※この作品はR-18です。

反逆のディストピア   作:コトナガレ ガク

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第12話 舞い降りる正義の剣

 大気圏外からのMSによる単独降下してくるストライクフリーダム。灼熱に真紅に染まっていた機体は悪を断罪する剣の如し。ラクスが掲げる自由平等の差別の無い世界という夢物語を陰から支える暴力の象徴。

「恐れるな。これは好機だ。如何にスーパーコーディネイターといえど大気圏突入中は隙が出来る。

 荷電粒子砲目標変更、目標降下中のラクスの愛妾」

「了解。ターゲットロック解除、新たに新規ロックします」

 ゾディアックの一人タウラス、その名に恥じぬ名将でキラの乱入にも焦ること無く直ぐさま対応をしてみせる。

 その間僅か数秒、だがその数秒が致命的だった。

「ターゲットロック完了」

「発射」

 Gから天空に迸る閃光が放たれる。

 それは天への反逆か天へ唾する愚行か。

 

 迫る閃光、大気圏降下中のMSにこんなものを避けられるわけが無い。

 だが天使の如く翼を展開したストライクフリーダムはツバメの如くくるっと旋回しあっさりと躱してしまう。

「馬鹿な、あれを避けるというのか」

 歴戦の戦士であるタウラウは唖然とした。歴戦の勇士であるが故に大気圏突入時のレーダーなどの一時的なブラックアウト、重力による加速とそれに伴う空気摩擦による高熱。大気圏突入後数秒は制御なんかしてられないはずである。

 そんな常識を軽くぶち破ったのは、戦後も改良を続けられるストライクフリーダムの性能によるものかスーパーコーディネイターの人知を越えた能力によるものか。

 どちらかなのか、どっちもなのか。

 どっちにしろタウラスに敵わないと心を折らせるには十分すぎた。

 その一瞬の空白、その一瞬を見逃さないスーパーコーディネイター操るストライクスリーダムは猛禽類の如く獲物に襲い掛かり。

「きゃああああああああああっ」

 Gのコクピット内に悲鳴が木霊した。

 輝く正義の剣とでも言うようにビームサーベルがGの頭部を真っ二つにしたのだ。

 荷電粒子砲を放つためにピンポイントバリアを前面からどかしたのが仇になった。いや例え前に展開したとしてもキラなら難なく回潜っていただろう。

 

「駄目です。G制御不能です」

「フェア、フェアしっかりして」

 コクピット内は煙が立ちこめ赤いランプが点滅するなか、マイが頭部から血を流すフェアを抱き抱え呼び掛けている。

「くっく、僅か数秒。たった数秒でこのタウラスが作り上げた無敵のMAが沈黙。これがナチュラルとコーディネイターとの差だというのか。

 くそっが。

 グレートファイヤー様は正しかった。こんな化け物を放置していてはナチュラルに未来はない」

 タウラスはブツブツと一人自問自答し目が狂気に染まっていく。

「タウラス様、動力炉が限界です。直ちに停止シークエンスに入ります。タウラス様は先に脱出してください」

 動力担当のレディーが必死に核動力とのコントロールをしつつ言う。

「却下だ」

「えっ」

「すまない。ナチュラルのため一緒に死んでくれ、あれはこれから生まれてくるナチュラルの子供達のためにも放置するわけにはいかない」

 狂気から一転今のタウラスは牧師の如く穏やかであった。

「まっまさか、そんな馬鹿なことを・・・」

 何かに気付いたレディーが独断で核動力炉を止めようとする。

「全てのコントロールの優先権は俺にある。

 ナチュラルに栄光あれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 タウラスとレディーの叫びが重なり、Gは核の閃光に包まれるのであった。

 

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