼女の足を持ち上げる。
おぉ、こうすると彼女のお腹も見える、大きな胸が揺れるところも見れる。
眼福じゃないか。
「えっ、ちょっ……あんっ!」
さて、そろそろ俺も我慢できないので動かせて貰おう。
「んぁっ……ひどぃっ……こんなのぉっ!」
抗議する彼女の声を無視して腰を動かす。
そのたびに膣肉を掻き分けて、互いの神経が快楽に震えるのが分かる。
「んぁっ、いいっ、もっとぉっ」
抗議の声はすぐに懇願の声に変わり、パチュンパチュンと肉と肉が打ち付けあう音が風呂場で反響し耳に届く。
本音の膣内から伝わる熱がどんどん高まり、それにともないモノをキュウキュウと締め付ける。
ぐいっと彼女の肉付きのいい尻をそのまま持ち上げる。
すると秘所の奥の奥に、自身のモノが突き刺さったのを感じた。
具体的に言えば、子宮口をグイグイと愛撫する。
当然、それは本音にとって極上の快感だ。
「あんぅっ!?しょれっ……しゅごっ……しゅごいよぉっ!」
もう呂律も回っていないほど、乱れている。
それに俺はもちろん興奮して、さらに愛撫を強め快楽を貪る。
嬌声を上げて、快楽を貪る本音に心から満足感が溢れてくる。
するとぐいっと、彼女が反る様に身体を起こした。
おっと。
脚を俺に持たれているから、自然とこちらに身体を預ける形になる。
「もっ、だめ……イクからっ……イッちゃうからぁ……っ!」
快感の為か、口から唾液を零してそれを拭う気にもならない本音。
俺もそろそろ限界を感じている。
だから――二人で一緒にイこう。
「っ、うんっ……もっ、……ホントにげんかっ、いっ、だから。それ、と……大丈夫、だから」
大丈夫。
その言葉の意味を理解して頷く。
久しぶりのセックス。そしてここまで来て、外に出すと言う選択肢は浮かんでこない。
溢れる愛情を、全て腰の動きに上乗せして、ラストスパートをかける。
「っ、もっ……だめっ、中にぃ……一緒にぃっ、あっ、あぁっ!」
ギュウッと最後の最後でさらに膣肉を締め上げられた。
「っ、あっ、イく……あ、あ、ああぁ!!」
同時に、俺は彼女の最奥で果てた。
二人同時に、絶頂に達して共に果てる。
これほどうれしい事があるだろうか――いやないと断言できる。
身体から緊張が抜けた本音はグダッと俺に身体を預けてきた。
それをしっかりと受け止めつつ、二人して余韻を楽しむ。
「……すごかった。なか、溢れちゃう」
結合したままの秘所から、どろりと白濁が溢れている。
嬉しそうに、自分の下腹部を撫でる本音。
俺もそんな本音の頭を撫でる。
「えへへ……本当に、ありがとう」
そう笑った彼女は、そのまま俺の頬にキスをした。
咄嗟の行為に驚いたが、お返しとばかりにうなじにキスをする。
「ん~、くすぐったい……っ!?」
ビクンと跳ねた感覚に本音は声なき声を上げた。
ナニが跳ねた?
そんなモノは決まっている。
未だ結合したままなのだ、1つしかない。
「……絶倫でえっちでけだものぉ~」
軽くジト目を飛ばしてくるが、何とでもいいたまえ。
というか全く抵抗していないのは、つまりそういうことだろう?
「……うん。私も、もっと、もっとしてほしい。滅茶苦茶にしてほしい。だから……愛して?」
殺し文句再び。
今日は本当に最高の日だ。
そして俺達は深夜を回るまでまぐわった。
流石に身体を冷やすとマズイから3回戦からは、離れの自室でだが。
――さてさてこれからの休みが楽しみだ。