蘭陵王君とぐだ男がなんかえっちするやつ 作:メジェド塗り職人
前略、父さん、母さん。俺はとんでもないイケメンと肉体関係を持つことになりました。
なんて冗談はおいといて。蘭陵王と初めて体を重ねたあの夜から早いものでもうニ月が経とうとしていた。本当は毎日でも彼と交わっていたかったのだがそれも難しく、2日か3日に1度彼をレイシフトに連れ出すというのが二人の間で暗黙の合図となっていた。その間、ぐっちゃんに二人の関係がバレたりはしたが概ね平穏な1ヶ月だったと言えるだろう。
蘭陵王はとにかく感度が良かった。戦場で華麗に舞い、戦う彼をその日の晩にはよがらせるというのはなんとも気持ちがいいものだった。抱く度に甘い声をあげ、すがり付き、愛を懇願する彼の姿は不思議と嗜虐心を刺激し、俺の些細な征服欲を満たしてくれるのだった。
しかし、全く問題がない。という訳でもなかった。マンネリ気味とでも言おうか。飽きたというのは言い過ぎにしてもやはり流れとしてはいつも同じだったものでどこか余裕のようなものが生まれていたのもまた事実だった。蘭陵王を愛することはとても気持ちがいいし、彼に愛を囁いてもらうのも同じく気持ちが良かったがそれにしたって限界はあった。稀代のイケメンと体を重ねておいて贅沢極まりない悩みであるとは理解していたのだが、それでもマンネリを打破する何かがほしかった。
「本日も見事な采配でございました、主殿」
「そんなこと…蘭陵王や、皆の動きがよかっただけさ。俺の采配なんて、些細なものさ…」
午後10時。今日の職務を全て終えた俺は、マイルームに備え付けられた浴室で蘭陵王に背中を流してもらっていた。いつもなら、このあとの彼との蜜のような一時を思って高まる俺の心は、今日に限っては暗く沈んでいた。
「やはり、まだお気持ちは晴れませんか、主殿。申し訳ありません。私が、主殿のお側についていれば、あのようなことには…」
「…別に、蘭のことは責めてはいないよ。ただ、あの後、マシュにきつくあたってしまったことが今でも気掛かりで…」
今日のレイシフトで俺は危うく死ぬかも、という危機に陥ってしまった。別に、今まで安全なレイシフトなんて1度も無かったことを思えばいつも通りと言えるのだろうが、何故だろうか。執拗に何度も何度も俺の心配をするマシュに苛立ってしまったのか、彼女に辛くあたってしまったのだ。
「命の危機に陥ったのです。無理からぬことかと…」
「命の危機なんて、今まで何度でもあったさ。だから、今日が特別な訳じゃない。体を張って、命をかけて戦ってくれるマシュにあんなことを言ってしまったことが堪らなく悔しいんだ」
蘭陵王にあたっても仕方のないことだとわかってはいたが、胸の内を吐露せずにはいられなかった。
不意に、後ろから蘭陵王が抱き締めてきた。彼の熱が背中を通して俺に伝わってくる。
「大丈夫、大丈夫ですよ。主殿。そこまでわかっているのであれば、マシュ殿もわかってくださるでしょう。明日、起きてすぐに謝りにいきましょう?きっとマシュ殿もそうするでしょうから」
優しく、幼子を諭すような言い方だったが、今はそれがとても心に沁みた。
「うん、そうするよ…」
「さぁ、主殿。今宵はどうされますか?…私としては趣向を変えるのも一興、とも思いますが」
「趣向を変える、と言っても…どうするの?」
俺がそう聞くと蘭陵王はいつかのように俺の耳に顔を寄せ、妖しく囁いた。
「今宵は、私が主殿を汚す。というのはどうでしょうか…?きっと楽しませられるとは思いますが」
そう言うや否や蘭陵王は優しく、されど英霊の力でもって強引に、俺をベッドへと押し倒した。
「ちょっ…蘭陵王⁉いったい何を…!」
「お静かに、主殿?今宵ばかりはどうか私に体をお委ねくださいませ」
そう言って蘭陵王は強引に俺の唇を奪う。こうなると俺はもう駄目だった。普段は俺が主導権を握ってはいるが、キスだけは未だ彼が主導権を握っていた。
蘭陵王の舌に口内を犯され、瞬く間に感情が蕩け、脳髄が痺れ、思考が快楽に染まっていく。振りほどこうともがいてみても、英霊の力から凡人の俺が逃れられるはずもなく、なすがままに俺は彼に口内を蹂躙され尽くした。
「では、こちらをほぐしていきましょうか?」
そう言って蘭陵王は俺の尻を撫でるとその指に何らかのどろりとした液体を垂らしていく。
「待って、待ってくれよ…蘭陵王。お願いだから、やめて…」
「そう言った私にあの夜私の中に呆れるほど出したのは主殿でしょう?…大丈夫ですよ主殿。ダヴィンチ殿とパラケルスス殿謹製の潤滑剤です。決して、主殿を傷付けたりしませんとも」
俺の制止も聞かずに蘭陵王の指が俺の中に入ってくる。2本の指がそれぞれ別の生き物かのように俺の中を這い回り、刺激し、蹂躙する。自分の中に自分でないものが存在するという異物感と形容しがたい刺激に堪らず身を捩る。
「お願いっ…お願いだから、抜いてくれ…蘭陵王っ…!」
「そう拒否なさらずとも、今に気持ちよくなりますよ。…それにどうしてもというなら令呪を使えばよろしいでしょう?それをなさらない、ということは…」
敢えて最後まで言わず、蘭陵王は俺の中をいじめぬく。初め2本だった指も3本に増え、前立腺を腸内を、余すことなく刺激していく。右手の指で俺の中を、左手で俺の右乳首を、舌で左の乳首を刺激され、いつしか俺は甘い吐息を漏らし、快楽に身を委ね、甘い痺れに溺れていった。
「存外、可愛らしい声をあげるのですね。主殿は。恥ずかしながら、この蘭陵王。昂ってしまいました。」
「よいですね?主殿」
何も返事ができなかった。快楽に溺れ、言葉らしい言葉を蘭陵王に返すことができなかった。
「きちんとお返事なさるまで、このまま責め続けますよ?」
「待っ…」
待って、と。そう言い切る暇もなく蘭陵王は指で、舌で俺への凌辱を再開する。彼の指が俺の中を うねる度、その舌が俺の乳首を濡らす度に、最早堪える素振りすらない俺の嬌声が部屋に響く。
顔を真っ赤にし、こくこくとひたすらに頷く俺を見て、漸く蘭陵王の手が止まる。
「では。ゆっくり…ゆっくりと入れていきますね、主殿」
足をM字に開かされ、すっかりほぐれ蕩けきった尻穴に、蘭陵王のそれがあてがわれる。そしてすっかり硬くそそり立つそれは彼の言葉通り、ゆっくりと、本当にゆっくりと俺の中に挿入されていった。それは、或いは焦らすようでもあり、或いは慈しむようでもあった。今までにない異物感が今までにない痺れを脳髄に与える。ずっぷりとそれが根元まで挿入されたとき、俺は口から涎を垂らしていた。
最初のピストンは本当にゆっくりとしたものでそれ故に蘭陵王のそれの形がしっかりと俺の中に刻まれた。そして、ピストンは徐々に、徐々にその速さを増していく。最初はゆったりとした間隔だった腰を打ち付ける音も、次第に小刻みなものへと変わり、ローションや俺の腸汁が混ざったものだろうか。水っぽさを増していった。
俺はといえばピストンの速さと比例するかのように増していく快楽に身を委ねて、打ち付けられる腰に合わせて甘い声をあげることしかできなかった。
「んっ…主殿は、本当に良い声で啼かれるのです…。申し訳ありませんが、そろそろ限界にございます」
そう言うと、蘭陵王は正常位のまま俺を抱き寄せキスをし、そのままより一層ペースをあげ腰を打ち付けてきた。口と肛門の両方をなすがままに犯され俺は最早喘ぐことすらできなかった。
蘭陵王のそれが一際大きく脈打ち、熱く、そして硬く膨張した彼のそれよりも尚熱いものが俺の中にぶちまけられるのを感じた。あぁ、射精したのだと、彼方へ飛びそうな意識と思考で、それだけを考えた。
「申し訳…ありませんっ…主殿。蘭陵王、未だ収まりがつきませぬ…!」
「ちょっ…さすがに、限界だから…」
そんな俺の制止など聞き入れるはずもなく、蘭陵王は今度はバックの姿勢で思いきり突いてきた。
彼の体重がよりダイレクトに伝わるためか、先程までよりも一層深く、彼のそれは俺の中を抉るように犯していく。彼の出した精液がローションが様々な液体が混ざり合い、ぐちゅぐちゅ、ぐちゅり。と淫靡極まりない音を部屋の中に響かせる。彼の裏筋が俺の前立腺を刺激し、俺のそれも先程からだらだらと我慢汁を垂らしていた。互いが互いを貪るようにただただ快楽を求め交わる。部屋の空気すらそれにあてられたかのように淫靡さを増していく。
俺のそれから精液が垂れ落ちても尚、蘭陵王はその腰を止めることはなかった。一突き毎に精液が押し出されるかのような気持ちよさだった。射精は止まることなく、蘭陵王もより一層の激しさで俺の中を犯しぬく。
だが、いよいよ彼も限界を迎えるようで、彼のそれが膨張し、射精するのだ、ということがぼんやりと俺にも伝わる。
「申し訳ありません、主殿っ…!出ます、射精してしまいます…!」
びゅるびゅるという擬音を伴うかのような勢いの射精だった。射精している最中もピストンは止まず、最後の一滴まで注ぎ込むのだと言わんばかりに奥深くに挿入される。俺はといえばだらしなく精液を垂らしながら快楽の海に溺れていくのだった。
すっかり眠りについた主の髪を撫でる。少しごわついた、自分のものとはまるで違う髪を。…先程は柄にもなく興奮してしまった。普段の夜伽に不満があった訳ではない。主の寵愛を一身にうけるのは限りなく名誉であり、途方もない快楽であったから。だから、その快楽を主に味わってもらうのも気分を変えるためには悪くないのではないか、と考えた。
自らが主と仰ぐこの少年の双肩に余人にははかり知れぬ程の重荷がのしかかっていることは承知していた。己の世界を守るために他の繁栄を、優しい世界を殺し尽くす。それはまだ若い主にとってどれ程の負担だろうか。それを考えると蘭陵王は胸に痛みがはしる。
だから愛そうと決めた。主を愛し、主の愛を受けとめようと。サーヴァントとは所詮この世ならざる存在。いつかは別れが訪れるもの。だが自分が主を愛し、主に愛されることで主の心に少しでも安らぎが訪れるのであれば───
「大丈夫ですよ、主殿。私は、蘭陵王は…いつか御身を離れるその時まであなたの側にいてあなたを愛しますとも。ですから、どうか今は、今だけは安らかにお眠りください──。」
そう呟くと蘭陵王は愛すべき主の体を抱き寄せた。
性欲ってすごいね…。勢いのままにとんでもないものがうまれちったよ…。自分でもびっくりだよ…。ごめんよぐっちゃん…。