※この作品はR-18です。

セシリア様の女尊男卑(新)   作:ねむむむむむむ

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第七話

千冬姉からの数回に渡る過激な教育を何とか耐え、ようやく休憩時間がやってきた

 

しかし流石IS学園、入試倍率が異常に高いだけに内容も異次元的難しさだぜ、一時的に貸し出された教科書の1ページを見てもまるで理解出来ない……。

え~なになに、イグニッション…ブースト?く、クロス・グリッド・ター…ン。

だぁ~~~ッ!横文字ばっかりじゃねぇか!

 

 

 

「ぐおぉッ!!本当に全然わからん!まずい……千冬姉にはつい頷いちまったけど、これは一週間以内に覚える所か理解すらできねぇ…あぁでも、無理でもやるしかないよな、千冬姉にこれ以上恥かかせるわけにはいかないし……」

 

くぅ~…千冬姉に叩かれた部分と脳味噌のオーバーヒートで二重苦だ。

 

はぁ……一人で考えても仕方ないな、山田先生も教えてくれるって言ってたし、あんまり頼りすぎるのはよくないけど必要なら箒にも頭下げて頼んでみるか

 

 

 

コツコツコツコツ

 

 

 

なんとか問題を解決しようとしていた俺の耳に甲高い靴音が聞こえてきた

 

 

この音…わざと鳴らしているのか、確か前に何かのテレビ番組とかでやってたよな…靴音を鳴らしながら歩く奴は自己中心的で身勝手な性格傾向とかだったっけ、まぁ千冬姉にあれだけ命知らずな発言をする奴がいる位だし別に珍しくもないか

 

 

 

コツコツ

 

 

 

ちょっとまて、気のせいだと思いたいんだが俺の方に近づいて来てないか?

いや、きっと気のせいだ、考えすぎで頭が少し回っていないだけに違いない。

 

 

コツ ピタッ

 

 

 

嘘だろ、俺の机の横で止まったぞ……いやきっと隣の娘に用事があるんだ、俺は教科書を読むのに熱中していて気づいていない、そういう事にしよう、仮に俺に用事があっても相手を不快にさせないハズだ、よし完ぺ「ちょっと、よろしくて?」……わかってた……

 

 

 

観念した俺は取り敢えず計画通り今さっき気づいたかの様な態度で返事をした

 

 

 

「あ、あぁ、どういう用件だ?ッ!?」

 

 

 

なッ!?この娘さっき千冬姉に対して命知らずなことを言ってた同性愛者の娘じゃないか!

 

遠目に美人なのは分かっていたが、間近で見るとここまで美人だとは、美人は千冬姉で慣れているおかげか挙動不審にはならずに済んだけど、正直緊張で息が詰りそうだ、というかなんでこの娘、視線で人を殺せそうな程俺を睨んでるんだ?威圧感が半端じゃないぞ

 

 

 

「フンッ!相変わらず間抜けな返事ですわね、この私に話しかけられたのですから、それ相応の態度というものがあるでしょう?ねぇ?」

 

 

 

俺の返答に不満を持ったのか、それとも始めから文句を言うつもりで話しかけたのか、金髪の娘はいかにも不機嫌そうに目を釣り上げイラついた様子で更に文句を言った

 

 

 

「……」

あー…えーと…うん。

よし、やることはわかった、この娘は少しア・レ・な人間だ

 

 

 

「チッ!訊いていますの?」

 

 

 

「あ、ああすまん、つい君に見蕩れちまって……」

 

 

 

以前弾が言っていたが、この部類の人間は取り敢えずおだてて気分を良くさせておけば受け流すのが楽になるらしい……言っておいてなんだが少し本心が混じっているせいで凄く恥ずかしい、絶対顔が赤くなってる

 

 

 

「ハッ!私に見蕩れるなんて男であれば当然ですわ」

 

 

凄い自信だな…自分で言うのか。

だが褒めらたためか先ほどの強烈な表情が少し柔らかくなり、心なしか少し微笑んでいる様に見える…たぶん。

 

 

 

「あ、あぁ…それで用件は?」

 

(やったぞ弾!恐らく作戦は大成功だ!)

 

 

 

「あぁ、私としたことが貴方の余りのおバカさ加減に用件を言うのを忘れておりましたわ」

 

 

 

わざとらしくヤレヤレといった人の神経を逆なでするかの様な仕草をとり、金髪の娘は用件に移った

 

 

ムカ…ッ

初対面でバカはちょっと酷くないか、確かにISについてはまだ何もわかっちゃいなけど……

 

いや事実だとしてもこうもあからさまにバカにされちゃ男として黙っていられないな

 

 

 

「言いたいことはわかるが、他の皆と違って俺には勉強する期間も無かったし、教えてくれる人もいなかったんだぞ…それに、来たくて来たわけじゃ……」

 

 

 

「IS云々は抜きにして、教科書をゴミと間違うなんてバカ以外ありえませんわ」

 

 

―――グサッ

 

「ぐぅッ!そ、それで君は俺に一体どんな要件なんだ」

 

流石に言い返せない!流石に教科書を電話帳と間違えるなんて大馬鹿だ!自分でもどうかと思うし!!すまない弾!作戦は失敗だ!めちゃくちゃ不機嫌になってる!

 

 

 

「はぁ、あからさまに話を逸らさないでいただけます?まぁいいですわ、私の用件は一つ…土下座なさい」

 

 

 

「は?」

 

(え?いまこの娘なんて言ったんだ?土下座って言ったか……いやいや、どうして初対面の女子に土下座しないといけないんだ、いや、そういえばこの娘はこんな突拍子も無いことを言い出す人種だったな、完全に油断していた、これは少しどころか重度の女尊男卑主義者だ

 

 

 

「頭だけでなく耳も悪いのかしら、土下座しろと言っていますのよ」

 

 

 

「いや聞こえてる、そうじゃなくて何で俺が君に土下座しなきゃいけないんだ?」

 

取り敢えず冷静に疑問で返そう、低姿勢で返答しようものならどうなるかわかったものじゃないからな

 

 

 

「はい?貴方こそ何を言っていますの?私は女で貴方は男、劣等生物である貴方が女であるこの私に逆らうことなど許されませんわ、全ての男は女に絶対服従、世の中の常識ですわよ、そして私はそんな男である貴方の存在に気分を害していますの、ですからこの島国で最上の謝罪方法である土下座で私に謝罪しろと申しているのですわ」

 

 

 

さも当然のことの様に金髪の娘は指で地面を指し俺にに謝罪を要求した、靴で地面叩きまるで舐めろと言わんばかりである

 

 

 

「言ってることがおかしいだろッ!?大体君誰なんだよ?」

 

こういう奴は間接的に嫌という程見てきたけど今回は比較にならない程ヤバイな、この瞳は本気だ、本気で男は女に敵わないと思い込んでいる……。

 

 

 

「クラスであれだけ注目されていた私を知らない?わかりやすい様に自己紹介までしましたのに?…はぁ、イギリスの国家代表候補生セシリア・オルコット、エリート中のエリートですわ、以後お見知りおきを豚」

 

 

 

「そうか……ってッ!豚!!?」

 

糞ぉッ、どうして来たくもない学園に来て豚呼ばわりされないといけないんだ……

 

 

 

「えぇ、自分から学びもせずただ与えられるだけの貴方など豚で十分ですわ、精々ブヒブヒと愛嬌でも振りまいてお優しいお姉さんにでも可愛がってもらいなさいな」

 

 

 

「千冬姉のことをいってるのかよ」

 

 

 

「他に誰がおりますの?貴方みたいな豚の姉なんて一人しかいないでしょう、身内贔屓な上に野蛮で粗暴、女らしさの欠片もないあの女ですわ」

 

――カチンッ

 

「てめぇッ!!もう一度言ってみろ!俺のことならまだしも、千冬姉を馬鹿にするってんなら容赦しないぞッ!!」

 

 

 

俺は千冬姉を馬鹿にされたことで周りが見えないほどに頭に血が上っていた

 

気づけば教室全体に響くかのような威圧感に溢れる怒声を張り上げ、セシリアの顔に拳を突きつけ威嚇していた

 

 

 

「あら怖いですわぁ、流石はあの織斑千冬の弟、直ぐに手を出そうとする所なんてソックリですわね」

 

 

 

俺の怒りなどどこ吹く風といった様子でセシリアは返答替わりに再び俺を煽り始めた

 

 

 

「ッどうしてだ…あんた千冬姉のこと尊敬してねぇのかよ、さっきから馬鹿にしているようにしか聞こえねぇぞ!」

 

 

 

「ふふん、馬鹿になどしておりませんわ、ただこの私にとって織斑千冬程度尊敬に値しないと言うだけのこと、まぁその他大勢の方達はどうだか知りませんけど」

 

 

 

「どうしてだ?千冬姉はモンド・グロッソの優勝者、IS操縦者にとっては尊敬の対象だってことはISをよく知らない俺でも知ってることだぞ」

 

 

 

そうだ、自分で言っていて改めて思うが、家の姉はそれこそISに生身でも勝てるんじゃないかと思わせるほど強く知名度も尋常じゃない、試合映像だって探せばいくらでも出てくる、自分の方が強いからなんて理由はまず無いな、だとしたら何だ、ただ単純に弟の俺に言いに来る程嫌いなだけか

 

 

 

「そんなの簡単ですわ、織斑千冬より私の方が強いからに決まってるじゃありませんか?貴方自分よりも劣る相手に尊敬など払えますか?ISの世界大会優勝者というだけで私からの尊敬を得られる程私の敬意は安くありませんわ」

 

 

 

「千冬姉が弱いだってッ!?…じゃあ聞くが、自称千冬姉よりも強いアンタは何で未だに候補生どまりなんだ?千冬姉より強いってんなら候補なんて付かないはずだろ?」

 

冗談だろ、千冬姉は文字通り世界最強、それよりも強い存在が候補生どまりなんて有り得ない、矛盾だらけだぞ……

 

 

 

「逆に考えてみなさいな、織斑千冬の強さは候補生である私の足元にも及ばないと、ほら鳥頭の貴方でも簡単に理解できましたでしょう?」

 

 

 

身の程知らず、まさかここまでこの言葉を体現した様な人物に合うとは思わなかったぜ、笑えないな、こんな奴と千冬姉を比べること自体に怒りを感じる……

 

 

 

「本気で勝てると思ってるのか?」

 

――ギリぃ…ッ

 

俺は静かに、一切の感情を感じさせない能面の様な表情と平坦な声で問いかけた、怒りのせいか手は音が出そうなほど強く握り締められ肉には爪が食い込んでいた

 

 

 

「オホホホ、当然でしょう私とブルー・ティアーズの華麗な舞と正確無比な射撃の前ではブリュンヒルデであろうと無様なボロ雑巾の様になるのは必然!ハンデを付けて差し上げてもよろしいくらいですわぁ!オーホッホッホッ!!」

 

 

 

(こいつッ!!)

 

 

 

「……決めたぜ、お前は俺が倒す、勿論お得意のISでな」

 

 

 

「はぁ?ぷぷぷ…貴方が、貴方ごとき豚が今の私を倒すですって…フフッふふふ!いいですわよ、ぷぷッ前回の借りを返すついでに、その勘違いして高くなったお鼻をへし折って差し上げますわぁ!貴方など所詮はモルモット!誰もISで期待なんてしていませんのよ、おわかり?」

 

 

 

「ああ、吠え面かかせてやるぜ、それでどうする、先生達に事情を話すか……」

 

ISでは誰も期待していないか、確かにその通りかもしれないが、千冬姉を馬鹿にしたコイツを許すことなんて出来そうにない。

コイツが一番自信を持っているIS、それに勝ってばコイツも反省して謝罪位はするはずだ、俺に負ける様じゃ千冬姉になんて勝てる訳ないからな

 

 

 

「ぷッふふ…ふぅ、いいえ、必要ありませんわよ、次の授業中に自然と決闘の場が整いますわ」

 

 

 

「どういう意味だ?」

 

 

 

「理解する必要なんてありませんわよ、貴方はただ私の言うことに従って、大人しく待っていればいいんですもの」

 

 

 

「…わかった、言うとおりにしてやる」

 

冷静になれ俺、これ以上こいつに何を言っても無駄だ、それに今の話はクラスのほぼ全員が聞いていた、仮に授業中に何もなかったとしても教員の人達に事情を説明すれば場を用意してくれる筈だ

 

 

 

「ふふ、いい子ですわよ、それではご機嫌よう」

 

 

 

ヒラヒラ

 

 

 

セシリアは最後まで小馬鹿にしたかの様な態度で片手を振り自身の席へと戻っていった

 

 

 

「お、おい一夏!?何であんな奴の言うことなんか…ッ!?一夏ッ、手の力を抜け!血が出ているぞッ!?」

 

 

 

騒動が収まると同時に箒が何時もの仏頂面では無く眉をしかめ少し怒ったかのような表情で駆け寄ってきた。

それも束の間で俺の手から滴る血を見るやいなや憂いを帯びた表情を浮かべた。

 

 

 

「お、おう、ありがとう箒」

 

やっちまった、後悔はしてないが、箒を心配させちまったな

 

 

 

「まったく…ちょっと来い」

 

 

 

そう言うと箒は俺の腕を掴んで廊下に連れ出した

 

次の授業時間が差し迫っているためか、普段は人が行き交う廊下も俺と箒を除いて無人となっている

 

 

 

「悪ぃ箒…無視していれば丸く収まってたかもしれないのに」

 

 

 

「いや、仕方ないさ、あそこまで馬鹿にされて何も言わないようでは、それこそあやつの戯言を認めるようなものだからな」

 

 

 

先ほどのやり取りを思い出したのか、箒は再び眉をしかめ始めた

 

 

 

「勿論あんな奴が千冬姉に勝てるなんて思っちゃいないさ…それでも…」

 

 

 

「あぁ、そうだな…千冬さんの強さは私達が一番よく知っている、いくら専用機持ちだからといって、それだけで相手になる様な人ではない、いや寧ろ生身にすら勝てるかどうか…」

 

 

 

「千冬姉は強い、肉体面でも精神面でも…親がいなくなって自分のことで精一杯だったはずなのに、俺の面倒を見てくれてた

 

そんな中で積み上げてきた強さをアイツは何も知らないくせに余裕で勝てるなんてほざきやがった、それがどうしても許せなかったんだ……」

 

 

 

「一夏……」

 

 

 

「なぁ箒、俺はあんな奴に負けたくない…いや、負けられないんだ、頼む箒!俺に力を貸してくれ!」

 

 

 

俺は負けたくない一心で箒に頭を下げ頼み込んだ

 

あんな奴でも代表候補生というよくわからない肩書きを持っているくらいだ、俺一人が頑張った所でどうにもならないだろう

 

 

 

「ッ!あ、ああ!勿論だ一夏!」

 

 

 

「そうか!ありがとう箒!」

 

 

 

「ふ、ふふ、任せておけ……だがその前に手の血ぐらいは拭っておけ、千冬さんが心配するぞ」

 

 

 

「え、ああそうだな、こんなことで千冬姉に心配なんてかけられないよな……よっし!箒!絶対勝つぞ!」

 

 

 

「ああ!その意気だ一夏!」

 

 

 

頼もしい幼馴染の期待に応える為にも出来ることは何でもしないとな…絶対に負けられないぜ

 

さっきの様子を見る限りアイツは俺に対して相当慢心していた、戦闘になれば必ず油断して隙が出来るはず・・・いや、それだけじゃ足りない、勝つ確率を少しでも上げる為に少しでも情報を集めないと

 

いままでは千冬姉に守ってもらうばかりだったけど、今の俺にはISが、家族を守れる力があるんだ…俺自身のためにも千冬姉の名誉の為にも、アイツにだけは絶対に勝つ!!

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