『緊急ニュースです。
本日未明、ラクス率いるプラントがラクスの圧政に反対する地上の都市に対して核攻撃を行いました。それにより都市は破壊、多数の死者が出た模様です』
『ラクスついに独裁者の顔が見える。
平和的に反ラクスデモを行っていたナチュラスに対し核攻撃をするという暴挙を行いました』
地上ではセンセーショナルな見出しのニュースがTV、NETと温泉のように湧き出た。
この熱く無数のニュースは幾らラクスでも抑えきることは出来なかった。
ここでの対応を間違えればラクス対反ラクス同盟の戦争が始まってしまう。
早速評議会が招集され対応策が議論されることになった。
「くそっナチュラルめ。自分達でやっておいて」
「地上で核を使うとはナチュラルも手段を選ばないな」
「地上部隊の被害はどうなっている?」
「現在確認中だ」
「ラクス様、どうしますか?」
「此方も情報を流します。
これはナチュラル同盟によるテロであると真実を伝えるのです。各国に今回の事件の情報を渡して下さい」
「了解です。
情報戦ですね」
「そうです。
負ければ地上はナチュラル同盟の扇動により騒乱の渦に呑み込まれます。
なんとしても阻止するのです」
「それもいいですが、対応に当たったキラ准将の責任はどうしますか?」
評議員の一人ミーラがラクスに問い掛ける。
「前線で必死に戦った者に唾を吐きかけるというのですか?」
ラクスが不快感を隠すことなく侮蔑の表情でミーラに問い返す。
「しかし彼は一兵士の立場では・・・」
「黙りなさい。戦士を侮辱することは許しません」
「分かりました。この場は引きます。ですがそう思っているのは私だけではないことは覚えておいて下さい」
意外なほどミーラはあっさりと引いた。本当に真面目に正式な手続きを踏もうとしただけなのかも知れない。
「今は下らないことに時間を割く時間はありません。
早速動いて下さい」
「「「はい」」」
こうして評議会は早々に解散と成り対応に動き出すのであった。
このスピードこそ独裁の強さであった。
そこ頃の地上。
キラはあの核爆発の一瞬ビル影に素早く退避することで直撃を避けた。またMSはもともと宇宙線対策もあり放射能も完全に遮断した。
よってキラは無傷であった。
だがキラほどに高級MSに乗ってなかった者はそうではない。
ビルの制圧に動いていた歩兵などの地上部隊には多大な被害が出ていた。そして当然の如く街にいた一般市民の被害は壮絶であった。
キラッ必死になって救助作業に従事していた。
「ああ、わわあああああああ」
その顔は涙に塗れ今にも崩れ落ちそうであった。それでも必死に救助作業をするキラ。
「キラ准将。今は後退してください」
「五月蠅い。兎に角今は生きている者の救助作業を優先させろ、やらせろ」
「しかしナチュラル同盟の追撃など・・・」
ガンッ
「後でいいと言っている」
「分かりました」
コンソールを叩くキラの形相に部下は押し黙った。
「どうして、必死になっても掬おうとして零れていく。
守ろうとしても壊そうとする者がいる。
どうすればいいんだ。
教えてくれフレイ」
キラの慟哭がコクピットに木霊するのであった。