※この作品はR-18です。

凶禍刻みし復讐   作:獄華

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試練2人目


王妃望むは自由と友

……ホテルで男女が交わった。

手を握りあい汗ばむ身体を密着させ、心地よさが二人を包む。

 

「あぁん……。んぅぅ……。陽太ぁ……もっとぉ……。」

 

「はっ、3組の優等生様がこんな蕩けた顔してヘッドの上で男の名前呼ぶなんざ、真面目に育てた両親が泣くぜ。」

 

「んんぅ……!。あの人達の話はしないで、あんな両親……私に真面目な優等生を演じることしか強要しない……今あなたと感じてるような愛はないもの。勾玉も同種の番だし。」

 

結子と交わる彼の名前は、炎帝陽太、3年2組の生徒で成績も結子に匹敵するほどだ。

だが結子と違い、親から勉強を強制されることは一度もないが、この世での学習を覚えておいて損はないと軽い考えで高いモチベーションを保ち高成績を修めてきた。

彼にとり勉強はゲームを行う感覚なのだ。

二人が出会ったのは一ヶ月半前、中々勉強が捗らなく鬱憤と披露がたまり階段を降りていたら踏み外し、きゃっ!。と悲鳴をあげ床に顔を叩き付けそうになった。

 

「危ねぇ!。たく、大丈夫かいあんた?。」

 

その時助けてくれたのが陽太だ。

「……ありがとう。勉強が進まなくてイライラしちゃって……。」

 

「疲れて落ちたってか……。つか勉強とかそんなマジになんなくてもよくね?。知識があれば困んねーなー的な感じでいいんじゃね?。」

 

その発言に結子は怒りを感じた。

 

「私は親から勉強しなきゃ社会に出てから人の上には立てないって子供の時から言われてるの!。知ったように語らないで!。」

 

「じゃあ聞くけど、そこまでして上に立ちたい理由は?。で……上に立ってどうすんの?。」

 

「それは……。」

 

言葉が詰まった。

なぜポンと理由が出てこないんだろう。

 

「すぐ言葉が出ないほど大層な理由なのか……違うだろ。お前の意志じゃない、塗り替えられた幻想に過ぎないからだ。そんな不確定なものによく大事にしがみつけるもんだ。」

 

過ぎ去る、陽太の手を彼女は掴んだ。

「なんの真似だ。」

 

「そこまで言うなら……あんたが教えてよ、私の目標を……。」

 

「面白い女だ。名前は?。」

 

「滝嶋結子、あんたは?。」

 

「炎帝陽太。勉強だけが能じゃねぇってあんたに教えてやる。」

 

この日から二人は遊ぶようになる。

陽太との遊びを経て心の中に充実が形成されていった、また遊びを通じいつしか結子は陽太に惹かれていく。

映画を見たり、遊園地にいったり、その感情は陽太も一緒だ。

陽太の方から好きだと声をかけ二人は現在に至る。

「好きだよ陽太。あなたに会えて本当によかった。」

 

「俺もさ、心を楽しさで埋めて笑う結子に会えてよかった。あれ以来笑うようになって本当に嬉しいんだ。」

 

そろそろ果てそうだ。

 

二人は唇を精一杯重ねる。

陽太の腰の動きが早まった。

 

「……あぁ!……。」

 

「うんんん……!。陽太ぁ……大好きぃ……。」

 

暫く抱き合いながら愛撫を堪能した……。

 

 

「いやねぇ。煙草なんか吸って。」

 

「意外と上手いんだって。ってか成人しか入れない店に入り浸りしてる奴に言われたくねぇな。」

 

「身体に害はないストレス発散だからいいの。あなたと付き合う前からやってる私の日課みたいなものだし。」

 

「そんなもんかねぇ。あ、あと聞いた話だが結子んとこのクラスメイトの瀬尾が越智にぶん殴られて、越智が謹慎になったんだって?。」

 

フー、と煙を吐いた。

 

「うん。なんでも、優人が殴られてぼこぼこにされたのを一緒にいた池田沙智って子が見て学校に言ったらそうなったみたいよ。でも先生もワルを学校に暫く来させない理由が出来て安心してるんじゃない?。」

 

くくく、と陽太は笑う。

 

「言えてる。……瀬尾も勾玉使いなんだから傷なんてとっくに治ってるはずなのにな。相当自分の噂と越智が怖いらしい。」

 

隣に寝る結子が身体を寄せてきた。

 

「ねぇ、陽太……あなたも瀬尾みたいに私のことを裏切る?。」

 

「なわけねぇだろ。あんな腹黒ナルシストと一緒にすんなよ。」

 

結子の首筋をなめてあげた。

 

「きゃ!、ふふ。あなたの私への愛の確認よ。これなら大丈夫ね。」

「全く手を焼かせるぜこのお姫様は……。あともう1つ、藤沢との件はどうなった?。」

 

彩菜との話を持ち出され、少し息を吐いた。

 

「……進展はないわ。私の方から話かけたいけどあの子、この頃よく3組を留守にするみたいだし、それにいざ話かけようとすると身体がすくむの……。」

 

「そうか……。焦ってもしょうがないのかもな。謝れるといいな。」

 

「うん……。」

 

=====

 

 

「古龍種?。」

 

-そうだ。

 

結子への復讐を今日に備えた私は通学路でラ・ロから生態系を逸脱した特異な存在古龍種について話を聞いている。

古龍種以外の種は分類不明含め勾玉のモンスターは教えてもらったので恐らく古龍種が最後だ。

 

-一言で言えば、古龍そのものが天災だ。存在自体が災いとなるものもいれば、特異な能力で災いを起こすものもいる。

 

「次元が違うってわけね……。勝てるの?。」

 

-今のままではいいとこ相討ちが限界だろう。第6形態まで移行出来れば、一部の古龍は倒せるかもしれん。

 

私はまだ第4形態までしか移行できない。

結子の勾玉が確認出来ないのは痛いがやるしかないな。

放課後になり私は行動を始めた。

試練2人目、滝嶋結子。

いじめが起きてからも親友だった結子や恵美は私を支えてくれた。

特に結子は学級委員長だったため彼女の目が光る場所では奴等も手を出してこないし、面と向かい叱ってくれたこともある。

私は結子に凄く感謝していた。

あの時までは……。

 

7月の夏休み直前……。

まだいじめが今ほどひどく無かった時、私は結子に真莉達に無視されてることを相談した。

 

「呆れた……!。あいつら本当子供ね!。」

 

「結子にしか相談できなくて……。」

 

「美穂は身体が弱いし、恵美は……天然だしね。夜塾終わってからでいい?。南公園で落ち合いましょう。」

 

「ありがとう!。待ってるね。」

 

公園で待ち続けたが結局結子は来なかった。

翌日……約束したのに現れなかったことに気落ちしながら何故来なかったのと訪ねたら彼女は疲れた様子で、あぁ、そんな約束したわね。忙しかったもんだから……。と言った。

学級委員長でバレー部部長の結子が充分忙しいことは分かってた。

「じゃあ夜電話してもいい?。」

 

「やめて!。」

 

結子が豹変した。

バンと自分の机を叩き、見たことのない表情で私に次々と言葉を放った。

 

「夜電話なんてしたら、母親がヒステリーを起こすわ!。あんた達と違って私は忙しいの!。学級委員長だからってなんでも私に押し付けて!、いい加減にして!!。」

 

……今、私と話してるのは誰だろう。

いつの間にか私は泣いていた。

 

「なに泣いてるのよ。私が……悪いみたいじゃない。」

 

「そんなつもりで言ったんじゃ……。友達に相談したかったから……!。」

 

彼女から衝撃の言葉が放たれた。

 

 

「じゃあもう友達やめましょ!。2度と話しかけてこないで!!。」

 

親友と別れたこの日、いじめも激しさを一層とました。

 

思いだし、頭が熱くなる。

だがあちらから友達の破棄を宣告してきたんだ。

徹底的に試練を果たすだけよ。

友達の頃、結子から聞いた話によれば……彼女の家は異常に厳しい。

親の期待に応えなければ折檻も有り得るのだとか。

そんな厳しい両親に対し秘密で結子はクラブに通ってる。

この事実を両親が知ったらどうなるかしらね、結子?。

既に手は打ってあるわ。

 

 

彩菜の思惑と裏腹に結子は髪の色を勾玉のモンスターの色に変えメイクをして今日もクラブに通っていた。

ずっと通って仲が良くなったケンという男と学校のことについて話ながら。

「不安なんだよね……私その子を突き放しちゃって……!。今さら許してくれるかな?。」

 

「大丈夫やって!。その子だってきっと結子ちゃんと仲直りしたいはずや。学生時代の友達は一生もんやで!。」

 

「そうよ!。結子ちゃん自身を持って!。」

 

「ケンさん、みさちー……勇気付けてくれてありがとう。私頑張ってみる。」

 

「その粋やで!!。」

 

「やっぱ話せるのはクラブの皆だけだよ。じゃあまた来るね。」

 

クラブの面々が暖かく結子を見送ってくれた。

 

「寒い。けど綺麗な星ね。」

 

スマホがなった。

 

「わぁ……!。」

 

恵美からメールが届き開くと恵美の飼い猫が写り可愛らしかった。

「『元気だしてね!』。ですって、もう恵美ったら。写真が趣味なだけはあるわね。」

 

暖かい気分で今日は帰宅出来そうだ。

 

 

……写真のせいでこの後、凶行を自分が巻き起こすなぞ思いもつかない。

 

「ただいまー。」

 

普段の優等生の格好に戻り帰宅した結子。

迎えたのは父親のビンタであった。

 

「結子ォォォォォ!。お前という奴はぁ!。来い!。」

 

呆気にとられてるうちに父親にリビングまで連れ去られた。

 

「な……んで……これが……。」

 

テーブルの上にあったのは自分が化粧し、クラブのメンバーと一緒にいる写真が並べられていた。

両親は狂気を宿らせ結子に詰め寄った。

 

「塾に行かず何処に行ってたんだ!。お前はぁ!。」

 

「……私達の教育が悪かったのよ……。今からでも遅くないわ。通信制の高校に変えて、家でじっくり勉強させなきゃ……。大学も何処かの山奥へ……。」

 

「ハハハ……。」

 

渇いた笑みが思わず漏れた。

何が通信制、何が山奥の大学だ。

人を人形扱いするのもいい加減にしろ。

 

「なんだ、その髪の色は!。お前やっぱり遊んで……グギャア!」

 

父親が高速で後方に吹き飛んだ。

 

「あぁぁ……結子。魔が差したのね……普段の貴女ならこんなこと……。」

 

「うるせぇよ。ババア。勝手に人の道を決めるな。」

 

「バ、ババア……。息が……。」

 

窒息を起こし結子の母親は気絶した、父親も起きる気配はない。

 

「居るんでしょ?。随分と洒落た真似ね彩菜。」

 

「反抗期の子供がどんな行動を取るか、リアタイで見せてくれてありがとう結子。よく分かったね。」

 

「単純に、恵美がこんな行為するわけないからね。あなたの近頃のクラスでの振舞いと私への恨み、それを結びつければ答えは見える。伊達に学級委員長やってるわけじゃないのよ。」

 

「そう……なら話は早いね。私は結子と仲直りがしたいの!……。」

 

「彩菜……。今この場にいるのは私が勾玉の力で両親を殺さないかも心配できたんでしょ。友達が殺人を犯さないか。」

 

「うん。その時は止められるようにね……。」

 

「ありがとう彩菜……こんな自分勝手な私を心配してくれて。私も早く彩菜に謝りたかった!……。ごめんなさい、本当にごめんなさい!……彩菜!。」

 

泣きながら結子は彩菜を抱き締めた。

彩菜も拒むことなく抱き返し共に泣いた。

「明日、いや今日から友達復活ね。」

 

「結子ったら酷い顔!。あははは!。」

 

「なによ!。彩菜こそ!。ふふふ!。」

 

私がきたおかげか定かではないが、結子が炎妃龍ナナ・テスカトリの力を纏い親を殺すことはなかった。

それにしても2番手で古龍に当たるなんて……。

一瞬で周りの空気を燃焼させて窒息に追い込むって怖すぎでしょ。

……本当に戦わずしてすんで良かった。

恵美や美穂とも試練を通じて仲直りしたいな。

 





次の試練の相手は原作通りにするか否か
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