※この作品はR-18です。

蒼き獅子と甘い栗鼠   作:星亀

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蒼き獅子と甘い栗鼠 8

 

[ひまり]

「あ…お洗濯、終わりましたね。」

 

[あおい]

「みたいだな…とと…っ!?」

 

シーツを取りに行こうと、あおいは立ち上がろうとしたが、足が思うように動かない。

あやうく、転倒しそうになった。

 

[あおい]

「やっべ…足が…!?」

 

あおいの足が、細かく痙攣していた。

 

[あおい]

「まだ…体が回復してないみたいだな…★」

 

[ひまり]

「じゃ、わたしが…。」

 

と、ひまりが、洗い終わったシーツを洗濯機から取り出し、乾燥機に入れた。

 

[あおい]

「なぁ、ひまり。

雑巾か何か、ないか?」

 

[ひまり]

「見たところ、無さそうですが…。

どうしたんですか?」

 

[あおい]

「その…床…拭こうと思って…★」

 

と、顔を赤らめるあおい。

 

床には、あおいの潮や精液でいっぱいだった。

 

雑巾が無いので、ひまりは、トイレから持ち出したトイレットペーパーを使って、あおいと一緒に、床に広がる潮と精液を拭いた―。

 

 

シーツが乾くまでの間、ベンチに座って語り合う二人。

 

[あおい]

「しっかし、ホント、誰も来なくてよかったな…★」

 

[ひまり]

「そうですね…★

わたしも、ちょっと、調子に乗りすぎました…★」

 

と微笑むひまりの肩を抱くあおい。

 

「今日…あたしん家に、泊まりに来ないか…?」

という、あおいの提案に

「はい♪」

と、ひまりは満面の笑みで答えた。

 

そして、乾燥機が停止した。

 

 

乾いたシーツをキラパティに持って帰ったあと、二人は、立神邸に向かう。

 

あおいの部屋で、あおいとひまりは、朝まで、熱く、愛し合った…☆

 

☆

 

後日、あおいとひまりは、いちか達に、付き合い始めたことをカミングアウトした。

 

しかし、それについて、誰も驚く者はいなかった。

 

むしろ『今更、それを言うか?』みたいな感じで、若干、呆れつつも、あおいとひまりを祝福した。

 

それから、だいたい2ヶ月くらい経った、ある日―

 

キラパティで―

 

[ゆかり]

「どういうことか、説明しなさい!!」

 

[あおい]

「はい…。」

 

あおいは、怒られていた―。

 

メッチャクチャ、怒られていた―。

 

なぜか、ゆかりに怒られていた―。

 

なぜ、あおいは、ゆかりに怒られているのか―?

 

あおいとひまりが愛し合い続けた結果―

 

ひまりが妊娠したのだ―!!

 

 

[水嶌]

「この不始末、どうするおつもりなのですか?」

 

[あおい]

「何で、水嶌がここにいるんだよ!?」

 

[水嶌]

「立神家始まって以来の大事件の現場に、私がいなくて、どうします?」

 

と、水嶌は眼鏡の縁を上げる。

 

[リオ]

「あきらさん…人間って、女性同士でも、妊娠するものなんですか?」

 

と、リオが、あきらに小声で訊く。

 

[あきら]

「いや…そんなことない…んだけど…★」

 

と、リオの質問に小声で答え、ひまりの方を見た。

 

多少の医学知識のあるあきらからすれば、いや、あきらじゃなくても、女性同士が愛し合って、妊娠するなんて、現実にはあり得ない事だ。

 

しかし、現実に、ひまりは、妊娠したのだ。

 

[ビブリー]

「でも、何であんなに、ゆかりは怒っているのよ?」

 

と、ビブリーが首をかしげる。

 

[あきら]

「そりゃ…まぁ…私達はまだ、学生なわけだし…。

それで妊娠とかしたら、それはそれで問題だからね…。

ゆかりも、年長者として、そのへんのことを、あおいに注意しているんじゃないかな?」

 

と、あきらがビブリーに説明した。

 

[ゆかり]

「ひまりは、どうするつもりなの?」

 

[ひまり]

「この子…産みます!!」

 

と、きっぱりと答えた。

 

[ひまり]

「この子は、わたしとあおいちゃんの子供です!!

中絶なんてしません!!

そんなお金もありません!!」

 

ひまりの言葉を聞いたゆかりの顔が緩んだ。

 

[あおい]

「ひまりぃ~☆」

 

あおいは、笑顔とも泣き顔ともつかない顔だ。

 

[ゆかり]

「ひまりは、ああ言っているのだけれども、立神家としては、どうなの?」

 

と、ゆかりは水嶌に訊いた。

 

[水嶌]

「もちろん、お嬢様には、ひまりさんを妊娠させたことに対しての、責任をとってもらいます。」

 

[あおい]

「水嶌に言われるまでもないよ!!

責任は、ちゃんととる!!」

 

あおいは、ひまりの手を握り

「ごめんな、ひまり…。

お前の人生、メチャメチャにしちまって…。」

と、謝罪した。

 

「いいんです☆

私は、とっても幸せです♪」

ひまりは、満面の笑みで、あおいを赦した。

 

そんな二人に対し、水嶌が

「何を言っているんですか。

貴女達、学生に、何が出来るというんですか?」

と、言い放った。

 

[あおい]

「何て事言うんだよ、水嶌ッ!!」

とキレるあおい。

 

[水嶌]

「では、お嬢様。

まだ職に就くことの出来ない学生の身であるお嬢様は、どのようにして、ひまりさんを養っていくつもりなのですか?

まさか、路上ライブで稼ぐとでもいうつもりですか?」

 

[あおい]

「う…★」

 

絶句するあおい。

 

そう-。

 

あおいも、ひまりも、まだ、職に就けない年齢-。

 

ひまりが子供を産んでも、あおいには、二人を養っていくことなど、出来ないのだ。

 

[あおい]

「じゃ…あたしは、どうすれば…?」

 

無力感に苛まれていくあおい。

 

[水嶌]

「まずは、お二人とも、学業を修めてください。

ひまりさんの出産については、我が立神コンツェルンが全面的に支援するつもりです。

ただし、これは、あくまでも理想論です。

私から一応、ご主人様にはお話を通してはおきますが、いずれ、お嬢様ご自身が、ご主人様にご説明なさってください。」

 

[あおい]

「わかった☆」

 

「あおいちゃん☆」

あおいに抱きつくひまり。

 

「ひまり☆」

ひまりを抱きしめるあおい。

 

そんな二人を見て

「キラッと、ひらめいた♪」

いちか。

 

[いちか]

「シエル、ウエディングケーキ作ろう♪」

 

「Oui(はい)♪」

と、ノリノリで厨房に行くシエルといちか。

 

[ゆかり]

「おもしろそうね☆」

 

「手伝うよ☆」

と、あきらとリオ。

 

「べつに、まだ、あおいとひまりが結婚したわけじゃないでしょうに…★」

と、ビブリーは呆れ顔で、しかし、それでも厨房に行く。

 

あおいとひまりも、厨房に行く。

 

結局、みんなで

『あおいとひまりの結婚前祝い』

として、ウエディングケーキを作った。

 

そして、結婚前祝いパーティーを、夜遅くまで楽しんだのだった―。

 

 

[ひまり]

「大好き、あおいちゃん☆」

 

[あおい]

「愛してるよ、ひまり☆」

 

まだ、先の事だけど―

 

永遠の愛を誓いあった。

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