※この作品はR-18です。

【R-18】男淫魔と元奴隷メイドの情愛   作:エヌット

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今回のお話はちょっと短めです。


第十六話 ※モブによる凌辱あり

 八本指の奴隷部門が経営する違法娼館。その一室では、ベッドの上で一人の裸の男が少女を組み敷いて犯していた。

 男の名はエルヴィー・メーラ・ディル・クレメンス。クレメンス領を治める子爵であり、この娼館に客を斡旋する人物の一人でもある。

 

「いぎぃぃぃっ! あがっ! い、いやぁぁぁっ!」

「もっと私を気持ちよくしろ、ガキが!」

 

 泣き叫ぶばかりの少女の顔に、自分を悦ばせない事に苛立ったエルヴィーは繰り返し平手打ちをする。

 テンポよく、パァンとはたかれた音が部屋に響き、その度に、裂傷によって血を流しながらエルヴィーの逸物を咥えこんでいる膣内が痙攣して彼に快楽をもたらす。

 

「あぐっ! い、痛いよぉ……助けてぇ、お母さん、お父さん」

 

 両親に助けを求める少女の身体は、全身に見られる内出血によって肌を斑に染め上げている。

 腹部だけは他よりも内出血が少ないが、代わりに年齢不相応に膨らんでいて、この少女がすでに妊娠してしばらく経過している事を示していた。堕胎させないままなのは、この娼館を利用するエルヴィーの様に妊娠している女を犯すことに興奮する者が客の中にいて、この娼館にとってはある種の希少価値があるからだ。

 少女が暴力から身を守ろうと前に出した両腕のうち、右腕は腱を断たれているために指先を動かすことが出来ない。

 泣きじゃくり許しを請う少女の姿にエルヴィーは、この少女がどのような末路を迎えるのかを悦に浸りながら考える。

 

「(愚かな小娘だ。お前が助けを求める父親への見せしめとして、母親諸共こんな所にまで身を落としているというのに。母親が相手している、私の部下であるスタッファン・ヘーウィッシュは、ボロボロになった女を犯すことに強い精的興奮を覚えるサディストだ。私がこの店を紹介してから既に何人もここの女を、性癖を満たす過程で殴り殺しては、その度にいくらかの処分料を支払っているくらいの常連でもある。ああ……この小娘にこの事を伝えたら、いったいどれほどの絶望に顔を歪めるだろう。考えるだけで私も興奮してくるよ)」

「ひぎぃぃっ! く、苦しい……もう、嫌ぁ」

「私が満足するまで終わらないんだよ! そんなことも分からないから、貴様はガキなんだ!」

「あぐぁっ! ひぐぅっ!」

 

 エルヴィーはより愉しむ為に、少女の腰を掴んで前後に揺さぶるように腰をぐいぐいと動かし始める。

 膣内を一突きする度に、少女の絶叫が室内に響く。

 部屋の間の防音が完璧であるために、隣の部屋の母親にこの声を届けられないことは少しばかり残念だ。もしも生きていたら、帰り際に小娘の具合がどうだったかを母親に教えてやろう。

 このまま射精感を高めていき、少女の膣内に欲望の塊を吐き出そうとして──、

 

 ドゴムッ!!! 

 

 突然、何かがぶつかったような音が短い揺れと共に部屋に響いた。

 聞こえてきた方向からして、音の出所はスタッファンがいる隣の部屋。防音がしっかりなされているこの部屋にまで響くという事は、相当な衝撃だったのだろう。

 エルヴィーは少女を犯す腰の動きを止めて何事かと思案していると、カチリという音と共に、勢いよく扉が開いた。

 

「な!」

 

 エルヴィーが慌てて開かれたドアの方を見ると、扉の前には角の生えた面頬付き兜(クローズド・ヘルム)を被り金と紫で縁取りされた漆黒の全身鎧(フルプレート)に身を包んだ人物がいた。

 

「だ……誰だ、貴様らは!」

 

 絶頂の瞬間を邪魔されたエルヴィーの叫びを無視して、全身鎧(フルプレート)の人物は無造作に入ってくる。

 

「おい! なんか言ったらどうなんだ! 私を誰だと思っている!」

「五月蠅い」

 

 エルヴィーの抗議を遮るように冷たく言うと、全身鎧(フルプレート)の人物は赤く濡れた片手で彼の首を掴んで軽々と持ち上げる。

 首を絞められて呼吸が苦しくなったエルヴィーは、宙に浮いている足をばたつかせるが、全身鎧(フルプレート)の人物の拘束を逃れることが出来ない。

 突然の事態にエルヴィーに組み敷かれていた少女は頭が真っ白になる。そこに全身鎧(フルプレート)の人物がもう片腕を少女にかざした。

 

「ひぃっ!」

 

 恐怖で身を竦めて目を閉じる少女だが、やってきたのは痛みではなく全身が軽くなったような温かい感覚であった。

 それと同時に全身の内出血と痛みが引いて、身体の倦怠感なども綺麗になくなっていく。

 

「痛く……ない?」

「もう大丈夫だよ。君を苛む者はもういなくなるから、少しの間だけお休み」

 

 エルヴィーに対してとは違う、優しい声でかけられた言葉に少女は疑問を浮かべるが、急に睡魔がやってきて意識を手放した。

 

「き、貴様ぁ……き、貴族である私にこんな事をして、ただで済むと思っているのか!?」

「もう黙れ」

「あぎゃっ!」

 

 なおも暴れようとするエルヴィーの叫び声を無視し、全身鎧(フルプレート)の人物はエルヴィーの首を掴む力を込めて意識を刈り取る。

 全身鎧(フルプレート)の人物──ルーシーという偽名を使ったラキスケは、影に潜ませていた影の悪魔(シャドウ・デーモン)に少女は優しく、客だった男はぞんざいに運ばせると、次の部屋へと向かう。

 本当ならこの男はこのまま首をへし折ってしまいたかったのだが、従業員も客も全員殺しましたは、さすがに拙いだろうと考えた結果の彼なりの妥協だ。

 特に一つ前の部屋で女性を殴り殺そうとしていた醜悪な男の時は、その頭を床に叩きつけて潰してしまったことも自制心を働かせる結果となっていた。

 ツアレに地獄を経験させたこの施設は、本音を言えば痕跡すら残さずに消し飛ばしたいくらいだ。しかしそんな事をすれば被害者である娼婦たちも巻き込むし、奴隷部門の長であるコッコドールの生死を確認することが出来なくなる。

 コッコドールには地獄を味合わせなければ気が済まないが、後々の事を考えるとやり過ぎて殺してしまうのも拙い。

 だから、生き残ったことを後悔するような絶望をぶつけてやるだけで済まそう。

 ラキスケは心の内に溜まっている暗い感情を燃やしながら、目的の相手を探すのであった。

 

 

 ────────────────────

 

 

「あぎゃぁああぁぁあぁ!」

 

 八本指における奴隷売買の長であるコッコドールは、経営する娼館の隠し通路を遮る漆黒の全身鎧(フルプレート)の戦士を前で苦悶の声を上げながら床に転がっていた。

 コッコドールの右足は脛があり得ない方向に折れ曲がり、絶えず激痛を送り続けている。

 彼の近くに護衛の類はいない。正確にはいたのだが、この娼館を襲撃した目の前の戦士によって客や従業員共々無力化あるいは殺害されてしまっているのだ。

 漆黒の全身鎧(フルプレート)の戦士はそのままコッコドールに近づくと、彼の右足の踝を金属で覆われた踵で踏み砕いて破壊する。

 

「ひぎぃぁああぁぁぁあぁ!」

 

 あまりの激痛に叫ぶことしかできないコッコドールを、全身鎧(フルプレート)の戦士は片手で胸倉をつかんで持ち上げる。

 

「ああ……やっとこの時が来たよ。まだ始まったばかりなんだ。この程度で音を上げるなよ?」

「あぎぃっ……あ、あんたは!」

 

 片手で兜を外した戦士の素顔を見たコッコドールは、その正体に戦慄する。

 それは大凡四か月前に警備部門と麻薬部門と共に八本指が抹殺対象に指定した帝国のワーカー、ラキスケだったのだから。

 

「なんで、生きて──」

「お前らが送ってきた刺客なら、全員エ・ランテルの墓地に埋葬されたよ。……いや、エルダーリッチの奴は消滅しているか」

「──あ、ありえない」

「じゃあなんだ? 目の前にいる俺は、刺客に殺された恨みでアンデッドになったとでもいうのか?」

 

 六腕の全滅という全く想定していなかった事態に、コッコドールは恐怖で歯をカチカチと鳴らしながら震える。

 

「俺の恋人は、ツアレはここで地獄を味わった。お前だけは俺の手で落とし前をつけたかったんだ。安心しろよ、コッコドール。ツアレも命は助かったんだ。お前も命だけ(・・・)は残してやる」

 

 ラキスケはコッコドールの生存を保障したが、それは彼にとって何も慰めにはならない。むしろ、死という救いが与えられない恐ろしさを、身をもって味わうことになる。

 十数分後、隠し通路の先で待ち構えていたレェブン候直属の兵士を率いた親衛隊の元オリハルコン級冒険者、ロックマイヤーの前に現れたのは、両腕と左足を喪い、傷口の断面が焼け焦げた状態のコッコドールと、彼の何か所も折れ曲がり骨が露出した右足を掴んで引きずってきたルーシー(ラキスケ)の姿であった。

 失禁し恐怖で歪んだ表情で意識を手放している瀕死のコッコドールを、血に染まった全身鎧(フルプレート)のルーシー(ラキスケ)から手渡されたロックマイヤーは、一歩間違えばこの力が王国に向かっていたかもしれない事に肝を冷やすのであった。

 

 

 ────────────────────

 

 

 王都に存在する八本指の麻薬部門の本拠地にしている館ではその夜、まだ家を継いでいない貴族の嫡男たちを招いての乱痴気騒ぎが行われていた。

 この館に招いたヒルマはその日は不在だったが、彼らがやる事は変わらない。

 彼らがいずれ家を継いだ時に八本指に利用されることなどお構いなしに、宛がわれた酒や女、麻薬に耽っては自分たちと同じような立場の者たちと友好を深めていく。

 彼らにとっていつもと変わらない享楽の夜になるはずだったが、その日は違った。ガゼフ・ストロノーフが率いる戦士団がこの館に踏み込んできたのだ。

 豪華な装飾で隠しているが分厚い金属板で補強された玄関扉が、すさまじい衝撃音と共に紙屑の様に吹き飛ばされ、がら空きになった扉から戦士たちが次々と乗り込んでいく。

 司令塔ともいえるヒルマの不在もあって、突然の奇襲と信じられない光景に八本指の構成員たちは動揺を隠せない。わずか十秒足らずの空白だが、その隙を戦士たちは見逃さずに構成員たちを次々と無力化あるいは殺害してく。

 これだけの規模の戦士たちの接近に、警備していた者たちはなぜ気がつくことが出来なかったのか? それは、戦士団に同行していたある存在が関係している。

 それは、魔法の染料(マジック・ダイズ)で体毛を闇色に染めた森の賢王、ハムスケである。

 ハムスケが使用できる魔法は八つ。その中の《静寂(サイレンス)》と《溶け込み(カモフラージュ)》でガゼフや戦士団と共に気づかれないように接近し、警備の者たちの視界を《盲目化(ブラインドネス)》で奪って混乱している内に障害となる扉を尻尾の一突きで破壊したのだ。

 

「凄まじい威力だな、ハムスケ殿。俺ではあの扉を両断は出来ても、あそこまで吹き飛ばすことは難しそうだ」

「褒めてくれて嬉しいでござるよ。ささっ、ここから先はガゼフ殿たちの出番でござる」

 

 ハムスケが外に残るのは、狭い屋内ではその力を発揮できないこともあるが、魔獣としての鋭い感覚で逃走を図る者たちを逃さないためでもある。

 それに、ガゼフと戦士団が主体となって動いた方が良いという判断もあったためだ。

 

「ああ、行ってくる。っはあぁぁ!」

 

 ハムスケの勧めもあって、ガゼフも館へと乗り込んだ。後に戦士団の一人はこう語った。

 

 ──最後に突入した戦士長が、一番多くの構成員を瞬く間に無力化したんですよ。しかも、貴族たちが立て籠もった部屋の頑丈な扉だけでなく、隠されていたアダマンタイト製の金庫もぶった切ったんです。戦士長は森の賢王の方が凄いみたいに言っていましたけど、俺達からしたらどっちも凄いです。正直言って、言葉じゃ語り尽くせませんよ。

 

 招かれた貴族の嫡男たちはこの摘発でまとめて拘束され、実家の領地を継承する権利を実質的に失う事となった。場合によっては貴族としての地位や領地そのものを失う事になる家もあるかもしれない。

 さらに、これまでヒルマが築いてきた貴族とのコネクションも明るみになったのだが、その中に王国の大きく揺るがしかねない代物を見つけたガゼフは、頭を抱えることとなる。

 

 

 ────────────────────

 

 

 王都における八本指の拠点が摘発されている頃、地下水路を走る複数に人影があった。それはヒルマと彼女の護衛達だ。

 エ・ランテルに潜伏させていた配下からの《伝言(メッセージ)》で、ラキスケを始末するために向かった六腕が全滅したことと、数日前にラキスケが白金級冒険者と共に王都方面に向かったことを夕方頃に知って、急ぎ自分とごく一部のみが知る隠し部屋を通じて拠点を脱出したのだ。

《伝言(メッセージ)》による情報伝達は正確性に乏しいとして信頼されていないが、この時のヒルマは大きな危険を告げる第六感に従い、招いた貴族たちを返す時間も、情報の裏取りの時間すら惜しんだ。

 その行動はヒルマが脱出してからの結果でもって正しいことが証明される。

 連れてきた少数の部下たちに周囲を警戒させながら、ヒルマは考える。

 絶対にバレてはいけない代物(・・・・・・・・・・)は持ち出すことが出来た。摘発に来た連中も、八本指とバルブロ第一王子の癒着の証拠と裏で進めていたあの計画(・・)という、普通ならば隠し通さなければならない代物が残されていたならば、そちらに目がいくはずだ。

 今回の損失がかなりの痛手なのは間違いない。八本指の麻薬部門としての活動もかなり縮小せざるを得ないだろう。最悪の場合はあの組織を手放さないといけないかもしれない。

 それでも、間接的にでもアレ(・・)の存在が公に露見することによってあの男の怒りを買うよりははるかにましだ。

 アンデッドさえも命ある存在へと変質させるというアレと比べたら、人間を巨人に変貌させる実験中の麻薬「シード」など子供だましの玩具みたいなものだ。

 あんなものを持っているにもかかわらず、わざわざシードの様な劣化品を研究させるあの男の思惑は分からない。それでもリスクを承知の上で研究を続けていたのは、ただ損切りできる状況じゃなかっただけではないのかもしれない。

 ……そうだ。私はあの種子が持つ無限の可能性に心奪われたのだ。

 

「此処にいたか、ヒルマ・シュグネウス」

 

 突如として聞こえてきた言葉が、ヒルマは思考を打ち切る。

 つい先ほどまでいなかったはずなのに目の前に突如現れた、外套(クローク)で頭から全身をすっぽり覆った人物──声からして恐らく男性に、部下は武器を抜き放つが、ヒルマはそれを制止する。

 

「なんだ、あんたかい。てっきり使いの者を寄こしてくると思ったよ。国の方は良いのかい?」

 

 ヒルマは動揺する内心を隠しながら、何でもないような表情と声色で声の主に話しかける。

 

「ふん、お前に預けたアレ(・・)の情報が洩れるわけにはいかないからな。いつまでたっても俺の半分にすら満たない弱い個体しか産めないような、役立たずばかりの国を態々残しているのは、あの場所がアレ(・・)の発育に都合が良いからにすぎん」

「そうかい。それで、これからどうするつもりだい? バルブロを焚きつけて進めていた計画は、今回の襲撃でバレて台無しだよ。八本指も、今回の件が切欠で終わりかもね」

「八本指もあの計画も、所詮は人類の守護者を気取る法国の連中への嫌がらせにすぎんさ。どうせ、あの国王に身内を処刑などできるはずもない。八本指への支援も、お前を此方に引き入れるならばもはや不要だ」

「あら、私の事を高く買ってくれているじゃないかい」

「お前は肉体こそ脆弱だが強かな女だ。それに、薬学の知識も豊富だ。強い個体を産む母体としてはともかく、俺の国の役立たず共よりはずっと評価するさ」

「はぁ……。こういう時はもっと気の利いた事を言うもんじゃないかい?」

「上っ面の言葉で強い個体を産ませられるならば、いくらでも奏でてやるさ。とっとと行くぞ」

 

 そう言うと、男の前にした半分を切り取った楕円形の闇が出現する。

 男がその闇に入っていくのを見たヒルマの部下たちは顔を見合わせるが、ヒルマは躊躇うことなくその闇に向かって歩を進める。

 

「何しているんだい。いつ追手が掛かってもおかしくないんだから、早く行くよ! ……狂王さまの国にね」

 

 ヒルマが闇の中に入っていき、慌てて部下たちも恐る恐る入っていった数秒後、その闇は薄れて消えていった。

 




今回のラキスケ、周囲に身内がいない+恋人を苦しめた相手が敵ということもあって、結構えげつなくなっています。
もしもラキスケが蒼の薔薇の協力を得られなかった場合、違法娼館を筆頭とした襲撃箇所ではこれ以上の惨劇が発生するところでした。
ちなみに今回の一斉摘発でモモンガさんは、担当箇所になった警備部門の拠点を《麻痺(パラライズ)》などであっさり無力化しました。
ペロロンチーノも、逃げようとする馬車の車輪を遠距離狙撃で撃ちぬいていたりと活躍しています。

今後、最新話を投稿する際の投稿場所は、何処が良いか

  • 該当する章の最新話(今のまま)
  • 新たに最新話の章を設けて、そこに投稿
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