※この作品はR-18です。

R18小話置き場   作:白千ロク(玄川ロク)

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【 まえがき 】

※やまもおちもいみもなく、キスはあるけどエロはない

---2019.01.27 ハーメルンでのみの追記---
ちなみに、この話の前にふたつほど小話がありますが、(前書き、後書きを含めた)本文の文字数が投稿最低文字数の1000文字にも満たないので、投稿を断念しました。
ふたつの小話は大した話ではないのですが、個人サイトかムーンライトノベルズさんでお楽しみください。


[2011ハロウィン]ハロウィンネタでひとつ(キミ×スキ)☆

 今日はハロウィンだから、ちょっと頑張ってみた。ちょっとだけだけど。

 

 肌寒いから長袖に八分丈ズボンという格好にネコミミのカチューシャを着けてマンション入り口に立つオレは随分怪しい。自分でもこう思うんだから、端からはどう見えるんだろうか。……謂わずもがな怪しく見えますね。はい。オレ以外はいないけども。

 

 オオカミのミミがないからネコミミだ。いやまぁ、オオカミのミミを売ってるのは見たことないけどな。

 

 コンビニまで行った皐月さんは、袋を提げながらこちらに向かっている。あと少し。もう少し。

 

 ドアを潜ってオレを見据えた皐月さんは、目を見開く。単純に驚いているようだ。そりゃ、部屋にいるはずなのにここにいるからな。

 

「――比呂ちゃんっ!?」

「お菓子ちょうだい! じゃないといたずらするからな」

 

 体当たりに近い小走りに、皐月さんのバランスが崩れてしまう。オレも一緒に崩れ落ちた。勢いが止まらなかったから。尻餅をつきつつオレを抱きしめて、皐月さんは問う。

 

「比呂ちゃんのその格好は化け猫?」

「違うし! 狼男だっつの」

「そっか。ネコミミだから化け猫かと思ったんだけど、違ったね」

 

 ネコミミのカチューシャに触れ、髪に指を滑らせていく。

 

「雑誌買ってきただけだから、お菓子はないよ?」

「えぇー、つまんねぇの。てっきりお菓子も一緒に買ってきたと思ったんだけど」

「ごめんね」

 

 指に絡めた髪にキスをするその仕草はどこか紳士にも見える。

 

「……っ」

「比呂ちゃん顔、赤い」

「さ、皐月さんが変なことするからだろっ」

「比呂ちゃんは、お菓子持ってる?」

「いや、オレは貰うこと前提だから持ってないよ」

「なら、いたずらしていいよね?」

「えっ……え、ちょっ、と……」

 

 絡めた指をほどいて、頬に添える。刹那、そこから唇に滑らせ、人差し指の先が触れた。

 

「キスしよ」

「そ、れが……いたずら?」

「単直に言えば。嫌?」

「……嫌、じゃない。わ、解ってるくせにっ」

「さぁ、どうだろう」

 

 皐月さんは目を細め、顔を近づける。触れたのは数秒間。

 

「可愛い」

「可愛くないっ! 皐月さんのバカ野郎」

 

 フイと顔を逸らせば、、腰を掴む腕に力が込められた。

 

「本当はね」

「――なに?」

「あるんだよ、お菓子。お菓子っていうか、いつも持ち歩いてる眠気覚まし用の飴だけど。でも、比呂ちゃんにいたずらしたかったから、ないことにした」

「暴露したら意味ないじゃん」

「比呂ちゃんには隠し事したくないし。だから比呂ちゃんも、俺にはなるべく隠し事しないで?」

「皐月さんはバカだな」

「そうかもね」

「でも――オレは嫌いじゃない、よ」

 

 ゴニョゴニョと小さな声で言えば、皐月さんは首を傾げた。

 

「なに?」

「なんでもない。もういいから、早く戻ろう」

 

 腕を無理矢理外して立ち上がれば、皐月さんも徐に立ち上がる。この身長差はなんとかしたいが、伸びてくれないのでなんともならない。

 

「ネコミミで上目遣いは犯罪級だよな」

「はぁ? ――っ」

 

 なにをわけ解らんことを言っているんだと思えば、皐月さんが顔を寄せてきた。髪が頬を撫でてすぐに離れていく。

 

「帰ろうか、比呂ちゃん」

「皐月さんっ!」

「キスぐらい減らないでしょ。せっかくだからもう一回」

「しねぇし! 皐月さんなんか知らない」

 

 皐月さんを押し退けて、大股で進む。だがしかし、皐月さんはいとも簡単に追い付いていた。背丈の差は足に出るんだよな。虚しいけど!

 

「比呂ちゃん」

「知らない」

 

 顔を逸らせば手を握られ、振りほどこうとすれば、楽しげに笑う。――くそ、これじゃあなにも出来ないじゃないか。

 

「比呂ちゃん」

「知らない、知らない、知らないっ」

 

 とにもかくにも頭を振れば、皐月さんは握った手を口元へと上げた。軽く押し当てられた唇は、すぐに離れていく。

 

「ごめんね。我慢出来なかったから」

「――ばっ、か、やろ……」

 

 なんでそんなことを平気でするのか。慣れないオレは顔を赤くするしかない。

 

「可愛い」

「……っ、も、バカ野郎」

 

 にこにこと笑う皐月さんの方が可愛いなんて、とてもじゃないけど言えなかった。

 

 

 

end.

2011/10/31

(公開 : 2011.10.31)

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