※この作品はR-18です。

【BL】魔王と大災厄の魔   作:腐エロのひと。

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ハメだと改ページ出来ないっぽいので、ウルベルトさん視点とモモンガさん視点で分けました。
相変わらず捏造設定もりもりです(笑)


ホワイトデーと魔導王陛下sideウルベルト

 ……先月のバレンタイン。モモンガさんが馬鹿鳥の入れ知恵のせいで変なことを言い出して。結局はベタなチョコレートプレイをやるハメになった訳なんだが……。

(……あれ、結局俺もモモンガさんからチョコを貰ったカウントになるんだろうか?あの後結局俺もモモンガさんにチョコぶっかけられてる訳だし……)

 貰ったら、お返しをしないとだが……。モモンガさん、基本的に飲食しないしなぁ。俺が食べてる時は付き合って飲食するけど、やっぱりアンデッドだからか人間にある三大欲望はあまり感じていないようだし。……うん、性欲は旺盛な気もするけど、モモンガさん曰くアレは性欲じゃなくて愛情らしいので別カウント、って事にしておく。色々考えると面倒くさいし。

「……デミウルゴス」

「はい、此所に」

 紅茶を飲みながら呼び掛ければ、直ぐに返事がある。……マジで、俺の専属執事状態だな、デミウルゴス。まぁ、戦いがないのは魔導国が平和だって事なので良いことではあるのだが……最上位悪魔がソレで良いのか?とは、ちょっと思う。

「そろそろホワイトデーだからな、モモンガさんに何かお返しをしたい。何か良い品はあるか?各国の名産などで面白い物があれば教えて欲しいんだが」

 そう訊けば、デミウルゴスは俺に恭しく一礼すると口を開く。

「ウルベルト様。一つお訊きしてもよろしいでしょうか?」

「あぁ、構わない。何だ?」

 ティーカップをテーブルに置いてそう訊くと、デミウルゴスはほんの少し首を傾げながら俺に質問を投げかける。

「バレンタインについては教えていただいたので知識がございますが、ホワイトデーについては知識がございません。ですので、最適な品物についての選出が出来かねます。どうか、無知な私にホワイトデーについての知識を御教授いただけませんでしょうか?」

「……あぁ、そうか。ユグドラシルには、ホワイトデーは無かったな。そうだな、バレンタインに贈り物を貰ったら、一ヶ月後のホワイトデーに返すってだけの行事だ。まぁ、今年のバレンタインは私が貰ったのかあげたのか……微妙だったからな、念の為私も返礼品を用意しようと思ってな」

 再びティーカップを手に取り、ほんの少し冷めた紅茶を口にする。一息に飲み干すと、デミウルゴスがお代わりを用意してくれる。

「左様でございますか。ですが、ナザリックにある物以上に優れた物は外界には存在しないようなのですが……如何致しましょう?ランクが劣っていても良いのであれば、名産はございますが……」

 デミウルゴスの言葉に、俺は小さく頷く。……だろうな。此所と比べりゃ、外の世界の方が敵も低レベルだし、俺からしたらほんの少し魔力を帯びているだけの、ユグドラシルではゴミ扱いのアイテムもかなり貴重な物として高額で取引されている。

「構わない。此方の世界では市場に出回っている物でも、私たちにとっては珍しい物もあるかもしれないからな。此方の0位階魔法のように」

 実際、生活魔法なんかはユグドラシルには無かったし。魔法を沢山覚えるのが好きなモモンガさんだから、魔法関連の何かがあればそれをあげようかと思うんだが……。

「畏まりました。現在交易がある国ですと王国は香水が特産品です。山間の寒村で珍しい花が見つかったとかで、その村でしか作れないレアな香水があると貴族の間で人気が出ております。また、帝国では嘗てのプレイヤーが原案で作られたという幾つかのマジックアイテムが出回っているそうです。……まぁ、その殆どがナザリックに存在するような物ではありますが、一部にはまだ未知の物も存在すると聞いております。聖王国と法国はまだ異形種に対する偏見が強く、特産品についても現状は詳しい情報がございません」

「そうか。……香水は、モモンガさんのイメージじゃないな。だが、一応香りが知りたいから最上位の物を一つ用意してくれ」

 そうデミウルゴスに指示をして、少し思案する。マジックアイテムは気になるが……丁度良く良い物が見つかるだろうか……?

「と、なると帝国のアイテムくらいか?候補。デミウルゴス、帝国でのマジックアイテムは幾らくらいで販売されている?」

 確かユグドラシルの赤いポーションが最低でも金貨八枚。(モモンガさんが親しくしている薬師がそう評価していたと聞いた)この世界には存在しないフルポーション扱いなので、世には出せないがオークションなどに出したら更なる高額が期待されるとか。そう考えると、ユグドラシル時代に使っていた金貨なんざ使えっこない。元々デミウルゴスにはこの世界で不自由しないように適度に稼げ、とも指示を出していたから、こっちの世界でも俺はそこそこ資産を持ってはいるが……。自ら買い物とか最近行って無いし、マジックアイテムは自作で事足りるから相場ってモンが解らないのだ。

「はい、安価な物で金貨三十枚ほどと聞いております。上は上限知らずだとか。ですが、ウルベルト様は薬の利益で此方の大貴族以上の財を築いていらっしゃいますので、予算の心配はなさらなくても問題無いかと」

「……あぁ、そうだったな。大人の惚れ薬は、小瓶で金貨十枚だったか?我ながら阿漕な商売だとは思うが……まぁ、私以外の誰も作れないからな、アレは。技術料として利益を乗せてるだけだしな」

 嗤いながらそう言えば、デミウルゴスは尻尾を派手に揺らしながら興奮気味に頷く。

「はい!下等な人間如きがウルベルト様のお創りになった薬を金銭を対価として支払うだけで口に出来るなど……身に過ぎた果報かと!」

「……そうか。まぁ、素材は私が揃えるから、後々はお前やお前の配下に製造は任せるつもりだがな。人間の欲は、本当に果てが無い」

 デミウルゴスは、俺の手作りの薬ってのにやけにプレミア感があるように言うが……俺としてはまだその辺の感覚が理解出来ない。……デミウルゴスたちNPCにとって、創造主である俺たちプレイヤーは神なのだと仮定すれば、まぁ理解は出来なくも無いが。元々俺は無神論者だからなー……。

 "大人の惚れ薬"とは、所謂媚薬の事だ。最上位女淫魔と最上位男淫魔のフェロモンを何百倍にも希釈した液体に、女淫魔の方には花の香り、男淫魔の方には果物の香りを付け、仄かに甘く味付けをすることで呑み易くした物を人間用としてボッタクリ価格で売ってる訳だ。原材料費なんざ微々たるモンだが、一般の人間ではまず素材を集められないので、それなりの値段で売っているのだ。人間用なので、効果はごくソフト。経口摂取して三十分くらいで目の前の異性が魅力的に見え始め……抱かれたくなる(抱きたくなる)という、可愛らしい効果だ。恋の手助け程度の効果だが、相手が同性愛者でも無ければ百発百中の効果なので飛ぶように売れているらしい。……面倒くさいから、暫くは品薄で煽るつもりだが。(同性愛者相手の場合は、女性なら女淫魔の方を使えば問題無いようだ)

 原材料は、最上位女淫魔(もしくは最上位男淫魔)のフェロモン原液と、魔法で生成した魔力を含んだ水、香料に甘味料だけ。香料と甘味料だけはこの世界の物を購入して作ってはいるが、コレを詰める小瓶は現地の硝子業者に作らせているし魔導国の国民にも利益は出ている。……まぁ、人妻に飲ませて、とかのトラブルはこっちのせいじゃないからな。使うヤツのモラル次第だ。基本的には、プロの店や紹介状が必要な会員制の店にしか販売してないし。

「……それは構わないのですが……。淫魔たちも最上位の者となりますとプライドも高くなっておりまして、自分より下位の者にフェロモンの原液を採取させたりはしませんので、採取だけが問題かと思われます」

 俺に新しい紅茶を給仕しつつ、デミウルゴスがそう言ってくる。あー……。そりゃそうだな。雑魚になんざ、あんな所見せたり触らせたりしたくねぇだろうなぁ……。

 淫魔のフェロモンは、基本的に尻尾の付け根に噴出口がある。つまりはまぁ、結構性器の傍にある訳で……。

「そうか。では私かお前なら問題無いだろう。魔将たちでも大丈夫であれば、徐々にそちらへ作業を移行させるとするか。……何せ、モモンガさんはえらく嫉妬深いヒトだからな。下手をすると淫魔を根こそぎ消しかねない」

 溜息を吐きながらそう言えば、デミウルゴスは納得したような表情で頷く。淫魔からのフェロモンの採取は、大抵交わりながらになる訳だから……いくら抱く許可を得ていたとしても色々問題になりそうだったしなぁ。淫魔が悦べば悦ぶ程フェロモンの量が増えるので、ヤりながら採取するのが一番効率的なのだ。大体一回ヤれば一ヶ月分はフェロモンが摂取出来る訳だし。

「畏まりました。では、その様に魔将にも申し伝えておきます。……ウルベルト様、帝国には何時向かわれますか?」

「ん?あぁ、そうだな……。香水の取り寄せは、どれ位掛かる?」

 正直、まだどうするか決めてもいない。とりあえず、香水の現物を見てから決めようか。そう思いつつ訊けば。

「はい、転移門を使用しても問題無いようでしたら即座に。使用出来なくとも明後日早朝までにはお届け可能です」

 笑顔で、そう言われた。え?ちょ、待て?香水一つに転移門使おうとするのか!?MP無駄遣いじゃね!?いや、時は金なりって言うけどな!?

「……。転移門を使うとモモンガさんにバレるからな、使わずに持って来させろ。明後日昼に間に合えば構わないから、あまり配下に無理はさせるな」

 と、尤もらしい理由を付けてそう命じ。俺は古代図書館へ行くことにした。今は会うことが出来ない嘗ての仲間の知恵が全て詰まったそこになら、何かアイディアがあるんじゃないか。そう思って。

 

 

 

(……甘かった……。ナザリック、九割以上が喪男だったじゃねーか……)

 そんな訳で。当然、ホワイトデー関連の資料なんざ皆無だった。唯一あった資料も、タブラさんがふざけて収蔵したであろう女性誌のみで。古の女子ルール、"貰った物の三倍返しは当たり前!ちょっとリッチなホワイトデーディナー★"とか書いてあるだけで。要するに、リア充は破産しろ!と言わんばかりの内容だったのだ。

(……。あ。多分、モモンガさん、コレ参考にしてる……)

 モモンガさん、矢鱈と俺には激甘だし。とりあえず、俺はこの雑誌に気付かないふりをして早々に自室に戻ることにした。ホワイトデーまで、あと一週間。それまでに何か良いアイディアが浮かべば良いな、と思いつつ。

[newpage]

 翌々日には王国の名産の香水が届いた。良い香りだけれど、モモンガさんのイメージとはやっぱりちょっと違っていた。原材料は見た目は鈴蘭のような可愛らしい花で、香り自体は百合と薔薇の中間くらい。香りだけなら花の女王を名乗っても恥ずかしくないような高貴な香りだった。

(……そもそも、モモンガさん男性だしなー。あんまり女性的な香りのする香水よりはもう少し爽やかな感じの……)

 もういっそのこと自分で調合してやろうか、とも思ったが流石に今年のホワイトデーには日数が足りなさすぎる。調合のノウハウ自体は媚薬造りのアレコレを使えば問題無いし、技術自体には問題が無いんだが。まぁ、それは来年以降の課題としておくとして。香水をチェックした後すぐにデミウルゴスを伴って帝国へ向かったが……めぼしい物は見つからなかった。やっぱり、ちょっと日数が足りなかったか。思いついたの結構最近だったしな……。

 ソファに躯を預け、大きく溜息を吐く。……如何にも、八方塞がりと言うか。ピンと来ない、と言うか。

「デミウルゴス。少し濃いめのコーヒーが飲みたいから、用意してくれ。軽食も頼む」

 そう命じて、ソファの背もたれに体重を掛けつつ目を閉じる。現時点で解っていることと言えば、モモンガさんは俺が初めての恋人らしい、って事と、ベタなことがお好みだって事くらいで。考えが上手く纏まらない。

(……あ。そう言えば、モモンガさん俺の事可愛いって思ってるんだよな、今でも……)

 こんなに立派な角と顎髭が生えている雄々しい雄山羊の頭部を持っているこの俺にそんな事を言うのはモモンガさんくらいなんだけど。帝国のフールーダやジルクニフだって認める容姿の大悪魔のこの俺を捕まえてエロいことしたがるとか……マジ、特殊性癖だと思う、モモンガさん。(まぁ、魔術馬鹿のフールーダは俺の容姿より魔力の方を重視しているだろうし、ジルクニフは皇帝として培った観察眼から色々値踏みをしていたようだが……この世界では考えられないくらい高品質な装備品にそれに負けない毛並みの俺をアインズ・ウール・ゴウンの纏め役であるモモンガさんと同等と見て丁寧に対応してくれていた)

 と、そこまで考えて、ふと気付く。モモンガさんが望んだような、ベタなことをすれば良いんじゃね?と……。

(あー……。何だ、答えはこんな簡単なモンだったのか。悩んでた数日間が馬鹿みたいじゃねーか……)

 まぁ、悩んだアレコレは今後に活かすことにして。俺はモモンガさんへのお返しの準備を始めた。……内心、色々と思う所はあったけれど。

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