前後の確認よし。見たところ、誰もつけてきてなどはいないようだ。星あたりに気配を消されてしまえば、俺の平凡な感覚なんかではどう頑張ったって察知することなんてできっこない。けれども、今日は大丈夫だという謎の自信が存在している。
静かに、静かに。扉を、五本の指でゆっくりと押し開く。室内は真っ暗だ。ほんの僅かに明るさを感じられるのは、自然の恩恵。月明かりが、今日も地上を照らしてくれている。
ぱたん。扉を閉めたついでに、鍵をかける。どうしよう、妙に気持ちがそわそわしてしまっている。
こんな時間に、ひとりでいられることなんて滅多にないんだ。というか、俺がこんな暮らしをしてるって知ったら、及川は血の涙でも流してしまうのではないだろうか。
「さてっと……」
いそいそとズボンを下ろす。久しぶりの状況に興奮してしまっているのか、下半身はすでに張り詰めかけていた。我ながら、毎日毎日よくこれだけ枯れずにそういうことができていると思う。
寝台に座って、軽く深呼吸。こんなことをしてるってバレたら、愛紗なんかは悲しんでしまうのかもしれない。役目のために怒ることも多いけど、本当に素直で熱い思いを抱いてくれているいい子なんだ。
それでも、である。たまに、ほんのたまに、長年の
「はあっ……、ふうう……ッ」
ひとまず、物は試しとひと擦りしてみる。
やばい、気持ちいい。身体に馴染みきった力加減。感じるポイントを、自由に刺激することのできる解放感。やっぱり、お前ってやつは最高だよ。
誰かにしてもらうことが多すぎて、忘れてしまっていた感覚だ。脳細胞が、長く遠ざかっていた快感によって活性化していく。気持ちよすぎて、右手を止めることができそうになかった。
「ああっ、んっ、はあぁあっ……ッ」
妄想のオカズは内緒だ。少し記憶を掘り起こせば、生々しい感触がいくらでも蘇ってきた。こんな俺に尽くしてくれる女の子たち。期待に応えるためにも、もっともっと頑張らなくては。
この自家発電は、明日への活力だ。そう思うと、ペニスを往復する手にさらに力がこもってしまう。
粘ついた透明な汁。滑りの良くなった先端を、つい指でもてあそんでしまう。いい感じの刺激が走り、声がもれる。これも、ひとりならではの楽しみ方なのかもしれない。
「ふえ……? なにしてるの、ご主人様……?」
「はあっ……、へっ……、はっ……!?」
真後ろから聞こえてくる声は、明らかに自分のものではなかった。不意に、背中をぞくりとした甘い痺れが駆け抜けていく。それに従って、ペニスもびくんと震えている。
こんもりと膨らんだ布団。そこから、小さな顔がひょっこりとこちらを覗いている。くりっとした、大きな瞳。ぷにっとした愛らしいほっぺたが、添えた手によって潰されている。
「り、璃々ちゃん、いつからここにいたの……!?」
「え~、いつからかなあ? 璃々、ご主人様に遊んでもらいたくて、ずっとお部屋で待ってたんだ。でも、ご主人様、なかなか帰ってきてくれなくて。そしたら、いつの間にか寝ちゃってたみたい」
えへへっ、と璃々ちゃんは可愛らしく笑みを浮かべている。仮眠をとったおかげで、すっきりしているのだろう。そのせいで、俺の方は心臓がうるさいくらいにバクバクしてしまっているのだが。
しまった、と顔を手で覆う。さすがに、布団のなかまでは調べていなかったぞ。というか、そんな場所に誰か隠れているなんて、普通はありえないことだ。
璃々ちゃんに、オナニー中の情けない姿を見られてしまった。その事実が、俺の肩に重くのしかかっている。この状況を、こんな小さな子にどう説明しろっていうんだ。かといって、下手なことを教えてしまうと後が怖い。なにせ、璃々ちゃんの母親はあの紫苑なのだから。
「ねえねえご主人様、さっきからなにしてたのー? なんだか苦しそうなお声がしてたけど、どこか怪我しちゃったの?」
う……。璃々ちゃんの純真そのものな視線が辛い。どうかそのまま、布団のなかに潜っていてもらいたいものだ。ちょっとでも回り込まれてしまえば、俺が下半身を曝け出していることがバレてしまう。
「え、ええっと、これはねっ!? ん……、なんでもないから! ちょっと、ほら……、運動してただけなんだ! 最近政務ばっかりであんまり動けていなかったから、身体が鈍ってしまうといけないからね!」
「ほえー、そんなんだ! それじゃそれじゃ、璃々も一緒に運動してあげるね、ご主人様!」
「あ……、だめだってば……ッ」
部屋の中に、俺の声だけが虚しく響く。
瞬時に布団から飛び出した璃々ちゃん。その身のこなしだけは、さすがだと言っておこう。ただしそれを、こんなときに発揮してほしくはなかったよ……。
「ふえっ……!? ご主人様……、そこどうしちゃったの? ぱんぱんに腫れちゃってて、すっごく痛そう……」
ついに、見られてしまった。
璃々ちゃんの純真無垢な瞳。そこに、ドス黒い欲望で膨らんだ俺の分身が投影されている。
しかも、しかもだ。そんな状態にあるペニスを前にして、なにも知らない璃々ちゃんは心配さえしてくれているんだ。
これでは、本当に申し訳が立たない。たまらず、俺は顔を背けてしまった。
「よしよし、ご主人様」
「うあ……ッ、璃々ちゃん!?」
感じたのは、手のひらによる温かさだろうか。
ガチガチに張り詰めた部分が、優しくさすられている。驚いて、俺は素っ頓狂な声をあげてしまった。
「ンっ……!? さ、触ったらだめだってば、そんなとこ……」
「え~、どうして~? 璃々、痛いときはいつもお母さんにこうやってなでなでしてもらうんだよ。そしたら、だんだんへーきになっていくんだもん。だから、今日は璃々がご主人様にいい子いい子してあげるの」
にっこりと微笑む璃々ちゃん。その笑顔があまりにも真っ直ぐで、俺はやはり直視できそうにもなかった。
そうしている間にも、璃々ちゃんの紅葉のような手が、赤く腫れたペニスの先端を行き来していく。
こんなことで、気持ちよくなっていいはずがない。そうなってしまえば、璃々ちゃんの思いを汚すことになってしまいかねないんだ。だけど、俺の身体は馬鹿正直に反応を重ねてしまっていた。
「うわわっ!? ど、どうしよ、ご主人様ッ。ご主人様のここ、さっきより腫れてきちゃってる……!?」
璃々ちゃんに触れられて、ペニスは興奮しっぱなしになっている。じわじわとうるさくなっていく脈拍。こうなっては、素直に白状するほかないのかもしれない。
「す、ストップ……! やめてくれ、璃々ちゃん……! ほんとに、もういいんだ」
「あう……。ごめんなさい、ご主人様……。璃々が、お母さんみたいにうまくできなかったから……」
「違うんだ、璃々ちゃん。璃々ちゃんは、なんにも悪くない。悪いのは、全部俺の方なんだ。だから……」
暗く沈みかけている璃々ちゃんの手を取り、大きく頭を下げる。細い指には、俺の濁った欲望の一片が付着していた。
「ごめん、璃々ちゃん。俺のここがこんなになってしまっているのは、なにも痛いからとかそういうわけじゃないんだ。ただ、なんて説明すればいいのか……」
「痛くない……? それなのに、おっきくなっちゃうんだね、男の子のおちんちんって」
どくん!
璃々ちゃんの口から発せられた言葉に、心臓が跳ねた。勃起しているそこがなんであるかくらい、知っていてもおかしくはない。なのに、なんだこの妙な昂りは。
「う……、そうだね。男のここは、気持ちよくなったり、興奮することがあると大きくなってしまうんだ」
合点がいった。璃々ちゃんの表情は、そういう感じに変わっている。
紫苑には、このことをどう伝えればいいんだろうか。奔放な教育をしているように見えても、璃々ちゃんは大事なひとり娘なんだ。そう考えると、ちょっと胃が痛くなってしまう。
「ならなら、ご主人様は璃々になでなでされて気持ちよくなっちゃったってことなんだよね?」
「うん……、そうなるね。璃々ちゃんには、本当に申し訳なく思ってる」
「ええっ。ご主人様、どうしてごめんなさいしてるの? 璃々、それだったらちょっぴり嬉しいのに」
「う、嬉しいの、璃々ちゃん?」
俺がそう質問すると、璃々ちゃんは屈託のない笑顔を見せながら「うん」と頷いた。
どくん、とさっきとは別の意味で俺の心臓が跳ね上がる。
「ねえねえ、ご主人様」
隣に座り、身体を寄り添わせてくる璃々ちゃん。その姿は、なんとなく母親である紫苑にも重なって見えた。
「璃々、さっきのもっとしてみたいな。だめ、ご主人様……?」
や、やばいぞ、この感じは。
これで流されてしまったのでは、元の子もない。璃々ちゃんは、まだまだ小さいんだ。さすがに、そういうことを覚えるような年齢ではない。心を鬼にするんだ、俺。
「だ、だめだってば! こういうことは、その……ほんとに好きになった相手とだな……」
やがて、璃々ちゃんにもパートナーが見つかるときが来るんだろうか。そう思うと、胸の内が苦しくなる。これは、父親代わりとしての感情なのだろうか。
紫苑からは、母娘共々よろしく頼むとお願いされることもある。大抵の場合さらっと聞き流していることだったが、いまになってそのことを強く考えてしまう。
娘ではなく、ひとりの女性として。璃々ちゃんのことをそう見ている瞬間が、俺にはあったのかもしれない。
「……もん。……だ、もん」
「あっ……」
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
俺の言葉を聞いたせいなのか、楽しそうにしていた璃々ちゃんはすっかり俯いてしまっている。
また、胸が苦しくなってしまう。璃々ちゃんのこんな顔が見たくて、突き放したわけではないんだから。
「璃々、ご主人様のこと大好きだもん……。それに、お母さんだっていってたよ? おっきくなったら、ご主人様のお嫁さんにしてもらいなさいって。だから、ご主人様……」
璃々ちゃんの潤みかけた瞳。感情が、爆発しそうになっているのかもしれない。
俺は、どうしてあげるべきなんだろうか。
「だ、だけどそれは、紫苑のいっていたことで……」
瞬間、璃々ちゃんの小さな身体が飛び込んでくる。ありったけの思いが、俺にずっしりとのしかかっているようだった。
「お母さんにいわれなくっても、璃々はご主人様のお嫁さんになりたいよ。だめだっていわれても、絶対、ぜーったいなるもん!」
シャツが涙で濡れていく。こうまで求められているのに、なにもしてやらないことが正解なのか。
だいたい、鈴々を散々愛してきた俺が、いまさらなにを言い訳がましく考えているんだ。従うべきは、自分自身の率直な気持ちに決まっている。璃々ちゃんのことを、幸せにしてやりたい。浮かんだのは、そのことだけだった。
すっと迷いが消えていく。時折動く小さな頭を撫で付け、俺はゆっくりと語りかけた。
「ありがとう、璃々ちゃん。その気持ち、めちゃくちゃ嬉しいよ」
「……ッ。ほんと? ほんとにほんとなんだよね、ご主人様?」
「ああ、ほんとだ。大好きな璃々ちゃんに、嘘なんてつくもんか。約束だ。いつの日か、大きくなったら璃々ちゃんをお嫁さんにしてあげる。俺にできる精一杯で、幸せにしてみせる」
ほとんど、プロポーズに近いような文言だった。
小さい子になにをいっているんだと思われようが関係ない。俺の一言一言を、璃々ちゃんはとても真剣に受け止めてくれていたのだから。
「えへへっ、ご主人様」
「おっと」
ぽすん、と抱きついてくる璃々ちゃん。一旦意識しだしてしまうと、止まらない。とびっきりに、甘い香り。それが、鼻孔を柔らかにくすぐっている。
「璃々、さっきの続きがしたいな。いいでしょ、ご主人様?」
「俺も、おんなじ気持ちだ。大好きな璃々ちゃんに、俺のことを全部知ってもらいたいから」
見つめ合うのは、まだ恥ずかしいのかもしれない。
小さな身体を抱えあげ、足元に降ろしてやった。可愛らしい吐息が肌に触れ、否が応でも興奮してしまう。
「ん……ッ。怖くないか、璃々ちゃん」
「へーきだよ、ご主人様のだもん。ねっ、璃々……どうすればいいの?」
「手で、握ってみてくれるか。ちょっとやそっとじゃ痛くならないから、ぎゅってしてもいいからさ」
「ふわあ、あついよ……。ご主人様のおちんちんで、璃々のおてて火傷しちゃいそう……」
体温の高い手のひらに、ペニスがそっと包まれていく。背徳的にもほどがある光景に、戦場に出るときのように全身が震えた。
「よし、それでいいよ。そうしたら、上下にゆっくり動かしてみるんだ。慣れてくるまでは、慌てなくてもいいから」
「はい、ご主人様……。んしょ……、んしょ……っ。んっ、こうしてるとすっごく、璃々までどきどきしてくるよぉ……」
「ははっ。俺なんて、さっきから心臓が飛び出してしまうんじゃないかってくらい、どきどきしてしまってるよ」
「えへっ、そうなんだあ。ご主人様も、璃々とおんなじだね」
淫靡な行為をしている最中であっても、璃々ちゃんの無垢な笑顔は少しも変わらなかった。そのことが、逆に興奮を煽り立てていく。
はだけた衣服からのぞく、肌色の部分。膝をついて俺に奉仕をしているせいで、下着に包まれた小ぶりなお尻が丸見えだ。飾り気のない生地。色気はないが、むしろそれが行為との対比で俺を狂わせていく。
普段であれば注意をするべきなのだろうが、ここではそんなことは関係ない。璃々ちゃんの幼い魅力に、なにもかもを委ねてしまえばいいんだ。溢れ出す我慢汁が、にちゃにちゃと音を立て始めていた。
「んっ、んんっ……。ご主人様、これなあに? ぬるぬるしてて、ちょっと変なニオイもする……。もしかして、おしっこしちゃったの?」
「まさか、さすがにそれはないって。気持ちよくなるとね、男は先っちょから透明なお汁がでてくるものなんだよ。滑りがよくなるから、手にしっかりつけてみるといいよ」
「えー、そうなんだあ? 不思議なことがたくさんあるんだね、ご主人様のからだって」
亀頭の先に浮いた分泌液を指ですくい、璃々ちゃんは手のひらになすりつけていく。その感触が面白かったのだろうか。もっとほしいとおねだりするように、璃々ちゃんは幹の部分を扱き上げていった。
「ああっ、上手にできてるよ……ッ。先のくびれてるところも、指でしっかり擦ってもらえると嬉しいな」
「んー、ここかな? へへっ、なんだか楽しくなってきたかも。おちんちんの先、ぷにぷにしてて触ってると気持ちいいね」
小さな指が輪っかを作り、雁首の部分をくりくりと責め立ててくる。天にも昇る心地というのは、このことをいうのかもしれない。さすがにあどけない手付きだったが、ポイントはしっかりと抑えてきているんだ。そのあたりは、紫苑の血がなせる技なのだろうか。
「わっ、ぴくんって震えてるね。ご主人様、気持ちいいの?」
「うん、最高だよ。璃々ちゃんのお手々、すっごく気持ちいい……ッ」
寝台のうえに転がったままの布団を、両手でつかんで射精感を堪えていた。
ふと思いつき、右足を璃々ちゃんの股の間に滑り込ませた。足先を浮かせ、指で布上から幼いワレメを刺激していく。ちょっぴり濡れている気がするのは、俺の思い違いなのだろうか。
「ひゃっ……!? どうしたの、ご主人様……!?」
「気にしないで、璃々ちゃんはそのまま続けてくれればいい」
感じているのかどうかは、わからない。それでも、痛いということはなさそうだった。
ワレメへの刺激によって、ペニスへの奉仕にも緩急がついていく。単調になりかけていたところだったから、ずっと快感が増していく。微妙な変化を見せる璃々ちゃんの表情も、可愛らしかった。
「やっ、んんっ……。璃々、なんだか変な気分なのかも……?」
「気持ち悪くはない、璃々ちゃん? 嫌だったら、すぐにやめるから」
「ううん、そーじゃないの、ご主人様。んっ……。これ、知らない……。璃々……、こんなの、知らないから……ッ」
親指を使い、僅かにワレメを開いてみる。すると、ペニスを握り込む力が、ぐっと強くなっていった。
多少は、愛撫によって感じてくれているだろう。いまは、その感覚がなにかわからなくたっていい。いつか、繋がることのできるその日まで、徐々に身体を慣らしていけばいいのだから。
「璃々ちゃん、手が止まってしまってるよ。ほら、もう少し頑張ってみよっか」
「うん、璃々がんばる。ご主人様に、たくさん気持ちよくなってもらいたいから……ッ」
射精しようと思えば、いつでもできる状態ではあった。でも、もう少し変わっていく璃々ちゃんの様子を見ていたい。
熱い吐息が、亀頭の先にかかっている。いつの間にか、随分と距離が近くなってしまっていた。伝わる匂いだって、強くなっているはずだ。それでも顔を離そうとしないのだから、つまりはそういうことなんだろう。
「すごいよお、ご主人様のおちんちん……。かちんこちんになって、お汁も止まらないの……」
「璃々ちゃんのお手々で、感じてる証拠だよ……ッ。はあっ、強くしてもらってもいいかい……?」
「よいしょっ、よいしょ……ッ。どうかな、ご主人様……?」
「ああ、いい感じだ。もうそろそろ、精液出すからね……ッ」
「ふえっ……? せーえき? せーえきって、なんだろ?」
璃々ちゃんの頭の上に、ハテナがたくさん浮かんでいるような気がした。精液がなんなのか、事細かに説明するような余裕が、俺にはなくなってきている。
ただ、璃々ちゃんの手で絶頂を向かえたい。脳内が、そのことだけに塗り替えられていくようだった。
「はあっ、璃々ちゃん……、璃々……ッ」
「ご主人様、んん……ッ!?」
加減も忘れて、璃々ちゃんのワレメを擦っていく。
尿道にみっちりと詰まった精液。それが、ペニスをぎゅっと握られたことによって一気に爆発する。
「んんっ……、ひゃわ……っ」
「ああ……ッ、璃々……ッ! でる、イクよ……ッ!」
びゅるるるるるっ!!!!!
真っ赤に膨らんだ亀頭の先から、どろどろに濁った液体が射出されていく。至近距離にあったのは、なにも知らない璃々ちゃんの顔だ。白い頬をさらに白く染め上げ、強烈な匂いでマーキングしていった。
「やあっ、なにこれ……ッ!? あつい、あついよ、ご主人様……!」
「ごめん、受け止めて……ッ。これが、男が一番気持ちよくなったってことだから……!」
いきなりの射精に驚いて身体を引いたときに、璃々ちゃんの手は離されてしまっている。まだまだ、こんなもんじゃない。
俺は自分の手でペニスを扱き上げて、残った精液を放出していった。小さな鼻や口。その全てが、汚濁した汁で塗り飾られていった。
「はあっ、ううっ……はあ……ッ」
「ふええ……。もうおしまいなの、ご主人様……?」
璃々ちゃんの声が、震えている。
最後の最後で、やりすぎてしまったようだ。とてつもない解放感だったけど、反省すべき点が多く残ってしまった。
「これ、なんなの……? 璃々のお顔、べとべとだよお……」
「悪い、すぐに拭いてあげるから。でも、可愛かったよ、璃々ちゃん」
「んー、そうなの? けほっ、ちょっとお口に入っちゃったあ……!? あむっ、にがいよお……」
白いコーティングの隙間から、赤い舌がちろりと姿を見せた。やばい、可愛すぎる。この光景だけで、何回か射精できてしまいそうだ。
「ははっ。飲み込んでも平気なものではあるけど、美味しくはないかもね。動くと危ないから、そのままで待ってて」
目も開けられないくらいに、璃々ちゃんの顔には俺の精液がぶっかけられてしまっている。
困惑するところを少し見ていたい気持ちもあったが、それはそれだ。部屋に備え付けてある棚を漁り、俺はきれいな布を取り出した。
「むー、ほんとにびっくりしたんだからあ。ご主人様、めっ……だよ?」
「うっ……、ごめんなさい。いまはすっごく、反省しています……」
ぴっと指を一本立てて、璃々ちゃんは叱り口調で俺に諭しているところだ。
なんだかんだいって、俺もこの子には逆らえない。きっと、こんな関係は大きくなっても続いていくんだと思う。そんなことを想像して、俺は小さく笑ってしまった。
「こらっ、ご主人様。にやにやしてちゃだめでしょ……!」
「は、はいっ! 璃々ちゃん、本当に申し訳ありませんでした!」
「はい、よろしい。罰として、ご主人様は璃々と一緒に寝ること。いいですね?」
璃々先生は、上機嫌に胸をそらす。どうやら、今夜のことはそれで水に流してくれるらしい。
俺は勢いよくうなずくと、璃々ちゃんを抱いて寝台で横になった。心地の良い温かさに、胸がいっぱいになる。
「えへへー、ご主人様ー」
「うん、璃々ちゃん」
ちゅ、っと軽くほっぺに口付ける。
唇でする本当のキスは、次の機会の楽しみにとっておくつもりだ。
「璃々のことお嫁さんにするって約束、忘れたらだめだからね……?」
「ああ、忘れるもんか。そうだ、指切りしよっか」
小指同士が絡み合う。これはきっと、永遠の誓いだ。
璃々ちゃんが、幸せそうに笑っている。この先、この笑顔を何度もすぐそばで見られますように。そう願って、俺は小指に力を込めた。