久々の投稿です。今回だけ二話連続です、以降やるかはわかんないです。
side一夏
「……セシリアが、学園に攻撃をし始めた!?」
「…どういうことじゃ」
真っ直ぐに突き進んでいく最中、不意に学園から通信が入る。作戦中、何かあった場合や作戦変更の際は連絡するとは聞いていたけど…その内容に俺たちは驚いていた。
「そもそも……なぜセシリアはこちらへの援護攻撃を辞めた?」
「……分からない、セシリアに何かあったとしか…」
けれど、必ず止めると言っていたセシリアが急に裏切る…そんなことあるのか?確かに、鬼村に対してセシリアは妙に責任感を感じていたようにも思えるが……
「……今から戻るつもりかの?」
アリスの一言が胸に刺さる。既に俺たちはIS学園からかなりの距離を離れている。逆に言えば、それだけ対象に近づいているということだ。
それなのに、ここから大急ぎで戻った場合でも時間は経過してしまう。
「……だけど…!」
「分かっておる、じゃから…」
「私が戻ろう」
「頼むぞ、ジブリル」
アリスとジブリルさんの間で簡素に交わされる会話。それだけで俺は察してしまう。ジブリルさんがIS学園に戻るつもりなのだと。
「一夏、ジブリルの強さは分かっておろう?」
「……分かってる…なら……」
「あぁ……彼女が何を考えているか…問いただしてきてやる」
軽く頷いてから、ジブリルさんだけが踵を返してIS学園に戻っていく。そして俺たちは反対に、さらに進んでいく。
セシリア……一体お前のみに何があったんだ……無事で、居てくれよ。
.
.
side■■■■■
「……攻撃が止んだの?」
「ん、そんなとこ……」
「やけに静かだと思ったら…」
簪の所に戻って、私は状況の報告をする。そして、マライア共連絡が取れないことを報告していく。これは…死んだか、捕まったか…どちらにせよ戦力は1人減ったのは確実。
「……2人で、やる気?」
「……それどころか、簪ちゃん1人に任せちゃうかも」
「……何、どういうこと」
「……カリオストロ、まともに動かない。幸いこの体の脳みその容量のデカさと…今の私のほとんど幽霊みたいな状態が噛み合ってるおかげで、武装は使えないこともないけど…」
「……今までみたいな動きはできない、ってこと」
「……正解」
表情を変えずに私をじっと見る簪。まじでいつもと対応変わらないから怖すぎるんだけど…?なにかされてもこの体だとダメージすら受けるか分からないけど。
「……多分、IS学園にいる」
「……まぁそうだろうなぁと思ってたけど、なんで?」
「あっちには、あなたの身体があるからじゃない?あなたの本来の体…そして、武装を移したサクリファイス」
「……?」
イマイチ理屈が理解できない。今のこの体の方がスペックは高い。それに、なぜ私の体を取りに行くという判断になるのかが分からない。スペックを使いこなせる云々の話をすれば分からなくもないが……
「……理由は、彼…カリオストロって男…?」
「いやどっちかなんて知らんけど…?」
「……まあいい、カリオストロが狙うのはカリオストロ自身しか分からない。それだけ異質な進化を遂げてしまってるから…ただ、一つだけ言えることがある」
私の目を見て、真剣な表情へと移り変わる簪。どんな感情を持って私を見ているのか、計り知れない。
「……何?」
「ISという存在が既にブラックボックスみたいなものなのに…そこから更に進化したカリオストロ。その行動、進化の仕方…完全に化学を超えてオカルトの道に足を入れてる」
「……まぁ、確かに」
京都での暴走、そして私という存在、そして今現在。数々の事があったけど…どれも通常のISでは起こらないものばかりだった。当然、そもそも人の脳とISを繋ぐっていう人権ガン無視ISだったから変な進化の仕方をするのも当然と言えるけど。
「だから……あなたが元の体に戻った時、今の化学では証明できないことが起こる…と思う」
「……証明出来ないこと、か」
「そもそも…貴方の肉体に別の人格が出てきたのもおかしな話」
「あー、それは確かに…」
それ考えるとオカルトばっかりだな私の周り!というかカリオストロが原因か。度を超えた化学はファンタジーと遜色が付かない…みたいなことはよく言われてる気がするけど…実体験するとはね。
「………化学で証明出来ないと言えば…ふと思ったけど」
「え、何?」
「篠ノ乃束の脳みそで、ISコアを調べたりは…出来ないの?」
「あー、無理無理。頭脳を生かすことはできるけど多分発想が常人の枠での天才までしかいかないから」
篠ノ之束は天才だ、しかも人知を超えたと言った方がいい。そういう天才は、基本的に普通の人間の発想からは出ないようなことばかり思いつく。
あくまで体と脳みそがそうってだけで……発想力だけで言えば常人の域程度なら、ISコアがどうなってるかなんて調べようがない。
それに、設備もおそらく足りない。時間もないし…やる暇なんて存在しないしない。
「……まぁ、遠距離からの攻撃が止んでるのなら何とかなるでしょう」
「それでも、相手はこっちに来るかもしれない」
「戦えそうなのは…せいぜい王女と侍女、織斑一夏…の3人かな」
「……その内2人以上は必ずこっちに来る」
私も同じ考えである。だからこそ、どうやって戦うか考えておかないと……いや、そもそも第4世代と今の白式相手には勝てる気がしないけどね。
武装が強いだけで、スペックがダダ下がりしてんだもんよ。これは…詰んだか?
「カリオストロが戻ってくるかすらわかんないのに……」
「戻ってきたところで今から間に合う?って話ではあるけどね」
まさか、カリオストロがいなくなるだけで状況が一気に変わるなんて…嫌でも悪い方向にしか向かってないんだけど…?何があったとしても、向こうからここまで物理的な速度で間に合うとは到底思えない。
「……簪ちゃんまで戦うって感じになりそうだなぁ」
「……そもそもの火力は高いけど…私も戦えない」
「なんで……あぁ、白式か」
「うん……触られたら終わる」
夕凪燈夜…あれは厄介だしなぁ…私がこうなった原因の一つだし。触られたらIS初期化なんて、バカみたいな能力だ。あれをコピー出来たら恐らく対抗でもなんでも出来るんだろうけど…
「…できるか怪しいなぁ」
「ワンオフの話?」
「うん、コピーできるかなぁ…って思って。自分でもちょっと…できない気がしてるけど」
仮にできたとしても、それがカリオストロに影響を及ぼす可能性もある。最悪、また私自身に影響を及ぼすかもしれない。
それくらい未知数の能力……ほんっと、馬鹿じゃないの誰だよあんなの考えたやつ。
「……ま、来たら来たで…って事で」
「…なるようになるしかない、か」
どちらにせよ、勝負なんて時の運なのだ。触られないように…なんて遠慮してたらそれこそ普通に負けかねない。何より今の私は下手なISよりも弱い。
ま…だからといって投降することも絶対にないんだけど…故になるようになるしかない……ま、少なくとも捕まったあと簡単に殺される事は無いでしょ…私は兎も角簪ちゃんは分からないから…その辺はどうにかしたいけど。
.
.
side?
セシリアの姿をした何かは突き進む。片手に銃をかまえ、邪魔をするものは全て撃ち殺していく。邪魔をしなければ無視をする。今は必要なものはたったふたつだけなのだから。
「止まれオルコット!何のつもりだ!!」
目の前に立ち塞がるは篠ノ乃箒、セシリアの脳内から記憶を調べてその名前、どんな人物か、どういう関係かを洗う。その後で、自分の中で記憶していること洗い出す。そしてそのふたつを合わせた情報で、目の前の人物がどんなことをしてきたかをたたき出す。
「篠ノ乃箒、伝達情報…未経験…過去、京都にて篠ノ之束に調教済み…」
「なっ!?」
無機質に淡々と伝えられる事実。セシリアには見られてないと思っていた箒だが、今彼女の中にいるのは彼女であって彼女ではない。
鬼村五十冬と名乗っている少女がかつて見た光景を、そのままフィードバックしてみているだけなのである。
「後遺症、表面上では判別不可」
「お、オルコット…?」
「条件達成…対象、殺害から……洗脳へと変更」
そう言いながら、彼女は箒との距離を一瞬で詰める。既に篠ノ乃箒には専用のISは無い。量産型ISである打鉄を使うしか戦う術が無いのだが…はっきり言えば勝負になることは無い。
意思のない機械の様なものが使う専用機と、学友の顔をしているため本気を出せない量産型。出力もやる気も、全てが負けているのだから。
「ぐっ!!」
「………」
即座に吹き飛ばされる箒。絶対防御がある為に直接触れることは難しい。だが、それもまともな勝負になればの話である。出力の差から既に負けているのに、正面衝突での勝負でまともな闘いは起こらないのだ。
エネルギーは即座にセシリアの攻撃によって減らされていき……絶対防御すらも保てなくなった打鉄は即座に機能停止して待機状態へと戻る。
「停止確認、洗脳開始」
「やめ、何を…!」
そして、セシリアは追撃するように箒に近寄り…その頭をブルーティアーズの片手で掴む。だが握りつぶすほどの力は出さない。あくまでやるのは…洗脳なのだから。
「対象、篠ノ乃箒…打鉄…リンク成功。擬似ダイブ機能…ブルーティアーズに機能無し、本体との直接リンク開始」
そう言いながら、ブルーティアーズの1部が弾け飛びまるで廃線のようなパーツが露出される。セシリアは余った片手でその配線を取り出し、頭を掴んでいる手へと無理やり配線を繋いでいく。
「機能一部変更、右腕全体を変形…擬似映像、擬似音声、共に再生可能としたVR機能創作」
『中にいる者』が、ブルーティアーズを次々と変えていく。青い涙を冠していたそのISは、涙を流さない無機物によって上書きされていく。
そして、徐々にブルーティアーズの腕は頭全体を包み込むヘルメットとなっていく。
「何、を…!?私をどうする気だ…!」
「五感とのリンク完了……映像、再生します」
.
.
side箒
「…ここは?」
気がつけば私は…小学生時代、引っ越したあとの私の実家にいた。記憶の最後は…セシリアと戦っていたはずなのに…一体どうなっているのか。何か、なにか私にしたんだろうか?
そう思い、そのまま歩こうとした瞬間…不意に視界が下降する。転んだのかと私は思ったが…違う。
「ち、小さくなってる…!?」
どうなっているのか。どうして私は小さくなっていて、そして実家にいるのか。もしや、今までのことは全て夢で…?とさえ思えてくる。だが、そんな困惑でも一つだけ違和感があることに気づく。
「…何の気配も、ない?」
実家内…どころかその周辺からさえ環境音のひとつも聞こえてこない。人の話し声、自動車やバイクなどの走行音、鳥の鳴き声や風音…いずれも全く聞こえてこない。必ずしもそれらが聞こえる…とも限らないのだが…
「これは、一体……一先ず━━━」
私は周辺地域の確認のために、外へと出る。いきなり視界が低くなったことで多少困惑したが…場所と、自分の目線の低さから冷静に考えると…姉がISを作った頃…だろうか。その前後位のはず。
そう思いつつ、家から出たところ…実家の異変に気づく。
「……な、なんだこれは…」
壁という壁に、落書きがされてあった。『狂人一家』『戦犯一家』『死んでしまえ』『消えろ』等と、数々の罵倒がされてあった。無論、私にそんな記憶はない。
「誰だこんなことをするやつは……早く消さないと…」
「━━━おいおい、何してんだ嬢ちゃんよ」
「っ!?」
不意に後ろからかけられる声。今さっきまで居なかったはずなのに…いつの間に後ろにいたのか。声の主は、小さくなる前の私よりも頭一つ分大きく…そして服の上からでもわかるほどに筋肉質な男達だった。
「てめぇ、何勝手してんだァ?ちょっとでも罪悪感感じてんのかぁ?」
「な、何…?罪悪感…?何の……」
男の1人が、本気の憎悪を私に向けていた。私の記憶ではこんな男たちと知り合いではないし、なにか手を出した記憶もない。だが、この実家の様子と言い周辺の異変と言い…私の記憶とあまりにも乖離しすぎていた。
「は?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇぞ?てめぇの姉ちゃんがやらかしたことでな…日本はボロボロになっちまってんだ、その落とし前をつけんのは当たり前だろうがよ…」
「っ!?」
「おい、コイツマジで理解してねぇぞ?改めてよーく言い聞かせとくか?」
「…だな、
男たちがすぐに話し終えたかと思うと、私の髪を掴んで無理やり引っ張っていこうとする。向かう先は…私の実家内に向かっていた。
「痛っ!やめ、警察を呼ぶぞ!?」
「は?人権すらねぇヤツらに警察が相手するわけねぇだろ…処刑されねぇだけマシと思えや、その穴全国の男共に使わせろってんだ」
「人権が、ない…?」
法治国家である日本とは思えない。そもそも、戦犯とは一体なんのことか。それさえも理解できない……と、私の記憶では
「い゛っ…!?」
不意に走る頭痛。まるで頭の中で無理矢理記憶を植え付けられているかのような…そんな痛み。
ISを作り出した篠ノ乃束は、世界中をハッキングしてミサイルを発射させた。そのミサイルを、IS白騎士は見事に全て打ち落とした。だが、それにより世界中がそれまでの流れを日本の新兵器のデモンストレーションかつ宣戦布告だと受け取った。無論、日本も無実というのを証明はしたかったが当の本人である篠ノ之束は一切の説明釈明言い訳を行うことなく、白騎士もそれに習って世界中の兵器を蹂躙し始めた。
だが、世界はそのうち世界は
元より白騎士は一人、段々と対応が出来なくなっていき…無限に動くかと思われた白騎士も
このままでは日本国民からの非難が止まらなくなり、完全に国の機能が停止してしまう…そう思った政府は…篠ノ之束を生み出した篠ノ之家を
それが事実、それが真実、それ以外に史実は存在しないのだ。
「これ、は…!?」
「なんだなんだ?体調悪いアピールかよ?」
「くっ…!?」
「いいや、連れていこうぜ…改めて今日はこいつを調教して解らせるってことをしねぇとなぁ?」
そして…私はそのまま男達に引っ張られて家とはまた違う場所へと連れていかれるのであった。
五十冬の見た目
-
黒髪ロング、胸はない
-
黒髪で肩までの長さ、胸はない
-
茶髪ロング、胸はない
-
茶髪で肩までの長さ、胸はない
-
なんでもいいけど眼鏡が欲しい