side?
ルクーゼンブルク。その国の上で、
主人公は知らぬ間にヒロインを全て失い、しかし恨みによって動くことはしない。だが、怒りは理屈ではないのだ。恨みは無い、その場での怒りが…彼の原動力の一つとなってしまっていた。
「━━━━てめぇが真の意味で白式といんならよォ!!さっきの簪ちゃんのおかげで武装増えたから、同じことしてやるよォ!!」
そう言いながら、多種多様な武装を一気に展開する文音。そして、それらが彼女から離れたかと思うと…まるで組み立てられるプラモデルのように組み立てられていく。
「なっ…!?」
「カリオストロは複雑なことしにくいだろうからねぇ……好き勝手暴れられる方が好きなんだよね」
そう言いながら、隣にできた『もう1人』を文音は優しく撫でる。
本来肩に装備されるはずの巨大砲が脚となり、手持ちのライフルの先には無理やりくっつけたような刀で出来た腕が2本。顔らしい部位はなく…見た目が機械なだけの、化け物が生まれていた。
「行ってきな…カリオストロ」
そして、そう命じられた鉄の塊は…織斑一夏に向かって飛んでいく。
無論、それを感化できる程白式は甘くない。援護射撃を行っていき、カリオストロの攻撃を防いでいく。
その内、カリオストロは白式に気を取られてしまいIS同士の戦いとなってしまう。
「……ふふ、これで1対1になるかな?」
「…あれが倒されたら、お前も終わりなんじゃないのか」
「多分ね?その前にお前をせめて戦闘不能くらいには持っていくさ」
「…俺は、お前を許すことは出来ない。けど…いや、だからこそ罪は償ってもらう…今この場で…命で償え、って訳じゃない…きちんと、法の場で」
「私がこうする前から司法が腐りきってんのに…何で未だに司法を信用できるのかねぇ?女性ってだけで罪を軽くされて…男殺してもまぁいいやくらいの判断される……そんな司法を、なんで信用できる?」
「それは……」
「言っとくけど…男だ女だ言ってる時点で司法に公平性なんて既にないよ……さ、やろうか」
もはや交わす言葉は無いと言わんばかりに、文音は数ある兵装の中から槍を構える。それを見た一夏も得物の刀を片手に構える。お互いが睨み合う中で、お互いのISが戦う音だけが響く。
そのような状態で先に動いたのは……文音であった。
「━━━━ほらぁっ!!」
槍が突き出される。それに対して一夏は彼女の動きに合わせて、少しだけ身を引きながら……余った片手にライフルを取り出し、一気に隙が見えている文音へと発砲していく。しかし━━━
「無駄に決まってんだろう!!こっちにもAICがあるんだよ!!」
「んなもん知ってる!!だから…!」
放たれた弾丸は、1度文音の前で停止する。しかし、回転は止まず…再びその速度を取り戻して文音へと飛んでいく。そして弾丸は、彼女のISに直撃していた。
「ぐっ…!?そっちのAICを、攻撃に転用…!?しかも弾丸1発ずつ全部って…白式がまだ悪さしてんのか…!」
白式のAI、カリオストロと同じように幾つかのコアを吸収したそれは進化を果たしていた。単なる一夏のサポートではなく、自我意識を確立し攻撃行動を自分から行っているということである。しかしそれはあくまで推定。しかし本当に自我意識を確立しているというのならば……と文音はここまで考えてから━━━
「だったら、
大声で名を叫ぶ文音。その瞬間、カリオストロと呼ばれた鉄の怪物は機能を停止させ海へと落下していく。そして同じようにそれと争っていた白式のビットも落下しかけていく。
「くっ!?」
「おーおー、やっぱ効くんだねぇ」
一夏はすんでで武装の回収に成功、再展開を行う。確かに再展開はできたが、戦い始めた時のようにただ彼のサポートをするだけのようにふわふわと宙に浮いていた。
「お前…何したんだ!!」
「知ってるでしょ〜?電脳ダァ〜イブッ…ただのAIなら、恐らく判定に入らなかった。けど、自我意識確立しているなら…って思ったら…案の定だ」
「くそっ…!」
「ふふ…電脳ダイブを即座に行えるのが今のカリオストロ……まぁあんたの中の白式が男か女かわかんないけど……いやそもそも性別ないかも…?まぁいいや……さて、とりあえずちゃあんとこれで1対1だ
また振り出しだねぇ…いや、私が強化された分もうちょっと強いかもね?」
槍を器用に回しながら、笑みをこぼす文音。しかし一夏は諦めることはせずに刀をそのまま構える。
「……俺には、しないんだな?電脳ダイブ」
「万全の状態だと、あんた突破しちゃいそうだし……やるにしても半殺しの後だよ」
「随分と念入りだな?」
「あんた都合良すぎてねぇ、勇気の力〜とか、愛の力〜とか、希望の力〜とか、そんなん使ってきそうで怖い怖い。な、もんで…そんなもん感じる前に殺し切るつもりなんだよ」
これまでの奇跡。白式にISのコアがいくつか集まったこと。それにより凄まじい進化を遂げたこと、そしてIS白式の自我の獲得と思われる挙動。それらはまるで物語の主人公のようで。
「━━━━主人公には、奇跡がお似合いってか」
「何を言ってるんだ……さっきから」
「あんたはかっこいいねって思ってさ……あぁ、もちろん皮肉だよ?本気にすんなよ?気持ち悪いんだからこっちも……さて、じゃあ次だ…!」
.
side?
「ここは……」
「ここは、私の中……カリオストロと呼ばれるISの中」
2人の少女が、立っていた。1人は白く長い髪を持った織斑千冬少女、もう1人は高村文音に似ている少女。そう、電脳ダイブを行ったカリオストロの中に二人いるのだ。つまり、もう1人は……白式である。
「私は『彼女』と繋がり…そして様々なISを食べることで、ここまで進化できた……だが、白式というISは違う…元々居たのが、『彼』の願いによって出てきた」
「……そう、私達ISは…」
「そんな建前はいい。必要が無いから」
「………」
文音に似ている少女は、白式と思わしき少女を見る。その視線には一切の感情が籠っておらず、また何かを考えているわけでもなさそうであった。
「……私は、彼女の願いでこうなった」
「鬼村五十冬…高村文音の願いは、一体…」
「
そして再び沈黙が二人の間に訪れる。だが、その沈黙はなにもしない沈黙ではない。今こうしている間にも、白式らしき少女はこの電脳ダイブから逃げようとしているし、文音に似ている少女は、逃がすまいと策を講じていく。
「それを行い、彼女に救いがあるとでも?」
「あるかないか、ではない。したいことをさせたいと、させねばならないと後押しするのが私の役目。その為ならば、邪魔はさせない」
「ならば…私は『彼』の願いを叶える。彼女を倒し、そして彼を救う」
「させないと、言っているだろう…!」
今まで無感情だったのが、ここに来て始めて感情を出す。そう、文音に似た少女は…文音の為に、最大級の足止めを行ってくれているのだ。
「例え、抑えきれなくても…ダメージは与えていく」
「やられる気は、こちらもないので」
お互いが、お互いの為に戦っていく。例え傍から見ればただの話し合いでも、二人の間には熾烈な戦いが繰り広げられているのだ。しかし、その戦いは永遠には続かない。
.
side高村文音
「っと!厄介なもう一人が居なくなっても面倒な兵器だねぇ!!」
「そう思うなら降参してくれ!!」
「するならとっくに!!」
槍をぶん投げ、それよりも早い速度で白式に近づく。後ろから剣で一撃を…なんて思ってたけど、そうは問屋が卸さない。織斑一夏はその速度に対応して、私に逆に一撃を振り抜いて入れていく。そして、そのままの勢いで槍の攻撃も弾こうと動く。
「ぐっ!!けど!!」
「っ…!!」
咄嗟にAICを発動させ、織斑一夏の動きを止める。さらに追撃させてやる…!その為に私は得たISの力をフル活用していく。
「水蒸気+氷+重力!!」
「がぼっ…!?」
ナノマシンで凄まじい勢いの水蒸気を作り上げる。そこに極度の冷気をぶつけ凝結を起こす。元々周りが見えないほどの水蒸気を被せたんだ、とんでもない見えづらさだろう。けど、冷えた空気…ナノマシンで濃霧と化した場所ごと織斑一夏に重力を与える。お姫様の武装ほんと強いね!!そのまま叩き落とされるが、その一瞬だけは
「これでも喰らえ!!」
重力が働いてたんだ、今も働かせてるんだ……そうそう簡単に抜け出せる筈がない。織斑一夏が落ちた場所に、落ちた瞬間に炎やレーザー何かの高熱兵器を当てていく。冷えた空気から一変、急に熱くなれば…水分が一気に膨張する!
そう思った瞬間、凄まじい水蒸気爆発が起こる。
「けど、まだ!!」
衝撃で怯んでいられない。起こった爆発に向けて、電撃を落とす。水ならばよく通るだろう。純水だと電気が通りづらい…なんて話はあるけど、生憎海なのでそこらの心配も要らない。
「これなら…!」
電撃は今も尚落ち続ける。重力も未だ働いている。抜け出せていたとしても、今ので相当ダメージを負っていただろう。流石の
「はぁっ!!」
「ぐうっ…!?お前なんで…!」
「…お前が水に落とした瞬間に、雪片の出力を限界まで上げた…!元々はISの絶対防御さえ突破できる代物なんだ…!それで一気に水が膨張して…!!重力の範囲から逃れることが出来た!!」
そんなんありかよ……やってらんねぇぜったく。なんて思っていたが、今のを回避されるとは思ってもみなかった。けど、不味い…ほんとにピンチだ。向こうはガチモンの無限だけどこっちの供給は無限じゃない。供給元が事実上無限にあるだけ…そんで今、私攻撃受けたせいで隙まみれ!!お陰で追撃受けまくり!!一撃目はダメだった、ニ撃目以降は防げているが……クソッ…!フラグ立ててたか私!!
「ごん゙、の゙ぉ゙!!」
「無駄だ!!」
無理矢理突破しようと、簪ちゃんの兵装を出そうとする。火力高いしね……けど、出した瞬間ビットに破壊される。撃つくらい許して欲しいし、その流れで出来れば死んで欲しかったんだけどな!!
「だったらァ!!」
私もビットだ。そして、
「なら…!」
狙い通り、織斑一夏は私の槍での攻撃を防ぎ…姿を現したビットには同じビットで攻撃しようとする。けど、こっちはAIC!学べよお前がさっき食らって動けなくなってる奴だよ!!
………なぁんて、思ってたら。
「━━━━は…?」
あいつの雪片二型の出力がいきなり上がり、AICを突破する。いや、まぁこれくらいならいいんだけど…あいつのビットの攻撃…レーザーが
「うがっ…!」
駄目だ、全部直撃した。そんでもって追撃しようとわざわざ攻撃をしに来てる。ここでバッサリいかれるのか、恐らく一気に絶対防御を斬られて……斬られて?
ふと、私はここでとある考えにたどり着いた。じゃあ…
「これで、終わ━━━」
「━━━りにしてやるよ!!私も!!お前もォ!!!」
「なっ!?」
私は逆に身を乗り出した。織斑一夏は驚いていたが、やつは止まれない。むしろ止まるんじゃねぇぞ、絶対に!!そして、奴の刃は私の左肩にめり込んでいく。熱い、痛い、頭がおかしくなりそう。だけどもう、これで終わらせる事が出来る。
「あ゙、ぎっ……!!!逃゙が、さ……な゙ぃ゙…!!」
「お前、何を…ぐっ!?」
「絶対防御ォ!!あ゙っ、ても゙ぉ゙…!関係な゙ぃ゙、よ゙な゙ぁ゙!?」
刀を握っている織斑一夏の腕を掴む。逃がさない、離さない。あ、鼻とか口とか色んな所から血出てきた。ヤバすぎ。いや、けど死ぬ気で掴んでいる。
「何を…!このままだと死ぬぞ!?」
「い゙ぃ゙……夢ェ゙…!見゙させ、て……や゙る゙、よ゙ォ…!!」
どうせ上手くいってもこんな世界だ。私は殺されるか他の女達と同じ末路。対して変わらないなら、私は私がやりたいと思ったことをする。文字通りだ、
そう思った私は今も尚触れている雪片二型の武装をコピー、まぁエネルギーの補給が出来てないから出力なんてたかが知れてるけど……それで出した刀で、絶対防御を切り裂く。それでエネルギーは完全に尽きるが━━━
「ぐっ!?」
「これぐらぃ゙……なら…できる゙、がら゙ぁ゙…!」
そしてそのまま、力任せに
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい