筆者が書く長い方の復讐教室よりモンハンの設定だけとり落とし込んだ小説にする予定です。
大型トラックの水飛沫が自分のまわりスレスレにとんだ。
傘を忘れた自分の体に降り注ぐ雨が冷たい。
今日はなぜこんな曇天になったのだろう……。
雨に打たれて染みる全身の傷が更に私をどん底に引摺り込んだ。
傷を負いもがく魚のようだ。
食べられるか、争いで傷ついた海中の魚もこんな感じなのかな?。
理性と知性を人間は持ち合わせる。
だけど人を傷つけるのはなぜ?。
下手に知性を持ち簡単に非道なことをするぶん正直他の生物よりタチを悪く感じる。
「おかしくなりそう。……なんで私なの……。」
目元が熱くなり、雨の雫と混ざりながら涙が溢れた。
痛みと冷たさが自分を包むが……絶望し荒んだ自分には痛みさえ生きてることの実感だとこの感覚を受けいれている。
「ちょっと、貴女大丈夫ですか?。」
後ろから若い女性の声がした。
どしゃ降りの中を立ちどまっていたからだろう。
普通は避けられ声すらかけられないことを考えれば声をかけた人物は少なくとも自分を心配してくれてるのかも……。
「私と同じ学校の生徒ですね。一体どうしたのです。何故大雨の中泣いて……」
彼女の言葉が止まる……いや、無理矢理止まらせた。
泣きながら抱きついた私によって。
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「落ち着かれましたか?。」
「うん。ごめんなさい……いきなり抱きついて。」
彼女に謝り、目線を下にカップに入った紅茶に一口つけた。
彼女が私を落ち着かせるためにと近くにあった喫茶店に入れてくれた。
「大丈夫ですよ。お名前はなんて言うんですか?。」
迷惑をかけてしまったのに優しく笑いながら彼女は名前を訪ねる。
「藤沢彩菜……白咲高校の3年3組。」
学年まで同じでしたのね。と喋った後、
「伊里愛瑠奈。白咲高校の3年1組ですわ。」
瑠奈……可愛らしい名前だ。
顔立ちも凄く整ってるし、スタイルもいい、そして自信がたっぷりありそう。
……小さな嫉妬が生まれた。
助けてもらったのに。
「早速お聞きしたいのですが……。学校でなにかありました?。」
まぁ、その質問が最初にくるわよね。
正直に答えるべきか、虚偽を答えるべきか。
クラスほぼ全員から虐げられてた私には目の前の女子を信じるのに至るのは難しかった。
「彩菜さん。言っておきますが、辛さを嘘で誤魔化しても……貴女が辛いだけですよ。正直に言ってください。」
不安げな顔だが優しさがこもった口調だ。
学校で顔をあわせたことはありそうだけど実質初対面の私の下の名で読んで。
伊里愛さんは違うクラスにも関わらず本気で私の心配をしてるんだ。
信じて……いいのかな?。
伊里愛さん……瑠奈ちゃんのことを。
「分かった。瑠奈ちゃんを信じて正直に言うね……。」
正直に私は告げた。
7カ月前の4月、些細なことにより始まったイジメが暴力、恐喝、はては……私の潔白まで奪ったことを。
瑠奈ちゃんの顔は固まっていた。
そして小さく……信じられませんわ。と漏らした。
「言いたいことがいっぱいありますが、何故学校もしくは担任に相談する方法をとらなかったんです?。」
ごもっともな指摘だ。
それが出来れば私もこんなに苦労しないだろうし、奴等を増長させもしなかった。
人生はそんなに甘くないから、と話した。
「言われたの。イジメてる奴等に。このことをチクったりしたらお前の犯した映像を晒すって。」
告発すれば私も痛みを……むしろ私の方がダメージがでかくなる可能性が高い。
それに告発したところで、精々退学または停学が関の山だ。
私が受けた暴力や屈辱を奴等は受けずに少し注意されればあいつらは自由も同然。
「信じられません……。私達の学校でそんな行為が行われていたなんて……。」
本気でショックを受けてるみたいね。
自信に満ちて、正義感が強い貴女がこの問題を知ってしまったのは不幸だったわね。
「瑠奈ちゃんには感謝してるけど、私と関わったら不幸になるよ。だからさ、私なんて忘れて……。」
「出来ません。」
真実を伝えてなお、彼女の返答は意外なものだった。
「貴女がそう言ったからって、彩菜さんのクラスで行われてることを看過出来ませんわ。」
正直すぎないかしら。
恐らく瑠奈ちゃんは嘘をつけない子なんだ。
私には貴女が羨ましくて眩しい。
……けど、現実を見なきゃ意味がないよ。
空回りする正義は虚しいだけ。
「これを……。貴女に渡しましょう。」
瑠奈ちゃんの手から黒く少し赤みがかった勾玉……?が机の上に置かれた。
神頼みのお守り?。と自虐な笑みで彼女に聞いた。
「いいえ、刻竜の勾玉です。この中にはある凶禍の力を宿したモンスターが入っていますの。」
モンスター?。
いよいよ私はおかしくなり、本気で吹きそうになる。
「冗談ならエイプリルフールで充分だよ。それにこの勾玉にモンスターが入ってるからってなにになるの?。私を傷つけた奴等に復讐してくれるの?。」
「貴女が願えば。彩菜さんに渡した勾玉は彩菜さんの指示で動きますよ。」
馬鹿馬鹿しいわね。と私は吐き捨てた。
正義感が溢れるこの娘はただの空想の世界に生きる中二病だったのね。
「アンタに助けてもらったのは感謝するわ。けど空想劇に付き合う暇は私にないの。じゃあね伊里愛さん。」
伊里愛さんの顔も見ず、出ようとした私に、「やはり信じて貰えませんよね。それなら……。」と聞こえた気がした。
「ぐっ……!。」
痛い……!。
心臓に激痛が走った。
やばい……。これ……心臓が張り裂けてるんじゃ……。
「刻竜よ。彼女の体に宿り彼女をお前の主と認めなさい。」
間近に伊里愛さんが立っていた。
痛みによる幻覚かしら?。
彼女の髪が金髪に見えた。
「がぁっ……!!。はぁ……はぁ……はぁ。アン……タなにした……の?。」
「刻竜を貴女の体へ定着させてるだけですわ。どうか拒まないで彩菜さん。」
拒むなって……。
もう意識を失いそうだ。
あぁ……もう……駄目……。
「意識が途絶えてしまいましたか。その方がやりやすいですけどね。」
ウェイトレスや他の客の大丈夫ですか?。との声を瑠奈はかわし、代金を払い彩菜を抱き上げ店を出た。
空は……晴れ、虹が見える。
「彩菜さん。その勾玉は今までの貴女の道を変え、新たな道標を拓くことでしょう。貴女が刻竜の力を宿した瞬間貴女を覆う世界は少し変わるのです。」
彩菜の髪にところどころ赤みがかかりはじめた。
あちらのようにダラダラとではなく短い話数で締めるのを目指しています。