NARUTO1
うずまきナルトは男として生まれたことに感謝した方がいい。俺が女として生まれてしまったナルトを世界から引っ張り出して少し経った頃に思ったのがそれだった。
ナルトは処女ではなかった。小さい頃に化け狐と罵倒され、複数人で殴られ蹴られて犯されたことがあったらしい。ナルトに暴行を働いた相手は既に裁かれているそうだが、だからと言ってナルトの傷が癒えるわけではない。それどころか女狐として、新たに罵倒の種が増え、そして成長していくにつれて九尾の妖狐の影響もあってか傾国美人と謳われるほどの美しさを持つようになればそういった視線を向けてくる相手も増えた。
憎悪と苦痛しか感じない一方的な欲望の発散を受けてから、ナルトはそう言った行為に嫌悪感と恐怖を抱くようになった。なので俺はまずは距離を縮め、求めたとしても拒否されない程度にまで近づくことを優先させた。
そう言うことでまず某猫虐待コピペのように風呂に叩き込み、髪と身体を洗って服をあたえ、飯を食わせる。大分俺の事を疑っていたし今でも疑いの目は晴れていないが、初めに引っ張り出した時より大分ましになった。
それで色々と世話をしながら数日ほど付き合っていたんだが、唐突にぽつりとつぶやいた。
「……それで、私に一体何の用だってば」
生『だってば』頂きました。でも元気がないのは減点。やっぱ元気はしっかり出してもらわんとナルトを抱いてる気がしないな。
「まず、自己紹介からするか。俺は田中。田中隆だ」
「……うずまきナルト」
「それは知ってる。で、要件なんだが……単刀直入に言うとお前を抱きたい」
「ふん……好きにすればいいってばよ」
ナルトはそう言ってベッドの上にゴロンと横になった。しかしその目には何も映されていないし、光も無い。こういうんじゃないんだよなーほんと。
「いやいや待て待て待て、そういうのじゃない。最終目標はお前を抱いて子供を作りたいだが、それはあくまでも最終目標であって人形みたいなお前を抱く趣味は無いから。と言うか抱くだけだったらとっくにできてるし」
「……」
「『じゃあなんだ』って目をしてるな? よし答える、答えるからまずは座ってくれ、話しづらい」
ナルトは素直に身体を起こして座り直した。ほんとこの世界の木の葉の里はクソの集まりかよ……。
「早速だが、俺は世界の管理者だ」
「は? なに言ってるってばよ?」
「あーまあそうなるよな普通。俺もここにいきなり連れてこられてその職につけられた時にはそうなった、わかる。大丈夫、できるだけわかりやすく説明する」
まず、ここは世界の外側であることを話し、次に世界と言う樹の中からナルトを引っ張り出したこと、俺は世界と言う名の樹の管理者みたいなことをやっていること、もうすぐ世界が滅ぶのがわかったから気に入った奴だけ引っ張り出していること、とここでナルトから待ったが入る。
「どういうことだってばよ……世界が、滅ぶ……?」
「ああ。基本的に俺に任されているのは『世界として確立するには不安定な樹』ばかりで芽吹いたばかりで枯れてしまったり立ち枯れてしまうこととかも多くてな。それを何とか延命したり次世代の種をつけさせたりするのも仕事の一つなんだが」
「そんなのどうでもいいってばよ! 火影の爺ちゃんは!? イルカ先生は!?」
「気に入ったから出そうとしたら、拒否されて、んでナルトを頼まれたから出した。どうも色々とあったことを知ってたらしくて心配だったんだと。時間が無くて細かい話は聞けてないがお陰で急げば最大五人くらいは出せるのに一人しか出せなかった」
まあ嘘八百だがな。初めからあの二人を出そうとはしていないし話も聞いてない。ついでに言えば引っ張り出したのはナルト一人でなく二人だが、ナルトは俺の言葉を信じたようでその場でぽろぽろと泣き始めてしまった。
「まあそう言う訳で俺はお前を引っ張り出したわけだが……まあここにいてもらうためには仕事を手伝ってもらわなくちゃならない。この世界にいる限り食事も睡眠も必要ないが、何もしないでいると存在力が薄れて消えることもあるからな」
まあ嘘だが、こうやって仕事を与えることで『必要とされている』と感じてもらい、依存されれば御の字だ。
「そっか……じゃあ、私の身体を好きにしていいってば」
「だからそうじゃねえって言ってんだろ話を聞け」
「……でも、私にはこれくらいしか価値がないってばよ……」
「確かに正直お前美人だし可愛いし抱けるんだったら抱きたいけどそう言う諦観とか自暴自棄とかで抱きたいわけじゃないんだっての。こう……ラブラブしながら抱きたい」
「らぶらぶって……よくわかんねえってばよ」
「今はわからんでもいい。ともかく今すぐ抱く気はないってことだ」
「じゃあ、仕事って私は何すりゃいいってばよ?」
「俺の管理している樹は不安定でよく変異するからその変異したかどうかの確認とか、いつごろ、つまり枝のどのあたりから変異してるかとか、そういうのの記録が主な仕事になるか。何がどうなったら変異したのかってのは慣れないとわかりづらいだろうから慣れるまで一緒にな。あと目の保養」
「……スケベ」
「ナルトが美人じゃなかったらこんなことは言わねえよ」
まあともかく、こうして俺はナルトの警戒を解いていく事にした。