※この作品はR-18です。

反逆のディストピア   作:コトナガレ ガク

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第6話 スーパーテロ法

 プラント最高評議会のメンバーが集まる定例会議、別名ラクス御前会議。

 プラントの指導部が一同に集まり政策を決定する会議なのだが、今その席の一つが空いていて、誰もがそのメンバーを持っている。

 ラクスが口を紡ぎ何処か張り詰めたように佇む雰囲気に呑まれ、既に集まったメンバーは1時間は無駄口一つしないで待っている。

 無駄口どころか先に会議を始めましょうという提案すらしない。

 その静寂を破るように会議室のドアが開きキラが入室してくるや議長席に座っていたラクスが席から飛び出した。

 ラクスはキラの胸に飛び込み、キラも当然のように受け止める。

「キラ、無事でしたか」

「ああ大丈夫だよ」

「うふっ良かった」

 ラクスは恋人に見せる最高の笑顔をキラに向けキラも優しくラクスを抱きしめる。映画のような恋人同士の再会からの抱擁でこのままベットに直行しそうな雰囲気を出すが、自制したかキラはラクスのおでこにキスをするに止める。

「さあ、会議を始めよう」

「そうですね。報告を聞かせて下さい」

 ラクスに誘われキラは議長席の対面に着席するのであった。

 

「キラ中将のフルバーストをナチュラル如きが避けた!?」

 人格に関しては知らないが、能力に関してはスーパーコーディネイターという人類最高峰であるキラが放った攻撃はコーディネイターといえども避けられない、それをナチュラル如きが避けたことが心の底から信じられないメンバーの一人が驚愕の声を上げる。

「ああ、手加減したわけじゃ無い。正真正銘本気の攻撃を避けられた」

 避けられた本人はそれほど感情を露わにすること無く淡々と事実を報告する。

 人類最高峰と称えられてはいるが数々の修羅場を潜り抜け、事実そのただのナチュラルのクローンに苦しめられたりもした。他のコーディネイターのように無邪気に遺伝子を絶対視する気にはなれない。

「奴らいったいどんなチートを使ったんだ?

 まさかナチュラルのMSがコーディネイターのMS開発技術を上回った!?」

 あり得ない話では無い。

 事実前の大戦ではGATシリーズはザフトのMSを性能を上回った。尤もこれはオーブにいるコーディネイターが協力した結果とザフトでは見ており純粋にナチュラルがコーディネイターを上回ったとは誰も思っていないが。

「ナチュラルを哀れと思ったコーディネイターの協力者がいる?」

「その発言、なぜそう思うのですか?

 現状ナチュラルとコーディネイターは平等のはずですよ」

「もっ申し訳ありません。

 ナチュラルと平等なのが面白くないコーディネイター至上主義者の差し金なのでは」

 ラクスに指摘された評議員のメンバーは死刑宣告でもされたかのように顔を真っ青にして慌てて言い直す。

 コーディネイター至上主義者。彼等はコーディネイターこそ次の人類ネクストであると主張し、劣等種であるナチュラルと同じ権利なのが気に入らない者達である。その為ナチュラルとの自由と平等を進めるラクスとは敵対するコーディネイター達である。

 今のところ男もで立って組織は無いが秘密結社くらいはあるかもしれない。その彼等ならラクスを打倒する為ナチュラルに技術提供をするくらいはするだろう。

 まずはラクス、その後ならナチュラル如きどうにでもなる。

「ナチュラルとコーディネイターは平等なのです。差別発言は許容出来ません」

「その通りです。ラクス様の元全ての人類は平等です。

 しかし、先程の話しは検討に値します。兵器関係のエンジニアの調査をしますか?」

「でもあれはMSの性能では無いと思う」

 キラが話の流れを変えるように発言する。

「っと言いますと・・・」

「僕にも上手く言えない。だが僕に向かってきた5機は今までとは違う力を感じた」

「ブーステッドマンとは違うのですか?」

「ああいう単純に反射神経が上がった強さじゃ無い。もっと別の力だ」

「なるほど、キラ様ですら分からない得体の知れない力。

 ナチュラルは人体改造で超能力でも身に付けましたかな」

「超能力かは分からないが、ナチュラルなら人体改造くらいは平気でするだろう」

「そうだな奴らの我々に対する嫉妬は半端ではないからな。同族を犠牲にするくらいなんとも思わないだろう」

「ラクス様。正体は分かりませんが何かしらの計画が進んでいるのは確実です。かねてからの議案スーパーテロ防止法を提案します」

 今までは大規模な作戦行動の前には相手国に通告して相手国の承認を得ていたが、これからは相手国の了承を得ること無くプラントの承認だけでキラ達はその国における対テロにおいての軍事行動を行うことが出来るようになる法律である。

「ナチュラル国家から反発がでないか?」

 懸念するのも尤もな明確な主権侵害である。もはや相手を属国と見なしているに等しい。

「今の奴ら如きに何が出来る。

 政治経済全て我等が握っている、五月蠅いようでも少し脅せば直ぐ黙る」

 更に言えば地上にあるナチュラル国家の上層部にはコーディネイターが浸食しつつある。

「決断をラクス様」

「平和は何より貴いものです。もう二度と戦争を起こしてはいけません。

 その為の悪名なら喜んで被りましょう」

「分かりました」

 こうしてスーパーテロ法が設立するのであった。

 平和を願って作った法律が新たなる火種となる。

 人間は遺伝子を弄っても人間に過ぎないということなのだろうか。

 

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