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とてもとても急な話だけども……何かを潰す感覚、というのは慣れていない限りなかなか忘れられるものでは無い。いや、何かを潰すに限らず……なれない感覚って言うのはあんまり忘れられるものじゃない。
実際、私は未だに初めて人殺しした時の感覚を覚えてる。けど、2人目は1人目よりも印象に残ってないし、3人目ともなるとさらにない。そして最後に行った殺人は最早何も印象に残っていない。一般人で言うところの、蚊を潰した程度にしかなっていないのだ。
「貴様ら……一体どこから入って……!」
「はーい、残念ながら死んでもらいマース」
「侵入ッ━━━」
通信機器で、私たちのことを知らせようとしたけどそれよりも早くこんがり美味しく焼き上げてやったよ。やっぱり、ISに対して生身の人間の相手は一方的すぎる気がするなぁ。ま、男でISが使えない世界に生まれてしまったのが運の尽きって所かな。
「貴様ら! 何が目的だ!!」
「んー? なんだと思う?」
「喋らないのなら……斬る!!」
私目掛けて特攻するIS。パッと見は見え見えの斬撃だが……と思った矢先、腕のアーマー部分から隠し腕とそれに握られた剣が姿を現す。上からの切り込みが本命と思わせておいて、左右に逃げようとした瞬間左右の刃で切り裂かれる仕組み……という事か。
「なら後ろに逃げれば良いだけ━━━」
「だと思っているなら大間違いだ!!」
……とまぁ、簡単にはいかない。剣の刃が変形し……というか2分割され、幅は短くなったものの長さは倍になった。相手を斬るということに関しては、幅なんて全く必要ないのだがらこの初見殺しの武器は思ってた以上に効くことだろう。
実際、生身の人間なら……耐えられずに死んでいる。ISだからこそ許されている武装……と言っても過言ではないだろう。まぁ、それ以前に……
「避ける必要なんて、全くないんだけどね」
「えっ……」
結構喧しく戦っていたのだが……不意にカチッという音が響く。そこまで大きい音でもないはずなのだが、それが目立って聞こえるほどに、このタイミングで鳴るのは……色んな意味で気が緩んでしまうだろう。
因みに、この音が鳴った瞬間私と戦っていたIS……なんか騎士っぽい人は爆発して真っ黒焦げ……にはならずにIS大破と自身の大怪我で済んでいた。火傷してないようでよかったね。
「んー、レインから奪ったIS……結構色々武装あるねぇ」
彼女のIS、炎を巧みに使うそれの武装は思ってたより沢山あった。性格上使わなかっただけなのが多かったのかもしれない。因みに、いまさっき使ったのは『直線上にISが通った場合火柱が出てくる』武装である。要するに地雷だ。
「さて……行こうか」
そう言って、私は奥へと進んでいく。たどり着いたこの場所、そこから更に進んで……まずは第1歩を踏みしめるための準備を終わらせるために。
「……まず狙うべきは、ここ」
今から数日前の話。簪ちゃんと私でとある話し合いをしていた。その内容は『3人でも世界を掌握できる方法』である。
大雑把に言っているが、要するにまずはどこを攻め落とすのが正しいのか……そこさえきちんとしていれば、私たちでもある程度は戦えるのだ。
「……え、どこ……?」
「……あの王女様の、故郷」
簪ちゃんが気を利かせてくれたのか、国名ではなくアイリスとかいうあの王女様の名前を出してわざわざ教えてくれた。確か、ISの製造に必要な素材が取れるとかなんとかって聞いた覚えがある。
「……それで? なんでそこを抑えようと思ったの?」
「簡単、資源が取れる国は優先して狙うべきっていうだけ」
……まぁ、資源が取れる国を狙うというのは二重に私たちにメリットが出てくるためだ。ひとつは自分達で資源の独占が可能ということ。もうひとつは資源の独占を行うことで、他の国が利益を得られないという点で2つ私たちにメリットがあるということになる。
「……でもさ、仮に狙うとして……どこ狙うの? そして、いつ?」
「……日付は好きにしていい、ただし時間帯は決めさせて欲しい……」
「時間帯……?」
「これは……初歩の初歩……将を射んとすればまず馬を射よなんて言葉があるけど……そうやってゆっくりしてる時間もタイミングも、今の私たちにはない」
「だから……簪ちゃんが決めた時間帯に行こうってこと?」
「そういうこと」
要するに、手っ取り早く国を1つ乗っ取った方が早いということである。確かに、言われてみればたしかにその通りである。しかし、そう簡単にうまい事行くなら、誰も苦労はしないのもまた正論である。
「……まさかと思うけど、夜に侵入するなんてことないよね……?」
「その通り、正解」
本当にそれで大丈夫なのかと思ったが、現状作戦を1番上手く立てられるのは簪ちゃんただ1人である。1人でほとんどのことを任せちゃってることもあり、私たちは簪ちゃんに上手い具合に逆らえないのだ。単純に足向けて寝れないだとかの話になってくるのだが。
「……なんで夜?」
「……夜は、人間だけがかなり気が抜ける時間帯」
「むしろ警戒する時間では? 特に王族ともなれば……」
「そう、警戒はする……形だけは」
そう言われて暫し考え込む私。よくよく考えて、今現在世界では戦争は起こっていない。いや、秒読みな気もしないでもないが……少なくとも王族などは警備を厳重にしていたとしても、それを本気で行っている人は少ない……ということだろうか。まぁ、こういう時侵入するのはテロリストくらいなものだし。
「それに……狙うメリットが少ないところであれば少ないほど、警戒心も薄くなる」
「まぁ、それは確かに……」
極端な話、宝石店が強盗を警戒するために警備を雇うのは理解できることだが、一般家庭が強盗を警戒するために同じことをするのか? という話である。それに、『自分たちのところは大丈夫』という無意識の楽観的なところもあるだろうし。
そもそも、ISの素材が取れる場所を狙ったところで全く意味が無い。だって、世界で作れる人物がいないんだもの。
極論、私がこのまま言ったところでなんら問題ないわけだ。『篠ノ之束だよぉ』的な感じで。
「それでも……警備が居ないわけじゃないと思うから……少しだけ念を入れる」
「少しだけ?」
「……世の中には、ISより性能が劣っているものがISより使える時もあるってこと」
「ふぅん……で、何使うの?」
「ドローン」
確かにISよりマシかもしれないが、見つかったら終わりな上に遠隔操作するんだから結構きついのでは? と思わなくもない。
しかし、確かにドローンを飛ばすというのは間違いではないと思う。ISだと少なくとも人間より大きなサイズになっちゃうわけだし、場合によっては本当にバレかねないわけだし。
「……それで、侵入したところでどうするの? 今更な質問なわけだけどさ。コアの原料がある国を支配したところで、技術力が無かったら全く意味が無い訳だけど?」
「……確かに、この国はIS関係の技術力は他の国と大差ない」
「それがわかってるなら尚更気になる」
「……けど、王族専用のISがあるわけでしょ?」
「……あー、なるほど? 実にシンプル」
王族専用IS。アイリス等も、なんだったらあの騎士も使っていたが……どちらも第四世代だった。全員分作っていたのかどうかは不明だが、基準値がそこになっているのは間違いがないだろう。
「それに……王族の女性ってだけで値段が付けられるだろうし」
「正直そっちがメインと言ってもいい気がするけどね……」
「……どっちにしろ、私達が戦うためにはそれくらいしないといけないんだから」
簪の言うことも最もである。つまりは……私は賛成ということになる。そして、心配になるくらいに私に盲目的なマライヤも私が賛成となったら賛成になるだろう。
「……んじゃま、やってみますか」
「……あとでまた、細かい作戦の方は伝えるから」
「というわけで、ここまで進んでこられたわけ」
「……まさか、ここまで大胆に攻めておきながら……私たちのところまで侵入してくるなんて」
「戦えるのは王族、幾ら兄弟姉妹な王族と言ってもその中の女性しか戦えないんなら意味が無いよね」
進みながら私の邪魔をする人たちをなぎ倒していきながら、私はついに玉座まで辿り着いた。パットだけ見たら私が勇者で向こうが魔王みたいな立ち位置になるだろうけど……実際逆なんだよねぇ。
「……なぜ、この国を襲ったのですか」
突然の質問、こちらがいきなり発砲して殺すことも有り得るだろうに、随分と勇気のあるお姫様なことで……その勇気に免じて少しだけお話してあげよう。
「んー、私たちが世界と戦うため?」
嘘でもない。でも普通そんなこと言っても誰も信じないだろう。過程で1つの国を責め落とすなんて。
「何故世界を敵に回すのですか」
「私自身がそうしたいと思ったから」
これも嘘じゃない、私自身とても嘘っぽいと思いながら言ってるけど。
「貴方の破滅願望に……世界を巻き込まないで欲しかった」
「破滅願望なんてないよ」
私の言葉に相手は目を見開く。当たり前、破滅願望以外に世界を敵に回すようなやつなんてそうそういない。
「……では何故?」
「一線を超えたやつが、許されようとして戻ることなんて……普通やっちゃあダメなんだよ」
「何を……」
「だから私は……死ぬまで一線を超え続ける。償いなんてクソ喰らえ、今までの事をやり続ける……その先に何が待っていても……私は止まらない辞める気もない」
「っ……!」
私の口角が、どうにも上がっているような感覚だ。多分、笑みを浮かべているんだろうけど……随分と私も吹っ切れたというか……黒くなったというか……おかしくなったというか……
「ま……そんなどうでもいいことはいいの。とりあえずさぁ……姉妹全員でかかってきなよ……第4世代数機同時に相手するなんて、なかなかないからさ」
私はわざと挑発する。第4世代を全員この場に集めて……全員まとめてカリオストロの餌にするために。そして、相手も相手で乗らなければならない。
じゃないと私が止められないって……わかっているんだから
※2020/02/01
タイトル完全に間違えてました、今更直してます。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい