※この作品はR-18です。

二つの出会い   作:添牙いろは

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第1話

 その階段で、ふたりは出逢う。

 たった一目見つめ合っただけですべてを理解し、何かに導かれるように。

 ふたつの車両を分かつ路線も、ふたりを分かつことはなかった。

 異なる駅での途中下車――広く入り組んだ都会の街中で巡り会える可能性などありえない。

 そう、思われていた。

 しかしそれでも、奇跡は起こる。

 

 君の名前は――

 

 ――宮水三葉。

 ――立花瀧。

 

 その言葉を口にすることなく通じ合う。

 見つめ合った、その眼差しだけで。

 しかし――

 ここで瀧の脳裏に、もう一つの名が思い描かれる。

 

  初矢津(はつやず)みみみ――

 

 そのような 巫山戯(ふざけ)た名前が本名など、当然あり得るはずはない。

 だとしても――

 その名が、ふたりを引き合わせた。

 

       ***

 

 流星落下の惨劇を機に都内へと移り住んだ三葉は、現地の大学へと進学していた。キッカケがキッカケだけに、憧れの都市生活に浮かれる気分ではない。そして何より、あれからずっと正体不明の喪失感に苛まれていた。それは、故郷を失ったものとは違う。あんな形は望んでいなかったにせよ――糸守の地にそれほどの未練はなかったはずだ。

 ならば、どうして……?

 初めて訪れた都会では、右も左も知らない人ばかり。唯一繋がりを感じていた早耶香は……

「えと、ごめん、今度の休みは……」

「……そだね。こっちこそ、ごめん」

 テッシーへの想いは、無事通じた、ということなのだろう。ふたりを応援していた立場として、三葉にはその邪魔などできない。

 その孤独感が、三葉を余計に焦らせた。自分にも、恋人が必要なのかもしれない、と。

 だからといって、その決断は早計だった。

「テニス……ですか……」

 新入生をターゲットにした、新入部員の勧誘合戦。最初に声を掛けられたのがそこだった。先輩と思われる男子たちも実に爽やかな都会的である。生まれ変わる気分で、三葉はその誘いに応じてみた。

 最初は、普通のトレーニング。そして半月ほど経つと、部員も揃い、仲の良い女友達もできてきた。

 そんな折りの――

「あぁん……ちょっとぉ……なにをぉ……?」

 新入生歓迎会と称した部室での飲み会。もちろん未成年の三葉はノンアルコール。にもかかわらず……最初からどうにも気分は高揚していた。そして気づけば、この有様である。

「やぁん……そんなところ触っちゃダメですぅ……❤」

 三葉の座るソファの両側には男子部員。背後からも男の手が伸びてくる。腰や太腿どころか、女の胸にさえ容赦がない。

 なのに、何故か受け入れてしまっている。ダメだと言いながらも抵抗する気が起きない。

 何故なら、気持ちがいいから。

  性感(カン)じているから。

 それに、他の女のコたちも……同じように、おっぱいを揉まれている……。

 唇を近づけられれば、それに応えずにはいられない。

「あ……らめ……らめぇ……♪」

 お口……柔らかい……舌……ぬるぬるぅ……

 他の男の手がズボンの上から内股をさわさわと撫で回している。その度に付け根がウズウズとむず痒く、下着の中が湿ってきているのが自分でもわかった。

「ちょっとぉ……トイレにぃ……」

 このままではパンツがグショグショになってしまう。それは、外側まで染み出すほどに。だから一先ずそこを確認しようとしたのだが……ふわっと立ち上がったところでクラリとよろめく。

「おっととー、三葉ちゃん、大丈夫?」

 男の人に支えてもらっているが、膝がガクガクしてひとりでは歩けそうにない。その様子は、傍から見ても明らかだった。

 ゆえに。

 

「じゃあ……ココでシちゃう?」

 

 常軌を逸した提案に、三葉はみるみる紅潮していく。そんなの、何かの冗談よねぇ……? と思っていたのに、男たちは三葉のベルトを外しにかかってくる。

「やぁん……無理ですってぇ……」

 さすがにこんなところでおしっこはできない。それは解っているのに……男たちの腕につい従ってしまう。

「はーい、バンザイしてー♪」

 後ろから両手首を掴み上げられては、三葉はお腹の手を離さざるを得ない。そして、無抵抗のまま、ぐったりした下半身がズルズル……ズルズル……と。

「オイ見ろよ、コイツ、ぐしょ濡れだぜ」

 ズボンを下ろしたところで、男のひとりが楽しそうに声を上げる。

「らめれすぅ…… 視姦(み)ないれぇ……」

 恥ずかしいのに、こうもフラフラしていては隠すことすらままならない。それどころか別の男は上着にさえも手をかけてくる。

「おしっこで濡れたら困るからねー。こっちもヌギヌギしちゃおうねー」

「え、え、えぇ……?」

 そんなところまで濡れるはずはない。だが、両腕はいまも持ち上げられており、身体に沿って、ブラジャーまで剥き出しにされてしまった。

 しかし、それはほんの少しの間だけ。

「じゃ、ブラも取っちゃう?」

「え? なんれぇ……?」

 もはや、トイレとは何も関係がない。ただただ男たちの手によって、三葉の身体から次々と衣服が奪われてくる。

 そしてそれは、最後の一枚まで。

「ほーら、これで濡れないねー」

「あ、は……はぃぃ……」

 それについては、三葉も納得できる。服を着ていなければ濡らすこともないはずだ。

「じゃ、おしっこしようか。ほら、こっちおいで」

「ふぇ……ふぇ……?」

 足が覚束ない三葉を見かねて男のひとりがその身体を持ち上げ……テーブルの上へ。飲み散らかされた空き缶がカランコロンと激しい音を立てて床へと転がり落ちていく。

 こんなところで……おしっこ……? おしっこって、どうやってするんだっけ……? 何もわからなくなってしまった三葉は、男たちの声に耳を傾ける。

「ほら、こうやって足を開いて……」

「はぁい……」

「こっち見て笑ってー……はい、ピース」

「いぇい♪」

 ピロリン、ピロリン、とあちらこちらに笑顔を向ける。それが、何故だか楽しくて仕方がない。

「じゃあ、おしっこなんだけど……ここ、狙ってくれる?」

 と、男が指すのは、床の上。そこには今しがた三葉が脱ぎ取られた衣服が山になっている。

「え、え……そんなことしたらぁ……」

 せっかく脱いだ服が汚れてしまう。

 だけれども。

「こうしとかないと、床が濡れちゃうだろ?」

「あ、そっかぁ……」

 床が濡れたら拭き掃除が必要だ。ならば、布を置いておいた方がいい。

「はーい、それじゃーおまんこ開いてー……おしっこしていいよ!」

「ふぁい❤」

 結構飲んだので、お腹は充分張っている。割れ目のところを自分で掻き開き……

 

 シャァァァァァァ……

 

「おい、コイツホントにヤリやがったぞ」

 自分でもうまく 放尿(で)きたと思う。男の人たちも喜んでくれているし。

「じゃあ、ご褒美をあげよう。ナニが欲しい?」

 と、尋ねられても、三葉には何も思い浮かばない。

 だが――

「……あ❤」

 目の前で、男の人がパンツを抜いでいる。その股の間はオトナの毛がモジャモジャで、そこから恥ずかしいモノがニョキリと。

 男の人の、恥ずかしいところ。

 女には、生えていないもの。

 それがすーっと近づいてきては……手を伸ばさずにはいられない。

 しかし。

「おっと、三葉ちゃん。ナニが欲しいのかちゃんと言わないと」

 さっきまでは何も考えられなかった。

 でも、いまはちゃんと思い描ける。

「おちんちん……おちんちん欲しいのぉ……♪」

 男の人……男の人の、男の人だぁ……❤

 それをちゃんと言えたから、恥部はさらに寄ってくる。

「あは、凄い……あはぁ……」

 熱い肉の塊に触れていると、気分も熱く昂ぶってきた。それはきっと、自分の身体も熱くなっているからに違いない。それを慰める手立てを、三葉は知っている。だが、それは周囲の男たちから止められてしまった。

「あ、自分で触っちゃダメだよ。みんな我慢してるんだから」

 見れば、誰もが確かに他人に委ねている。だから、私もお願いしなくちゃ。

「おっぱい……三葉のおっぱい触ってぇ……❤」

 しかし、誰も触ってくれない。カメラをずーっと近づけるだけ。だから、三葉は、それに向かってさらに乞う。

「触ってくらさぁい……お願いれすから、三葉の乳首をコリコリしてくださぁい」

 半開きになった口元からはヨダレも垂れている。それでようやく撮影者自身が三葉の胸へと手を伸ばしてくれた。

「ひゃぅんっ」

 それだけで三葉は肩を竦ませる。オナニーの最中に自分で触れることはあった。しかし、他人に触れてもらうのはまた違った快感がある。

「はぁぁぁん……乳首……乳首いいのぉ……♪」

 こうなると、胸だけでは我慢できない。もっと、もっと欲しいところは他にある。だが、それも誰かに頼まなくてはならない。それを、三葉は躊躇なく口にする。

「おまんこ……おまんこも触って欲しいのぉ……」

 言うとすぐに、誰かの手が開かれた股間に伸びてきた。そこに触れられることに何の恥じらいもない。割れ目がグショグショに濡れてしまっていることも。

「あはぁっ、おまんこぉ……おまんこ気持ちいい……気持ちいい……のにぃ……」

 しかし、これでは満足できない。クリトリスは間違いなく 性感(カン)じている。それは、自分で慰めるよりも遥かに。だとしても。

「あぁん……奥まで欲しいぃん……硬くてぇ……太くて……長くてぇ……」

 どんなモノが欲しいかは判っている。そして、それと結びつくのにそう時間はかからなかった。

「おちんちん!」

 こんなちょうどいいものがあるのだから!

「おちんちんくらさぁい! 三葉のおまんこにぃ……おまんこにおちんちん 挿入(い)れてくらさぁい……!」

 またカメラが顔元に寄ってきた。ならば、お願いすればいいのだろう。

「お願いしますぅ……三葉のおまんこ……おちんちん 挿入(い)れて欲しいんれすぅ……」

「そんなに欲しいのぉ?」

 男からの挑発に、

「はいぃ! 三葉のおまんこ! おちんちん 挿入(い)れて欲しいんれすぅ!」

 自ら撮影者の股間を握り、グイグイと引っ張り込もうとしている。その様をも動画に収めることができたのだから、これは本人たっての希望ということだ。

「しょうがないなぁ、三葉ちゃんがどうしてもって言うから」

「ありがとうございますぅ、ありがとうございますぅ」

 絶対気持ちいい、そう信じていたのに……

「……ぁ」

 ちょっとだけ、チクっとした。けれど、それだけ。

「あ……あ……あぁ……❤」

 根本までズブズブと咥え込み、ズルズルと引き抜かれた男根はおどろおどろしく赤くぬめっていた。なのに、驚くほどに痛みはない。あるのは、異物に拡げられる快感だけ。

「あ、あ、あ……あぁ……❤」

 気持ちいい。ただ、ひたすらに気持ちいい……。快楽に酔い痴れる三葉を写そうと、スマホのレンズが向けられる。

「三葉ちゃん、チンチン大好きなんだねぇ」

「ふぁい。らいすきれすぅ……❤」

 こうやってズブズブされるのも好きだし、ニギニギしてシコシコするのも大好きだし、お口でだってチュパチュパしたい。

 おちんちん……大好き……!

「なら、ちゃんと言ってごらん? 学年、名前からちゃんと全部」

 でなきゃチンチンあげないよ――おまんこのチンチンが止められてしまった。こんなの……我慢できない!

「ふぁい……れーおーらいがくいちねぇん……みやみずみつはぁ……おちぃんちぃん……らいすきれすぅ……❤」

 男がピースサインを示すので、三葉も釣られてピースで返す。これには男たちも込み上げてくる笑いを堪えるので精一杯だ。

「じゃあ、三葉ちゃんの大好きなモノをあげよう。嬉しいだろ?」

「ふぁぁい……みつは、おちんちんらいすきなのぉ……」

 股の間を貫かれながら両手で握り込み、舌先でペロペロと小さな割れ目をなぞっている。そんな三葉に腰を振っていた男が、苦しそうに問いかけた。

「三葉ちゃん、 射精(イキ)そうなんだけど……どこに 射精(だ)して欲しい……っ?」

 そんなことを尋ねられれば、本能のままに答えは一つだ。

「 膣内(ナカ)ぁ…… 膣内(ナカ)に 射精(ら)してぇ……」

「ナマだからね、 膣内射精(ナカだし)しちゃったら赤ちゃん 孕(で)きちゃうかもしれないよ?」

 そんな当たり前のことにも、いまの三葉は思考が働かない。

「 孕(れ)きちゃうぅ……先輩の赤ちゃん…… 孕(れ)きちゃう……」

 ただただ、性器に渦巻く快楽だけに流されている。

「妊娠したら、自己責任で 中絶(お)ろすんだよ。いいね?」

 そんな無茶苦茶な妄言にさえ……!

「ふぁぁい……自分れ 中絶(お)ろしますからぁ……子宮に精子を 射精(ら)してくらさぁい……」

 カメラ目線で懇願しつつ、男また躊躇することなく……!

 

 ドピュッ!

 

「あはぁ……あはぁ……おまんこに精子 受精(キ)てますぅ……❤」

 撮影者のピースに釣られて再びピース。満面の笑みで 子宮(おなか)の温もりを満喫していた。

「ほら、お礼は?」

「ふぁい……おまんこに精子、ありがとうごらいますぅ……♪」

 抜かれた股の間からは 射精(だ)されたばかりの精液が溢れてくる。そちらにカメラが回ってきたから……三葉は自ら陰唇を拡げた。

「もっとぉ……もっとおちんちぃん……精子ぃ……妊娠したらぁ、ちゃぁんと 中絶(お)ろしますからぁ……られれもいいのれ、三葉のおまんこにおちんちん 挿入(い)れてぇ……❤」

 そこに――誰かが拾ってきたのだろう。パスケースに入った三葉の学生証が胸元にポンと投げ込まれた。それを無意識のうちに拾い上げ、自ら顔の傍に寄せる。顔写真入りの、身分証を。

「れーおーらいらくいちねぇん、みやみずみつはぁ……おちんちんらいすきぃ……みなさんのおちんちんれぇ……みつはのおまんこをにんしんさせてくらさらぁい❤❤❤」

 

 このときをもって――宮水三葉の人としての生は終わった。

 

       ***

 

 全裸にコートだけを羽織り、三葉は今日もそこへと向かう。都内の、とある公園。そこが選ばれた理由はただひとつだけ。――トイレが設置されているから。

 中に入ると……薄汚れた小便器に、三葉の心が高鳴ってくる。ここで男の人たちがおちんちんを 露出(だ)して……おしっこしてるんだぁ……♪

 おちんちん――それを思い出しただけで三葉の 性器(カラダ)は蜜を溢れさせてしまう。それは、ここに 挿入(い)れる以外の何物でもないのだから。

 自分の 膣(カラダ)はそれを咥え込むためだけに存在しているのだから。

 胸やお尻など、おちんちんを 勃起(た)たせるための小道具に過ぎない。

 自分のすべては膣であり、男のすべては……おちんちん……❤

 そこは便所であるにもかかわらず、用を足していない男たちが多数たむろしている。決して、順番待ちというわけでもない。

 いや、順番を待っているとも言える。但し、その便(・)器(・)が到着してからの。

「皆さん……“掲示板”を見て来てくださったかたたちですか……?」

 言葉はいらない。反応だけでわかる。こうも期待に満ちた熱気が伝わってくれば。

 ここにいる 男の人(おちんちん)たちは……みんな 私(おまんこ)を待っている!

 三葉の身体も自然と熱くなってきた。それを解き放つように――

「お待たせしましたっ! 今夜の便器の到着です! 先ずは……ミーズさんから……❤」

 もちろん、ハンドルネームだ。常連なので、顔と名前も一致する。だから、体位も知れたもの。三葉は臆することなく床に膝を突き、お尻を高々と差し出した。

「ザーメン溜め込ませてごめんなさい♪ 三葉のおまんこに残さず 射精(だ)していってくださいね」

 そう言っているのに、他人がまぐわっているのを魅せつけられると……待ちきれなくなる初心者もいる。度胸があるのかないのか、早くも自分で取り出し自分で擦り始めてしまった。そんなことを勝手にされては、三葉としても堪らない。そこに、 漲(みなぎ)ったおちんちんがあるならば……自分の 女体(カラダ)で鎮めて欲しい。

「だめぇん❤ そのおちんちん、三葉にペロペロさせてぇ……精液ゴックンしたいのぉ……」

 男としても 膣内射精(ナカだし)のために溜め込んできた精液ではあるが、ここまで誘惑されては堪えることなどできない。三葉の眼前に 熱(いき)り 勃起(た)った肉の塊が突きつけられる。それに吐息を吹きかけつつ、三葉は一応確認だけしておいた。

「お口だとぉ……妊娠できないけどいいですかぁ?」

 三葉も、男も、早くここで愛し合いたい。だから、答えもあっさりと。

「どうせ、中絶するんだろ?」

 これに三葉はニコリと応じる。

「はい❤  孕(で)きた赤ちゃんはこっちで 中絶(お)ろしときますからぁ……皆さん、気兼ねなく妊娠させてくださいね♪」

 言い終わると、女の口は男の欲望に満たされた。

「ん、んふ、んふぅ……❤」

 おちんちん美味しい……おまんこ気持ちいい……あぁ……女に生まれて良かったぁ……♪

 とはいえ。

 それは、女ではないのかもしれない。

 人ですらなく、獣。欲望を満たすだけの理性を捨てたメスの獣。

 それでも、三葉は良かった。

 こうして 膣内(ナカ)から 膣外(ソト)まで男の人の精で充たしてもらえるのなら、それだけで。

 

       ***

 

 テニスサークルでの惨劇――あのような暴挙が長く続くはずもない。メンバーのひとりが事件を起こせば、あとは芋づるを引くように警察へと引き渡されていく。

 だが。

 政治屋の娘がそのような淫行に関与していたなど、世間に知られるわけにはいかない。この時点で事実上の勘当――これが、三葉の孤独感に拍車をかける。

 言い寄る男には誰でも身体を開き――もちろん、もう怪しげな薬物など飲まされてはいない。だが、このときすでに三(・)葉(・)の(・)理(・)性(・)は(・)壊(・)さ(・)れ(・)て(・)い(・)た(・)。

 男を前にすると、性欲を抑えきれない。その先にある快楽を、 性感帯(カラダ)が知ってしまったから。一旦それを求めれば、理性はまったく働かない。脳の中は、都合のいい言い訳ばかりで埋め尽くされる。

 今回だけ――

 いい人そうだから――

 せっかくの、安全日だから――

 それは、彼氏がいようがいまいが関係ない。男が目に付けば、誰彼構わず流されてしまう。これでは特定の相手と添い遂げることなどできようもない。

 結果として――公募。女を欲する男にただ蹂躙されるだけの毎日。

 生活費については口止め料代わりに毎月実家から振り込まれている。そのうえ、電話一本で特別費用も計上されていた。

「もしもしお父さん? また、赤ちゃん 孕(で)きちゃった♪」

 これに対する返事は舌打ちひとつ。どこの誰ともわからぬ血縁者を増やされては父親自身も迷惑なのだから。

 そんな気軽さで中絶を繰り返していれば、いつかは――

「これ以上はもう、母体の方が危険ですね……」

 前もって医師からも警告されていた。が、三葉は男を求めずにはいられない。そしてとうとう子供を産むことができなくなってしまった。それをはっきりと宣告されたとき――ようやく自分の生き方を振り返る。こんな自堕落な生活は辞めなくてはならない。人として、ちゃんとしよう――と。

 

 だが。

 

 深夜のコンビニにバイトとして出勤してきた三葉は、すぐさま仕事着に着替える。私服はすべて――下着まで含めてすべて脱ぎ、羽織るのはユニフォーム一枚のみ。そんな姿で売り場に出てきた三葉を、同僚はニヤニヤと楽しそうに迎えた。

「あぁっ❤」

 乱暴に差し入れられた指を三葉はぬるりと受け止めてしまう。バイトといえども、男の人と逢うのだから。おちんちんが勃起するなら……おまんこに 挿入(い)れたい……❤

 そんな願いを、この 男(ヒト)はいつも叶えてくれる。

「今日~、俺のダチが来るんスけどぉ……」

 それを聞いて、三葉は頬を紅潮させた。一本だけでなく、何本も……!? せっかくそんなに男の人が来るのに、お金なんてもらっていたらもったいない。

「はい、支払いはおまんこにおちんちんで……❤」

 お金よりもおちんちんの方が余程価値がある。だからこそ、お金なら喜んで支払いたい。

「レジの差額は頼みますよー」

「はい♪」

 最初は生まれ変わる気持ちで、真面目に取り組むつもりだった。しかし、隣に男の人が立っているだけで性感帯が疼いてくる。仕事中であっても我慢ができない。最初はトイレで。しかし、そう頻繁に引き篭もっていては怪しまれる。そのうち、バックヤードや陳列棚の陰などでこっそり済ますようになったが……一回のシフトで一〇度もシていればさすがにバレた。しかも、よりにもよってタチの悪い男に。 強請(ゆす)るような要求に、三葉は嬉々として服従していく。これに、男の欲望はエスカレートしてゆき……

 ピンポンピンポンと入店チャイムが鳴ると、同僚と同じくニタニタと笑う三人の男たちが続々と入店してくる。きっとみんな、おちんちんを漲らせて、きんたまに精液をいっぱい溜め込んでいるはずだ。

 うっとりと男たちを見つめる三葉と隣の男が肘で突く。

「ほら、ちゃんと接客しろよ」

「はい♪」

 スイッチが入ったように……三葉はレジの上によじ登っていく。下には何も穿いていないため、厭らしく滴る毛先が高台の上に掲げられた。しかも、それだけではなく……

「ご来店、ありがとうございまぁす❤」

 制服のボタンは三つだけ。それを一つひとつ外していくさまを、来店客たちは嬉しそうに覗き込んでいる。しかも、スマホまで構えて。名札を撮りたがっている男もいるので、三葉はそれを残して左胸だけを肌蹴させる。

「バイトの宮水三葉です。お困りでしたら何なりとお申し付けくださいね」

 すると早速、男のひとりが嬉しそうに声を掛けてきた。

「バイトさーん、トイレ貸して欲しいんスけど」

 それを聞き、三葉は早速販売フロアの方に飛び降りる。そして、来客に背を向けると股から手を入れ二本の指で秘所を開いた。

「男性トイレはこちらとなっておりまぁす……❤」

 やっと来る! 三葉は今か今かと待ちわびるが、他の男も黙っていない。ゴトンとレジに缶ビールが置かれ、反射的にレジ対応に取り掛かる。

「お支払いは現金、カード――」

 それは、マニュアルにもある対応だが、ここからは三葉のオリジナルだ。

「――または、おちんちんとなっております❤」

 これに対する答えは明白。なぜなら、すでにソレを 露出(だ)しているのだから。

「じゃあチンポで」

「はいっ」

 後ろでは用を足したがっている客がベルトをカチャカチャと緩めている。なので三葉は、前の股間にむしゃぶりついた。

「ん、んふ、んふぅ……」

 男っ! 男の人っ! 男の人の……男の子……っ♪

 そこを口の中で愛でていると、自分の女が満たされていくようだ。

 しかし、それはまだ気持ちだけ。これから肉体も充たされる……っ!

「んんっ、んん~~~❤」

 やっと 挿入(い)れてくれたぁ……♪ おまんこをおちんちんでグリグリされると、どこまでも気持ち良くなってしまう。だが、それだけでは終わらない。

「店員さーん、こっちも早くしてよ」

 残りのひとりも待ちきれず、三葉に向けて性器を突き出す。それを右手で握りしめ……

「ん、んふぅっ、ふむぅっ、んん~~~っ!」

 おちんちん、おちんちん! おちんちんがいっぱい!

 上にも下にも……手にまで握りしめてる!

 やっぱり幸せ!

 おちんちん幸せ!

 こんなの……幸せすぎるぅぅぅぅ❤❤❤

 

 ビュルッ、ビュルッ!

 ビュクッ、ドクンッ!

 

 上と下から、男の精が流れ込んでくる。

 上も下もそれを悦び、ギュウギュウチュウチュウと搾り上げていく。

「んふ、んふ……んふぅ……❤」

 興奮に駆られて握りも強くなってきた。すると、最後のひとりまでも……

 

 ドビュッ!

「はぁんっ♪」

 

 嬉しさのあまり、思わず口から離してしまった。ビュルリビュルリと右手から放たれたものは、コンビニの制服を汚していく。それが、三葉には少し残念だった。

「ザーメンは……顔に……おっぱいに……おまんこに掛けてくださいね」

 ドロリと羽織っていたものを床に落とすと、股の間の男も引き抜かれる。それで、三葉は、客たちの前に向き直った。

「この度はご来店ありがとうございましたぁ。宮水三葉は、いつでも皆様のおちんちんをお待ちしております❤」

 がに股に開けば 射精(だ)されたばかりの精液がとろりと内腿を伝って流れてくる。だが、当然それで終わるはずもない。この日は次のシフトがやってくるまで、淫行接客は続いてゆき――その後も、男たちは日常的に立ち寄るようになった。膣内に射精する――それだけのために。

 だが、理性の蕩けた三葉は、あまりに堂々とやりすぎた。さすがに苦情は避けられない。当然のようにクビとなり……これに三葉は改めて落ち込む。自分を受け入れてくれるのは、男子トイレだけなのだろうか。しかし、あの日病院で告げられたことを思い出すと……このまま続けていけば、さらなる悲劇が待っているだろう。それは、今度こそ我が身を滅ぼすほどに。

 考え抜いた結果行き着いたのが、AV女優――『初矢津みみみ』の誕生である。

 どんなハードなプレイにも応じられるため、様々なところで重宝してもらった。それに、 輪姦(まわ)してもらうにしても、素人を集めるよりは安全である。

 しかし、男優の数はそうたくさんいるものではない。それでは同じような男ばかりが相手になってしまう。ゆえに、コネを頼ってプライベートでも。だが、三葉はプロである。バックに事務所もついているため――やりすぎた男が何人か消されたこともあった。が、こんな三葉でも、この世界では受け入れてもらえる。男優はもちろん、スタッフの男のコを誘惑して 挿入(い)れてもらっていても、誰に咎められることもない。

 三葉はようやく自分の居場所を感じていた。

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