side■■■■■
「━━━━やっ」
私は、織斑一夏と…えっと名前なんだっけ?お姫様…まぁいいや。その2人が来る方向で鎮座していた。織斑一夏には今の私の姿は見せてたけど、お姫様には見せていない。ま、驚いてないってことは織斑一夏が言ったか何かだろう。ぶっちゃけ何回も同じ話すんのめんどい。
「……鬼村、だな」
「知ってて言ってるんでしょう?あぁ、でもちゃんとお姫様の方とお話するのは初めてかな?初めましてー!可愛くない方の鬼村ちゃんだよー!!よろしくねー!!」
「……これが、本来の…今の鬼村になる前の…鬼村、なのか?」
「あぁ」
ぐすん、全然相手してくんないよォ…まぁ別にどうでもいいんだけど。あーでもまずいなぁ。ガワだけで中身のカリオストロがどっか行っちゃったからほんとにただの重い鎧なんだよなぁこれ。ある程度は私の判断で使うことは出来ないことは無いけど、性能としては下手したら打鉄より弱くなる気がする。まぁ肉体スペックフル使用したらマシだろうけど……相手がなぁ。
「それにしても随分とゆっくり来たねぇ、もう既に何人か殺っちゃったよ?」
「きさッ━━━━」
「恨めよ?ちゃんと。私はお前の家族を殺した殺人鬼だ、世界を滅ぼそうとする悪魔だ。この時代をひっくり返そうとするテロリストだ、ちゃんと倒しきらないと足元すくわれて人生終わるぞ?」
「…アイリス、落ち着け」
「ッ………う、む…」
ちっ、挑発してやろうかと思ったけどダメだったか。まぁ全部客観的に見たら事実になるかもしれない。私がどうしたいかは別として。
「……前に、聞いたよな?」
「何?」
「なんで、お前の復讐に関係ない人を巻き込む?束さんに復讐は終わったんだろう?だったら……」
「あぁ、それっぽいこと聞いてたねそんなこと……答え変わんないよ?あぁ…もっと分かりやすく、細かく伝えてあげようか?」
お姫様と織斑一夏に目線を向け、何も感じないままに言葉を紡ぐ。だって、それが私だ。一々こんなことで目くじらを立てるわけじゃない。だから、淡々と言葉を紡ぐ。
「殺そうと思ったから殺す、殺してと言われたから殺す。死ぬよりも辛い目に合わせたいと思ったならそうするし、逆に守りたいと思ったから守る。
だから私の気分1つで人の生き死にが変わっちゃうんだよね」
「……なんとも、思わないのか?」
「思わないね、壊れてると思ってくれていい。だからといって同情しないで欲しい。『鬼村五十冬』では無い元の私は既に死んでいる。お兄ちゃんが死んだ時点で死んでいる。
世界をこうした篠ノ之束が憎いと思ったから復讐した、お兄ちゃんを殺したヤツらが憎いと思ったから殺していった。邪魔だと思ったヤツらは皆潰していった。女尊男卑の世界から、女が使い潰される世界になってしまえば…案外気持ちいいのかもね」
「他人事、だな…えらく」
「他人だからね?うーんとね…例えば━━━」
━━━
そう考えたので、その場で瓦礫を拾って投げつける。
「っ!!」
そして、織斑一夏が伏防ごうとして……目の前で直角に落ちる。あぁ、姫様のISそんな感じだっけ?確か。重力操作は厄介だね。
「不意打ちか?まぁ、一夏には届かんかったみたいじゃが?」
「ああ、いや…不意打ちなんて……そんなつもりはなかったんだよ?ただまぁ、えーっと……うん、飽きたってだけ。まぁ元よりペラペラ仲良く喋る関係性でもないじゃん?だからいいかなって」
「………」
あれ、姫様と織斑一夏黙っちゃった?まぁいいや。下手に装備使わない方がいいよね。いや、手加減じゃないんだけどさ。脳みそで処理して武器出してってやると流石にこの体でも負担大きくて大きくて……改めて思うけど、なんで人間の脳みそでIS処理できるんだよイカレてるだろ篠ノ之箒。
「よっ…と、これでいいかな…ほら、来なよ」
「………何のつもりだ?」
手招きすると、警戒された。こんなに隙だらけなのそうそう無いでしょ…それにやろうと思えば武器を出して襲えたのに、何故そうしなかったのかも考えて欲しいんだけどね。……まぁ、仕方ないか。普通はそうだし。
「ん?手招き」
「馬鹿にしておるのか?」
「挑発か?お前が『そういう奴』って言うのはさすがに理解してるつもりだ。何を狙ってる?」
「さて、答えると思う?」
「いいや、全く」
「意味の無い質問……だね!!」
再び瓦礫投げつけ、地面に叩き落とされ。やっぱ邪魔だな、姫様。さてどうしたもんか。武装はなるべく出したくないから徒手空拳になる。動きは肉体依存になってるからかなり弱い。脳の容量もなるべくISのシステムに割きたいから単純な武装を取り出すしかできない。
「……意味が無いと、わかっておろうに」
「意味がなくてもやらないとね」
困った、中身がないとISってこんな弱いのか。いや、そもそもなんで独立したのよ中身が。そこまで成長してたの?お母さんびっくりだよ。
「ん゙……ま、じゃあ…やろうか」
武器を一つ…つってもIS用のサブマシンガンだけど。これだけでどうやって戦えばいいのよ!!つっても、やるしかない、か。というか取り出すだけで滅茶苦茶気持ち悪い。口から胃の中に手を入れて、何かを掴んで引きずり出したみたいな感覚する。吐きそう。
「……お前、まさか」
「何かしら不調か、都合がいい」
「あれー?」
いやまぁさすがにバレるよね。ただ、こちとら体だけは天然の最強なんじゃい。それでもただ瞬殺されるよりマシってレベルだろうけど、なんとかしてやる。何分持つかなー!!
.
side?
1人の少女が、1人の少女を抱えて飛んでいた。抱えられているのは現状『鬼村五十冬』である少女。そして、飛んでいるのはセシリア・オルコット
セシリア・オルコットの中にいる者が向かっている場所は、織斑一夏達がいる場所。飛ぶ際に使われるエネルギーは、そこら一帯の破損した戦艦などから奪い無理やりに動いていた。故にその進行速度は織斑一夏達が進んだ時とは段違いに早い。なぜならエネルギー節約、回復の為に逐一止まっているのと、常に最大速度で移動できるのには差があるからだ。
「━━━━━」
「う、ぐ……」
鬼村五十冬は目を覚まさない……だが、今は目が覚めようが醒めまいが対して変わらない。今の彼女には何もすることは出来ないのだから。
「……」
そして、セシリア・オルコットらしき少女はエネルギーだけでなく…同じように辺り一帯の死体も取り込んでいた。これだけでは、その死体を何に使うかは分からない。だが、誰かがこれを見ていた場合…そのおぞましさに吐き気を催すだろう。
「私、は……」
うわ言のように呟く鬼村五十冬。その言葉の続きはなんなのか、彼女は意識を失い微睡む中で一体何が見えているのか。彼女自身にしか、それは分からない。だが、その見えている光景は…きっと控えめに言っても凄惨なものだろう。
「……」
それに対し、セシリアの様な少女はただひたすら沈黙を貫く。目的はただ一つ。抱えている鬼村五十冬を連れていくことであり、その目的地は織斑一夏が戦っている場所である。そして、最大速度の休憩無しである為に圧倒的早い速度で到達しようとしている。
だが、決して織斑一夏達の応援のために向かっているのでは無い。その目的は、彼女のみぞ知る所である……そしてある1箇所にたどり着く。
「…マライア……」
死んでいるわけでは無いが、既に死に体…放っておけば死ぬだろう。だが、彼女を助ける義理は彼女にはない。欲しいのはそのISだけである。
「……」
片手で触れて、少し光ったかと思えば……何事も無かったかのように再び飛び始めその場にはマライア1人だけが残されていた。
「ぉ……ぇ……さ、ま………の……………………為、に…………」
意識が戻ったのか、最期の力を振り絞ったのか。マライアはその一言で再び何も喋らなくなるのであった。
.
.
side■■■■■
「うわっ!!危なっ!!」
白式、織斑一夏が私に触れようとしてくる。危ない危ない、また触られるところだった。初期化されたら今度はどうなるか分かったもんじゃないのに。というかほとんど避けバトルだよこんなの。重力からも織斑一夏からも避けて攻撃を当てないといけない。無理ゲーでは?
「怖いねお前!!また私を消すつもりか!?今度はこうやって復活できるかも分からないのに!!」
「その危険なISを消す方が先だ!!」
「私は救う気が無いってか!偽善者め!!」
「望んでも、思ってもないことを一夏に言うでない!!」
「お゙っっっっ………も゙ッッ…………!?」
くそっ、流石に2対1はキツイ!中身がないから脳みそをCPU代わりにしなきゃいけないのもタチが悪い!それでも戦えてるのは一重に中身とISの武装性能故か!!
というかヤバい!重力負荷は器用にも私だけか!あの初期化能力を受けたら今度はどうなるかたまったもんじゃない!かと言って今この体を捨てれるか分からん!カリオストロの中身がない以上、下手したら抜けたら私が霧散する可能性もある!!
「っ!!」
「ぐん゙な゙ッッッ!!!」
無理矢理武装を展開する。もう一丁用意し、ひたすらに乱射。エネルギーの節約を心がけていたとはいえ、ここまできた分精神や体力は緊張やらなんやらでちゃんと回復はしきってないだろ!!その分判断能力は落ちる!!
「くっ…!?雑にやっても…!」
「わっ!?」
「っ!!不意打ちには弱いね姫様!!」
偶然にも姫様に何発か銃弾が当たり重力が解除される。簡単に出せはするが、ちょっとした事で解除されてしまうようだ。まぁそもそも弾かれてるんだけどね!ほんで一気にばらまいたから弾数もねぇや!!
「はぁ……あ゙ぁ゙…ッ!ん゙ん゙ッ…!さぁ…て、姫様…ちゃんと守れよ織斑一夏…あんたが倒れたら、姫様守るナイトは誰も居ないんだからな…!姫様を倒した後は、特殊性癖の野郎に売ったり見世物小屋で働かせたり…色々やれるんだからな…!」
「お前ッ…!」
「お姫様は大層高値で売れるだろうなぁ!!いやぁ?むしろ無料販売でもいいかもしれないな!!私別にお金欲しいわけじゃないし、その方が雑に扱われるだろうなァ!!
あぁそうだ、姫様のご親族の方もセットにしようか!!家族一緒なら寂しくないでしょ!!まぁもしかしたら買って売られの途中でバラバラになるかもだけどな!!」
煽る。馬鹿だと思うでしょ、実際馬鹿なことをしてる。弾数はなく、武器は交換しないといけないのにそれをするとこれ以上は吐く。吐いたら隙まみれだ。あぁ、じゃあ強気に出て煽って向こうの冷静さを削いでやろう。
「……一夏!!」
「分かってる!!」
「へっ…」
一気に両方煽ってやったぜ、まぁ問題はほんとにこの煽りが効いてんのか分からない、ってことだけど。けど、やる気には火を付けれたらしい。
「一気に…!」
「今度こそ…!」
「ゔぇ゙ッ…!!!」
また重力が来たが、無理やり体を動かす。重い中無理やり動かしたせいか、骨がきしみ血管が切れた。どこにもぶつかってないのに軽く内出血ができるとかどんだけやばい重力負荷かけてんの?でも、その程度で済むなら問題ないか!!
「終わり━━━━」
「ヂェ゙ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!!」
持っていた銃を反対に持つ。銃身を手で持ち、後ろから高速で飛んできた織斑一夏に対して裏拳のように銃を振るう。持ち手で殴られるのは痛かろう……と思っていたのだが。
「甘い!」
「っ!!」
その動きは読まれており、白式の武装で叩き落とされてしまう。そして、余った手が私の頭に添えられようと伸びてくる。やばい、終わった。仮に私に被害が出なかったとしても、中身のないカリオストロは初期化されたら最早何も出来ない。
あぁ、終わった。まぁそもそも復讐自体終わってたし、ただひたすらに世界をぶち壊すことしかしなかったからなぁ。あーあ、まぁ良くてこの場を生きのびてから処刑だよね。弛緩剤とかバカみたいに打たれるんだろうなぁ…そもそも針刺さるのかなぁこの体。あ、そもそも仮に頭の中も真っ白にされたところで復活されたらたまんないし速攻処刑だよね。まぁどっちにしろ私は終わりって言うことで…なんてことを考えてたら、1発の銃声が鳴り響いた。
「ぐっ…!?」
「は…?」
「誰だ!!」
この場にいる、私含めた3人が銃弾が飛んできた方向を見る。そこにはたなびく長い金髪。発砲したばかりだからなのか煙の立っている銃口。そして分かりやすい青い武装を身にまとった女…セシリアが空中を飛んでいた…………え、なんで?
「セシリア!?なんでこんな所に…それに、抱えてるのって」
「あ、ほんとだなんか抱えてる」
「なぜそいつを連れてきた!?」
抱えていたのは…おや、鬼村五十冬さんじゃあないですか。相変わらず薄い胸なことで。
「あぁ…そういうこと?
「は?」
「
「………━━━━━」
ふっ、とまるで電池が切れたように意識を失うセシリア。落下するが、同時に私の体が一気に楽になる。セシリアともう一個の体はお姫様が重力掛けて落下速度を一気に落として安全に着地していた。
その姿は、ISは既に纏っておらず着の身着のままと言うやつになっていた。
そして、セシリアの待機状態となったブルー・ティアーズから大きな光が私に飛んできて…ISの中に入る。お、これは…いい子だよカリオストロ。
「……上出来だよ、まさか
そう言いながら、私は電撃が走る剣と青いスナイパーを取り出す。これが意味するところはつまり、あの厄介なお付きの騎士のISを食べてきた、って事である。あとは戻ってくる時に摘み食い感覚でブルー・ティアーズも食べてきたようだ。
「このっ!」
「これ以上は!!」
「ん゙ぇ゙ッッッ!!!」
状況を把握したのか…姫様が重力を、織斑一夏が速度ブッパで突っ込んでくる。先程までと同じ戦法。だが、明確に違うのは本領発揮を私ができるようになったところだ。中のOS…カリオストロが戻ってきたのなら私は存分に頭をぶん回し、目の前のことに注釈できる。
「ぶん゙ッッッ!!!」
無理やり剣を振るう。織斑一夏には見破られて即座に上に逃げられる。だがこの一撃は当たったらお前マヌケすぎるだろ、と言うだけで元々織斑一夏宛に作ったものでは無い。目的は……電撃を浴びせることだ。
「ぐううう!?」
「アリス!!」
「余所見ダメ絶対!!」
━━━お姫様にね。見事にあたり、重力は解除。織斑一夏は一瞬隙が出来たので一気に狙いを定めて撃つ。が、避けられる。やっぱ早いな。まぁ問題ない。
「1回戦は私の負けでいいよ……今から2回戦ね?あぁ、安心して……カリオストロがお姫様んとこの騎士様と、セシリアから奪ったISコアでエネルギー回復してるとかは無いからさ?
あ、そういえばそっちはそっちでエネルギー消耗してたねぇ」
「くそっ……」
「じゃあ消耗した同士でバトルって訳だ。まぁいよいよ私もね、本気出せちゃうわけだから」
ここまで会話で引き伸ばしに引き伸ばした。カリオストロが居なかったから全然ワンオフだのなんだの使えなかったけど…ここまで引き伸ばしたら使うことが出来るわけだ。
カリオストロっていっぱい名前変わっていってたけど、篠ノ之束との戦いで得た能力はまだ健在だ。
「はい、ってわけで終わい゙っだぁ゙ッッッ!?」
「ぐあっ!?」
「一夏!?」
一瞬の電脳ダイブ。それが能力。なのに、弾かれた。白式の能力か?いや、相手のワンオフ弾くとかなかったと思う…いや、思いたいけど…けどあの反応を見るにもしかして織斑一夏にも予想外だったようだ。
「お前、今…何を…!」
「……あぁ、そういうこと?!クソが!!初期化だけじゃ飽き足らないってか!!」
「な、なんだ…?」
白式の初期化能力!!あれ直に手に触れたら発動だからダメだと思ったけど!!あれが1種のバリアみたいな役割も果たしてる!!電脳ダイブ能力は概念的なやつじゃなくてナノマシンを…まぁなんか上手いことして発動させる!それが織斑一夏を飲み込もうとした時に初期化能力と衝突して弾かれた!!クソが!!事実上ワンオフ使えねぇじゃんこっち!!
「あ゙ー…もう、いい…!」
チラッと、元の体を見る。ふむ……武装が多いみたいだよなサクリファイス……なら、奪うか。ちょっとでも多い方がいい。今私を警戒してるし…いや、でもまだ向こうにあるな私の体。なら…うん、近づくか。
「━━━!!」
「なっ!?飛び込んで…しかし、これならば!!」
バッ、と飛び出す。驚いたが、織斑一夏が飛び出すよりも先にお姫様の重力負荷が襲いかかる。一気に地面に叩きつけられるが…
「遅い!タッt」
「終わりだ!!」
手を握られた。あらヤダ情熱的…じゃないな。終わりか?いや、希望はまだ残しておけ。そう思ったので諦めずに武装の吸収を行おうとする。それに合わせて織斑一夏も初期化能力で私を消そうとしてくる。
…………その2つが出たせいだろうか。不意に私と織斑一夏の間から光が漏れ始める。
「は?」
「なっ…!?」
「一夏!!」
お姫様が飛び込む。私達二人は同時に視線を姫様に向ける。何かヤバい、と思ったのか織斑一夏はお姫様に手を伸ばすが…そうはさせない。逆に、
「私が掴んでやるよ!!」
「しまっ!!」
出されたお姫様の手を掴む。感覚としてわかる、まだカリオストロは活かせる。何か起こってる最中だが、食らっちまえ。掴んだ瞬間、何かが流れ込むような感覚が起こってから……お姫様は私がぶん投げて捨てた。
「アリ……ぐぅ!?」
「うわっ!!」
えっぐい爆音出しながら、私と織斑一夏は弾き飛ばされる。お姫様投げ飛ばしたせいもあったか、お互いの初期位置が入れ替わるような飛び方をして……おや、偶然にも目の前に鬼村五十冬。
と、思っていたのだが。急に力が抜けるような感覚があった。いや、これはさっきと逆だ……
「っで…え、ちょ…カリオストロ!?」
「白式…!?」
お互いのISが解除される。意図していない。初期化か?いや、違う。そういうのでは無さそうだ。では、なんだ?思ってたら急にディスプレイが目の前に現れる。
『破損甚大、コアによる回復を推奨、コア不足』
「………は?」
チラリ、と織斑一夏の方に視線を向ける。どうやら同じ状態のようだ。ディスプレイも出てる…反対から見えてるから読みづらいが…再起動…って書かれてる気がする。とりあえずカリオストロだ。
コアの数って…まぁまぁの数食べたぞ?それでも尚足りないのか?
「…ドラマ性無いけど…今のうち……」
サクリファイスに触れる。コアが一個増えて…文字が再起動に変わる。しかし困った。あっちの方が早そうだ。しかし、何が起こった?中途半端に初期化食らったからデータ破損起こしたとか?よくあるよねぇデータ関係って。
「……」
「………」
気まずっ、織斑一夏との睨み合い起こってんだけど。というかなんか体ムズムズする。ん、何かほんとに変な感じ……カリオストロ?なんかごめんもうちょい大人しくして貰えると……
『修復不可部位消去』
なんか不穏な文字見えたぞ。ちょっと、おい…今何起こってんのほんと!!
『コア結合開始』
結合!?待って待ってどうなってんの!?とか考えてたら今まで食べてきたIS達の名前が羅列されていく……メイドさんのとか、篠ノ之束とか、それの助手とか…あ、ラウラとシャルロットのISも……あれ、名前ない。というかブルーティアーズもない!?さっき使えたじゃん!!なんっ……まさか?
「……鬼村、ここで終わりだ。さっきは俺も驚いたけど…そのおかげで…白式が、さらに進化した」
「……やっぱ、先にできちゃうか」
光に包まれ、再びISを纏う織斑一夏。本体の見た目は変わらない。色も真っ白のままだ。しかし、背中に10個のビットが装備されており…黒、橙、青、赤、桃の5色2つずつのものとなっていた。それはまるで、私が今まで堕としてきた女達を見ているかのようで………
「…女に囲まれたいの?そんなに?」
「言ってろ」
赤い刀を右手に、ピンクの砲台が両肩に、黒い槍を左手に、腰に青いレールガン、両足にマウントされたオレンジのSMG…もっと囲まれちゃってさぁ。あぁもう、主人公かよ…この土壇場で覚醒イベって。
「攻撃すんなよ、織斑一夏」
「う…」
「鬼村!!」
あぁ、傍にあったんで人質にさせてもらったよ。時間稼ぎだ。多分カリオストロも同じことが起こってる。だったら覚醒するまで待たせて貰おう。
「お前…!」
「こいつ殺せばいいのにね、どっちにしろ『この女』も私みたいになる可能性があるって言うのに」
「だからって殺す理由には…!」
「甘いね、ほんと…そんなんだから機会を逃す。お前だけが新しく進化できると思ったら大間違いだ」
ちらっと目線を移し…とは言っても織斑一夏は視界に入れたままだが、ディスプレイの再起動の文字を見る。下のゲージが溜まってきて…というか溜まった。これで再起動……と思ってた矢先、織斑一夏の姿が消えた。
おいおい、アイツ…更に比べ物にならんくらいに早くなってんじゃん。なんて思ってる時には、既に後ろに現れていた。隙を突かれたのは私の方だったか━━━━━
『これからだよ、
『食べさせてね、
『もっと強く、
その声が聞こえてきたと思ったら、私の意識はプツンと途切れた━━━━━
.
.
side?
「なっ!?」
この一瞬で、短時間で様々な事が起こっている。王女のISは敵に食べられ、一瞬の初期化の果てに得た更なる白式の新形態『
融合と進化の果てに生まれたこの形態は、さらに速度が5倍にまで伸びており、新しく得た絢爛舞踏によりエネルギーは無尽蔵となった。更に遠距離武装も増え、遠近両用の戦いをこなせるようになっている。
が、そんな新形態が力を発揮する前に…目の前に黒い旋風が起こった。天気が悪い訳では無い。周りが暗い訳でもない。瓦礫やゴミ、灰や煤などを取り込んでいる訳でもない。そんな旋風に、白式は弾かれていた。
「━━━━━━?」
「鬼、村…?」
しかし、旋風はすぐに止んだ。そこから現れたのは彼も見しった顔が『3つ』。1つは篠ノ之束、意識がないのか横たわっていた。もうひとつが鬼村五十冬、そして最後の一つが
「……なんで、増えて…?」
「………あぁ、カリオストロがね。来る道中で死体いっぱい食べてたらしくて。それを変換したっぽいんだよね。便利だね?おかげでさ…見てよ、これ」
そう言いつつ、2人の鬼村五十冬はとある部位を見せる。そこは、織斑一夏も知っている場所……本来の鬼村五十冬なら機械化していた場所が、生身の部分になっていた。
「一瞬前の私と、今の私は同一人物か?なんて話をされると面倒だから無視するとして……完全な人の体、それに見た目は元の体を私は手に入れたよ」
「……体、だけなら…束さんの方が良かったんじゃないのか?天才の頭脳と千冬姉と渡り合える運動能力だぞ?」
「あぁ……見た目って言ったじゃん」
「…は?」
「篠ノ之束の体をナノマシンを通してコピー、肉体情報をひたすらに移して筋肉の密度と脳の密度をなるべく再現したんだよ…ま、今の私は後天的に生まれた先天性の超人って訳……そのついでで、篠ノ之束の筋肉量は落とさせてもらったけど」
ISの領域は、とっくに超えている。カリオストロというISは、最早本当の意味で存在してはいけないものとなっていた。無論、それは無尽蔵で無制限に動ける白式に言えた義理ではないが。
「…そうだね、今までの分がひとつになって…生まれた新しいカリオストロだ。ついでに、私も新しくなったしね…やっぱりなんだかんだ元の体が1番だよ…精神的にしっくりくる」
「鬼村、お前は……」
「折角だし、その名前も捨てさせてもらうよ。高村…高村文音。私の本当の名前、本当の体…そして専用ISは『カリオストロ・アヴァンチュリエ』
はじめまして、織斑一夏。そしてさようなら。今回の戦いが私とあなたの最終決戦で、以降二度と会うことは無いよ」
粉のようなナノマシンが、彼女の周りを漂う。鉄の腕、鉄の足、ナノマシンはまるで羽のように背中に集まる。武装は何も取り出さない。だが、ナノマシンの量は段々と増えていく。周りの瓦礫を喰らい、さらに増えていく。
「決めようか、私がお前を食らうか…お前が私を消すか…その戦いだよこれは」
これは、白の騎士と人の道をとっくに外した化物との戦いである。
白式
篠ノ之箒、セシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒの武装とワンオフアビリティを再現した機体。常に無尽蔵のエネルギーに溢れているため、常に一撃が必殺の火力となっている。それに加え、そのエネルギーでワンオフの強化、速度の5倍増しなどが行われる。
カリオストロ・アヴァンチュリエ
様々なISのコアを結合、そして融合させて一つにさせた機体。ISの武装コピー、コアの吸収、一瞬での電脳ダイブなどの能力は残ったままナノマシンによるエネルギー回復や傷の回復などが行えるようになった。
擬似的に無尽蔵に戦える。
ちなみにお姫様はぶん投げられてから一夏に余裕が無いので助けられてません、目を離すとダメだよ織斑一夏。知らない怖い人に連れていかれるかもしれないんだから。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい