東京は怖いところだった――いまになって、三葉は思う。
それに、どうしてこんな簡単に流されてしまったのか、とも。
自分は何を求めていたのか。
何を渇望していたのか。
あの頃のことは、もう思い出せない。
ただ、いまは必死で――
必死で、そこから逃げ出そうと、ひとり藻掻いていた。
***
最初は酔った勢いで――否、薬を盛られていたのだから、酒による失態ですらない。紛れもなく、騙し討ちである。
だとしても。
顔写真つきの身分証まで添えて痴態を晒し――それを動画に収められてしまった。
逆らうことさえ許されず
だが、これ以上は本当に……!
何故なら――妹は黙っててくれると言っている。けれど、父や、そして祖母に知られるのは時間の問題だ。
意を決して退部届を突きつけたものの――ハイそうですか、と呑んでもらえるはずもない。
「ふぅん、サークルを辞めたい……ねぇ?」
何でもする覚悟で部長と向き合ったところ、面白半分で受け取ってもらえた。
残りの人生のすべてを処刑台に乗せて。
三葉の所属は、一応テニスサークル、という名目になっている。実際、最初の一ヶ月だけは真面目にテニスの練習に励んでいた。ゆえに、彼女とてまったくの素人というわけではない。
それに、勝敗は問わないという。最後までコートに立ち続けることができれば、それでこれまで撮った動画はすべて削除すると約束してくれた。が、途中で逃げた場合――もう、まっとうな人生を送ることはできないだろう。
これはまさに、人生を賭けた一戦といっていい。今日の、大学対抗試合は。
とはいえ、勝敗を問わないなど、条件が胡散臭すぎる。これには当然、警戒せざるをえない。そして案の定――当日になって新たな条件が加えられた。
「はぁ……はぁ……。……んっ」
もうすぐ試合だというところで、三葉は部室へ呼び出されている。言われるがまま四つん這いになると、スカートの中に手を入れられ、ズルリと中を引き下ろされた。これにもう、三葉は何も思わない。割れ目だけでなく、もうひとつの穴でさえも、男たちの恥部を咥えこんできたのだから。
しかし、これは初めてのこと。
「あっ、ふぁっ……」
彼女に向けられているのは、ペットボトル大はありそうな注入筒。それが菊の扉をこじ開けてゆき――
「あっ、あ、あ……あぁぁぁぁぁ……っ!」
お腹の中が……埋め尽くされていく……っ!?
「さぁ、あとは好きにやっていいぞ」
「……はい……」
追加条件は、それだけだった。
「あんっ、やぁんっ、そこぉっ、いいん❤」
「おちんちん……あはぁっ、もっと……もっとちょうだいよぅ……♪」
この惨状についても、すっかり見慣れている。下半身を剥き出しにした男子が十人以上ひしめいていても、そんな彼らを相手に淫行が繰り広げられていても、三葉が怯むことはない。しかし、そこにある種の安心感はあった。試合に勝ったミサキだけは、ここにいない。陵辱されているのは、負けてしまったナギサとキミコだけである。今日は本当に、
ゆえに……負けられない……!
しっかりとアンダースコートを穿き直したうえで、三葉は部室を後にする。ヒクヒクと中から溢れんとする衝動を懸命に抑え込みながら。
三葉がコートに戻ってくると、ちょうどひとつの試合が終わったところだった。
「ゲームセット! マッチウォンバイ、ヤマザキ、6-0!」
チームメイトのミキは、ものの見事にストレートで負けてしまったようだ。なのに、頬は緩みきっている。これから受ける追加トレーニングの内容を知らないかのように。むしろ、知っているからこそ。
「やぁん、負けちゃったぁ……♪」
きっと彼女にはもう、羞恥心など残されていないのだろう。自分も、先日妹から叱責を受けるまではそうだった。客観的に見て、ぞっとする。ミキはこれから、男たちの前で裸になるのだ。そして、勃起した股間を何本も何本も突きつけられる。手が空いていれば握らされ、口が空いていれば咥えさせられ、そして――下半身が空くことは決してない。いくら慣れてしまったとはいえ、冷静になってみれば狂気の沙汰である。アレは、人の営みではない。ケダモノの所業である。
あんなことは、もう終わりにしなくては――!
軽い足取りで部室へと向かっていくミキを尻目に、三葉はひとりコートに上がる。
何としても……勝たなくては……!
「ザ、ベストオブワンセットマッチ、ミヤミズ、サービスプレイ!」
主審から試合開始を告げられ、三葉は決意を新たにする。
この日のため、密かに特訓を続けてきた。
サービスさえ入れられないミキたちとは違う。
ここまでの試合の中で、相手の選手たちもさほど熱心に練習を積んできたようには見えない。
いつも通りにやれば、無様な試合にはならないはず。
集中して、三葉は無心にトスを上げた。
しかし――練習とは
腕を振り下ろし、ラケットからボールのインパクトが腕へ、肩へ、そして、下腹部へ――
いつもどおり、いつもどおりと念じながらの一打は、いつもどおりではなかったところへ致命的に突き刺さる!
ブチャビチャビチャビチャ……ッ!
「あ、あ、あ、あっ、あぁ……っ」
静まり返ったコートに響き渡るのは濁った水が撒き散らされる音。あまりのことに、相手選手も動けない。ボールは狙いどおり、相手のコートへと打ち込まれている。しかし、ポイントのコールはなく、ボールを追う者さえもいない。誰もが、三葉のお尻と、その足元へ釘付けになっている。白いスカートには大きなシミが広がり、腿にもしっかりと貼り付くほど。そこからポタリポタリと滴る雫は、足元の水たまりへと一粒一粒波紋を作っている。
試合を撮影していたカメラは、ひとつ残らず三葉の下半身へ。衆目の中心で、彼女はひとり呆然としていた。
「ぅぁ……ぁ……あぁ……」
こんな……簡単に……たったの……一球で……。
まったく堪えることができなかった。
それでも……やめるわけにはいかない!
スカートの中のホルダーから取り出したボールも、生温かく濡れている。もう漏らすものもない、と開き直って構えるも――
「宮水選手、待ちなさい!」
何もなかったかのよう進めたかったのに、主審はそれを見逃してはくれなかった。
そして、当然の対応を。
「体調も優れないようですし、棄権されては……」
それこそ、部長の思惑通りである。三葉は慌てて主審へと駆け寄った。自分の身は健在であるため、せめて着替える時間さえもらえれば、と。
しかし――
「いえっ、私は――ッ」
ブピプチャ……ビチャァ……ッ
緊張して力んでしまったのか、残されていたものがさらにコートを打ち付ける。今度は、人の目の前で。さっきよりもさらに強い視線を感じながら。
立て続けに二度も醜態を晒してしまい、さすがの三葉にも言葉はない。ゆえに、主審が割って告げる。
「コートバイオレーション!」
「そん……な……」
本来ならば段階的にペナルティが重くなっていくところだが、状況的に、明らかにこれは一発退場。
負けてしまった――
こんな恥ずかしい思いをしたのだから、せめて部長からの条件だけは満たしたかったのに。
負けて罰を受けるどころか、このままでは、これまでの動画すらばら撒かれてしまう。
――最悪の、結果だ――
放心して自暴自棄になったのか、異なる筋肉さえも弛緩していく。
ピチャピチャピチピチ……
三度目は、膀胱から。細い筋となってスカートの中から滴り落ちる。お腹の中は、すっかり空っぽになってしまったようだ。一滴残らず、観客たちの前に垂れ流すことで。
三葉にはもう、何も言えない。肩を落としてひとりコートを去っていく。何もできなかった無力な自分に打ちひしがれながら。
今日は、女子の罰ゲームを楽しみに待っている男子たちが、いつもより多く集まってきている。それに自分も巻き込まれてしまったのが、情けなくて仕方がない。
三葉は、部室でただただ立ち尽くしている。濡れた下着は気持ち悪いが、下手に着替えては何を言われるかわからない。そして、それは一年生男子たちも同じこと。このようなサークルであっても――むしろ、このようなサークルだからこそ、先輩の命令は絶対である。無断で女のコに手を出すことなど、絶対に許されない。勃起させた下半身を丸出しにしたまま、直立の姿勢を保っている。彼らの意識は、三葉の
「オラッ、顔に
「こっちは
敗者へのお仕置きは高学年から。二年生以上の男子たちは、敗北した三人の女子を囲って、陵辱の限りを尽くしている。
「あっ、あんっ、あふぁ……も……もう無理ぃ……❤」
「おまんこぉ……おまんこ壊れちゃうぅぅぅ……やぁぁぁぁ❤」
テーブルを見ると注射器が散乱しているが、試合前より数が減っている。確実に、三人とも一度は打たれているはずだ。ああなっては、もう逃げられない。逃げようにも、足腰に力が入らない。ただただ、敏感になった
三葉にはもう、諦観することしかできない。自分から挑んでおきながら、完全に敗北してしまったのである。ゴメン、四葉……お姉ちゃん、今日は帰れないかも……。お預けを食らっている一年生たちの股間を見れば、一度や二度で収まるはずがないのは明らかだ。きっと、こうして待たされている間も、悶々と煩悩を溜め続けているのだろう。
肝心の部長は、一緒に戻ってきた様子はない。きっと、次の選手――カナミに付き添っているのだろう。彼女は、男目当てで入部してきた節があった。活動内容の変貌への順応力も高く、今日もきっと――
「よーぅ、コイツも負けてきたぜー」
「ごめんなさぁい♪」
やはり、ふたり揃って戻ってきた。自分が去ってからの時間を考えると、おそらく彼女もストレート負けだろう。むしろ、わざと負けたのかもしれない。うちは狂っているからともかく、相手チームに失礼ではなかろうか。
しかし、いまはそんなことを気にしている場合でもない。何を命じられるかとビクつく三葉だったが、部長としては先にやるべきこともある。
「一年ども、トレーニングだぞ」
「「はい!!」」
それはもはや、野獣のような勢いで。男子たちはカナミに向けて目を血走らせて襲い掛かる。そんなケモノたちに、カナミはまったく恐れもしない。むしろ、嬉々として男たちを受け止めている。
「やっ、あぁん♪ も~、がっつきすぎだってばぁ~?」
両腕を挙げればウェアを引き上げられ、ノーブラの胸が露になる。そこにむしゃぶりつく男のコたち。下半身が剥かれるのも時間の問題だろう。
「マンコは空けとけよ。先ずは俺が使うから」
「はいっ!」
手で握られ、唇で愛でられ、男子はうっとりと女子に身を委ねている。部長もまた、三葉を無視して。
「あ、あの……」
どうしていいかまごついていると、部長はズボンを下しつつ、ポケットから見覚えのある封書を取り出した。三葉の文字で、『退部届』と記された一通を。
「約束だからな、受理してやるよ」
「え……?」
試合は棄権させられてしまった。最後まで戦い抜いたと呼ぶにはほど遠い。今日はこれまでにない責め苦を味わわされると覚悟していたのに、まさかそんなあっさりと……?
これは絶対に裏がある。それが不安で、三葉は部長を睨みつけたまま、視線を逸らすことができない。
ただ、部長にも疑われている自覚はあった。
「そう身構えんなって。勝手に逃げたのならともかく、主審の指示までとやかくいうほど鬼じゃねーよ」
これまで鬼のようなことをしておきながら白々しい! 警戒する後輩女子を、部長はヘラリと一笑に付す。
「それに、最近みんなうまくなったからさ。わざわざ嫌がるヤツを抱くまでもねーんだよ」
「……ぇ」
実際、こんなに欲望に満ちた男たちはいるのに、誰ひとりとして三葉を見ていない。そして、部長も。
「あっ、あぁ……チンポ……チンポ
カナミを囲って、男たちは夢中になっている。まさか、本当に、私は……?
その言葉を信じるのなら、ここは安堵すべきところのはず。なのに、どうしても心が落ち着かない。
未だ信じられないのだろうか。いや、ここまで袖にされては、信じるしかない。もう、ここに縛られることはないのだと。
最初の痴情を撮られてからというものの、三葉は一切講義を受けていない。けれども、家族から怪しまれないよう始業に合わせて登校し――サークル棟へ直行。そこには授業をサボっている男子が誰かおり、その相手に向けて恭しく
けれど、もうそんなことをすることもない。きちんと普通に講義にだって出席して――
――ドクン。
思い出されるのは、そんな日常ではない。
『おまんこぉっ! 三葉のおまんこ、もっと
巨大なプロジェクタにアップで映し出されているのは、グロテスクな自分の性器。
そして、飲み込まれていく男のコの性器。
男女の局部を上映しながら――特別講習。
サークルのみんなで、実演を交えながら。
あの部屋はそんなことに使う場所じゃない!
けれど……そんな思い出ばかりが脳裏を巡る。
そして、これからは――
家に帰っても、スマホにメッセージが飛んでくることはない。
自分で自分の身体を縛れだの、
卑猥な言葉を書き入れろだの。
しかも、そのまま町内一周してこいだなんて。
誰にも見つからないようこっそり抜け出したつもりだったのに……帰宅したところで、不覚にも四葉と鉢合わせてしまった。
それで、言いなりになっていた異常さに気がついて、
我に返って、
けれど――
もう、そんなこともない。
今夜は何をさせられるのだろう、と怯えることもない。
なのに、心には未だ不安がこびりついている。
変な指令は絶対に来ない。
だからこそ――
今夜、私は何をすればいい?
何もしなくていい。普通にお布団に入って寝るだけだ。
もし寝付きが悪ければ、オナニーでもしよう。
でも……指で? オモチャならいっぱい持っているけど。
だからって、それをただアソコに押し付けるだけなんて興味が湧かない。
もっと――もっと、卑猥な使い方で。
頑張ってるところを写真に収めて。
喜んでもらって。
ご褒美ももらって。
「……ご褒美……」
テーブルの上に置かれている注射器は、もう何度打たれたかわからない。
けれど、打たれた後のことはちゃんと覚える。
まるで全身がクリトリスになったかのような快感。
いつまでも解けない絶頂感と、その中でさらなる絶頂へと至らされる。
それは、自分ひとりでは味わえない。
そのためにも、そろそろ彼氏を作った方がいいのだろうか。
けれど、こんな自分に、まっとうな彼氏なんて作れる気がしない。
むしろまっとうな彼氏であるほど――
「おい、勝手にナニやってんだ!」
得意気にカナミを陵辱していた部長だったが、三葉の様子に気づいて声を上げる。彼女は――自分の腕に注射器を充てがっていた。そして、中の薬物をその手で我が身へと送り込んでいく。
「ソレ、安くねーんだぞ。自分から辞めたクセに使ってんじゃねェ」
部長はずり下ろされたズボンから、退部届を改めてヒラヒラと見せつける。
「もう、お前はここのメンバーじゃ――」
三葉はそれに向けて早足で歩み寄ると――
パシッ!
ビリッ、ビリリ……ッ!
その手から乱暴に奪い取り、開けることなく細切れにしていく。いまは、そんな下らない建前の話などしたくない。早速、薬が回り始めているのだから。
「はぁ、あぁ、あうぅ……」
派手に漏らしていたため、下着はぐっしょりと貼り付いていて気持ち悪い。それを恥じらうことなくズリおろし、中の具合を探るように指をねじ込んでいく。
しかし――
「あっ、あぁん……ダメ……ダメなのぉ……っ」
細い……柔らかい……こんなのじゃ……満たされない!
「どうして!? 何で私のおまんこには誰も
カナミも、ナギサも、みんなちんちんもらってる。
私だってちゃんと言うこと聞いて、みんなの前にお漏らしまでしたのに。
なのに、どうして私だけ……!
いまになってようやく気づいた。頑張ったご褒美はお薬などではなく――そのあともらえるちんちんだったことに。
「ちんちん……ちんちん欲しいのぉ……っ! 誰か……誰でもいいから、三葉のおまんこにちんちん
手で握るより――お口で咥えるより――絶対おまんこの方が気持ちいいはず! なのに……何で……何で……!
泣きながら股間を
最後の仕上げに入るため、部長は女の
「やぁん、おちんぽぉ……」
その
「そんなに欲しいのかよ」
部長が問うまでもなく、三葉が顔を上げるまでもなく、女は匂いで気づいていた。
「欲しいのっ! ちんちん……早くちんちん、おまんこにちんちん……!」
ブルンブルンと振り回されるものに無我夢中で飛びつくも、求めていたものはひょいと後ろへ逃げていく。
「だったら、その前に言うべきことがあるだろ?」
目の前にぶら下げられて、三葉にはもうそれしか考えることができない。
「サークルを辞めるだなんて言い出して申し訳ありませんでした。すべて私が間違ってました……どうか、三葉の厭らしいおまんこに、部長の逞しいおちんちんをお与えくださいませんでしょうか……」
恥も見聞も捨て去っての、土下座。欲求不満の汁にまみれた両手を額に当てて、三葉は深々と床に平伏す。しかし、まだ望みが叶えられることはない。
「それなら……もう一回挑戦してみるか?」
「はっ――」
三葉は顔を上げ、声がする方――自分のお尻の向こう側へと首をもたげる。すると部長は、再びソレを手にしていた。つい先程、三葉に多大なる恥辱をもたらした極太注射筒――それを見ても、三葉が恐れおののくことはない。むしろ、頬は朱に染まり、瞳は期待に潤んでいく。
「――はい……❤」
きっと、また堪えきれないだろう。けれど、二度目だ。守るべき沽券など、とっくに失われている。何よりも――お尻を駆け抜けていく爽快感は、ちんちんとはまた違って気持ちいい。三葉のお尻はヒクヒクと疼き始める。もう一度、あの快楽を求めて。
***
部長に連れられ、三葉は再びコートへ向かっている。散々迷惑をかけた本人が、恥知らずにも戻ってきたら、みなどんな顔をするだろうか。いまさら上塗りするほどの恥もない。主審の前で、先程と同じようにビチャビチャとお漏らししてしまえば、改めて退場を命じられるはずだ。それだけでいい。それだけで……ようやく……今度こそ……
しかし、会場を囲むフェンスが見えてきたところで、三葉は愕然として足を止めた。
「あっ、あっ、あっ、いいっ」
「もっとぉ……やぁん……ザーメンかけてぇ……❤」
場内では、もうテニスなど行われていなかった。
「試合のスケジュールに書いてあったろ? 後半戦は男女ミックスだと」
たしかに、男女がミックスされている。主に、下半身で。コートの中の選手はもちろん、チームメンバーどころか観衆さえも、男は下半裸、女は全裸――何本もの陰茎を突きつけられた女たちは嬉々として男を受け入れている。
この会場には、最初からまともな人などいなかったのだ。
すべては、自分を陥れるために、部長によって仕組まれたこと――!
だとしても。
……ジュン……っ
思わずお尻から漏れそうになる。胸を包み込むウェアがもどかしい。もっとしっかりイジメて欲しいと疼いてくる。みんなと、同じ姿になって。
「お漏らししたら、汚れちゃいますよ? ユニフォーム、脱いでもいいですか?」
女のコから従順な懇願を受けても、部長はニヤニヤと首を振る。
「そんな理由じゃあ、脱がせらんねぇなぁ」
まだ足りない、ということか。ならば、納得するまで厭らしく。
「
建前さえ許してもらえないのなら、すべては本音で。
「三葉の厭らしいおっぱいを、お尻からお漏らししちゃうところを……皆さんにオクまで
どんなに恥ずかしいことをしても、ひとりでは虚しい。
こうして、
それが多ければ多いほど燃えてしまう。
燃えて、
ここまで言わせて、部長もようやく許可を下す。
「それじゃあ、仕方ねぇなぁ。本当はダメなんだぞ?」
「ありがとうございますぅ♪」
本当はダメなはずがない。先にいる女たちはみな全裸なのだから。むしろ、脱がなくては彼女たちと並べない。ちんちんを、他のおまんこに取られてしまう。
三葉は嬉しそうに礼を述べると、ずっと脱ぎたかったスカートをズルリと足元へ落とした。濡れて火照ったお尻が涼しく、股の間をさわやかな風が通り過ぎていく。
それを味わう間もなく、よいしょと上からも頭を通した。そして、残された一枚――ブラジャーのホックを外すのも面倒臭げに、グイっと胸を引きずり出して、放り捨てる。
みんなと同じ格好――しかし、実際になってみると、異様に胸がドキドキしてきた。ここは学校で、テニスコートで、太陽の光を浴びながら裸になってしまうなんて。
だから、
私、こんなところで裸になっちゃった――ビクリ、と腰が震えて、思わず部長の腕に掴まる。ふらつきながらも男に引かれて、三葉は再びそこへと戻ってきた。この場における、本来あるべき姿となって。
「おー、戻ったぞー」
腰を振っていた男たちも、喘いでいた女たちも、腰を止めて、三葉に注目する。乱交サークルから抜けたいなどと言い出した女に一泡吹かせる、というこの企画が成功したことを歓迎して。
そして、彼女自身も、皆に告げた。
「わ……私も……」
こんなとき、何といえばいいのかわからない。なので三葉は、それを
「私にも、みなさんのラケットをくださぁい……!」
くるりとお尻を向けると、むにっと二つの山を掴んで広げる。穴そのものさえも開かしたところで、勢いよく白い飛沫が噴き出した!
おぉ……と息を呑む声が聞こえてくる。男たちは欲情してくれたはずだ。それなら、もう……
「お願いしますぅ……ラケットを……男のコのラケットで、三葉のおまんこを男女ミックスしてくださぁい……❤」
あえて、三葉は背後を窺ったりしない。ただ、男たちを、そして、自分の女としての身体を信じて待ち続ける。
そして――
腰が両手で力強く鷲掴みにされたとき、三葉の
***
四葉は、姉を信じている。イケメンになりたい――などと阿呆なことを言いながらも、女としての貞操観念だけはしっかりしている、と。
しかし、妹は知らなかった。あの夜、赤い荒縄で裸を縛り、外から帰宅してきた姉が、すでに薬物に侵されていたことを。
恥じらいからの過少申告――話してくれた恥辱は中でも控えめな一部分だったことを。
そして何より――心の奥底で、姉自らがその快楽を望んでいたことを。
ガチャリと玄関の扉が開錠される音を聞き、四葉はパタパタと玄関まで迎え出る。他の家族が留守の間に、すべて終わらせたことを見届けるために。
「おかえり――」
――ちゃんとヤツらと決別できた――? そう、尋ねるまでもない。三葉の姿を見れば、その結果は明らかなのだから。
「えへへ、お姉ちゃんねぇ、ミックスダブルスで優勝しちゃった。ちんちん四本六セットストレートで――」
「……ねぇ、どこからそのカッコで帰ってきたの?」
ここまで悲惨だと、逆に落ち着いてくるというもの。姉は、テニスウェアのまま帰ってきていた。
しかし――スカートの丈は短く切られ、裾は股を隠す長さすらない。これではパンツが丸見え――ならば、まだ良かった。実際に見えているのは下の毛――それどころか、ガニ股にならねば歩けないほどのモノがニョキリと下向きに生えている。
さらには胸までも。残されているのは、もはや襟口と袖だけ。鎖骨の下あたりでビリビリと破られ、放り出された両胸には乾いて固まった白濁液が幾重にもこびりついている。同じように、顔にも多量に。仕草だけは自然体だが、だからこそ異様さが際立っている。
それを、姉自身は平然と受け入れていた。
「先輩たちが、この方が可愛いよ、って」
三葉も、この方が可愛いと思う。可愛いからこそ、男のコたちはちんちんを
「答えてよ。それ、元はテニスウェアだよね?」
「元はというか、いまでもそうだけど」
三葉は、今朝どんな気持ちで家を発ったのか思い出せない。どうしてこんな快楽を手放そうとしていたのか。自分も気持ちよく、男のコたちも気持ちよく、みんなが幸せになれるのに。そのために、ユニフォームを短くしてもらったのだ。
「試合中はずっと裸だったんだけどね、終わって帰りに着直したとき……」
「まさか、そのまま電車に乗って……?」
「先輩ってば練習熱心だから、駅のホームでも今日のおさらいしてくれたんだよ♪」
三葉は妹にお尻を向けると、
「
「出てって」
震える四葉は、小さく呟いた。
こんな姿……お父さんはともかく、お祖母ちゃんには絶対に見せられない……!
「出てってよ。いますぐ」
「あれ? もしかして私ばっかりちんちんもらって拗ねてる? 何なら、妹だって紹介してあげても……」
「出ていけッ! そして、もう二度と姉を名乗るなッ!」
こんな穢らわしいメスには触れたくもない。傍らに置いてあった箒を手に取ると、四葉は三葉に向けて構える。
「そんなに怒らなくても……。お姉ちゃんばっかりちんちんもらったことは謝るからぁ」
「出ていけぇぇぇぇぇッッッ!!
本気で振り降ろされた箒の先を、狭い玄関で三葉は辛うじて躱す。そして、怒気に押し出されるように自宅から慌ただしく追い出されてしまった。
「もー……四葉ってば、ちんちんほしいからってあんなに怒ることないのにぃ……」
鞄から携帯を取り出し、三葉は部室へ電話を掛ける。きっとまだ、祝勝会は続いているはずだ。
「あ、もしもし先輩ですか? ちょっと妹と喧嘩しちゃって……今晩泊めていただきたいんですけど……あ、それから、おまんこ空っぽになっちゃったので、新しい精液の
話してみると、これから場所を移動するところだったらしい。丁度いいので、行きがけに車で迎えに来てくれるという。ありがたい反面、三葉は少しだけ残念に思う。この格好で登校すれば――またいっぱいのちんちんに欲情してもらえるのに……❤
***
もう、三葉が宮水家の敷居を跨ぐことはなかった。あれからずっと、サークルの男たちの自宅を転々と渡り歩いている。もしくは、部室で、クラブハウスで、ホテルで。
薬の熱が抜けてくれば、三葉の頭も冷めてくる。そして、理解した。自分は、堕ちるところまで堕ちてしまったのだと。しかし、もう這い上がる気も起きない。どう足掻いても、自分にはちんちんが必要なのだから。
おまんこが疼けば、どこであっても指を
宮水三葉は、陰茎の奴隷と成り果てていた。
そして、あれから三ヶ月経った頃、またしても開催された第二回大学対抗試合――今度も部長主催で、今度も三葉のために。
今朝は、二年の先輩の家からやってきている。あのとき千切ってもらった、テニスウェアを着たままで。
とはいえ、途中で捕まらない工夫だけは忘れずに。
「お前、そういう趣味あったんだなぁ」
「言わないでくださいよー、今日のために用意したんですから」
男同士談笑している横で、三葉はすでに気が気でない。お股もおっぱいも
「大変だったんスよ。コイツ、電車の中でも発情しまくってて」
「だってぇ……三日もちんちんもらってないんだもぉん……」
吊り革に掴まりながらも、腰はヒクヒクとうねりを止められない。喘ぐ声は艶めかしく、相撲取りの回しのようなモノでスカートの上から縛り付けていることもあり、誰もが振り向き三葉を視姦していた。その視線を
「よし、それじゃあ、最後の仕上げといくか」
部長が注射器を取り出すと、三葉は嬉々として右腕を差し出す。
「あ、あ、あ……あぁぁぁぁぁ……!」
昨日に続いて、さらに二本目を。これにはもう立ってもいられず、三葉はガクリと崩れ落ちた。
「ちんちん! ああぁぁぁぁ……ッ、おまんこにちんちん! お願い! 本当におかしくなっちゃう!」
硬い地面に股間を擦り付けても、その中にはまったく届かない。胸を掻きむしり腰を振る女を見下ろしながら、男たちは楽しそうに嗤っている。
「とっくにおかしくなってるだろ」
ようやく男たちは、貞操ブラの、そして貞操帯の鍵を外してやった。ボトリ、と厚い皮製の抑制具が落ちると、たまらず三葉は自分の
「ダメなのぉっ! ちんちんでないと……おまんこにはちんちんでないと! ちんちん! おまんこにちんちん……ッ!」
こりゃダメだな、と部長は呆れ、よっこいしょ、と三葉を担ぎ上げた。男の腕の中で、女はすぐさま男の顔に、首筋に、雨のような唇を降らせる。
「ちんちん! おまんこにちんちん! ちんちんで
「わかってるって、今日は百本用意してやったんだからな」
その数を聞いて、さすがの三葉も目を丸くする。
「ふわぁ……そんなに……? ちんちんいっぱい……ありがとう……っ❤」
前回、三葉の圧倒的な乱れっぷりが楽しくなってきた男たちによって、どこまで貪欲かを試すための企画だ。そのために禁欲生活まで強いてきたのだから、きっとやり遂げてくれるだろう。
――しかし。
彼らはいささか派手にやりすぎた。
五校も集めては、さすがに足がつかないはずがない。
芋蔓を引き抜くように男も女も様々な形で処罰され、サークルは解体させられた。
父の政治力により、裏から手を回して救われた三葉を残して。
「ちんちん……ちんちん……どこいっちゃったの……?」
空になった部室で、彼女は呆然と立ち尽くす。
彼女にはもう、人としての未来を見ることはできない。
目の前にある、快楽だけを求め続けて。
そんな三葉が人としての幸福を取り戻すのは、しばらくあとのこととなる――