さて、クラス対抗戦だったかなんだかが始まった。クラス代表となる生徒がISに乗って、そして相手を負かしていくトーナメント戦である。
当然、私は参戦していないのでセシリアと共に観戦していくこととなった。
「凰さんのIS……赤いね、いや……赤紫?」
「それに近い色ですわね。武装は…あの大きなブレードでしょうか?」
正に中国にありそうだと言わんばかりに、凰鈴音の持っているブレードは特徴的な形をしていた。
しかし、それよりも気になるのが、両肩の少し上にある大きなパーツである。あれは一体なんだろうか?
それが気になっていた私だったが、しかし試合は簡単に始まってしまう。
「攻めるねぇ、織斑君」
「一夏さん、箒さんに教えいただいているのか私と対峙した時よりは上手くなりましたわね」
「そうだね」
成長が早いのは言わずもがな、セシリアと対峙した時は最初にまだ白式は完全に覚醒していなかったことが大きく影響していると考えられる。まぁ、それに負けかけたセシリアが何故上から目線なのかはよく分からないが。
「あー…でも押されてるね」
「相手の彼女も一応は代表候補生ですもの……私と同じように自信があるのでしょう」
対戦相手が、我が学校にある量産型IS『打鉄』ならば織斑一夏でも容易に勝てただろうに、相手は専用機持ち……まぁ彼は天才ですし?勝てるんじゃないですかね。
と、少し彼に対して嫉妬心を抱きつつも試合を眺めていたその時、突然織斑一夏が吹っ飛んだのだ。
「え、何今の攻撃?」
「……見えない弾?あの大きなパーツから発射されたように思いましたが……」
見えない弾、空気弾…それもかなり圧縮されたものをぶつけられたのだろうか?しまった、先生達が近くにいる時にこの試合を見ていればどんなISか説明が聞けたかもしれないのに。
「…しかも、あれ死角なしだよね?」
「恐らく、そうですわね。全方位に射角を向けられるために、死角のない上に見えない弾を発射できるパーツ…ですわね」
セシリアと、武装の解釈を話し合う。考えれば考える程に、恐ろしい武装と言えるだろう。弾着したタイミングと、その時の距離を正確に計測すれば、あの武器の弾速が分かるかもしれないが……初見ならば、全く対応が出来ない恐ろしい兵器と化すだろう。
余程戦闘慣れしている人物でない限り、あれを避けるのは至難の業と思える。
「……これは、一夏さんには少々きつい戦いになりそうですわね」
「そうだね……というか、セシリアは凰さんに勝てる自信はあるの?」
「そうですわね……もちろん勝ちますわ、と言いたいところですけど…圧勝は確実に無理ですわね。勝ち負けは決まるでしょうが……お互い無事では無いのが、目に見えますわ」
流石遠距離武器中心の武装ISを使っているだけはある、と私は感心していた。既にあの武器の射程や弾速などを見破っているのかもしれない。
「……さて、織斑君はどう切り抜けるのかな」
「貴方はどうしますの?」
「え?私?」
「えぇ、授業を見てる限りでも五十冬さんの技術はかなり高い方だと思いますわ。
五十冬さんなら、あれをどう切り抜けたいと思います?」
唐突に話題を振られたが、残念私はあれを未だに理解出来ていないのだ。打鉄は動かすことは出来るし、ISを動かせるのも今のセシリアの客観的に見れていない状態から、まともな意見が言えてるとは思えない……私そんなに打鉄動かすの得意ではないんだけどな。
「まぁ、実際に戦ってみないとわからないよ。こうやって見てる分には冷静に考えられるけどさ、エネルギー配分とかを見ながらの作業になるだろうし……」
「ふむ……それもそうですわね」
「……お?織斑君何かしようとしてる?」
試合を見続けていたその時、織斑一夏の挙動が変わった。いや、避け続けているのは変わらないのだが、しかし何かを狙っているような動きをしていた。
「もしかして、何かしらの方法で奇襲を狙っているのかもしれませんわね」
「奇襲……確かに、それさえ出来れば凰さん相手でも逆転出来るかもしれないね」
どうやってするのかは不明だが、しかし流石に闇雲に攻撃を仕掛け用としないあたりまだ温情だろう……と、戦いを見守っていた私達。しかし、その最中に━━━
「何っ!?」
「外からの、攻撃…!?」
アリーナの外側…つまりはアリーナの防壁を突破した何かからの攻撃がアリーナに直撃していた。本来、ありえない事なのだが……機密情報丸々詰まったこのIS学園に、IS学園の防御力を突破して、そして誰にも悟られず攻撃を仕掛けた人物がいるようだ。
『試合中止!』
織斑千冬の声がアリーナに響く。どうやら、彼らの戦いは一旦中止ということになるようだ……というか、シャッターが閉まったせいで外が見れなくなってしまった。
「……あれ?セシリア?」
いつの間にかセシリアがいなくなっていた。どうやら、攻撃された瞬間から既に動き始めていたようだ。中々素早い……さすが代表候補生という所か。
「……あー、でも私ついて行けばよかったかも」
アリーナは既にシャッターが閉まって外を覗くことができなくなり、避難しようとする生徒達は出入口で固まっていた。
皆、一斉に出ようとして詰まっているのではない…そもそも出られないのだ。扉までもが開かなくなっており、生徒全員外の状況がわからないままここで過ごさなければならなくなってしまった。
私の近くの出口から生徒が固まって出られなくなっているが、下手をすれば他の出口全てが使えなくなっているだろう。
「……にしても、さっきの攻撃は…」
IS学園に攻撃を仕掛けるとすれば、それは亡国機業だ。しかし、今このタイミングで仕掛ける意味がわからない。少なくとも、わざわざ生徒全員が残っている本校を襲うよりも、教師や生徒がほとんど残っていないような時を狙うべきではないのだろうか?
「仮に、ウチじゃないとしたら……」
セシリアが何か情報を掴んでいるだろうか?ちょっと電話を使おう……携帯はあった時に何かと便利である。文明の力は素晴らしい。
『五十冬さん!?どうしたんですの!?』
「せ、セシリア!!アリーナの出入口が閉まってて…出られなくなってて……何が起こってるの!?」
私は声色と表情を変えて焦っている様子を出していた。こうしておかないと、声に迫真さが出ない時がある気がする。
『…はい、はい……申し訳ありません五十冬さん、今何が起こっているかは……通信越しだと、皆さんの不安を煽るかもしれません…織斑先生がそう判断しましたわ』
「そ、そうなの…?ね、ねぇ私たち出られるんだよね…?」
『勿論ですわ!では、切りますわね』
そう言って、通話が切れる。ふむ、織斑千冬が駄目だと言ったのならしょうがない。仕方がないから盗聴させてもらうとしよう。セシリアは警戒していなかったから、簡単に盗聴器を付けることが出来ているのだ。
まぁ、使うことはあまりないのだが……因みに洗濯機に間違えて入れても絶対に壊れない仕様の亡国機業製である。
『━━━ますわ!』
っと、いきなりセシリアの声が入ってきた。ちょっと音量下げようか、耳痛くなっちゃった。
『侵入者は、織斑達に任せるぞ』
どうやら侵入者らしい。いや知っているが……そして、それを外で対戦していた2人が倒そうとしているようだ。
しかし、肝心の機体の話題を出して欲しいところである。しかし、聞いている限り向こうもシャッターが閉められていて、解除できない状態となっているようだ。
「……IS学園にハッキングできて、誰にも気付かれずに機体を接近させて、登録されていないコアを使うことが出来る組織…?」
全て盗聴から得た情報だが、どれもこれも入ってきた機体の正体に近づくことは難しいようだった。
しかし、ISのコアは全て登録されているはずである。467だか468だったかは忘れしまったが、それほどの数は全て登録されている。
つまり、登録されていないというのは……
「篠ノ之束…?いやいや、IS学園にあんなのを送り込む意味が……」
と、思ったが…天才的で、悪魔的で、気分的で……そんな女だったという話を私は聞いている。織斑千冬だけが唯一共に居られる認めた者であり、自信の妹である篠ノ之箒と織斑千冬の弟である織斑一夏…その3名にのみ篠ノ之束は話にいくのだ。
「……意味なんてない、ただやりたいようにやる…か……」
仮にあれが篠ノ之束のものだとすれば、IS学園をハッキングできたのも納得が行く。あの女ならば可能なことだからだ。
しかし、流石に織斑千冬に嫌われるようなことをただするとは思えない……自分が認めた者を、切り捨てるような真似は……
「……ただまぁ、どちらにしても…私から手出しは出来ないんだよねぇ…」
ここでISは展開出来ないし、一応学園で使っているのは打鉄なのだ。使えるとしても、ここで使うのは少々リスクが高い。
閉じ込められた以上、私はここで立ち往生である。
結果として、侵入者は撃退された。織斑一夏の機転と、凰鈴音の援護と、セシリア・オルコットの一撃が解決したのだという。凄いね。
そして、今私は織斑一夏の病室に来ている。見舞い……というのはもちろん名目であり、現実に戦った感想を聞きたかったのだ。まぁ勿論、傍にセシリアが居ないと駄目のだが。
だって二人っきりの時に聞いたら、凰鈴音が絶対邪魔しに来るし。
「……無人機?」
「あぁ、少なくとも…戦ってる時はそう思ったよ」
「ISの、無人機……」
本来は有り得ないのだが、侵入者はISに乗ったロボットだったらしい。まぁ機械的という本人の主観的なものから来るらしいから、あまり信用はできない……本来は、だが。
「でも、有り得るのかな?」
「そもそも男が乗ってんだぜ?無人機の方がまだ可能性があるだろ」
織斑一夏の言いたいこともわからないではない。ISに乗り込んでいるのではなく、ISの機能をつけたロボットのようなものだと認識した方が早い。女しか起動できないと言われているISを、男が動かしているという話よりは余程信憑性がある。
「あれは、何のために来たんだろうな」
「……さぁ…?」
その答えは送り込んだ犯人しか分からないだろう。恐らく、織斑千冬は送ってきた犯人がわかっているはずだ。だが、織斑一夏と篠ノ之箒…それとその他の者達には犯人はわからないだろう。
ISを生み出した張本人たる篠ノ之束が、IS学園を新しく作りだしたコアで作りあげた……と言うのは意味不明な話なのだから。ゴシップ誌でももう少しまともな話を書くだろうと、一蹴されそうだ。
「まぁ、今日はもう休んでおいてね?」
「あぁ、わざわざありがとうな」
「どういたしまして」
私は笑顔で、織斑一夏から離れる。にしてもセシリアは結局黙ったままだったが…あまりにも喋らないせいでいない者として扱われていのだが。
「セシリア、どう思う?」
「どう思うも何も……五十冬さんや一夏さんと同じような考えですわ」
「つまり?」
「ありえない、けれど有りえてしまう……無人機と言うしかないのです、あれは」
つまり、セシリアのお墨付きがでたという事だ。だか、どうしたという話なのだが。
「まぁ、私達が考えても仕方ないか…部屋に戻ろう?」
「……そうですわね」
私達は、一緒に部屋に戻る。あの無人機の存在も気にはなるが……どうせ織斑千冬が守っているから、見れないも同然だろう。そう私は諦める事にしたのであった。
Sには報告だけしておこう。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい