※この作品はR-18です。

【R-18】男淫魔と元奴隷メイドの情愛   作:エヌット

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今回の話は字数が膨らんでしまい、続きは次話に持ち越しになってしまいました。


第四話 ※エロ無し

 帝国魔法省からの依頼を終え、地上船内の食堂でラキスケとツアレ、ビアンゴの三人が食卓を囲んでいた。

 かつては彼らに加えて、ビアンゴの部下である5人のエルフの冒険者チーム「森妖」が同居していたのだが、現在彼らは帝国の帝都にある上位の冒険者が利用する酒場を拠点とし、この地上船を離れている。

 ビアンゴとツアレが作った根菜類のたっぷり入ったシチュー、皿によそった分の最後の一口を頬張るラキスケ。柔らかくそれでいて崩れないように煮込まれた具材を咀嚼し、飲み込む。

 

「ご馳走様。美味しかったよ、ツアレ」

「ありがとうございます、ラキスケ様。私もその言葉が聞けて嬉しいです」

「今日の料理は私も一緒に作ったけど、ツアレちゃんってばシチューとかの煮込み料理は、私よりも美味しく作れるようになってきているから助かるわぁ」

 

 鍋に残したシチューは《保存(プリザベイション)》の魔法をかけてから冷まして翌日の分にして、食後の団欒を楽しむ三人。

 これが一般的なワーカー係の住居とする酒場なのであったらばこみ入った話はできないが、ここは個人所有の地上船の中。普通ならば話に出せない内容も団欒の話題に出てくる。

 

「フールーダお爺ちゃんってば、今度は自分も乗せてカッツェ平野の例の遺跡に行きたいって言ったのね?」

「うん、他の遺跡では出てこなかった高位階のスクロールやマジックアイテムが出てきたからね。好奇心が抑えられなかったんじゃないかな。一応、ジルクニフにはちゃんと許可は得てからにしてとは言っておいたけど……」

「皇帝陛下に一声はかけるでしょうけど、許可が出るかは関係なしに来そうよねぇ」

「だろうなぁ……」

「そ、その場合お出しする料理は食べやすい柔らかいものにしたほうが良いでしょうか?」

「うーん……。固くなくてのどに詰まりにくくなければ、そこまで気を使わなくても大丈夫じゃないかしら?」

「後は、その時にはこっちからもジルクニフに連絡しておくことかな」

 

 フールーダに関する話題を切欠に、団欒から次回の調査の時にやるべきことの相談に移る。

 予定は未定だが一通り話を詰めたところで、ラキスケが帰りの話を振る。

 

「そういえばビアンゴ、そろそろツアレに俺たちの昔の話をしようと思うんだけど、どの辺りの話が良さそうかな?」

「あら、いきなりねぇ」

「ご、ごめんなさい。私がラキスケ様の昔のお話を聞きたいと話したからです」

「大丈夫よ、ツアレちゃん。そうねぇ……、どのあたりのお話がいいかしら」

 

 ビアンゴは頬に手を当てながら考える。

 まずは自分たちとラキスケが出会ったエイヴァーシャー大森林でのお話……。これはさすがに自分たちの都合に巻き込みすぎる。それにツアレの境遇が簒奪王関連でどのような影響を与えるかも未知数だから却下。

 次は30年前にこの地上船を手に入れた話……。手に入れるところまではともかく、その後のごたごたはあまり気持ちのいい話ではないから却下。

 となるとカッツェ平野でフールーダと自分たちが初めて出会った話……、この辺りがいいだろう。

 

「それじゃあ、私たちやラキスケがフールーダお爺ちゃんと初めて会った時の、カッツェ平野での出来事辺りを話すのはどうかしら?」

「いいね。今日はちょうどツアレもフールーダと顔合わせもしたことだし、昔はどんな人だったかもしれていいと思う。ツアレもそれでいいかな?」

「はい、よろしくお願いします。ラキスケ様、ビアンゴ様」

 

 

 ────────────────────

 

 

 ラキスケとビアンゴはその時のことを振り返って話始める。

 

「それは、私たちが祖国を出て行って、ラキスケと出会ってから間もない頃だったわ。出て行った理由とかは今回は端折るけど、祖国や法国からいったん離れるために、アンデッドが出現する呪われた地、カッツェ平野を徒歩で渡ろうとした時のことね。そこで私たちは、帝国騎士たちやフールーダお爺ちゃん及びその高弟たちと出会ったの」

「確かあの時は帝国騎士やフールーダの高弟たちは俺を見るなり臨戦態勢に入っていたっけ。後で聞いた話では、当時のカッツェ平野にアンデッドの軍勢が出現して集結しているのを察知して、それに対処するためにフールーダも含めて動員された兵力がそのアンデッドの軍勢の所に向かっているところだったそうだよ。そこにエルフを何人も連れた亜人と遭遇ときた。まあ、実際は亜人じゃなくて淫魔だけども。彼方からすれば俺らがその案件に何かしらかかわっている可能性が高いって思ってもおかしくないんじゃないかな」

「尤も、私たちはそのことを知らなかったから法国がすでに手を回していたって勘違いしちゃってね。帝国まで動員してくるなんてって思ったわ。お互いに勘違いしたまま一触即発の状態になったところで私を見たフールーダお爺ちゃんがいきなり言い出したのよ」

 

『あ、ありえない! この巨大な力の奔流は私の力を超えておる。よもや……第七位階の領域に到達しているというのか! これはきっと魔法を司るという小神の思し召し。失礼と知りながらも伏してお願いいたします! 私、このフールーダにあなたの教えを与えてください! 何卒、何卒!』

 

「あの時は正直驚いたわねぇ。故郷でも私が使える魔法の最大位階を知る者は少ないって言うのに、それを一目見て言い当てたのもあるけど、いきなり地面に額を擦りつけて弟子入りを懇願してきたのだもの。思わずポカーンとしちゃったわよ」

「まあ、それ以上にフールーダの周りにいた魔法詠唱者(マジック・キャスター)たちが明らかに動揺していたけどね。今思えば、個人で帝国軍全体と渡り合えると言われる魔法詠唱者(マジック・キャスター)がそんなこと言いだしたら、動揺するのも無理はないか」

 

『パラダイン様、お気を確かに! お前たち、パラダイン様を誑かすあの者達を捕らえろ! パラダイン様が到達していない第七位階を使えるなど、デマカセに決まっている!』

『ええい、離さぬか! お前たちもそのような無礼なことを止めよ! 今まで私の生まれながらの異能(タレント)が裏切ったことなど一度もないのだぞ! あのエルフの力が私より上を行っているのは事実だ! ……申し訳ございません、私の弟子たちがとんだ御無礼を、どうか許していただけないでしょうか』

『えっええ、私は別に構わないけれども……。貴方たちのこの大所帯、何か探しているの?』

『ええ、その通りでございます。このカッツェ平野に出現したアンデッドたちが一か所に集結しつつあるという情報が入り、それを討滅するために編成・投入された帝国軍にございます』

『パラダイン様ぁー! 機密、機密情報!』

 

「あの時、必死にツッコミ入れていた高弟にはちょっと同情しちゃったなぁ」

「適当にはぐらかされるだろうって私自身も思っていた質問に答えられたら、配下の者達も焦るわよ」

「そ、そうだったのですか。私がお会いしたフールーダ様とはだいぶ印象がその……、違いますね」

「ツアレ、正直に言っても良いんだよ。当時のフールーダは魔法キチだったって」

 

 ラキスケたちが初めて出会った時のフールーダの事を聞いたツアレは、帝国魔法省で話をした彼とのギャップに戸惑い、ラキスケは優しい眼差しで答える。

 

「今でこそ大分丸くなったけど、当時のフールーダお爺ちゃんは、魔法のためならば他の全てを投げ売っても構わないっていう危うさがあったものねぇ」

「そうだなぁ。なまじ、生まれながらの異能(タレント)で魔力系位階魔法の位階を視覚化できるから、ある意味では孤独だったのかもなぁ」

「生まれながらの異能(タレント)って、本人の適性と合っていても幸せとは限らないんですね」

 

 ツアレは自分の胸に手を当てながら呟く。今でこそ自分の生まれながらの異能(タレント)はラキスケに愛されているが、知ったばかりの頃は性奴隷になるために産まれてきた存在だという烙印を押されたような気がして、こんな生まれながらの異能(タレント)無ければよかったのにと思ったことも多々あった。

 

「俺は好きだよ、ツアレの生まれながらの異能(タレント)」

「うぅ……。言葉だけだと嬉しいのに、内容を知っていると恥ずかしいです」

「ちょっと、ラキスケってばそれはセクハラよ?」

「あっ……その、ごめん」

「話が逸れちゃったけど、カッツェ平野での話だったわね。そんな感じで帝国軍と一悶着があったけど、そうこうしている内に騒ぎを聞きつけたのか、それとも生きている命が集まっているのを感づいたのか、アンデッドの軍勢がやってきたのよね」

「ああ、それも十や二十じゃない。明らかに作為的に産みだされ、集められた千に届きそうな数のアンデッドが奇襲してきたんだよな」

 

『パラダイン様! わが軍の両側面よりアンデッドの軍勢が突如出現、攻撃を仕掛けてきました! 数は目視できるだけでともに百を超え、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)及びの骨の竜(スケリトル・ドラゴン)も複数確認されております!』

『何? この地は常に薄い霧が張っているとしても何故そこまで接近を許した! ……そうか、広範囲化した《不可視化(インヴィジビリティ)》と《静寂(サイレンス)》で姿を隠していたのか! しかし、カッツェ平野に出現するアンデッドの中でも強力な死者の大魔法使い(エルダーリッチ)と骨の竜(スケリトル・ドラゴン)が複数、それもここまで統率された動きをするとなると、自然発生による偶発的なものとは思えん。となると……』

『フールーダお爺ちゃんで良かったわよね? 明らかにやばい状況だけども、私たちも手を貸しましょうか?』

 

「明らかに放置できるような状態じゃなかったから、こっちから協力を申し出たのよね」

「あの状況で我関せずと言って逃げても、安住の地は無かっただろうしなぁ。副官と思しき軍人は拒絶していたけど、フールーダが執成してくれて助かったよ」

 

『貴様らごときに我らが手を借りるだと、ふざけるな! そもそも、このアンデッドも貴様たちの差し金ではないだろうな!?』

『そのようなことを言っている場合ではなかろう! 恥を忍んでお願いいたします。強力なアンデッドを含む軍勢に挟撃され、このままでは全滅する恐れもあります。どうか我らに協力してはいただけないでしょうか?』

『そんなに畏まらなくていいのに、分かったわ。報酬とかは後で相談するとして、まずはこの場を切り抜けましょう。私たちはフールーダお爺ちゃんと一緒の方に行くから、ラキスケは反対側の方をお願い』

『分かったよ。生きている兵たちを治療してアンデッドたちを殲滅したら、そっちの方に行くから』

 

「とまあ、こんな感じでフールーダからの緊急依頼っていう体裁をとって帝国軍と共同でアンデッドの討伐に参加することになったの」

「ここからは順番的にまずは俺が担当したほうを思い返していくか。そのあとビアンゴ達の方を話して、合流後の話という順番かな」

 

 

 ────────────────────

 

 

 ──スケルトンにモーニングスターを振るい砕く、砕く、砕く。

 ──剣を振るいスケルトンウォリアーを切り裂きながら、剣から放たれた炎で周囲のスケルトンを燃やし尽くす。

 ──魔法効果範囲拡大化(ワイデンマジック)で広範囲化された《集団軽傷治癒(マス・スライト・キュアウーンズ)》で、複数のアンデッドたちを巻き込んで消滅させながら傷ついた帝国兵たちを癒す。

 スケルトン系で構成されたアンデッドたちには戦場を駈ける暴風として、帝国兵には傷を癒す施しの風としてラキスケは任された戦列を駆ける。

 ラキスケが左手に持つモーニングスタ──―グッドモーニングver5.1は特別な効果を持たない伝説(レジェンド)級の武器だ。様々な特性を付与したタイプやギミックを組み込んだバージョンの物もあるが、耐久性と攻撃力を重視したシンプルなこの武器を打撃武器として愛用していた。

 右手に持つ剣──シグナルバスターも同じ伝説(レジェンド)の武器で、鈍い銀色の輝きを持つ刀身の中心線上に青緑・黄・赤の三色の宝玉がはめ込まれている。一見すると実戦用ではない儀礼剣に見えるが、宝玉の色に応じて氷属性・電気属性・炎属性の属性ダメージを任意で使い分けて斬撃に上乗せできる逸品である。

 死者の大魔法使い(エルダーリッチ)の指揮の下、複数のスケルトン・メイジが放つ回避不可能の特性を持つ《魔法の矢(マジック・アロー)》の弾幕も、ラキスケが保有する職業レベルからくるスキル、全ダメージ固定軽減によって尽くが無力化される。尤も、仮にダメージが入っても彼が装備する鈍い輝きを放つ銀色の鎧──神器(ゴッズ)級装備のファフニール・ソウルに備わっている自動HP回復によって無意味であるが。

 他にも様々な装備で基本的な状態異常には完全耐性を、属性攻撃や特殊な状態異常に対しても高い耐性を持つラキスケを止められる手段は、アンデッドの軍勢はもちろん辻斬りならぬ辻ヒールを受けている帝国にも持ち合わせていなかった。

 

「守りながらこの数を相手にするのはさすがに面倒だな」

 

 始めは帝国兵たちに群がり、接近したラキスケにも攻撃を仕掛けていたアンデッドたちだったが、瞬く間に100体近く滅ぼされてからは死者の大魔法使い(エルダーリッチ)の指示で不用意な接近はしなくなっている。

 アンデッドたちを一か所に固めずに分散させているのも嫌らしい。ラキスケが突っ込めばその分帝国兵たちから離れることになり、残るアンデッドたちに再び襲われることになる。スケルトンは一体一体は弱いが、未だに数百入るうえに帝国軍の精鋭でも複数でかからないと危険だと言っていたスケルトン・ウォリアーも10体以上混ざっている。

 魔法詠唱者(マジック・キャスター)たちは最初の奇襲の際に重点的に狙われて少なくない数が死亡している。残っているものに関しても、戦線を維持するために魔法を使い続けたことで魔力切れを起こしているものが多く、戦えないものばかりだ。

 

(こういう時、モモンガさんならばアンデッドたちを支配するなりスキルで生み出したアンデッドたちで手数を増やして一掃することもできるんだろうなぁ)

 

 ふとユグドラシルで所属していたギルドの長であるモモンガのことを思い浮かべる。他にもワールドチャンピオンのたっち・みーならば白兵戦だけでも守りながら殲滅はできるだろうし、ワールドディザスターのウルベルトならば一撃で殲滅することも容易いだろう。ペロロンチーノだって有翼の爆撃王の二つ名に恥じない活躍を見せるはずだ。

 ラキスケは回復型タンクというビルドの都合で殲滅力に関してはあまり高くないと自覚している。第十位階の信仰系魔法でまとめて一掃することも考えたが、この殲滅戦が終わった後に友好的なままとは限らない相手を前に手の内はあまり晒したくない。単純に、レベル一桁から高くても20台程度の相手に使うのがもったいないし恥ずかしいというのもある。

 

(考えてみれば俺だけで殲滅する必要はないし、帝国軍の兵士たちを強化してやれば楽になるかな?)

 

 そう考えて助けた帝国兵たちの方に顔を向けると、相手は此方をまだ警戒しているのか、怯えながらも剣を構える。

 ラキスケはちょっと失礼だなと思いながらも、自分が逆の立場だったらばしょうがないかと思うことにして声をかける。

 

「今からあなたたちに強化魔法をかけてからアンデッドたちに突っ込むので、私がいない間は耐えてくださいね」

 

 帝国兵たちが口々に何かを言っているが、気にせずに順次《集団標的(マス・ターゲティング)》《魔法効果範囲拡大化(ワイデンマジック)》で集団化・広範囲化してから強化魔法を行使する

 

《下級筋力増大(レッサー・ストレングス)》《下級敏捷力増大(レッサー・デクスタリティ)》《下位属性防御(レッサー・プロテクションエナジー)》《鎧強化(リーンフォース・アーマー)》《|矢守りの障壁《ウォール・オブ・プロテクションフロムアローズ》》

 

 これだけ掛ければスケルトン・メイジやスケルトン・アーチャーの援護を受けたスケルトン・ウォリアー相手にも遅れはとらないだろうとラキスケは判断する。

 上位魔法で彼らを強化しないのはこのくらいでも十分と判断したことと、手の内を明かさないためである。

 

「それでは、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)と骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は此方が受け持ちますので、残りはお願いします」

 

 そう言って、ラキスケは幾つかに分かれたアンデッドのグループの内、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)と骨の竜(スケリトル・ドラゴン)がいるアンデッドの一団に飛び込んだ。

 死者の大魔法使い(エルダーリッチ)と複数のスケルトン・メイジによる《火球(ファイヤーボール)》と《魔法の矢(マジック・アロー)》の弾幕をスキルで無効化しながら、道を阻むスケルトンたちを次々と滅ぼしていく。

 2体の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)が左右から尻尾でラキスケを吹き飛ばしにかかるも、両手に持つ武器で一方の尻尾を砕き、もう一方の尻尾を切り飛ばしながら本体を燃やして灰にする。

 骨の竜(スケリトル・ドラゴン)が一体瞬く間に滅ぼされたことに驚愕する死者の大魔法使い(エルダーリッチ)をよそに、もう一体の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の頭蓋を砕いて活動を停止させる。

 

「く、来るなっ! 《恐怖(フィアー)》!」

「いや、効かないから。それじゃあね」

 

 死者の大魔法使い(エルダーリッチ)は接近されて苦し紛れに放った魔法もラキスケには意味を成さず、モーニングスターによって頭部を置いて胴体を粉々に吹き飛ばされる。

 

「お許しを……、アップ……アウト様」

「アップアウト? このアンデッドたちを支配している奴の名前か?」

 

 滅びゆく死者の大魔法使い(エルダーリッチ)の弱弱しい断末魔に首をかしげるラキスケだったが、残りのアンデッドを帝国兵たちに任せていたのでひとまずはそちらに向かうことにした。

 

 

 ────────────────────

 

 

「ラキスケ様が戦った方は随分あっさりしていましたね」

「まあ、この時点でやっていたことと言えば、砕いて切って回復してばっかりだったからねぇ。帝国兵たちへの支援の効果がどのくらい影響したかとかもあまり見ないで残りも挟み撃ちにして殲滅しちゃったし。そのあとすぐにビアンゴと合流しに行っちゃったから帝国兵がどういうことを言っていたかとはよく聞いていなかったんだよ」

 

 淡々とした内容に、ツアレは感想を漏らす。

 この場面、実は帝国の劇で美化されたうえで吟遊詩人などによって繰り返し脚色された結果、流離の騎士が危機に瀕した都市を帝国の騎士たちと共に守るため、首魁である死者の大魔法使い(エルダーリッチ)と従えている骨の竜(スケリトル・ドラゴン)相手に単身で死闘を繰り広げる内容になっているが、劇に対して興味を持っていないラキスケは内容がかけ離れていることもあって知る由もない。

 

「次は私たちが担当した戦線の方ね。こっちはフールーダお爺ちゃんたちと協力していたことともあって、帝国兵とは比較的スムーズに協力できたわね。役割も下級のスケルトンたちは帝国兵と『森妖』のみんなが、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)が率いるスケルトン・ウォリアーと骨の竜(スケリトル・ドラゴン)はフールーダお爺ちゃんと私が担当したのよねぇ」

「こっちの敵は俺が尽く倒したからなぁ。協力らしい協力はしなかったな」

「骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の魔法耐性が第六位階までしか防げないことを説明しながら、《焼夷(ナパーム)》で周辺ごと焼き尽くした時は、フールーダお爺ちゃんはもちろん敵の死者の大魔法使い(エルダーリッチ)も放心していたわよ」

「なにそれ、凄い見たかった」

 

 この世界では位階魔法に対する絶対耐性を持つとされていた骨の竜(スケリトル・ドラゴン)に対する認識を、帝国内で改めるきっかけになった出来事でもある。

 当時はフールーダでも第六位階であったことから結局は召喚魔法でないと位階魔法では倒せないという認識が多数だったが、第八位階まで上り詰めた今では「骨の竜(スケリトル・ドラゴン)を位階魔法で倒すことこそが魔法系の逸脱者の登竜門」と言われるようになった。

 

「問題は、フールーダお爺ちゃんが死者の大魔法使い(エルダーリッチ)を倒して、スケルトンウォリアーも残り数体辺りまで減らした辺りで現れた奴らなのよ」

「それって、ラキスケ様の話の方で最後に出ていた……」

「そう、ズーラーノーンの十二高弟の一角にして死者の大魔法使い(エルダーリッチ)の進化した姿の一つ、将軍の大魔法使い(ジェネラル・リッチ)。名をアップアウトというわ。彼自身も強力だけど、彼が使役しているモンスターが、ラキスケ以外の私たちにとって問題だったのよ」




フールーダが落ち着くようになる前の、魔法キチな表現が難しい。

今後、最新話を投稿する際の投稿場所は、何処が良いか

  • 該当する章の最新話(今のまま)
  • 新たに最新話の章を設けて、そこに投稿
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