次の日担任が、千鶴と楓は警察に援交の件で補導され、退学が決まったと話した。
二人は概ね態度は良好で素直に従ってるそうだ。
「やっぱ奴等捕まったか~。」
「なんか……人が減ってくな。不気味だ。」
クラスでもちょっとした話題となった。
次の目標は……実のところ決まっていない。
ってか、たまには試練から身を離して休んでもいいだろう。
どう過ごすか、迷ってるとラ・ロが話しかけてくる。
-第6形態への到達おめでとう彩菜。
「久しぶりね、ラ・ロ。ありがとう。」
-このまま精進していけば予想より早く最終形態の第7形態になれるだろう。
「第7形態か……。」
どんな技が使えるんだろう。
想像が広がる……。
「後で考えるか、瑠奈ちゃんとこに遊びに行こっ。恵美~。結子~。1組行こう。」
「良いわよ。」
恵美の姿が見当たらない。
「あれっ、恵美は?。」
「分からないわ。急に居なくなっちゃって。」
「どうしたんだろ?。探す?。」
「大丈夫でしょ。伊里愛さん達に会いに行きましょ。」
行方が分からない恵美をよそに二人は1組へと向かった。
この時恵美は大輔に無理矢理屋上へと連れてかれていた……。
「やあっ!。離してよ!。」
「うるせぇ……!。大人しくしろ……。」
大輔はアビオルグを纏身させ力付くで恵美の動きを抑えるのに対し……。
恵美はパオウルムーを纏身させても、獰強なその力を振りほどけない。
「くっ!……。誰かぁぁぁぁぁ!。」
「馬鹿が大声で叫んだって誰もきやしねぇよ。人が通らねぇからここを選んだんだからな。」
『……ここならテメェを好きなだけ甚振れる』
わめき声と共に、アビオルグの力を溜めた大輔の拳が恵美の腹にささった……。
「く……あ……。」
力無くフラりと前に倒れた。
「まだ終わんねぇよ……。このボケがぁ!。」
頭を踏みつけた全力で。
纏身してるから脳味噌をぶちまけたりはしないが、地面は砕け恵美の頭蓋骨もヒビが入った。
「ひひひひ……。」
狂笑しながら今度は手から炎を放つ、ピクリともしない彼女の身体は容易に焼かれ、黒く焦げた。
「……ははは、はははは……はははははは!。やっぱ超楽しいわ!。女甚振るのっ!。んだよ彩菜じゃなくても大丈夫だ……俺より弱い奴を傷つければいいんだ!。はは。」
暫くすれば恵美の身体は完全に再生し痛めつけ放題……何度でも何度でも。
大輔の歪んだ感情はさることながら、彼の勾玉、獰竜アビオルグは獣竜種で怒り状態を2段階もつモンスターだ。
尻尾が特徴的で、同じ獣竜種のディノバルドとは違った感じで長い剣のような尾を持つ。
この尾を使い、敵に振り回すと敵は打ち上げられそこを独特のチャージブレスで一層する技がある。
炎と強靱な尾を持つ、強いモンスターだ。
「しかしおせぇなあいつ。このままじゃ……彩菜や結子どもに……。」
大輔が危惧してるとスピーカーからノイズの音がし、校内放送がなった。
『全校生徒に告ぎます、全校生徒に告ぎます!。ただいま体育館及び、東校舎 3階で火災発生!。これは訓練じゃありません!。これは訓練じゃありません!。マニュアルに従い速やかに避難してください!。』
確かに煙が上がってる。
「火事だぁ……。まさか飛高の野郎が……。」
「そのまさかだ。」
手を翼に変化させ、今回大輔が協力をかわした西ヶ原高校の男子、火落飛高が屋上に飛来した。
「テメェの狂い様には呆れるぜ、バゼルギウスの力で燃やしてきたってか。」
「楽しいイベントを行うなら最高の舞台を用意しなきゃ損だろ?。見ろ降らした鱗が火となり俺達を迎えいれている。お前も火属性なら分かると思ったが……。」
「誰が分かるかよ……。だが注意を放すって観点に目をつけりゃいい方法だ。」
「注意を放す?……。んなちんけなことの為に燃やしたんじゃねぇんだがな。まぁいい、で、女は?。」
「そこにいる。」
恵美は相変わらず気を失ったままだ。
「ほー、いい顔だ。身体もなかなか。でも気ィ失った女をやってもつまんねぇからな。それにここじゃあ何れはバレる。」
その通りだ。
恵美ごとどこかに連れ込むことを企ててるのか?。
「いいか、大輔。お前がビビりなのはしょうがねぇ。だがな俺は別にこの学校を焼き付くしたってどうでもいいんだよ。そうしないのはお前の躊躇いだって頭に入れな。」
早口でベラベラと、自分がビビりと宣言される大輔。
腹は立つが、関係のない他の生徒まで飛高に焼死させられるのは御免だ。
「じゃあ場所を変えるか。来なバゼルギウス!。」
『ウォォォォォォォォォン!!!。』
おどろおどろしい雄たけびと共に爆鱗竜バゼルギウスが飛高より放たれた。
丸みを帯びた鱗が並び、胸部にはバゼルギウスの主力、爆鱗がびっしりと生えている。
これを自身の攻撃に添えたり、空中から爆撃機のように降らし攻撃するのだ。
……かの『貪食の恐王』に匹敵するともうわさがある於曾ましい飛竜だ。
「なにびびってやがる。早く乗れ。」
「あぁ……急かすな。」
恵美を横にしてバゼルギウスの背中に乗せ、自身も乗り込んだ。
「よっしゃあ!飛べ!。気高き非道!。」
その2つ名に突っこみたくなったのは言うまでもない。
「まぁいい……。これで俺も蓮君や一真君達とは別れだな。どうせ足がついて学校には戻れねぇ。」
「かぁー、有意義な空の旅の途中によくもマイナスな台詞言ってくれんぜ。このまま墜落死でもしそうだ。」
「自分の今後を考えて何が悪い!!。家だって同じだ覚悟はしていたが、彩菜と結子だってすぐ俺を恵美を拐った犯人として追い詰めてくる!。」
「ったく自分の道に責任ももてねぇ。クズ野郎が。ま、安心しろ。行き場がねぇってこともねぇ。特に俺らみたいな普通と違う人間を置いてくれるとこもあるからな。」
「……本当か!?。」
「そうだ。だから気にせず飛びゃあいいのさ!。」
風を切りバゼルギウスは廃墟を目指して飛行した。