※この作品はR-18です。

【BL】魔王と大災厄の魔   作:腐エロのひと。

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ここまでの三作で、一応くっつくまではおしまいです。
後はくっついた後のイチャイチャになります。


HAPPYENDに至るまで

sideウルベルト(9日目未明)

 

 あの後、デミウルゴスが可愛かったのでついうっかり「お前がきちんと学んだかを確かめてやろう」とか言いつつデミウルゴスの童貞を貰ったりして現実逃避をしていたけど、結局名案は浮かばなかった。

(あー……でも、デミウルゴスの忠誠心が何かヤバイ方向にアップしたような気がしないでもないな……。いや、あの一生懸命なのは最高に可愛かったけど!)

 デミウルゴスとヤってみてわかったのは、俺はモモンガさん以外となら全然余裕だった、って事だ。確かに気持ちいい、ソレは認める。でも、あんなに理性を飛ばすような事は無かったのだ。突っ込む方なら、それは当たり前だが……突っ込まれる方でもそうだったから、やっぱりモモンガさんの負の接触(ネガティブタッチ)が桁違いの壊れスキルだってのは実感出来た。

(クソッ……俺一応、悪魔の支配者(オルクス)だぞ!?なのに何で死の支配者(オーバーロード)に翻弄されてんだよ!!)

 種族レベルで言っても、俺の悪魔の支配者(オルクス)はデミウルゴスの最上位悪魔(アーチデヴィル)の上位に当たる物で、モモンガさんの死の支配者(オーバーロード)に決して劣る物じゃ無い。てか、同格だ。なのに、コレだ。やってられるかっ!!

(……俺のスキルでモモンガさんに効くのって殆ど無いんだよなぁ……。モモンガさん、無効化多いし。俺の得意なのって攻撃以外だと悪魔ロールで取った精神系で……モモンガさんが抵抗(レジスト)するのだからなぁ。……元凶になった魅了(チャーム)とかな!大災厄(グランドカタストロフ)は炎系だし)

 モモンガさんの弱点の聖属性は、俺もカルマ値の関係で習得出来ない。炎属性は持ってるが……負の接触(ネガティブタッチ)みたいに触れるようなのは持ってない。

(そもそも、炎属性で触っても痛いだけでモモンガさん感じないだろうしなぁ……)

 アンデッドのモモンガさんを感じさせる属性なんて、正直悪魔の支配者(オルクス)の俺でも想像がつかない。

(モモンガさん、拘束無効も持ってるから……縛り上げて一つ一つ試すって訳にもいかないしな……)

「ウルベルト様、ブラッシングが終わりました」

「あぁ、ご苦労。お前は本当に器用だな、デミウルゴス」

 思考の海に沈んでいたが、デミウルゴスにそう声を掛けられて現実に戻って来る。俺に褒められたことが嬉しいのか、デミウルゴスの尻尾はゆらゆらと揺れていた。交わった直後なので、まだ銀のプレートには覆われていないソレは、半悪魔形態の時の皮膚と同じ質感の尻尾だ。俺はまるで条件反射のように、咄嗟に目の前のソレを掴んでいた。

「ウルベルト様ッ!?」

「お前は細胞の一欠片まで私のモノだろう?大人しく触らせろ、デミウルゴス」

 真っ赤になったデミウルゴスにそう言うと、デミウルゴスは大人しくなる。その隙に、俺はデミウルゴスの尻尾を先端から根元に向かって撫で上げる。それだけで、デミウルゴスは腰が抜けてしまったようだった。

「やっぱりこの姿の尻尾は滑らかで良いな。触り心地が良い」

「ありがとう、ございます……!」

 デミウルゴスは、俺に触れられている感覚に必死で耐えているようだった。……こういう表情を見てると、もっと虐めてやりたくなる。

 パッと尻尾から手を離すと、デミウルゴスは顔を赤く染めたまま上目遣いで俺を見た。

「随分と、物欲しげな顔だな?私に、何を望む?なぁ、デミウルゴス」

「わ、私、は……そのッ……」

「私を、抱きたいのか?それとも……抱かれたいのか?」

 細い顎に指を掛け、上向かせる。その顔を覗き込むようにしてそう言うと、デミウルゴスは恥ずかしげに俺から目を逸らす。

「……冗談だ。からかってすまなかったな、デミウルゴス。そのままで辛いようなら、処理してくるといい」

 口元に笑みを湛えながらそう言うと、デミウルゴスは慌ててその場から立ち去る。その反応も、愉しい。

「……まぁ、デミウルゴスを玩具にしてても時間は待ってくれないけどな。どうしたら良いんだろうなぁ、マジで」

 俺は、あと二日に迫ったモモンガさんとの話し合いを思い、大きく溜息を吐いた。

 

 

 

sideモモンガ

 

(あーっ、もう!ペロロンチーノさんに釘を刺されちゃったけど、本当は今すぐウルベルトさんに会いに行きたい……!)

 ウルベルトさんから貰った<伝言(メッセージ)>での約束は、あと二日後に迫っている。だけど、既にウルベルトさん不足で。こんな状態でウルベルトさんに会ったら、間違いなく即襲っちゃうと思う。

(あぁ……そうだ。ウルベルトさんがもう二度と俺から逃げないようにしないと。転移阻害のアイテムと、拘束用の……あれ?ウルベルトさん拘束無効持ってたっけ……?あぁ、あと魔封じの首輪とかも良いなぁ)

 そんな事を考えながら、書類に目を通しサインをしてゆく。優秀なNPCが殆どやってくれてるから、俺がやってるのは単なる確認作業に過ぎない。

(そうだ!またペロロンチーノさんに相談しようかな。この間のお礼もしないとだし)

 そう思い、俺はペロロンチーノさんに<伝言>を入れる。

「ペロロンチーノさん、今日の午後の予定ってどうなってます?」

『あー、モモンガさん?どうしたんですか?』

「ええ、ちょっとお話したくて」

 俺がそう言うと、ペロロンチーノさんは暫く沈黙した。どうしたんだろう?遠くに居るんだろうか?<伝言>って距離遠いと途切れるっぽいし。

『……。えーと、その。俺、もうLPゼロなんで、モモンガさんとウルベルトさんのエロ事情とか聞きたくないです』

「え?俺そんな話した覚え無いんですけど……ペロロンチーノさん酷くないです?」

 何か、言い掛かりを付けられたような気がしたので、そう言ってみる。

『……あー、自覚無いんですね、モモンガさん。えーとですね?最中の話とかしないなら午後大丈夫ですよ。お茶の時間の三時くらいっていかがです?』

「わかりました、三時ですね。ペロロンチーノさんが好きな果物、お土産に持って行きます!」

『りょーかいですー!ではー』

「……そう言う訳だ、セバス。二時には仕事を切り上げ、ペロロンチーノさんのところへ行く準備をする。ペロロンチーノさんへの土産の手配は頼めるな?」

 本当は五分前でもいいくらいなんだけど、メイドが張り切って着替えをさせたがるから、余裕を持って一時間前に仕事を終わらせる事にしたのだ。

「ハッ!畏まりましたモモンガ様」

 デミウルゴスとは方向性が違うけれど、ピシッとした綺麗な礼だ。デミウルゴスの礼はウルベルトさん譲りで優雅だけど、セバスの礼は武人っぽい質実剛健な感じなのだ。たっちさんは武人というか聖騎士だけど。

(創造主の影響、こんな所にもすごく出てるなぁ……)

 そんな事を思いつつ、俺は二時までひたすら書類チェックを続けたのだった。

 

 

 

 

「ペロロンチーノさん、入りますよー」

 そう声を掛けて、返事を待つ。すると、今回はメイドが扉を開けてくれた。

「ペロロンチーノ様、モモンガ様がおいでになりました」

「ありがとう。じゃ、もう下がっていいよ。また後で呼ぶから、それまで誰も入って来ないように」

「畏まりました、ペロロンチーノ様」

 メイドはそう言って俺と入れ違いに退出した。

「ペロロンチーノさん、これお土産です」

「あぁ、ありがとうございます!六階層のですか。あれ?コレ、新種ですか?美味しそうですね」

 ドラゴンフルーツっぽいトゲトゲの果物に、ペロロンチーノさんは喜んでくれてる。

「モモンガさん、じゃ、こっち座って下さい」

 そう言って案内されたのは、先日と同じソファだった。隣に、ペロロンチーノさんも座る。

「その、先日はありがとうございました!我慢して待ったおかげで、ウルベルトさんから<伝言>が来ましたよ!」

 ペロロンチーノさんへそうお礼を言うと、ペロロンチーノさんは微妙な表情をしていた。……一体どうしたんだろう?

「そ、それは良かったですね、モモンガさん!で、いつ会ってくれるんですか?」

「えぇ、二日後なんです!それでですね、ペロロンチーノさん。俺、今度は絶対にウルベルトさんを逃がしたくないので、転移阻害のアイテムと、拘束用アイテムと、魔封じの首輪を用意しようと思うんですけど……他に、必要なアイテムってあると思いますか?」

「…………」

 ……アレ?何かペロロンチーノさん固まってる……?

「ペロロンチーノさん、どうしたんです?」

「…………。モモンガさん、あの、俺が貸したエロゲ、覚えてます?あぁ、タイトルはドレでも良いんですけどね。……エロゲって、最初に注意書きありますよね?」

「あぁ、ありますね。実際にやったら犯罪です、とか、実際の事とは関係ありません、とかですよね?」

「そう!ソレです。……で、ですね?」

「はい?」

「どうしてモモンガさん、ウルベルトさんが絡むとおかしくなるんです!?今挙げたアイテム、全部犯罪臭しかしないんですけど!?」

 ペロロンチーノさんは神妙な顔でエロゲの話をし始めたと思ったら、もの凄い勢いで突っ込んで来た。え?俺突っ込まれるような事言ってないよね??犯罪臭とかまで言われちゃったんだけど……だってウルベルトさん俺のだし、逃がさないようにするのって普通だよね?あ、承諾を得るのは二日後だけど。

「ペロロンチーノさん、酷くないですか?だって、ウルベルトさんが悪いんですよ?最初に俺から逃げたのはあっちなんですから。だから、今度は絶対に逃がすつもり無いんですよね、俺」

 俺がそう言うと、ペロロンチーノさんは頭を抱えている。

「モモンガさん、沈静化スキルある癖に全然沈静化されてないじゃないですか。てか、モモンガさんが意外と根に持つヒトだって、俺初めて知りましたよ……」

 ペロロンチーノさんは、何かサラッと酷いことを言っている。

「え、だってウルベルトさん、俺がウルベルトさんの事好きなの知ってて逃げるんですよ?ちゃんと捕まえて、俺がどれだけウルベルトさんが好きか伝えないといけないじゃないですか?」

 小首を傾げつつそう訊くと。

「あー……うん、受け入れて貰える前提なんですね。てか、俺、ソレって洗脳だと思うんですけど……」

 ペロロンチーノさんは、何か微妙な表情をしている。

「違いますよ!俺、ウルベルトさんが好きだから洗脳なんてしません。……魔法使えば簡単だとは思うんですけど、でもそれって違うって思いますし」

 即座にそう否定するけど、ペロロンチーノさんは何か引いてるっぽい。

「怖ッ!!やだ、我らがギルマス洒落にならないくらい怖!!モモンガさんナチュラルに考え方が怖いです!嫌ですよ、リアルヤンデレなんて萌えませんから!!」

「え!?ペロロンチーノさん酷くないです!?俺ヤンデレなんかじゃないですし!純愛って言って下さい、純愛」

 まったく、ペロロンチーノさん今日は酷い。俺のドコがヤンデレなんだろう?俺はただ、ウルベルトさんが好きなだけなのに……。

「……純愛……。アレ?いつの間に純愛の意味って変わってたんでしょうね……」

 ペロロンチーノさんは、どこか遠くを見ながら失礼な事を言っている。

「とにかく、純愛ならさっきのアイテム使っちゃダメですよ!?てか、そんなの使ったら絶対ウルベルトさん逃げますから。肉体的に逃げられなくても、心の方が離れると思います。……ってか、ウルベルトさん悪魔なんですから縛るのは逆効果だと思うんですけどね……」

 思いもよらない事を言われて、俺は驚いてしまう。ペロロンチーノさんからはそんな風に見えてるのかー。

「俺、別にウルベルトさんを縛るつもりなんて……。ただ、俺以外の人じゃイけない体になって、俺としか出来なくなればいいなー、って……」

「モモンガさん!滅茶苦茶束縛系男子じゃないですか!!自覚して下さいよ!!どんだけ独占欲強いんですか!てか、サラッとエロ事情混ぜないで下さい!俺のLPマイナスになっちゃうから……!!」

「え?そうですか?相手のこと好きなら当然ですよね?ペロロンチーノさんは違うんですか?」

 あんなにシャルティアを嫁って言ってるのに。そう思って訊くと。

「……ノーコメントです」

 と、濁された。ひょっとしたら……。

「ペロロンチーノさん、結局まだシャルティアには手を出してない訳ですね?」

「ノーコメントですーーーー!!!!!」

 絶叫して、バッサバッサと羽根を動かすバードマン。中々シュールな光景だな、とふと思う。部屋中にペロロンチーノさんの色鮮やかな羽毛が舞っている。綺麗だけど、掃除が大変そうだ。

「……例え、好感度がMAXだったとしても。一から攻略するのがエロゲプレイヤーってモンじゃないですか」

 ぼそっとそう言われて。俺はペロロンチーノさんの意外なコダワリを知った。

「そうですか。攻略、頑張って下さいね?」

「……モモンガさん。俺のことより自分のことでしょ?とりあえず、さっきのアイテムはマジで使っちゃ駄目ですからね?わかりました?」

 念押しするようにそう言われて、俺は渋々アイテムの封印を決める。

「……はい、わかりました。でも、もしまた逃げられたら捜索隊出しますから、その時はペロロンチーノさんも協力して下さいね?」

「いや、まず逃げられないように話を進めましょうよ……」

 溜息を吐きながらペロロンチーノさんはそう言ってくる。

「まぁ、確かにソレが最善ですけどね。何かすみません、お邪魔しちゃって。そろそろ失礼しますね」

 そう言うと、俺は自室へ転移した。

 

 

 

 

「……ウルベルトさん、がんばれー……」

 モモンガが転移した後、ペロロンチーノは遠い目でそう呟いた。ウルベルトはもうモモンガからは絶対に逃げられないだろうと確信しつつ。

 

 

 

 

sideウルベルト(9日目夕方)

 

「デミウルゴス。私はお前が最上位悪魔(アーチデヴィル)として成長したのは喜ばしい事だと思っているんだが……」

 チラリ、と俺の背後に控えているデミウルゴスを見ながらそう言うと。デミウルゴスは嬉しそうに一礼をする。……その尻尾は、ブンブンと揺れている。

(……大丈夫か、コイツ。ポーカーフェイス出来ないとマズく無いか?悪魔として)

 と、そんな事も思ったが、とりあえず本題だ。

「……私はな、お前がせっかくの誘惑のスキルを死蔵しているのが勿体ないと思うのだ。お前は悪魔なのだから、もっと自分の欲に素直になって良いのだぞ?」

 まぁ、ぶっちゃけると『愛が重いから他のヤツとヤって来い』ってのをオブラートに包んで言ってるだけだ、悪魔ロールで。

「ウルベルト様……私の忠誠は、ウルベルト様のご迷惑になっているのでしょうか?」

「そうではない。私はお前よりも上位だしな、スキルの効きも実感しづらいだろう?自分よりも下位の者相手にでも、誘惑のスキルを使ってみるが良い、と言っているのだ」

 今にも自害しそうな悲壮な表情でそう言われて。俺は違う、と言ってやる。だが、デミウルゴスの表情は晴れない。

「……御命令なら、そうします」

(滅茶苦茶嫌そうだな……なら、命令してから飴でもやればいいか)

「あぁ、じゃあ命令だ。そうだな……男女合わせて、二十人ほど堕として来い。駒として使えるような、有能な者を選んで、な。ソレが出来たら褒美として抱いてやろう。堕とした者のリストをちゃんと提出しろよ?名前と国での地位、どう使うつもりかも詳細に書いて提出しろ。……出来るな、デミウルゴス?」

「……!!はい、ウルベルト様!その、いつから御命令を実行したら良いでしょうか?」

 パアッ、と音がしそうなくらい満面に喜びを浮かべながら、デミウルゴスがそう訊いてくる。……本気で、ポーカーフェイスも学ばせないと駄目かもしれないな……。いや、可愛いけど。

「そうだな……今からだ。私は二日間自室から出る予定は無いし、入口に魔将(イビルロード)でも立たせておけば問題無いだろう。私がモモンガさんに会う前に命令を完遂出来たなら……褒美の上乗せもしてやろう」

 笑いながらそう言うと、デミウルゴスは尻尾をブンブン振って胸を張りながら答える。

「お任せ下さい、ウルベルト様!必ずや期限内に駒を揃えてみせます!では、御命令を遂行させて頂きます」

 デミウルゴスはそう言うと、いつもよりは優雅さを欠いた一礼をして俺の部屋から出て行った。

「……大丈夫か、マジで。二日で二十人とヤれって言ったんだぞ、俺?何であんな乗り気になったんだよデミウルゴス……」

 どうやら、デミウルゴスは俺の予想以上に俺に抱かれたがっていたようだ。……おかしいな、ちゃんと童貞も貰ってやったのに。

(ってか、二十人とヤれば多少は想いが分散されると思ってるんだが……無理か?今の様子だと)

 多分、幾ら人間とヤっても、俺とヤる以上の快楽は得られないだろう。それでも、初めての相手としかヤらないよりはマシなのでは、と思っての命令だったんだが……。

(……。とりあえず、デミウルゴスが戻って来てから考えるか。上手く行ったらモモンガさんにも他のヤツとヤって来いってオブラートに包んで言ってあげよう……)

 と、俺はそう思考停止しつつ、ソファに躯を預けた。

 

 

 

sideデミウルゴス

 

 先日、ウルベルト様から悪魔のスキルのうちの一つ、誘惑を伝授して頂いた。その時間はあまりにも甘美で……正に、ウルベルト様が仰った甘やかな夢のようなひとときだった。元より私はウルベルト様に永遠の忠誠を誓ってはいたが、その気持ちはより強くなった。

 また、慈悲深いウルベルト様は私がウルベルト様に抱いて頂いた事によって男性性(だんせいせい)としての機能を使わずに過ごしてしまうことを危惧され、実際に誘惑が使えるかどうかをウルベルト様御自身を使って試すように仰ったのだ。

 ……至福の時間だった。初めてで不慣れな私を、ウルベルト様は優しく導いて下さった。しかも、ウルベルト様は更に私にお慈悲を下さったのだ。温かく柔らかなウルベルト様の奥に、私の欲望を放つことを許して下さり……全てを受け止めて下さった。

 過分な幸福に、死んでも良いと思った。

 スキルの伝授は無事終わったので、もう二度とウルベルト様に触れていただく事は無いだろう……そう、思っていた。それでも、私は私の初めての全てをウルベルト様に捧げられたという、身に余る大慶に心を震わせていた。本当に、幸せだった。

 だが、ウルベルト様は残酷にも

「……私はな、お前がせっかくの誘惑のスキルを死蔵しているのが勿体ないと思うのだ。お前は悪魔なのだから、もっと自分の欲に素直になって良いのだぞ?」

 と、仰ったのだ。

 ウルベルト様が私の全て。他の相手にわざわざ誘惑のスキルを使う価値なんて、ある訳が無いのに。

「ウルベルト様……私の忠誠は、ウルベルト様のご迷惑になっているのでしょうか?」

 もしそうだったとしたら、私はどうしたら良いのだろうか。自害をして、ウルベルト様の御前から消えるべきなのだろうか……。そう思い、自然表情が曇ってしまう。

「そうではない。私はお前よりも上位だしな、スキルの効きも実感しづらいだろう?自分よりも下位の者相手にでも、誘惑のスキルを使ってみるが良い、と言っているのだ」

 お優しいウルベルト様は、即座に私の言葉を否定して下さる。だが、尚も私のスキルを他者に使うように仰るのだ。

「……御命令なら、そうします」

 本当は、使いたくなんてない。だが、ウルベルト様の御命令を無視する事は、私にとって何よりも苦しく辛い事だ。

「あぁ、じゃあ命令だ。そうだな……男女合わせて、二十人ほど堕として来い。駒として使えるような、有能な者を選んで、な。ソレが出来たら褒美として抱いてやろう。堕とした者のリストをちゃんと提出しろよ?名前と国での地位、どう使うつもりかも詳細に書いて提出しろ。……出来るな、デミウルゴス?」

 私の言葉を受けて、ウルベルト様はそう仰った。……スキルは使え、だが成功したなら褒美をやる、と。……御自ら、私を抱いて下さる……そう、仰ったのだ。このチャンスを、逃す訳にはいかない。

「……!!はい、ウルベルト様!その、いつから御命令を実行したら良いでしょうか?」

「そうだな……今からだ。私は二日間自室から出る予定は無いし、入口に魔将(イビルロード)でも立たせておけば問題無いだろう。私がモモンガさんに会う前に命令を完遂出来たなら……褒美の上乗せもしてやろう」

 ウルベルト様は笑いながらそう仰る。酷く、愉しげに。褒美の上乗せ……何と、素晴らしい言葉なのだろう。私は絶対に期限内に御命令を完遂しようと決める。

「お任せ下さい、ウルベルト様!必ずや期限内に駒を揃えてみせます!では、御命令を遂行させて頂きます」

 私はそうウルベルト様に宣言すると、いつものように想いを込めて一礼しウルベルト様の前から辞した。時間はあまりない。とりあえず、貴族や商人から適当な相手を見繕い、そこを起点に有力者を堕としてゆこう。そうすれば、期限内には間に合う筈だ。

(……人間と交わるなど……交配実験のようで不快ですが、ウルベルト様の御命令ですからね。嫌なことは早々に終わらせてナザリックに帰還するとしましょう)

 そう思いつつ、私は人間たちの住む世界へと飛んだ。

 

 

 

sideウルベルト(11日目)

 

(……マジか……)

 二日後の早朝。デミウルゴスは嬉々として俺に資料を提出して来た。キッチリ、二十人分の。

「……随分と、仕事が早いな?ちゃんとお前が自ら堕としたんだろうな?デミウルゴス」

 一応、念の為そう訊いてみる。間違いであって欲しい、と願いつつ。

「はい!勿論です。皆低レベルだったせいか、一回であっさりと堕ちました」

「……そうか」

 褒めて褒めてオーラが出まくってるデミウルゴスから、そっと目を逸らす。……駄目だった。二十人とヤらせたけど、デミウルゴスは全然俺から意識が逸れてない。

(レベルが低すぎて駄目だったのか?あぁ、でもレベル100で、というと階層守護者くらいしか後は選択肢が……。シャルティアはペロロンチーノさんの嫁だから駄目、アウラは子供だから駄目……っていうとアルベドくらいか?釣り合うの。ビッチ設定だったからまだ可能性は……)

「……ウルベルト様。私は何か失態を犯しましたでしょうか?」

 少しの間黙ったままの俺に不安になったのか、オロオロとし始めたデミウルゴス。あぁ、ヤバイ。このまま放っておいたらまた自害を!とか言い出す。

「いいや。お前は私の予想以上の働きをしてくれたのでな、感動して言葉が出なかっただけだ」

 感動と言うよりは驚愕かもしれないが、嘘ではないのでちゃんと言葉として発せられる。……何か、悪魔になってから色々遠回しな言い方や嘘にならない言い回しが簡単に出て来るようになった気がする。人間だったら詐欺師のスキルのような気もするが……人間を堕とすとか惑わす、って意味では似たようなモンか。

「……少し待ってくれ、先にモモンガさんに連絡を入れないとマズイ」

 そう言ってデミウルゴスを待たせ、俺はモモンガさんに<伝言(メッセージ)>を入れる。

「モモンガさん、おはようございます。今日なのですが、午後のお茶の時間に伺いたいと思ってます。お茶菓子の用意、しといて下さいね?」

『!ウルベルトさん!?お、おはようございます!午後のお茶の時間……えーっと、じゃあ三時くらいって事ですかね?』

「えぇ、そのくらいに。では、後ほど」

 もう、モモンガさんのテンションが高いのはスルーする。沈静化が追いつかないんだろう、とでも思っておかないと色々理解が及ばなくて困るし。

 そうやって、モモンガさんとの<伝言>を切ると、俺はデミウルゴスに向き直る。

「……そう言う訳だ。身支度の時間もあるからな、二時までならお前と遊べるぞ?デミウルゴス。まぁ、まだ食事もしてないしな、朝食を取ったらお前に褒美をやろう。……ちゃんと、上乗せ分もくれてやる」

 目の前で跪いているデミウルゴスにそう言うと、デミウルゴスは言葉を詰まらせ、瞳を潤ませていた。

「……!ウルベルト様……!」

「良くやったな、デミウルゴス。お前は私の自慢の悪魔だ」

 ソファから立ち上がり、デミウルゴスの頭を撫でながらそう言ってやると、デミウルゴスは宝石の瞳を濡らしながらも小さく微笑む。本当に、幸せそうに。

(……やっぱり可愛いな、俺の最上位悪魔(アーチデヴィル)は)

 とりあえず、先に褒美をやって……後の事はそれから考える事に決める。どうせ、この後モモンガさんとも話し合いだし……全てが終わってからの方が、良いアイディアなんて浮かぶ物なのだから。

 

 

 

sideモモンガ

 

 ウルベルトさんが、今日俺の所に来てくれる!あぁ、どうしよう。どうしたらウルベルトさんを俺から逃がさないように出来るだろう?ペロロンチーノさんは、純愛ならあのアイテムは使っちゃダメ!って言ったから、あのアイテムたちはアイテムボックスに入れたままだ。

(……あぁ、でもいざとなったら使うのもアリかな?アイテムがダメなら先に魔法掛けておくのはアリなのかな?)

 朝、ウルベルトさんから<伝言(メッセージ)>を受けてから、ソワソワして仕事に集中出来ない。とりあえず、二時までは頑張るとして……。

「セバス。今日は午後のお茶の時間にウルベルトさんが来るから、茶菓子等の手配を頼む。私は二時には仕事を終わらせて、身支度を整える。あぁ、内密の話があるから、給仕はしないでも大丈夫だ。ウルベルトさんが来たら、全員私の部屋の外で待機するように」

「畏まりました。では、そのように手配させていただきます」

 セバスはいつも朝から俺の執務終わりまで部屋に控えている。一応、あんまりブラックにならないように、俺自身は飲食に睡眠が不要ではあるけれど、夜は最低でも八時間は休むようにしているし、昼休憩も取るようにしている。

(……そうでもしなきゃ、セバスやメイドが休まないからなぁ……)

 俺やヘロヘロさんはあっちでは結構なブラック企業勤めだったので、こっちでは配下にホワイトな環境で働いて貰いたいと思っているのだ。その為、俺たちギルメンが率先して休まないといけない。今のところ、俺とヘロヘロさんが書類仕事、戦闘関係がペロロンチーノさんとウルベルトさん、って感じになってる。ちょっと戦士系、というか前衛職が足りない気もするけど、それはNPCでカバーしている。

 休憩を挟んで、いつものように書類仕事をしていたらあっという間に二時だ。自室で全ての装備品を脱いでから<清潔(クリーン)>の巻物(スクロール)で身を清める。気合いを入れて香水でも使いたい所だけど、そんなにセンスが無いから背伸びはしないでおく。装備品、というかローブはメイドが選びたそうにしてるので系統の指示だけ出して選ばせた。

 まぁ、ヘロヘロさんは装備品ほぼ衣類以外だからなー。ウルベルトさんはコダワリがあるから自分で選んでるし、ペロロンチーノさんは無頓着でシャルティアの服しか創って無い。こんな面子だから、自然、着替えの対象は俺になる。

 ……そろそろ、ペロロンチーノさんはシャルティアに洋服を創られそうな気もして来た。

 身支度を整えて、各種魔法を仕掛けてからウルベルトさんを待つ。あと十分くらいで約束の時間だ。時間に正確なウルベルトさんだから、そろそろだろう。そう思ってソワソワしつつ待っていると。ノックの音が聞こえた。

 

 

 

sideウルベルト

 

 約束の三時より、十分ほど早くモモンガさんの部屋の前に着く。ビジネスマナーだと五分前着とか言われるけど、友人相手だからそこはそんなに気にする必要は無いだろう。ノックをすると、メイドが扉を開けてくれた。

 招かれるまま中に入ると、入れ替わるように出ていくメイドにセバス。そして、八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジアサシン)たち。

(……完全に人払いするのか……。昼間っからエロいことはされないと思ったんだけどなぁ……モモンガさんがナニ考えてんだか、全然わかんねーわ……)

 モモンガさんに気付かれないよう、小さく溜息を吐く。

「ウルベルトさんっ!いらっしゃい。お茶菓子、ちゃんと用意しときましたよ。ウルベルトさんのお口に合えば良いんですけど」

 モモンガさんは、満面の笑みだ。(骸骨だけど)俺が勧められた席に座ると、モモンガさんは自ら紅茶を淹れてくれた。ふわり、と上質な茶葉の香りが漂ってきて。緊張が、少し解れた。

「ありがとうございます、モモンガさん。……良い香りですね、これ」

「良かった、ウルベルトさんに気に入って貰えて。六階層で新しく栽培した種類みたいで、花みたいな香りが特徴だそうです」

「へぇ……料理長、色々やってるんですね。後で褒めてあげないと」

 そんな事を言いつつ、一口。口から鼻に、華やかな紅茶の香りが抜けてゆく。あぁ……本当に、良い茶葉だ。ちょっと癖があるけど、俺はこういう味の方が好みだ。ストレートで飲むのが一番美味いタイプ。

 モモンガさんは、俺が紅茶を堪能してるのをジッと見つめている。

「ウルベルトさん。俺、完全なる狂騒の効果なんてとっくに切れてますよ?」

「まぁ、そりゃ見ればわかりますよ。……でも、俺の<魅了(チャーム)>は切れてないんじゃないですか?その、何かモモンガさんの態度が……前に俺と接してた時と違いすぎてですね、その、正直俺、戸惑ってるんですよね」

 そう切り出すと、モモンガさんがピクッと反応する。

「……そんな事、ないですよ?完全なる狂騒の効果が切れた途端に一気に沈静化されちゃいましたから」

 ……モモンガさんの声が、何か怖く感じるのは多分俺の気のせいじゃない。俺、何かモモンガさんの地雷を踏んじゃったんだろうか?ほんの少しだけモモンガさんを警戒しつつ、俺は口を開く。

「じゃあ、何でそんなに態度おかしいんです?俺、前のモモンガさんに戻って欲しいんですけど……」

 俺がそう言った途端。その場の空気が凍った。

(!?ヤバっ、マジ地雷だったか今の!)

 モモンガさんから発せられる絶望のオーラ、レベルⅤ。即死耐性の装備を付けてなかったらヤバかった。装備を付けていても、躯が竦むくらいのもの凄い威圧感がある。衝動的に転移して逃げたくなったが、多分今転移したら状態は悪化しかしない、と思って堪えた。

「……ウルベルトさんは、随分と酷いことを言うんですね?前の俺?どうして、今の俺じゃダメなんですか……?」

「そ、れは……だって、モモンガさんは俺の魔法のせいでおかしくなっちゃったんですから、おかしくなる前に戻るのが自然だと思いませんか?」

 首を傾げてそう問うと。よりオーラが強くなったような気がした。

「ちょっ……モモンガ、さんっ!絶望のオーラ漏れてますから!マジで止めて下さい!今のままじゃ、俺話なんて出来ないですっ……!」

 俺がそう叫ぶと、モモンガさんは慌ててオーラを消す。……マジで無意識だったのか?アレ。

「あっ……すみません、出てました?っと、今オフにしましたから。すみません、怖がらせちゃって」

「モモンガさん……レベルⅤが無意識ってヤバイですよ。ちゃんと制御出来るようにしないと」

 溜息を吐いてそう言うと、モモンガさんがしゅん、としてしまう。……本当に、こういう所は可愛いんだけどなー、モモンガさん。いつもこうだったら良いのに。

「俺、可愛いモモンガさんは大好きですよ。だけど、その……今のモモンガさん、ちょっと怖いです」

「えっ……!ど、どの辺がです!?」

「そうですね……何か、俺と話してる時とか、冷静じゃないトコとかですかね?必死すぎて怖い、って言うか」

「酷いです、ウルベルトさん!俺、ウルベルトさんがナザリックから居なくなっちゃうんじゃないか、って怖かったんですよ!!そりゃ、必死にもなります!!」

 俺の言葉に、モモンガさんは叫ぶ。

(あぁ……そんな事、考えてたのか。俺はちょっと距離を置きたかっただけなんだけどな)

 そういえば、モモンガさんはお母さんを早くに亡くしていた。更に、ユグドラシルでは独り残される事になって。……誰かを失うことに、慣れていないのかもしれない。

(俺も、慣れてるって訳じゃないけど……両親を一気に亡くして、クランのアイツも失ったけど、それなりにリアルでの交流はあって……多分、モモンガさんよりは、失った分を別の所で補えていたんだろうな……)

 ひょっとしたら、モモンガさんはそれすらも無かったのかもしれない。失うだけで、補うことが出来なかったのかもしれない。だから、今、こんなにも俺に執着してるんじゃないだろうか?

 ……そう思ったら、今までの違和感の原因が判明したような気がして。ストン、と腑に落ちた。

「……モモンガさん。俺、ナザリックから居なくなったりはしませんよ?」

「そんなの、わからないじゃないですか!この世界はユグドラシルじゃないし、外の情勢だってまだそんなに判明してないのに……ウルベルトさんは俺から逃げるし、トブの大森林行きたいとか言うし……!俺がどれだけ不安だったか、ウルベルトさんわかってます!?」

 まるで、泣いているようだった。多分、肉体があったのなら間違いなく涙を零しているだろう……そう思える声音だった。

「すみませんでした。その、あの時は俺もちょっと混乱していて。もう、こんな事はしないので……許して貰えませんか?」

 モモンガさんをジッと見つめながらそう言うと、モモンガさんは一瞬眼窩の炎を消すと、こくり、と頷いた。

(……さっきの、って目を閉じたって事かな。マジで俺モモンガさんの表情大分読めるようになって来てるんだが……)

「わかりました。ウルベルトさんがそう言うなら。絶対ですよ?もう、どこにも行かないで下さいね、ウルベルトさん」

 笑いながらそう言ったモモンガさんは、何故か椅子から立ち上がって俺の方に来る。……あれ?何か身の危険……?

「……モモンガさん?一応、言っておきますけど……負の接触(ネガティブタッチ)は切って下さいね?じゃないと俺、モモンガさんのこと嫌いになっちゃいそうなので」

 そう言うと、モモンガさんの動きが止まる。……なんて、分かり易い……。

「モーモーンーガーさーん?今、何しようとしてました?」

 笑顔でそう問いただすと、モモンガさんは俺からそっと顔を背ける。

「えっと……ウルベルトさんに触りたいなーって」

「触るだけなら、負の接触要りませんよね?」

 ギロリ、と睨み付けながらそう言うと、モモンガさんは正直に話してくれる。

「その。えっちなウルベルトさんが久々に見たいなーって……」

「……<魅了>の後遺症ですかね?モモンガさん女好きなんでしょう?ペロロンチーノさんとエロゲの話するくらいなんですから。それで、何で俺のえっちな姿とか見たいんですか?俺、見ての通り山羊頭の悪魔で、男ですよ?下半身も黒山羊ベースですし……」

 溜息を吐きながらそう言うと、モモンガさんは俺の方に向き直り、両手を握り締めて力説する。

「それは、そうでしたけど!今はウルベルトさんしか見えません!ウルベルトさんが大好きなんです。だから、俺と付き合って下さい!!」

「…………」

 あー……。こう来たか。うん、俺のことしか見えないのって、多分<魅了>のせいだから。……そう思い、俺はそのまま口にする。

「モモンガさん。だからソレ、魔法のせいです。おっかしいなぁ?完全なる狂騒と同じくらいの時間で切れる筈なんですよ、<魅了>って……」

 首を捻りながらそう言うと、いきなりモモンガさんに抱き締められた。俺は今椅子に座っているため、逃げられない。負の接触は切ってくれてるのがせめてもの救いだ。

「ちょ、モモンガさん!?離して下さい、いきなり何です!?」

 頑張って押しのけようとするが、俺と同じ魔法詠唱者の癖にやたらと力が強くて。モモンガさんはビクともしない。畜生ッ、どんなビルドしてるんだよッ!!

「……何で、ウルベルトさんは俺がウルベルトさんの事元々好きだった、って思えないんですか?確かに、ウルベルトさんは最強の魔法詠唱者ですけど……俺だって魔法抵抗力が結構ある方なんですよ?ウルベルトさんの<魅了>なんて、耐性が戻ってすぐ抵抗(レジスト)出来てますよ?」

 そう言われて。一瞬、頭の中が真っ白になった。モモンガさんは、一体何を言ってるんだ?

「……は?モモンガさん、何言ってるんです?元々……好き?俺が?あり得ないでしょう!だって、俺山羊ですよ?それに、モモンガさん転移前はずっとたっちさんたっちさんって言ってたじゃないですか!まるで恋する乙女みたいに」

 俺はそう叫ぶと、ジタバタと必死に藻掻く。だが、モモンガさんは俺をしっかりと押さえ込んだまま、俺の耳元で甘く囁く。

「……ウルベルトさん、たっちさんに妬いてたんですか?可愛い人ですね」

「ッ……!違います!妬いてなんてませんよ。俺は事実を言ったまでです」

 転移前、モモンガさんは本当にたっちさんに懐いてて。カルガモの子供かよ!と突っ込みたいくらいに後を着いて回ってた。(まぁ、カルガモなんて既に動画の中でしか見ることが出来ないけれども)勿論、ギルマスだし他の面子とも仲良くはしていたけれど……俺から見たら、たっちさんへの想いは他の面子とは明らかに違って見えていた。俺とは常識の範囲内の付き合いだったし、オフ会で会った時も特には変わった様子は無かった筈なんだが……。(ちなみに、モモンガさんは優しげな顔の好青年で、中の人の顔を知る前から萌え骸骨だなーと思っていたが、リアルを知って余計に萌え度が増した、というのはオフ会に参加したギルメン内では公然の秘密だった)

「なんだ……妬いてくれてたら嬉しかったのに。今のウルベルトさん、嘘が吐けないから妬いてないってのも本当なんでしょうね。でもね、俺がウルベルトさんの事、前から好きだったのは本当ですよ?」

 萌え骸骨は、可愛らしく首を傾げてそう言うが……俺には心当たりがサッパリだ。

「何時から、ですか?俺、全然気付きませんでしたけど。てか、知ってたら<魅了>なんか掛けませんでしたよ!!危ないですし!」

「危ない?何でです?あぁ、でも俺、ウルベルトさんには感謝してるんですよ?ウルベルトさんが<魅了>を掛けてくれたから……ウルベルトさんにえっちな事出来た訳ですしね。勇気が出た、というか……アンデッドになって性欲もかなり抑えられてたので、久々に欲情するって感覚があって楽しかったですしね」

 ニッコリ、と笑顔でそう言われて。俺の背筋に、薄ら寒い何かが走ったような気がした。

(……ヤバイ。俺、終わったかも……!)

 モモンガさんは、性欲が抑えられてた、と言った。俺以上に飲食や睡眠が不要なアンデッドのモモンガさん。その彼が、抑制もされず性欲を感じたなら……。

「モ、モモンガさんっ!俺、可愛いモモンガさんは大好きですよ!?でもですね、俺も男ですし!あんな風に抱かれるのはっ……!」

 マジで、壊れる。この間のアレも相当無茶された気がするのに、これ以上とか。俺はそう言い募るが、モモンガさんは笑顔のまま言い放つ。

「嬉しいです、ウルベルトさんも俺の事好きなんですね。じゃあ、両想いなんですから……良いですよね?またえっちなウルベルトさんを俺に見せて下さいね」

「って!俺の話を……ッ、や、負の接触、止めてくだ、ぁっ……!」

 抱き締められたまま、負の接触をオンにされて。一気に理性が蕩けてゆく。ここに来る前にデミウルゴスを抱いていたのもマズかったかもしれない。そのせいもあってか、簡単に理性が消える。

(あぁ……モモンガさんと、また、シたい……)

「モモンガさん……もっと、触って下さい……また、気持ち良く……」

 俺は、自分からモモンガさんに擦り寄って。上目遣いでモモンガさんを見つめながらそう言った。

 

 

 

sideモモンガ

 

 ウルベルトさんはさっきまでジタバタしてたけど、俺が負の接触(ネガティブタッチ)をオンにしたら途端に可愛らしい声を出す。

「モモンガさん……もっと、触って下さい……また、気持ち良く……」

 そんな風に可愛らしくおねだりされて。俺が我慢出来る訳も無い。椅子からウルベルトさんを抱き上げると、そのまま寝室へ向かう。その間も、ウルベルトさんは可愛い声を上げ続けている。……そんなに気持ちいいんだろうか?負の接触って。俺のローブの胸元に縋り付いて、潤んだ瞳になっているウルベルトさんは本当に可愛い。……もっと、鳴かせたくなる。沈静化はずっと続いてるけど、それ以上にウルベルトさんを想う気持ちが強くて。ずっと、ウルベルトさんに欲情しっぱなしだ。前に触れたのは、四日前。たかが四日、なのかもしれないけど、その間ずっとウルベルトさんとも会えなかったし……予想以上に俺はウルベルトさんに飢えていて。その飢えを満たしたくて、仕方ない。

「ウルベルトさん。キス、しませんか?この間みたいに」

 そう言ってウルベルトさんを見つめると、ウルベルトさんは蕩けるような甘い笑顔で俺を見て手を伸ばしてくる。誘うようなその仕草に、既に無くなったはずのモノが反応しているような感覚がある。

「モモンガさん……早く、俺に触って下さい。も、我慢出来ません……」

「えぇ、ウルベルトさん。いっぱい可愛がってあげますね」

 漆黒の毛に覆われた口元に、そっと触れる。ちょっとくすぐったいけど、俺が触れた瞬間ウルベルトさんは幸せそうに笑うと口を開いてくれる。そして、この間みたいにウルベルトさんの方から俺の口内に舌を忍び込ませる。ウルベルトさんの舌は、温かくて気持ちいい。その感触を楽しみつつ、俺は自分の口内へ意識を集中する。すると、やっぱり思った通り舌に似た何かがソコに存在するのがわかる。……多分、眼窩の炎と同じ様な疑似器官なんだろう。俺の思った通りに動くソコは、ウルベルトさんの舌と絡み合ってお互いの体温を伝えてくる。……アンデッドの俺には体温なんか無い筈なんだけど、多分ウルベルトさんは俺の舌を温かいと感じているに違いない。

「んぅ……ん、んっ……はぁっ……」

 うっとりとした表情で俺のキスを受けているウルベルトさんに、より欲が強くなる気がした。相変わらず脱がしにくいウルベルトさんの装備品を、キスの間に必死に脱がしてゆく。すると、ウルベルトさんの艶めかしい体が露わになる。キスをしながらウルベルトさんの胸元に触れると、俺の舌を噛んでくる。きっと、気持ち良くて勝手に体が動いちゃったんだろう。俺の舌が生身のソレだったら結構な大惨事になっちゃってそうだったけど、疑似器官だから問題は無い。

「ぁっ……モモンガさん、キス、上手くなりました?すごく、ぁ、気持ちいい、です……」

「だったら嬉しいです。ウルベルトさんが気持ち良くなっちゃってる所、すごくえっちで可愛いからもっと見たくなるんですよね。ほら、またイっちゃっても良いんですよ……?」

 キスの後、自分の唾液で濡れた口元のウルベルトさんは、潤んだ瞳のままそう言ってくれる。滑らかで触り心地の良い肌を撫でながら、ツンと立った愛らしい乳首を指先で弾くと、ビクッと大きくウルベルトさんの体が跳ねる。

「……こんなに敏感でえっちな乳首をしてたら、普段大変じゃないんですか?ウルベルトさん、ココ弄られると簡単にイっちゃうんですから……」

 赤く色付いた、可愛いウルベルトさんの乳首。俺に触って欲しそうにしているから、指の腹で優しく撫でてあげると、ウルベルトさんは嬉しそうな顔で体を揺らしている。

「や、ぁっ……気持ちい、です……モモンガさん……もっと、そこ触って下さ……ん、ぁっ……」

「いいですよ。ウルベルトさんの乳首って可愛くて触り心地が良いから……ずっと触ってたくなりますね」

 指先に感じる、コリコリとした感触。最初は柔らかかったのに、俺が触る度に固くなって。ウルベルトさんが俺に触られて感じてる証拠だ。そんな反応ひとつも、愛しくて。両手で表面を優しく撫でてあげると、ウルベルトさんの脚がこの前みたいに俺の腰を引き寄せる。

「ぁ……ぁ、ぁっ……や、ぁ、もっと、シて下さ、あぁっ……!」

「……ウルベルトさんは、本当にえっちですね。優しく触られるの、物足りないんですか?」

 ぴるぴると可愛らしく動いているウルベルトさんの耳を甘噛みしてそう囁くと、ウルベルトさんは俺を見上げてこくん、と小さく頷いた。

(……!!ウルベルトさん、俺を殺しに来てるッ……!!何、この破壊力っ……!!)

 ウルベルトさんは、えっちの時はすごく素直で可愛い。普段はあんまり甘えたりしないウルベルトさんだから、最中の甘えん坊なウルベルトさんが特にクる。ウルベルトさんの声が出なくなるまで、鳴かせたい。そう思ってしまう。

「あぁ、そうだ。この前はしなかったですけど……今日は、出来るかどうか試したいのでクチ使ってみますね?」

 そう言って、俺はウルベルトさんの胸元に顔を寄せてみる。目の前に、赤く色付いたウルベルトさんの可愛らしい乳首がある。

(……疑似器官って、外の物も舐められたりするのかな?)

 キスなら、俺の口内……つまりは体の中だから、自由に動くのは理解出来る。でも、俺がウルベルトさんの乳首を舐めようとすると、疑似器官は俺の体の外に出る訳で。疑似器官がちゃんと俺の体外でも存在出来るのか。それを試すために、俺はウルベルトさんの乳首にもっと顔を寄せて……口を開くと、疑似器官を操作してみる。人間だった時のように、舌を動かす事をイメージして。

(……!!出来た!すごいっ、舌にウルベルトさんの乳首のコリッとした感触がある……!!)

「!?やっ、モモンガさんっ……!何っ……!」

 急に舐められてビックリしたのか、ウルベルトさんは無意識にか俺から逃げようとする。勿論、俺がそんなのを許す訳無くて。右手でウルベルトさんの腰をガッチリと押さえると、舌でウルベルトさんの可愛らしい乳首を舐める。左手では指の腹でコロコロと乳首を転がすようにシてあげると、ウルベルトさんは何度も何度も体を跳ねさせている。

「ひゃ、ぁっ……や、モモンガさんっ、舐め……?嘘っ、あぁっ……!」

「えぇ、ウルベルトさんのえっちな乳首を舐めてますよ?……気持ちいいですか?」

 舐めながら喋れる、というのは中々に不思議な感じだ。アンデッドだし、基本骨しかない体だからか、呼吸もしていないし。自分でもどこから声を出してるのかもわからない状態な訳だ。だから、発声器官がどうなってるのかも不明で。まさかの同時進行可能な便利な体に、思わず笑みが漏れた。

(あぁ……久しぶりだなぁ、この感じ。舌が動く、っての。それに……ウルベルトさんの乳首の感触、すごく気持ちいい)

 表面は滑らかで柔らかいのに、その皮膚の下には芯があるみたいに固くて。俺の舌を押し返してくる弾力が心地いい。夢中になって舐め回していると、ウルベルトさんが俺の後頭部に手を乗せる。

「……ウルベルトさん?」

 どうしたんだろう?と思ってウルベルトさんを見上げると、ウルベルトさんは涙を溢れさせながら俺を見る。この間みたいにえっちな匂いをさせながら。甘くて、俺の脳の奥(実際にはもう脳なんて無いけど)が痺れるような感じの良い匂い。

「モモンガさん……も、嫌です……そっち、ばっかり舐めないで、下さいっ……!」

「ごめんなさい、ウルベルトさん。じゃあ、こっちも舐めてあげますから。……ウルベルトさんは、舐められるのが本当に好きなんですね」

 ウルベルトさんの可愛いおねだりに、ドキドキする。せっかく可愛い乳首が二つあるのに、片方しか舐めてあげなかったから、ウルベルトさんはもう我慢が出来なくなっちゃったみたいだ。俺の舌でこんなに反応して可愛い声で鳴いてくれるウルベルトさんに、俺はずっと興奮しっぱなしだ。

「あッ……!モモンガさんっ……激し、ぁあっ……!」

 俺に舐めて欲しそうな可愛い左側の乳首を甘噛みしながら舐めてあげると、ウルベルトさんは腰を何度か跳ね上げてイってしまった。ウルベルトさんのモフモフの腰の毛皮から、小さくて可愛いお臍の上あたりまで、白い体液が点々と散っている。ウルベルトさんはイく時に俺の腰に絡ませていた脚で俺の骨盤を締め付けてきた。そんな些細な動きも可愛くて。全身で俺を欲しがってくれてるウルベルトさんが、より愛しく思える。

「可愛いです、ウルベルトさん。もっと、気持ち良くなって下さいね?」

 イったばっかりで敏感になってるウルベルトさんのモノを触ると、ウルベルトさんは腰を捩って俺から逃げようとする。腰に回していた脚を外して。

「や、駄目ですっ……すぐに、はっ……!」

「ふふっ、先っぽヌルヌルですね?真っ赤になってて可愛いですよ。ほら、今度は胸じゃなくてこっちでイって下さい。俺に可愛いウルベルトさんをいっぱい見せて下さいね」

 指の腹で精液でヌル付いた先端を擦るようにしてあげると、ウルベルトさんは背中を反らして可愛く鳴く。

「あっ、あっ、や、駄目ですっ……俺、またっ……!」

 何かに耐えるようにシーツを握り締めるウルベルトさんは、すごく色っぽい。我慢が出来なくて、俺はウルベルトさんの首筋に噛み付くと、ギュッと抱き締める。すると、ウルベルトさんは俺の背中に腕を回して、甘えるように俺に擦り寄ってくれる。

(……ウルベルトさんの、良い匂いがする……。あぁ、本当に可愛い、俺のウルベルトさん……)

 左手でウルベルトさんの細い腰を支えながら、右手では濡れた先端を弄る。この間は舐める事も出来なかったウルベルトさんの項も、今ならじっくりと味わえる。本物の舌じゃないから、ウルベルトさんが毛皮モフモフでも気にせず触れられるのがいい。

「モモンガ、さんっ……!気持ちぃ、あぁっ……!!」

 ウルベルトさんは俺の肩甲骨あたりを握り締めると、またイってしまっていた。俺の背骨に感じる、生温かくってヌルリとした体液が垂れる感覚。多分位置的に俺の体内に収納されている世界級(ワールド)アイテムにも掛かってるに違いない。ウルベルトさんのモノは、ビクビクと震えている。

「ちゃんとこっちでもイけましたね。ご褒美に、またこっちでイかせてあげますよ」

 そう言って、俺はウルベルトさんの腰を抱え上げる。そして、そのまま濡れていやらしく光っているウルベルトさんの先端に舌を這わせる。

「!!モ、モモンガさん……そんなの、しなくて良いですっ!や、舌が、ぁあっ……!」

「……ウルベルトさんの、また固くなって来てますよ?ウルベルトさんのおっきぃのに先っぽがピンク色ですごく可愛いです」

 俺の肩や頭に手を乗せて、嫌々をするかのように頭を振っているウルベルトさんが何だか子供みたいで可愛らしい。だけど、出してる声はすごくえっちで。もっと、可愛がってあげたくなる。

「……俺の口の中に、出しても良いですよ?ウルベルトさんのがどんな味か知りたいですし」

「あぁ……ッ、ぁっ、あぁっ、や、先っぽ、ぐりぐり、しないで下さっ……!!」

 俺の舌がウルベルトさんのモノを舐める度、先っぽからほんの少し苦みを感じる体液が溢れてくる。舌の先でソレが出て来る所を突くようにすると、小さな穴がはくはくと開閉してとろり、と体液を溢れさせる。それが面白くて、舌先に力を入れるとウルベルトさんの可愛い穴を広げるように押してみる。ウルベルトさんは、ずっと可愛い声を上げて腰をピクピクと震わせている。

 ウルベルトさんのモノは人間のソレよりも大きかったけど、今の俺なら大きく口が開くし全然問題無い。人間で言う所の喉奥まで咥えても、全然苦しくないからだ。それに、奥まで咥えても全体を舐める事も可能なのだ。根元から先端までゆっくりと舐めながらウルベルトさんのモノを甘噛みすると、俺の口内のウルベルトさんがビクビクと震えて……。

(……!温かい……)

 勢い良く、俺の喉奥にウルベルトさんの精液が放たれた。口内でまだ震えているウルベルトさんのモノは、徐々にその固さを失っている。俺はウルベルトさんの先っぽをまた舌で辿ると、最後の一滴までしっかりと嘗め取ってあげる。微妙な苦みと、懐かしい香り。人間の時に自分のモノで何度も嗅いだ香りだけど、ウルベルトさんのはどこか自分のとは違っていて。男の精液の味なんて知らなかったけど、快楽に蕩けたいやらしい表情のウルベルトさんを見ていたらソレがひどく美味しく感じられる。

(……そういや、飲んだ精液ってドコ行くんだろ?喉の方には垂れてないから……どこか別の次元にでも行ってるんだろうか?)

 そんな事を考えつつ、まだ抱えたままのウルベルトさんの腰を更に持ち上げると、可愛らしい尻尾がピンと上向きになっていた。そして、またウルベルトさんの大切な所が丸見えになっている。キュッと締まった小さな穴は、ひくひくといやらしく動いている。

「ウルベルトさん。もっと、こっちでイきます?……それとも、こっちが良いですか?」

 そう訊きながら、そっとウルベルトさんのソコを撫でる。すると、俺の指を欲しがるように俺の方に腰が寄せられる。

「ウルベルトさん?どっちですか?」

 ウルベルトさんの口から答えが聞きたくて。そう問い掛けると、ウルベルトさんは涙が零れそうな目で俺を見つめながら口を開く。

「も、やぁっ……!早く、ナカにっ……!」

(……あぁ。夢中になってるウルベルトさんって、何でこんなに可愛いんだろう)

 もっと鳴かせたくなる。もっと、可愛い声を俺だけに聞かせて欲しくなる。その想いのまま、俺はウルベルトさんに微笑みかける。

「そんなに、ナカでイくのが気に入ったんですか?本当にウルベルトさんはえっちなんですね?良いですよ、またいっぱいナカを可愛がってあげますから」

 そう言うと、俺はウルベルトさんの腰に顔を寄せる。そして、ヒクついてる愛らしいそこにそっと舌を這わせた。

「!!あぁっ、や、ぁ、ああぁっ……!モモンガさっ……舌が、ぁあっ……!」

 俺の顔の横で、ウルベルトさんの細い脚がビクビクと震えている。その際に俺の頬を柔らかな黒い毛がほわほわと擽る。ひょっとしたら、ウルベルトさんはコレだけでイっちゃったのかもしれない。ウルベルトさんのモノは普通のサイズのままだけど、動きがソレっぽい。俺の舌が触れている所は、キュウキュウと何度も俺の舌を何度も締め付けている。キツイそこを舌で割り開くようにして強引に奥に進むと、ウルベルトさんの嬌声がより大きくなった。舌でココを触られるのは、どうやらすごく気持ちが良いみたいだ。

「ウルベルトさんのココって、ウルベルトさんの乳首みたいに綺麗なピンクなんですね。この間はあんまりじっくりと見られませんでしたけど……今日は、良く見えますよ?」

 俺がそう言う度、ウルベルトさんのソコはキュウキュウと俺の舌を締め付ける。

「嫌、です……モモンガさぁ、ん、そんなの、言わないで下さ……!」

 ウルベルトさんは恥ずかしげに顔を左右に振っている。だけど、相変わらずウルベルトさんの体はとっても正直で。俺の舌を嬉しそうに締め付けている。舌先に力を込めて、この間ウルベルトさんが気持ちよさそうにしていた場所を強く押すように舐めあげると、ウルベルトさんは小さく声を上げて体を大きく震わせた。

「は、ぁ、あぁ……っ……」

「……今ので、イっちゃいました?」

 ウルベルトさんの平らなお腹が、まだビクビクと反応してる。白い肌がほんのりと赤く染まって、すごく綺麗だ。

「……ナカ、もっと欲しいですか?言って下さい、ウルベルトさん」

 気持ちよさそうに蠢くナカの感触を舌で楽しみつつそう言うと、ウルベルトさんは涙で顔を濡らしながら口を開く。

「欲し、からっ……モモンガさん、も、虐めないで、下さい……我慢、出来な……!」

「あぁ、ウルベルトさん……本当に可愛いです。ココ締め付けながらそんな可愛い事言われたら……俺だって、我慢出来ないですよ?」

「ひッ!やあぁぁぁっ……!!」

 ピンク色で柔らかいウルベルトさんのナカから一気に舌を引き抜くと、そのまま指を奥まで突き入れる。すると、ウルベルトさんは可愛い声で叫びながら背中を大きく反らせてそのまままイってしまったようだった。その事によって、ウルベルトさんの固く尖ったままの乳首が俺に向かって突き出される。充血して赤くなっているソレに誘われるように触れると、指先に固く弾力のある感触がある。まだ俺の指を締め付けながらイってるウルベルトさんは、腰を揺らしながらしゃくり上げるように声を上げていた。

「まだ、一本入れただけですよ?この間はもっといっぱい俺の、美味しそうに咥えてたじゃないですか?ねぇ、ウルベルトさん?」

「ぁ……っ……ぁあっ……やぁ、奥、あ・当たって、ひぁっ!や、動いて……っ……!」

「そういえば、指輪外すの忘れてましたね。指輪が当たるのも気持ちいいんですか?」

 ウルベルトさんの奥まで指を入れると、丁度指輪の位置がウルベルトさんのイイトコに当たるみたいで、俺が指を動かす度にえっちな表情で喘ぎ続けている。ギュウギュウと指を締め付けてくれる感触は気持ちいいけど、前みたいにもっとウルベルトさんのナカを俺で満たしたい。そう思って、俺はウルベルトさんの小さな入口に指先を引っ掛けて広げると、続けて指をいっぺんに二本押し込んだ。

「!!あ----------ッ…………!!」

 声がしたと思ったら、すぐに消えて。吐息だけが、聞こえてきた。ウルベルトさんはどうやらまたイっちゃったみたいだ。大きく目を見開いて、開けっぱなしの口から荒い吐息を漏らし続けている。俺の指を締め付ける力は、さっき以上に強くて。骨が、軋むような気がする。もう、ウルベルトさんの目の焦点は合っていない。

「本当に、ウルベルトさんは可愛いですね。今日はまだココより奥は可愛がってあげてないのに……もう、飛んじゃったんですか?」

「ひぅっ!や、ぁ……」

 指先でトントン、と奥をノックすると、ウルベルトさんは無意識のうちか俺から逃げようともがく。

「……ダメですよ、逃がしません」

 名残惜しいけど、触り心地の良いウルベルトさんの乳首から手を離して、ジタバタとしている細い腰をガッチリと押さえ込む。そして、ヒクヒクと物欲しげにしている最奥を指先でこじ開けて……俺の指を、ウルベルトさんのナカに全て埋め込んだ。

 

 

 

sideウルベルト

 

(あぁ……マジ、壊れる……)

 悪魔の支配者(オルクス)として、並の悪魔よりは快楽への耐性もあった筈だった。それなのに、モモンガさんの負の接触(ネガティブタッチ)は、俺の抵抗(レジスト)を嘲笑うかのように俺の脳を直接犯すような強烈な快楽を連続して叩き込んでくる。普通の人間がこんなの体験したら、一発で廃人間違いなしだ。どう考えても、強過ぎる快楽に脳神経が焼き切れる。何せ、悪魔の支配者(オルクス)のこの俺ですら、簡単に理性が飛ぶのだから。

 まるで、違法薬物をキメてるみたいな、そんな常識の埒外にある快楽。(リアルではそんなモノ経験した事は無いから、あくまで推測でしかないが)それが、俺の全身を常にあって。モモンガさんが触れる度、理性よりも快楽を求める悪魔の本能が優先されて、普段の俺なら口走らないような事を容易く口走り……モモンガさんを、誘っていた。

 確かに、理性が飛んでいたとしても俺の口から発せられるのであれば、ソレは嘘では無いのだろう。だけど、俺の中の冷静な部分が、ソレを否定したがっている。

(……当たり前だっ!!男としてのプライド、粉々になっちまうっての!!)

 あんな……モモンガさんが、欲しい、とか。それはつまり、中を、犯して欲しいって事で。

(そりゃ、気持ちいいけどな!?だけどアレはマズイって……!!)

 頭の奥は、常に冷静なままで。だからこそ、他のヤツみたいに最中の記憶を飛ばす事も出来ず、事後にいつも苦しむ訳なんだが。

(あぁ、また)

 俺は、快楽を求めてモモンガさんを受け入れた。

 

 

 

sideモモンガ

 

「……モモンガさん。俺、言いましたよね?負の接触(ネガティブタッチ)使ったら、モモンガさんの事嫌いになっちゃいますって」

「はい、確かに言いましたね」

 ウルベルトさんは目を覚ましてすぐ、前みたいに一瞬で装備を身に着けてしまった。今度は逃げなかったけど、滅茶苦茶怒ってた。そして、俺は怒っているウルベルトさんにベッドから追い出され、床に正座をさせられている。

「……で。何で、あの流れでああなったのか俺に教えて欲しいんですけど?」

 あ。マジギレしてる、ウルベルトさん。顔は完璧な笑顔なんだけど、その可愛い口から出て来る言葉のトーンが……。

「……えーと、その。ウルベルトさんが俺の事好きって言ってくれたのが嬉しすぎて……色々、飛んじゃいました……」

 と、正直に答えると、一瞬その場の空気が凍った気がした。あ……ウルベルトさんの気配が、何か怖いっ……!

「……。そうですか。モモンガさん、本当は俺の事好きじゃ無いんじゃないですか?セックスしたいだけなら、他を当たって欲しいんですけどね。俺、男ですし抱かれるのが好きな訳じゃ無いんですから」

 ニッコリ、と。それはそれは綺麗な笑顔でウルベルトさんはそう言った。

「ち、違います!!俺、本当にウルベルトさんの事が大好きなんです!えっちしたいからって誰でも良いとかじゃないです!!ウルベルトさんだからしたいんですっ!!」

 ウルベルトさんに誤解されたままなのは嫌なので、必死にそう言うけど……ウルベルトさんは、困ったような顔で俺を見ている。……本当に、俺、ウルベルトさんに嫌われちゃったんだろうか。そう思うと、心が痛くて仕方ない。

「……ウルベルトさん、信じて下さい。あなたに嫌われたら俺、生きてけません……」

「あぁもう!泣かないで下さいよ、モモンガさん。俺が悪い事してるみたいじゃないですか?てか、モモンガさんアンデッドでしょう?生きていけないって……」

 ウルベルトさんは、ベッドから降りて俺の横に立つ。そして、柔らかい手で俺の頭を撫でてくれた。

「ウルベルトさん……」

 その優しさが嬉しくて。ウルベルトさんを見上げてジッと見つめる。

(あぁ……困ってるウルベルトさんもやっぱり可愛いなぁ……)

 ……間違いなく、ウルベルトさんに考えてる事がバレたら魔法の矢(マジック・アロー)辺りを撃たれそうだけど、これが俺の本心だから仕方ない。ウルベルトさんは、何してても可愛いんだから。

「……そうですね。モモンガさんがちゃんと俺の話聞いてくれるなら信じても良いですよ。これからは負の接触使うの禁止です。もし使ったら、俺本当にモモンガさんの事信じられなくなりますし……」

 ウルベルトさんの言葉に、俺は目を見開く。え、ひょっとして、ソレって……!

「その、ウルベルトさん。つまり、俺と付き合ってくれる、って事で良いんですか?」

 と、期待しながらそう訊くと。

「違います。俺、悪魔ですから。誰か一人とだけ付き合うのって無理です。だから、まぁセフレでどうですか?」

 間髪入れず、否定された。

 可愛らしく小首を傾げてそう言われて。納得なんか、出来る訳が無い。何だよセフレって……!!ウルベルトさん、酷いっ!!

「ちょ!?ウルベルトさん、俺以外の誰とするって言うんです!?俺だけじゃ満足出来ないんですか!?だったらもっと……」

「ストップ。違いますって。……男に抱かれたのなんて、モモンガさんが初めてですし、まぁ、ソレは気持ちいいから良いんですけどね。俺も男ですから、好きなときに好きなように誰かを抱いて弄びたいんですよ。悪魔の性(さが)、ってヤツです。だから、ソレを否定する人とは付き合えないんですよ。……モモンガさん、そういうの嫌でしょう?だから、セフレになりましょう、って言ったんですよ」

「……ウルベルトさん」

「はい?」

「……俺以外に、抱かれるつもりは無いって事ですか?」

「えぇ。当たり前ですよ。だって俺、悪魔の支配者(オルクス)ですよ?俺が上じゃなきゃ愉しくないじゃないですか」

 俺の質問にそう答えるウルベルトさん。何だか、すごく嬉しい。俺に操を立ててくれてるみたいで。

「じゃあ、ウルベルトさん。俺以外に抱かれるつもりがないのなら、俺と付き合って下さい」

 ウルベルトさんを見つめながら、俺はキッパリとそう言い放つ。

「……本気ですか?モモンガさん。俺、他の相手ともセックスしますよ?本当に、そんな相手と付き合いたいんですか?モモンガさんみたいに誠実な人なら、もっと誠実な人相手の方が良いんじゃないですか?」

 俺の言葉に、ウルベルトさんは驚いたような顔で俺を見る。……ウルベルトさん、ひょっとしてセフレ、っての本気じゃなかったのかな?まさか、俺を諦めさせる為に……?

「本気ですよ。俺は、ウルベルトさん以外欲しくありません。永遠にウルベルトさんだけです。……信じて下さい」

 ウルベルトさんの手を取って、その手の甲に口付ける。誓いのキスだ。そんな俺を見て、ウルベルトさんは小さく溜息を吐く。

「……この世に、変わらないモノなんて無いんですよ?なのに、モモンガさんは俺に永遠を誓うんですか?」

 困惑したようにそう言われて。俺はウルベルトさんの綺麗な金色の瞳をジッと見つめて答える。

「はい、誓います。俺は、ウルベルトさんが大好きです。……愛しています」

「……全く、仕方ない人ですね、モモンガさんは。こんな悪魔に引っかかっちゃうなんて。……可哀想だから、モモンガさんの気持ちが変わるまでの間だけ……恋人になってあげますよ」

 ウルベルトさんは俺の言葉に小さく笑うと、そっと額にキスをしてくれた。柔らかな毛がほわほわで気持ちいい。ウルベルトさんの髭も、艶があって触り心地がすごくいい。

 ……って、え、今ウルベルトさん何てっ……!?

「ウ、ウルベルトさんっ!?」

「はい、何ですかモモンガさん?」

 愉しげに笑うウルベルトさん。ウルベルトさんは、俺の額にキスした後、両腕を俺の首に回して吐息が掛かる距離で俺を見つめている。

「その、恋人に、なってくれるんですか?セ、セフレじゃなく?」

 俺の聞き間違いだったらどうしよう、とドキドキしながらそう訊き返すと、ウルベルトさんは今度は俺の右頬に触れるだけの優しいキスをしてくれる。

「はい。モモンガさんの気持ちが変わらない限り……俺は、モモンガさんの恋人でいますよ」

「……!ウルベルトさんっ、ウルベルトさんっ……!!」

 ウルベルトさんの言葉に、感極まって抱きついていた。もう涙は流せないけど、前だったら大号泣してる所だ。

「モモンガさん。可愛い貴方が大好きですよ」

 俺の耳元でそう愉しげに囁くウルベルトさんに、胸がいっぱいになる。俺は幸せを噛みしめつつ、愛しい人の体をずっと抱き締めていた。

 

END

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