伊里愛三姉妹と別れた私は何事もなく3年3組につき席についた。
さてここから第一の復讐相手…瀬尾優人にどのように復讐していくか考えなきゃ。
蓮のグループに犯されるようになったあと、私は優人に、君が悲しむ顔を見たくない。僕でよければ相談にのるよと声を掛けられ、その言葉を信じ家に招かれた。
彼の決死の表情を見て私は、この人なら私を助けてくれると本気で思った。
……けど、私が体験したのは……。
助けるどころか性欲に溺れ、私を思うがまま犯す卑劣な雄の一面だった。
それ以来私と優人は関わってない。
この瀬尾優人という男は、高校1年生の頃から顔立ちがよくスポーツや勉強もそれなりに出きるため校内でモテていた。
表の顔はだ……本性は下劣外道な女の敵。
もしかすれば、私の他にも同じ目にあった子がいるのかも……。
とにかくここ数日は優人の身辺を洗ってみるのがいいみたいね。
「きゃっ!。」
突然、クラスメイトの野村藍が私を目掛けてとんできた。
ラ・ロのオーラで藍は私に当たる手前で地面に伏した。
とんでもないことするわね……。勾玉のせいでいじめが更にえげつなくなってるのか……。
「なんだよ!。ビリヤード失敗かよ、マジつまんね!。」
「落ちつきな真央。それを言うなら、ボーリングだろ。しかし意外だなビンが自らボールを弾くとは。いつもは直撃だってのに。」
あの二人が関わってるのか。
いじめを決定づけた、渋谷真央と奥居詩織。
せめてビリヤードかボーリングどっちかに絞りなさいよ。
「偶然に決まってんだろ。第一あのクソ女がそんなに強いなら私達に今の今までいじめられてるわけねぇからな。あ~萎えた。」
なるほど……これがラ・ロの改変後の私のクラスメイト達の記憶か……。
勾玉も弱い部類で、奴等の憂晴らしの道具、散々な扱いだったらしいわね。
でも、今度狩られる側になるのはあんた達よ。
黒き凶禍を思いしるがいいわ。
=====
数日が経ちいよいよ実行に移す時がきた。
本来一人でやるつもりだったけど、今の私には手伝う助っ人がいる。
先週真央に投げ飛ばされ、私にぶつかりかけた野村藍だ。
「彩菜ちゃん!。今日は宜しくね!。」
「えぇ……。宜しく。」
……どうしてこうなったのかというと、私が藍の衝突を防いで以来、真央や詩織に目をつけられなくなったかららしい。それで藍は結果的に私のおかげで標的を逃れたと恩を感じて私に何か恩を返させて!と言ってきたわけだ。
確かに後は元々クラスメイトの中でも地味で目立たなかった存在だけど正直私はこの藍の行動に困惑してる。
……ありがた迷惑というか、余計なお世話というか。
でも駒として使えそうではあるし。
曲がりなりにも藍は勾玉使いだしね。
だから私の復讐を手伝ってと藍に言った。
そしたら藍はえ……?。と疑惑の表情を浮かべ。それは……ちょっと。と躊躇った。
恩を返すんじゃなかったの?。
じゃあ藍は手伝うだけでいいよ。とハードルを落としたら彼女は、渋々ながら了承した。
まぁ、手伝ったところであんたが私の標的に変わりはないのだけどね。
「彩菜ちゃんそれで私はなにをすればいいかな?。」
取り敢えず優人達が居るカラオケボックスに行きましょう。と私達は場所を移動した。
歌うわけじゃない。優人達がどの部屋で歌ってるか確認するためにね。
優人が抱える女子達との対人関係を逆手にとって利用させてもらう。
「あったよ。彩菜ちゃん!。優人は池田紗智ちゃんと215号室に部屋をとってた。」
「分かったわ。それじゃあ一筆書くとしますか。優人に破滅をもたらす手紙をね……。」
破滅……。と藍は固唾を飲んだ。
空き部屋をとって 3分と掛からず執筆は終わった。
封せんし藍に渡す。
「この手紙を池田紗智の自転車カゴに入れてほしいのよ。」
「それだけ……。」
「それだけよ。」
「分かった。じゃあ……行ってくるね!。」
藍はどんな危険な作業をやらされると思ったのかしら。
貴女なんて信用してない。
既に私の方である男を動かすよう仕向けてある。
瀬尾優人と池田紗智……優人にとり、紗智は6人の女子に同時に手を出してる一人の彼女にすぎない。
紗智は1つ下の2年生で明るく可愛いことから学年クラスを問わず根強い人気を誇る。
しかし、優人のように複数と同時に付き合ったりして自分が付き合ってる人を泣かせる真似はしない。
一方的に裏切ってるのは優人だ。
池田紗智さん。貴女は運がいいわ。
見た目がよくても優人のように腹黒くなく人を裏切ったりしない。
だから例え不良でも貴女に好意を持つ。
もっともその不良に交際を迫られた際、やんわりとだけど断ったようだけどね。
「いよいよ、来たか……。」
スマホのトークアプリの通話が鳴った。
クラス替え当初全員で交換したアプリが役にたった場面ね。
『もしもし。彩菜ちゃん!。』
「もしもし、どうしたの藍?。」
『一真君が……。私が置いた手紙を見た瞬間血相変えてカラオケ屋の方に向かったよ……。これでいいの……?。』
「大成功よ。藍。ありがとう貴女はもう帰っていいわ。」
『あ、うん!。役に立てて良かったよ。じゃあね。』
「バイバイ。」
さて、後は復讐するだけね。
まずは一真が怒りを晴らすわけだけど。
「私もそろそろ……出るか。」
……彩菜の読みは当たり、215号室では、怒った一真が優人の首根っ子を掴み路地裏へと連れてかれた。
「は、離してくれ!。一真君!。僕はただ紗智ちゃんの相談を……。」
「ならなんで、カラオケボックスでやるんだ?。歌いながら相談ってか、あぁ!?。」
拳が顔にめり込んだ。
「あぁ……ぐぅ!……。」
這いつくばった腹に蹴りが入る。
「一真先輩……!。やめてください……。嘘をついたことは謝ります。だからもうこれ以上優人君を傷つけるのは……。」
「あのなぁ……池田。」
頭を踏みつけながら一真は振り返る。
「なにもこいつが本気でお前を愛してりゃ怒りはしねぇんだよ。こいつお前以外の他の女にも手をだしてんだぞ!。俺が知ってるだけで5人の女にな。」
「う……そですよね。優人先輩本当なんですか?。」
「本当だよ……。他に5人いる。」
「そんな……。「僕には紗智だけだよって」……嘘だったんですね……。本気だったのに……。本気だったのに!。……もう、私に近付かないで!。」
涙を流しながら紗智は走り去った。
「あぁぁぁ……紗智……。」
「はっ、自業自得だな。池田もいなくなったしちょうどいいや。最近彩菜の奴の様子もどうもおかしい。前まで単なる的だった女が急に強気になった……。どういうことかっつうと憂晴らしが減ってストレス溜まりまくってっからよ。テメェで晴らさせろぉ!。」
一真の爪が延びた。
「ひぃぃ……!。それだけは本当にやめてくれ……!。」
「オドガロンの切れ味はテメェも分かるはずだ。セルレギオスやショウグンギザミみてぇに裂傷を負わせるぐれぇの鋭さを持つ……おらぁぁ!。」
「ぎゃ!!。やめろ!。腹が熱い!。やめろ!。やめてくれぇぇぇぇ!!。」
「腹貫かれたぐらいでガタガタ抜かすな!。テメェも勾玉使いだ。どうせあとから再生するだろが!。」
一真のオドガロンの力を借りた鋭爪攻撃は優人のいたるところを切り刻んだ。
腹を割き、内臓を潰したり引き摺りだし切断もした。
いつの間にか……吐血や返り血で場が真っ赤に染まっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……。ちょっとスッキリしたぜ。スッキリしたついでに礼として良いことを教えてやる。これからテメェがもし学校に通い続けるんってなら池田のことや憂晴らしとして俺が毎日切り刻む。それでもいいってんなら……ヘヘ……通い続けな。」
じゃあな、と別れの言葉を吐き、一真も去った。
「はははは……。はははは……。ははははははは!。僕はなんで生きてるんだ。何故死なないんだ。」
あれだけのことをされても簡単には死ねない。
現に再生しつつある。
「勾玉使いになったからじゃない。」
「お、お前は彩菜……!。」
さあて、今こうなってる状況のネタ晴らしをしてくか。
「私は一真をここにこさせる為に2つの手紙を仕込んだ。あんた達は一真の存在を危惧し公には付き合えなかったのよね?。簡単に言えば他生徒の認識ではあんたと池田さんはただ遊んでるだけと映る。」
「……お前が仕組んだのか?。」
「まぁね、だから手紙を用意したのよ。
池田さんの名義で、内容は一真先輩と相談したいです。
これで一真は騙される。
あとはアンタが体験した通り。」
正直に説明したわよ。
反撃してくるかな?。
「確かに俺も悪かった面もあるけど、お前の手の上で踊らせられるのは気にくわない……!。お前みたいないじめられ続けてた奴に!!。」
プツンと何かが切れる音が脳に走った。
でも纏身までは待っててやろう。
「寝かせて女を襲えて便利だった。このドスバギィの力はなぁ!。お前も眠れ!。」
液体状の睡眠液が大量に私に迫る。
避けるまでもないわね。
オーラで間に合う。
「そんな攻撃じゃラ・ロには傷1つつかないわよ。」
「ラ・ロ……。聞いたことがないモンスターの名前だな……グァ!。」
ラ・ロの翼爪を数本刺してやった。
激痛に加え防御が下がるのは中々効く筈よ。
「こんな……彩菜がこんな強いなんて……。」
透かさずサマーソルトを叩く。
当たると毒に侵される技よ。
誰がどう見ても優人は満身創痍ね。
「まだやる?。」
「ま、待ってくれ!。もう戦えない……。俺の負けだ。君にも謝る!。騙してすまなかった!。」
必死に土下座してきた。
まさか素直に謝るなんて……意外の一言に尽きるわ。
「さっき、一真がオドガロンの力で攻撃した時何故反撃しないか気になったんだけど、ドスバギィの速度じゃオドガロンにかわされるから?。」
「そうだ…。オドガロンは早い。ドスバギィじゃとても無理だ。睡眠液も掛けられないし…肉弾戦ももっての他さ。」
中々不憫ね。
でも同情はしない。
出来るわけがない。
「彩菜にやられて目が覚めた。俺は最低最悪のクズだって。暫く学校は行かない。すまなかった彩菜。虫がいいかも知れないがあのクラスで頑張ってくれ。」
「優人……。アンタを助ける気も同情する気も更々ないけどまだ良心を持つなら自分の今までをよく見直して生きるのね。」
優人は少し立ち止まり、また歩み始めた。
何にせよ試練一人目は達成ね。