【BL】魔王と大災厄の魔 作:腐エロのひと。
sideウルベルト
「……転移したのは良いけど、デミウルゴスって今こっち居たっけなー……」
てか、多分こんなのすぐにモモンガさんにバレる。だから、追ってこられる前にナザリックから逃げないといけないんだが……。七階層に着いてすぐ、
「ウルベルト様!ご用件がおありでしたら、我らを呼びつけて下されば……!」
俺よりもガタイのイイ魔将たちがズラッと跪いてる図は、中々の迫力だ。
「あぁ、気にするな。単なる気分転換がてら寄っただけだからな。デミウルゴスは今日はここに居るか?」
「はい、本日はまだお出になっておりません」
「そうか。ではデミウルゴスの所へ行くことにしようか。案内を頼めるな?」
「はい!こちらでございます」
俺は魔将たちの案内で、デミウルゴスの元に向かった。
「!!これはこれはウルベルト様。本日は如何なさいましたか?」
「あぁ、良い。跪くな、時間が惜しい。デミウルゴス、お前の今後の予定はどうなっている?」
出会ってすぐに跪きそうなデミウルゴスを制止してそう訊くと、聡明な悪魔は俺に一礼するとすぐに答えてくれる。
「はい、本日は書類の提出を済ませてからまた外に行く予定です。数日ナザリック外で過ごすことになるかと。……ですが、急ぎの案件はありませんので、ウルベルト様が御命じ下さればどのような事でも対応が可能でございます」
「そうか。では、一週間ほどモモンガさんから私を匿って欲しいんだが……可能か?」
と、いきなり無茶ぶりをしてみる。さて、有能なデミウルゴスはどう出る?
「……ウルベルト様、質問を許していただけますでしょうか?」
「あぁ、許す。何か疑問があったか?」
自分で言っといて何だが、そりゃ疑問しかねぇよ!って突っ込みたい。だが、俺の
「はい、疑問と申しますか……匿う、とはどのレベルで対応すれば宜しいでしょうか?完全秘匿、半秘匿とレベルがございますが」
「……両方の内容を聞いても?」
サラッと匿うプランが二つ出て来るコイツは、相当有能なんだろうが……モモンガさんに悪いからそんな事は出来ません、とは言わないんだな。どうやら今のコイツの優先度は、俺の方が上らしい。
「はい。完全秘匿は、文字通りウルベルト様がどちらに行かれたのかを完全に隠すプランで、下手をすると捜索隊が出る可能性があります。また、半秘匿ですと、ウルベルト様の移動の痕跡をわざと少し残して隠れ家を移動するプランで、こちらの方がまだ捜索隊は出にくいですが……あまり一箇所には長居出来ないので、落ち着かない日程になるかと」
「そうか。完全秘匿で、隠れる前にモモンガさんに手紙なり<
「……それは、モモンガ様のお心次第ですので。単なる
そう言われて、納得する。確かにそうなんだが……今の俺も、相当冷静さを失ってるっぽいしなー。
「……デミウルゴス。私がトブの大森林に独りで行くって言ったら止めるか?」
「当たり前です!何を仰るのですか、ウルベルト様。そんな事をなさるのでしたら、私が完璧な隠れ家をご用意しますので……!!」
俺のアホな発言に、デミウルゴスは顔を青くしてそう叫ぶ。あぁ、褐色肌の青褪める色とか面白い物を目にした気がする。
「じゃあ、頼もうか。とりあえず捜索隊を出されないようにモモンガさんに<
俺がモモンガさんに<伝言>を起動した瞬間。何かに引っかかるような感じがして。即座に離脱しようとしたが、何故か魔法が発動せず。もたついてる間に、モモンガさんが転移してきた。
(クソッ……魔王からは逃げられない、ってヤツじゃねーか!!)
「ウルベルトさんっ!!何で逃げるんですか!?」
今にも俺に触れそうなモモンガさんからさりげなく距離を取り、間にデミウルゴスを入れる。すると、デミウルゴスは何かを察したのかモモンガさんに跪いて口を開く。
「モモンガ様、ウルベルト様はトブの大森林を見たいと仰っていまして。今、ご案内しようと思っていたのです」
「あぁ、デミウルゴスか。書類は後で受け取ろう。……ウルベルトさんが、外に?」
一気に魔王モードに切り替わったモモンガさんに、とりあえずデミウルゴスが作ってくれたチャンスを活かそうと声を出す。
「え、えぇ。私はまだ外に行ってませんし……ちょーっと外の空気が吸いたいなぁ、と。べ、別にモモンガさんから逃げてる訳じゃないですからね?」
「へぇ……そうなんですか?じゃあ、俺も一緒に行きますよ。トブの大森林はカルネ村にも近いですし、俺の方が案内には適していると思いますよ?」
(……ヤバイ。モモンガさん、ガチギレしてる……声のトーンが……!!)
「いえ、モモンガさんはデミウルゴスの書類の精査もあるんでしょう?私はデミウルゴスと外を見てきますので、気にせずお仕事してて下さい。帰って来たらお手伝いしますので。ね?駄目ですか、モモンガさん?」
我ながら気色悪いと思ったが、小首を傾げて可愛く見えるように演技をしつつそう訊いてみる。もうモモンガさんには<
「……仕方ないですね。デミウルゴスの他に、
「!ありがとうございます、モモンガさん!」
(よっしゃーーーー!!これで少しは時間が稼げる!!モモンガさん、意外とチョロい!!)
俺のおねだりを聞いてくれたモモンガさんに笑顔でそう礼を言うと、モモンガさんはちょっと照れてるようだった。……俺、どうやらモモンガさんの眼窩の炎で感情が読み取れるようになったっぽい。
(そりゃ、あんだけ濃厚な時間過ごしてりゃーなぁ……って事は、モモンガさんも俺の表情読み取れるって事か……隠し事出来ねぇじゃん……!)
「ではデミウルゴス。書類はココで受け取ろう。ウルベルトさんを頼んだぞ?」
「はい!我が命に替えましても、ウルベルト様は必ずお守りします!」
そんな風な二人のやり取りを見ながら。俺は小さく溜息を吐いた。
sideモモンガ
「えっ!?ウルベルトさん!?」
ウルベルトさんは目を覚ました瞬間、「死にたい」と言って、すぐに装備を身に付けると即座に転移して、俺の目の前から去ってしまった。
(俺はウルベルトさんの事大好きなのに……ウルベルトさんは違ったのかな?)
俺のスキル、
「……何で。何で、俺から逃げるんですか、ウルベルトさん……!」
悲しみで、心が張り裂けそうだ。何度も繰り返す沈静化にも優るような悲しみに、心が痛む。一刻も早くウルベルトさんを捕まえなくては……!そう思ったけど、ウルベルトさんがナザリックで行く先なんてデミウルゴスの居る階層しか思いつかない。
(けど、ウルベルトさん俺の裏をかくかもしれないし……あぁ、でも一か八かで七階層へ行くべきか……)
そう考えつつ、ウルベルトさんが俺に<
「俺、ウルベルトさんに嫌われるような事しちゃったかなぁ……」
ウルベルトさんの嫌がる事はしなかったつもりなんだけど……俺が気付かない所で、何かやらかしちゃったんだろうか。
(……何せ、誰かにああいう風に触るのは初めてだし……ウルベルトさんは抱く方は経験あったみたいだけど……ソレで、俺が下手だから幻滅しちゃったとかなんだろうか?でも、ウルベルトさん気持ちよさそうだったし……!)
色々考えると落ち込んでしまうけど……落ち込みがピークになると、すぐに沈静化されてしまう。その事に微妙に苛立ちつつ、室内を歩き回る。やっぱり七階層へ飛ぼうか、と再度考えたその時。誰かが俺に<
(!ウルベルトさんだ!やっぱりデミウルゴスの所だったんですね!)
俺は即座に七階層に飛んだ。
「ウルベルトさんっ!!何で逃げるんですか!?」
着いてすぐそう言うと、ウルベルトさんは俺から一歩逃げて間にデミウルゴスを挟んだ。
(え?俺、ウルベルトさんに何か警戒されてる?)
その理由がわからなくて、ちょっと悲しくなる。ウルベルトさんに訊こうとしたけど、俺の前に跪いているデミウルゴスが口を開く。
「モモンガ様、ウルベルト様はトブの大森林を見たいと仰っていまして。今、ご案内しようと思っていたのです」
「あぁ、デミウルゴスか。書類は後で受け取ろう。……ウルベルトさんが、外に?」
外。確かに、まだ俺しかナザリックの外には出ていないけど……今、このタイミングで言われると何だか不安になる。ウルベルトさんが俺から離れてしまうんじゃないか、って。
チラリ、とウルベルトさんを見ると、ウルベルトさんは慌てて口を開く。
「え、えぇ。私はまだ外に行ってませんし……ちょーっと外の空気が吸いたいなぁ、と。べ、別にモモンガさんから逃げてる訳じゃないですからね?」
あ。悪魔ロールになってる。デミウルゴスが居るからか。でも、逃げてる訳じゃない、ってのはどう考えても嘘だと思うんだけど。悪魔は嘘が吐けないようになってるし、ウルベルトさん的には嘘のつもりは無いのか……。でも、わざわざデミウルゴスと行かなくてもいいと思う。
「へぇ……そうなんですか?じゃあ、俺も一緒に行きますよ。トブの大森林はカルネ村にも近いですし、俺の方が案内には適していると思いますよ?」
内心ちょっとイライラしてたので、それを表面に出さないよう極めて穏やかにそうウルベルトさんに言う。すると、ウルベルトさんは俺をジッと見つめて答える。
「いえ、モモンガさんはデミウルゴスの書類の精査もあるんでしょう?私はデミウルゴスと外を見てきますので、気にせずお仕事してて下さい。帰って来たらお手伝いしますので。ね?駄目ですか、モモンガさん?」
(……!ちょ、ウルベルトさんズルイ!!そんな可愛くおねだりされたら、ダメとか言えないじゃないですか!!)
普段の言動からは考えられないけれど、ウルベルトさんは俺をジッと見つめたまま小首を傾げてそう言ってくる。しかも、その目は潤んでいて。こんなに可愛いウルベルトさんのお願いを、断る事なんて俺には出来なかった。
「……仕方ないですね。デミウルゴスの他に、
「!ありがとうございます、モモンガさん!」
俺が渋々許可を出すと、ウルベルトさんはぱあっと喜びに溢れた顔になる。
(あぁもう……本当に可愛いなぁ、俺のウルベルトさんは……!)
「ではデミウルゴス。書類はココで受け取ろう。ウルベルトさんを頼んだぞ?」
「はい!我が命に替えましても、ウルベルト様は必ずお守りします!」
デミウルゴスから書類を受け取ると、俺は一度執務室へ戻り書類を置いてから即座にペロロンチーノさんの部屋に向かう。多分、この時間なら自室でまったりしている筈だ。
「ペロロンチーノさん、今お一人ですか?」
扉をノックしてからそう声を掛けると、すぐに返事が返ってくる。
「モモンガさん?どうぞ入って下さい。今俺一人ですし」
返事を聞いてすぐに室内に入ると、ソファに腰掛けて果物を食べているペロロンチーノさんが居た。メイドも室内には居ない。
「えっと……その、内緒の話がしたいんですが、今メイドとか警護とかは?」
「居ませんよ。飯食ってる時くらい一人がいい、って言って下がって貰いました」
だってほら、給仕って未だに落ち着きませんしね、とペロロンチーノさんは笑顔で言う。それは俺も同意だ。
「で、どうしたんですか?内緒の話って。とりあえず、座りませんかモモンガさん」
ペロロンチーノさんはそう言うと、自分の隣をポンポンと叩く。俺はペロロンチーノさんの横に座ってから口を開く。
「……ウルベルトさんに嫌われちゃったかもしれないんです」
「は?え、モモンガさん、一体何したんです?ウルベルトさん、モモンガさんのこと気に入ってたじゃないですか?同じ
果物を皿に置き、ナプキンで手を拭いてからペロロンチーノさんが俺に向き直る。ヘロヘロさんと悩んだけど、相談相手をペロロンチーノさんに決めたのには理由がある。
「……ペロロンチーノさん、ちょっと羽根モフっても良いですか?」
「え?羽根……モフ?別に良いですけど」
どうぞ、と差し出された羽根を、
「痛っ!ちょ、モモンガさん負の接触オンになってるでしょ!?オフにして下さいよ、触るんなら!静電気みたいにピリッとしましたよ!」
「あー……やっぱり、バードマンだとそう感じるんですね。じゃ、オフにして触りますね?」
「うん、これなら平気です。ちょっとくすぐったいですけど……。で、モモンガさん、これとウルベルトさんの話ってどう繋がるんです?」
不思議そうにそう訊いてくるペロロンチーノさんに、俺は素直に答える。
「ウルベルトさんって、すっごく毛皮綺麗じゃないですか?なので、モフらせて貰ったんですよ。……負の接触をオンにして」
「はァ!?ソレ、嫌がらせですよね!?コレ、めっちゃピリピリ来ますよ!?何でモモンガさん、負の接触オンにして触ったんですか!?」
俺の言葉にもの凄く反応したペロロンチーノさん。あー、嫌がらせレベルで嫌だったんだ、ペロロンチーノさんは。
「その、ウルベルトさんが実験したいって言ったから。でも、ウルベルトさんはペロロンチーノさんと違って気持ちよさそうでしたよ?何か、種族が悪魔だと負の接触って気持ちいいみたいです」
「え?気持ちいいんだ、コレが……ウルベルトさんマゾだったのかな?でも、じゃあ何でモモンガさんはウルベルトさんに嫌われちゃったかも、なんて言ってるんです?」
ペロロンチーノさんは、俺の言葉に不思議そうにしている。
「だって、ウルベルトさん最中はあんなに可愛かったのに、終わったら死にたい、とか言うんですよ!?でもって、いきなり俺から逃げるし!!」
「……は?すみません、モモンガさん。俺の聞き違いかもしれないんですけど、その、もう一度言って頂けます?何かとんでもない事を聞いてしまったような気がするんですが……」
ペロロンチーノさんは、一瞬目を丸くしたかと思うと、頭を左右に振りながらそう言った。……俺、何か変な事言ったかな?
「えーっと、ですから。ウルベルトさん、最中はすごく可愛かったんですけど……終わったら死にたい、って言って俺から逃げちゃったんです。俺の事好きだったら、逃げたりしませんよね?」
「…………」
俺の言葉を聞き終わると、ペロロンチーノさんは何故か頭を抱えていた。
「?ペロロンチーノさん?どうしたんですか?」
「……すみません、モモンガさん。俺のエロゲ脳が何かもの凄くエロい妄想をしてしまうんですが、その、最中ってモフってる最中って認識で合ってますか?」
「?ええ、モフってる最中ですよ?ウルベルトさんがあんまりにも可愛かったから、何回かイかせちゃいましたけど」
「モモンガさんーーーーーーー!!!!!!アンタ何やってんですかあああああああ!!!!!てか、俺友達のそーいうの聞きたくなかったです!!」
「え?アレ?俺、何か悪い事しちゃったんですかね?ウルベルトさん気持ちよさそうだったし問題無いかと思ってたんですが」
予想外のペロロンチーノさんの態度に、焦ってしまう。
「ウルベルトさんも、もっと触ってって言ってましたし……」
「うわあああああ!止めてモモンガさん!俺のLPはもうゼロだから!そんなの聞きたくないです……!俺、今後どんな顔してウルベルトさんに会ったら良いんですか……!モモンガさんはマトモだと思ってたのにっ……!」
「……何か酷い言われようなんですけど……。ねぇ、ペロロンチーノさん。何でウルベルトさん、逃げたんだと思います?」
小首を傾げながらそう訊くと。ペロロンチーノさんはそれはそれは大きな溜息を吐いてから答えてくれる。
「……そうですね。例えば、俺がモモンガさんに何度もイかされたとしたら、ウルベルトさんと同じように死にたくなると思いますよ……てか、顔合わせらんないです、マジで」
「え?でもウルベルトさん、ノリノリでしたよ?奥まで欲しいって……」
「だから止めて!俺の心がヤバイので!!そういう詳細は良いです!!てか、ウルベルトさんがマジで自害しちゃうからそれ以上は言ったらダメです、モモンガさん!!」
「え?ダメなんですか?ウルベルトさんは俺のだし問題無いと思ったんですが」
そう言うと、ペロロンチーノさんは大きく溜息を吐いてから、俺の両肩を掴む。
「……モモンガさん。ちょっと、落ち着きましょうか?まず、ウルベルトさんはモモンガさんのモノっての了承してます?相手の返事前にそういう態度は、良くないと思うんです」
俺よりもよっぽど落ち着いてないペロロンチーノさんの言葉だけど、確かにそれは正しいと思ったので、俺は素直に頷く。
「あぁ、そういえばまだ聞いてなかったです。ちゃんと確認しないとですね!……でも、何で逃げたのかがわからなくて。ペロロンチーノさん、わかるんですよね?教えて下さい」
「……多分、ウルベルトさん気まずいんだと思いますよ。今モモンガさんが強引に距離詰めたら確実にあの人逃げると思うので、ウルベルトさんが自然にモモンガさんの所に来るまで待った方が良いと思います。じゃなきゃ、本当に取り返しが付かなくなりますよ?」
そう、釘を刺すように言われて。俺は一瞬言葉に詰まる。
「……俺、さっきウルベルトさんの所に行っちゃいましたけど……」
「何やってんですか、もう。良いですか?本当にウルベルトさんの事好きだったら、ちゃんと待ってあげて下さいね?」
「うぅ……わかりましたよ。その、ペロロンチーノさん、ありがとうございました!ウルベルトさんが俺の事嫌いで逃げたんじゃないってわかって、ホッとしました!」
俺はペロロンチーノさんにそう言うと、自室に戻った。
「……モモンガさんがケモナーだなんて思わなかったなー。てか、モモンガさんチンコ生えてたのか?」
俺が帰った後に、ペロロンチーノさんがそんな事を言っているなんて知らずに。
[newpage]
[chapter:sideウルベルト]
……モモンガさんの許可が出たので、とりあえずトブの大森林には行くにして。その後どうするべきか。と、悩んでいたらペロロンチーノさんがやって来た。嫌な予感がして、俺は即座にデミウルゴスや
「……ウルベルトさん、その、処女喪失おめでとう?」
「燃やすぞバカ鳥。
開口一番酷い事を言い出したペロロンチーノさんに、俺の判断は正しかった、と安堵する。配下にこんな事を知られる訳にはいかない。
「てか、お前何で知ってんだよ!モモンガさんが何か言ったのか!?」
「あー、うん。ウルベルトさんに嫌われたーって泣きついてきた。で、実際どーなんですか?」
「……モモンガさんに、口止めはしてくれたんですよね?俺、ヘロヘロさんにまでこの話が伝わってたらマジで死ぬ、精神的に」
両手で顔を覆いそう言うと、ペロロンチーノさんは哀れみに満ちた目で俺を見る。止めろ……そんな目で見るな。ガチ泣きしちまいそうになる……。
「モモンガさん的には、アレは合意の上だしウルベルトさんは俺のモノだって言ってましたけど」
「あー……マジかぁ……てか、一回ヤったくらいでソレは重いです……俺、悪魔なんですから。貞節と最も遠い種族ですよ?それに、
「……ヤったのはマジなんですね……。てか、ウルベルトさんが男も行けるとか知らなかったんですけど?」
「俺も知らねぇよそんなの!アレ、絶対モモンガさんが悪いんです!あんなスキル反則だろ!?」
思わずそう叫ぶと、ペロロンチーノさんは不思議そうな顔をしていた。
「え?
「違います!あー、バードマンだとやっぱり痛いだけなんですね。えーっと、ペロロンチーノさんにも分かり易いように言いますと、アレ、俺らの種族だと媚薬盛られたようになるんですよね……そんなの、逆らいようが無いじゃないですか……」
俺がそう言うと、ペロロンチーノさんはビックリしたような顔で俺を凝視する。
「は!?マジですかソレ!!良いなぁ、モモンガさん!男なら一度は夢見る素敵スキルじゃないですか!!」
目をキラキラと輝かせてるのを見て、マジでぶん殴りたくなった。
「……言っておきますが、対悪魔限定のスキルですからね?ひょっとしたらアンデッドにも効くかもしれないので、シャルティアも対象かもしれないですけど」
「えっ!?種族限定ですか。でも男なら一度は使いたいスキルですよねぇ。いーなぁ。……って、じゃあその、モモンガさんが言ってた合意の上、ってのは……」
エロゲ脳のペロロンチーノさんでも、流石に察したらしい。
「そうですよ。正気、飛んでた時の言葉です。だから、正気になってガチで死にたくなったんですよ……」
ペロロンチーノさんから視線を逸らしながらそう言うが、ペロロンチーノさんが気の毒そうに俺を見ているのが、その気配でわかる。……マジ、居た堪れない。どうすりゃいいんだよ、この雰囲気。
「あー……そりゃ、逃げますよね。あの、一応ですね、俺、モモンガさんにウルベルトさんを暫く自由にするよう言ったので……数日は、モモンガさん来ないと思いますよ?」
「!!ペロロンチーノさん、ありがとうございます!助かります!」
そう言うと、俺は思わずペロロンチーノさんの手を握り締めて上下にブンブンと振っていた。
「そ、そんなに追い詰められてたんですかウルベルトさん……。えーと、その、何と言うか。……多分、モモンガさんからは逃げられないと思うので、早々に諦めた方がダメージは少ないと思いますよ?」
ペロロンチーノさんのその言葉に、俺は硬直した。
「……は?」
「えーと、そのですね?さっき俺の所に来たモモンガさん、何か怖かったので……いえ、俺の気のせいかもですけどね??」
「おまッ……!この裏切り者!少しは友人を助けようとか思わねぇのかよ!」
握ったままの手を握りつぶす勢いで力を入れると、ペロロンチーノさんは羽根をバタバタさせて藻掻く。
「ちょ、痛いですウルベルトさん!
「自分の身に置き換えてみて下さいよ?異性愛者だったのに同性に媚薬盛られてヤられて、交際を迫られてるんですよ?これを諦めろって……ペロロンチーノさん、アンタどんだけ鬼畜な事言ってるか理解してます?」
そう言って睨み付けると、ペロロンチーノさんは申し訳なさそうな顔になる。
「……すみません、考えが浅くて。でも、ですね。マジでモモンガさんからは逃げられないと思うんですよね、俺……。ウルベルトさんがナザリックから逃げても、絶対捕まる未来しか見えないというか……」
「…………」
その通り過ぎて。俺は黙り込む。
「……モモンガさん、可愛いし好きなんですけどね。付き合うって言うとまた違うというか……どうにも、引っかかって」
「嫌いじゃないなら良いんじゃないですかね?俺はシャルティアって嫁がいるのでアレですけど、別にウルベルトさんがホモでも軽蔑したりしませんし。……てか、バイ?」
「ふざけんなバカ鳥ッ!!一言多いのは変わんねぇな!?」
「てな訳で、俺は嫁とイチャついて来ますのでー。ウルベルトさん頑張って下さいねー」
そう暢気に言って。ペロロンチーノさんは俺の部屋から出て行った。
「クソッ、他人事だと思いやがって……!」
俺は扉に向かってそう悪態をついた。
結局、その後トブの大森林で森林浴をして気分をリフレッシュして、すぐに自室に帰ってきてしまった。ペロロンチーノさんが言った事が本当なら、暫く猶予はあると思うんだが……念の為、モモンガさんに<
「モモンガさん。その、四日後モモンガさんの部屋に行きたいんですけど……予定は大丈夫ですか?」
『!ウルベルトさんっ!ええ、勿論大丈夫です!四日後ですね!楽しみに待ってます!!』
「あ、は、はい。では」
……やたらとテンションの高いモモンガさんに困惑しつつ、俺は<伝言>を切った。
(モモンガさん、鎮静効果効いてないのか?。あぁ……四日後行くのが怖いな)
「デミウルゴス。そういう訳だから、今日から四日間私の所に詰めろ。問題無いな?」
俺のすぐ傍に控えているデミウルゴスにそう言うと、デミウルゴスは嬉しそうに尻尾を揺らしながら答える。
「はい、勿論です!誠心誠意ウルベルト様に仕えさせていただきます!」
「……」
俺が創造した、最高の悪魔を見つめる。見目も良いし、頭も切れる。良い
「デミウルゴス。お前は誰かと交わった経験はあるか?」
目の前に控える悪魔に、俺はそう問い掛けた。
まるでモモンガさんの行動をトレースするかのように、俺はデミウルゴスを抱いた。野郎相手に反応するか?という不安はあったが、全然問題が無かったことにむしろほんの少しだけ恐怖を感じてしまった。
(……悪魔の、種族特性なんだろうな。根が淫乱、ってのは)
初めてでも問題無く快楽を感じ(デミウルゴスは半悪魔形態の影響もあって、濡れていたから痛くないのも当然なんだが)、俺に可愛い声を聞かせてくれていた。あの甘美な声は毎日でも聞いていたいと思う程に素晴らしいモノだった。
(流石は俺の創った悪魔だ。未使用でも誘惑のスキルは正常に作動させられるようだな)
そんな事を思いつつ、実験結果に溜息を吐く。
(最初から俺に、どんな意味であっても好意を持っている相手に<
知らず、溜息を吐いていた。デミウルゴスは、完全に俺に堕ちた。元々の忠誠心に加え、恐らくは恋情も加算され……今のヤツはとんでもない状態になっている事は、想像に難くない。……ひょっとしたら、俺と違ってもう俺以外とは交われないかもしれない。
(あー……マジで悪いことをしたな。責任を取って童貞も貰ってやるべきか……)
そんな事を思いつつ、モモンガさんのことを考える。
「……モモンガさんも、デミウルゴスと同じだろうな……。刷り込み、か……」
ただ単に、俺がモモンガさんの初めてだっただけ。だから、俺に執着しているんだろう。
「さて。どうやったらモモンガさんは元に戻ってくれるんだろうな……?」
もう日付も変わってしまった。次にモモンガさんに会うまで、あと三日。その間にどうにかしないと、と思いつつ。まだ何の解決策も浮かばない事に、俺は大きく溜息を吐いた。