※この作品はR-18です。

反逆のディストピア   作:コトナガレ ガク

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第3話 悪魔に魂を売ろうとも

「あれはラクス直属の親衛隊部隊旗艦ユニコーン」

 スクリーンに映った純白の艦に驚愕する。

「ラクスの男妾が」

 憎しみが混じった声が漏れる。

 プラントの全権力をその色気で掌握する傾国の悪女ラクス。この二つ名にふさわしく彼女は既に国を二つは潰している。

 一部噂では彼女は人類を支配する為に人を誘惑または洗脳するのに長けた遺伝子を調整された傾国のコーディネイターでは無いかと言われている。

 ゴシップと切り捨てれない。そうで無ければ男も女もあんなに狂信的に従う理由が思い当たらない。

 傾国の悪女ラクスの懐刀こそスーパーコーディネイターと呼ばれる人造人間キラ。

 遺伝子を完全調整された人間など人間ではない、そういうのを古来より化け物と人は呼ぶ。そのキラでさえラクスの魅力には屈したことからますまずラクスの噂が裏付けられていく。

 色気に迷った男だが優秀でもある。キラはラクスの下で今まで数々のナチュラル側の組織を摘発してきた。当然ナチュラル同盟傘下の組織も幾つか潰されている。

 不倶戴天の怨敵。

「GF、幸い背後の海側はまだ包囲されていません。急ぎ潜水艦で脱出を」

 ジェミニが提案してくる。

 ジェミニはまだ冷静だ。ラクスの男妾など何する者ぞと勇ましいことを言って愚かにも挑んだりしない。

「君は私を謀殺するつもりかね」

「っどういう意味ですか」

 私に疑われたのが心外とばかりに憤慨する。

 演技ではない。なら裏切ったわけではないか。

「コーディネイターはそんなに甘くない。海側こそ包囲されているよ。海中にはMS部隊が息を潜めて罠に掛かる獲物を待っている」

 包囲の一部をわざと開けておくのは戦の常道。そんな大したことじゃない。問題なのは分かっていても、そこにしか逃げ道がないこと。

「では、どうすれば」

「活路は前しか無い。

 土方」

 私は私の護衛に付いてきていたレオの土方を呼ぶ。

 ゾディアックの中で彼だけは異色である。彼の部隊は各ゾディアックが開発した研究成果の実戦運用にある。彼は実戦部隊の将軍でもあり、先頭に立って戦う男。

 故にコードネームで無く名で呼ぶ。

「はっ」

「ここの部隊を使い潰して構わない、随艦二隻押させて見せろ」

「幸い沖田がいます、お任せ下さい。しかし本命のユニコーンは?」

 沖田はジーニアスとして見出された天才でその才を開花後は土方に預けている。

「それは別の者に行って貰う。

 喜べジェミニ、ミラーリンクシステムの初実戦だ」

「GF、それではミラーリンクシステムの存在が来たるべき日の前にコーディネイターに知られてしまいます」

 研究馬鹿が。ここで潰されたら来たるべき日も何も無い。

 秘匿兵器を抱えて死ぬなど愚者。

「どこかで実戦を行わなければならないなら、それが今ということだ。

 ラクスの男妾を抑えて見せろ。

 その隙にベルベリスで脱出する」

 ベルベリスは各ゾディアックに与えているアークエンジュル級の後継艦デーモン級の艦の一隻。

 我等は悪魔に魂を売ってでもナチュラルの尊厳を取り戻す決意が込められている。

「分かりました。

 ミラーリンクシステムの真価、化け物共に見せてやりましょう」

「そうだいつだって化け物を倒すのは人間の知恵だ」

 

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