「……くっ…ここは……!?」
「おはよー、目が覚めた?あ、関節外そうとしてもその拘束外せないようにしてるからね。両腕両足を伸ばして縛られてる時点で察して欲しいけど」
部屋に運んでから数時間後、ラウラ・ボーデヴィッヒは目を覚ました。その姿は、おおよそ彼女の体では似合わないようなバニースーツへと変貌していた。というか、私が着替えさせたのだが。
「…貴様、私にこんな辱めをさせてタダで済むと思って━━━」
「んー?そんなこと言っていいのかなぁ?」
「……なんだと?」
「はーい、これなーんだ」
私はとある写真を提出する。まぁ写真自体は、彼女が気絶している間に私が撮ったものを少し弄ったのだが……これがまた面白いことになっていた。
写真自体は、アルバムのようなものに貼られている形になっており、写真に写っている彼女の顔の目元は、彼女自身の手で隠されていた。
そして、写真の下には名前が書かれているのだが……彼女の本名ではなく、『黒兎ちゃん』とだけ書かれていた。
まぁ、ハッキリいえば風俗嬢の写真といっても寸分違わないものとなっていた。
「じゃじゃーん、この写真…バラされたらどうなると思う?」
「……何…!?」
「えへへ、男を侮った…それだけであなた負けたんだよ?貴方が風俗嬢をやってる……それがバレたらどうなるかな?」
「……だが、その写真が合成だとバレたら貴様がおしまいだぞ?」
あ、やっぱりそう勘違いするんだ。まぁ普通の女子高生…でもないけど、こんな写真見せられたら合成だって勘違いしちゃうよね。けどそうじゃない、さっきも言ったけど……男を侮ったから負けたんだよ、ラウラ・ボーデヴィッヒという少女は。
「合成じゃないよ、これ」
「……なんだと?」
「ふふ、ここで撮った写真をある程度加工したのは本当だよ。でもね、それは背景を弄るためだけの加工だよ。
それ以外は全部本当……私ってさ、貴方の言う通り男に腰振って生きてきたんだよ。でもね、そのおかげで…こういうお店の偉い人と知り合いになれたってわけ」
「……まさか…」
「そうそう、ここで撮った携帯の写真の背景を加工、印刷して好きな風俗嬢を選ぶための『メニュー表』に張り付けた写真……それが今貴方に見せてる写真だよ」
「ばかな、そんな……!」
「勿論、向こうの店長は逮捕されるかもね?けどさ、貴方が年齢詐称した…って言ってしまえば終わりなんだよ。履歴書も、捏造しちゃったとはいえ……手書きじゃなくてパソコンで作ったものだしね」
「……だ、だが履歴書を提出した時間とわたしが行動していたことの矛盾が━━━」
「貴方が転入する前に出されたものを、どうやってその時無理だったって証明するの?もしかして、織斑先生と会ってた?」
ニコニコと笑いながら私は淡々と告げていく。最後のはただのハッタリだが、どうやら会っていない時間が合ったようだ。というわけで後でそういうふうに改竄して欲しいと連絡しておこう。
「……だ、だが貴様より私の方が教官に信頼されて━━━」
「されてるの?本当に?ただでさえ問題行動が多い生徒が、問題行動を起こしていない生徒を告発して……信頼されると思う?」
「っ……あ…」
何とか反論しようとするラウラ・ボーデヴィッヒ。しかし、今困惑しきっている彼女の頭では、反論が思いつかないようだった。
「ふふ、今ここで反論しなかったら……貴方は私のおもちゃになっちゃうよ?」
「……っく…くそっ……!」
「思いつかないみたいだね……条件、出してあげるよ。その条件を飲んでくれている間…私はこの写真を公開しない」
「……その、条件とはなんだ…」
「まずひとつ…これはすぐ終わるものだよ。明日からのトーナメント戦、私と組んでね?
そしてもう1つ…休みの日に、ここの店長に会いに行って話を聞いてきてね?あ、誰かにバラしたら…この写真本名と一緒にネットに流すから」
インターネットは怖いところだ。日本だけのものでは無いため、簡単に世界に流れてしまう。もし、ドイツ軍にこの写真が見つかってしまえば…彼女の人生は終わりだ。
いや、下手したら祖国に帰ることすら不可能になるかもしれない。最悪、どこに行っても肉便器…まぁそこまでは行かないか。
「わ、わかった…条件を飲む…だから、写真を消してくれ……」
「んー…じゃあ、店長に会いに行った時に、店長から返事が来たら考えるよ。あ、店長に手を出しても同じようにするから」
「ぐっ……」
因みに組んだ理由だが、別に深い意味は無い。ただよくわからない誰かと組まされるより、こうやって操作出来る誰かと組んだ方がいいと思った迄である。
というか、急遽コンビ組むことになったとかやめて欲しいよほんと……
「じゃあ、今日はもう寝てていいよ……あぁそうそう、貴方が私を狙ったこと話す可能性もあるから…行動には気をつけてね」
その言葉一つで、ラウラ・ボーデヴィッヒは悔しそうに表情を出していた。にしても…幾ら自分の立場がなくなる可能性があるからと言っても、ここまで軍に固執するのは何故だろうか?いや、軍というより…教官だった織斑千冬と言うべきか?
だがまぁ……あまり深く考えるべきではないのだろう。そこまで考えてたら、キリがない。
「ま、ひとまず…トーナメント戦楽しみだよ」
私はそう呟きながら、シャワー室に入る。あ、そう言えば……弱み握ったけど…彼女の風呂はどうしようか。拘束を外して素直に…いや、従いそうだ。思いのほか、彼女は純粋なのだから。
さて、トーナメント戦…組み合わせが発表された。コンビを決めてなかった人達はランダムで組まされるが、私とラウラ…それに織斑一夏とシャルル・デュノアの2人は組むこととなっている。
まぁ……あの、何というか……
「1戦目からぶつかるなんて……絶対狙ってるでしょこれ…」
1戦目1試合…私達と男子組がまさかの激突である。なんだこれ、絶対悪意ありありでしょ考えた人。
まぁでも……効率はいいかもしれない。優勝出来るかどうかは兎も角として、男子組は最初の難関なので潰せればいいだろう。私の知っている専用機持ちの他2人は、機体修理中なため不参加なのも大きい。
「……ふふ、さてどうしようかな」
打鉄の武器は刀…遠距離装備を詰めたかな…ラウラのAICを軸にした戦い方をするつもりだけど…向こうはチーム戦なんてやったことが無いだろう。ま、私が合わせればいい。
という訳で色々省略して……試合開始直前となった。特に面白みもないので。
「……前衛に織斑君、後衛にデュノア君…」
分かり切っていたが…面倒臭いことこの上ない。恐らく向こうもAICの弱点に気づいているだろう……もしくは、可能性。
仮にバレていなくても、この試合中にバレる可能性もある。早々に決着を付ける…!
「まさか初戦から当たるとはな……待つ手間が省けたというものだ」
「こっちも同じ気持ちだ」
試合開始のカウントが迫る。5、4、3、2、1━━━
「「叩きのめす!!」」
「うおおおおお!!」
「いきなり特攻!?」
ラウラのAICを回避する気がない動き。AICを知らない訳じゃないはずなのに、このバカ一直線…どう考えても囮で本命は後ろにいるシャルル・デュノア!!
「はっ!!」
「くっ…!?」
「シャルル!?」
「ふっ…!」
AICで動きを止められている織斑一夏、そして私は彼を素通りしてシャルル・デュノアに一直線に近寄る。無論、彼の装備を叩き落とす…もしくは叩き切るためである。
「バレた…!?」
「いやいやあんな分かりやすい動き、囮なの丸わかり!!」
「そう簡単じゃないか…! 一夏!!」
織斑一夏自身がとめられているにも関わらず、シャルル・デュノアは装備の銃を彼に向かって幾つか投げる。
「くっ!?」
「へへっ…はぁ!」
「小賢しい…!」
投げられた銃に意識が向いて、AICが解除される。仮に今のままAICを展開していた場合、銃身自体がラウラにぶつかるかそちらを止めて織斑一夏の攻撃を受けるかになってしまう。
そうなった場合、解除するのはある意味懸命と言える。
「ていうか装備はもっと大切にね!!」
「使えるものから使っていかないと!」
「なるほど…ね…!」
私は彼になんとか近づいて、顔を寄せる。鍔迫り合い…片方は銃だが、押せれば問題ない。今この戦いこそ中継されているが、小声を拾うほど音声は暇でもないだろう。
「ねぇデュノア君……ううん、デュノア『ちゃん』の方がいいかな?」
「っ!?」
「ふふ…隙あり…!」
流石に女だということを知ってるのを仄めかしたら、少しだけ怯んだようだ。ま、これ以上はやめておこう。別に、彼らに絶対勝ちたい訳でもないし。
ただ……バレているって言うのを仄めかす程度なら、後でなにか話しかけられるだろうしね。
「シャルル、どうした?」
「……鬼村さん、僕が女の子ってこと知ってるみたい…」
「……嘘だろ?どこかで聞かれてたってことか…?」
「何をしたいのかは分からないけど……警戒は必要だと思う」
おーおー、話してる話してる。まぁカメラが拾わないくらいの小声なんだし、距離があるから私にも聞こえないんだけど。
「じゃあボーデヴィッヒさん、サポートよろしく」
「あ、あぁ……」
ラウラのサポートのもと、私は彼らに食いこんでいこうと思った。私がサポートしていこうと思ったが、AICがほぼ使い物にならないことだけ把握したので、ラウラの方はサポートに任せることにした。
幸い、彼女はAICだけではないので安心である。
「……けど、鬼村は打鉄だ。あの機体の動かし方は、嫌という程見てる。先に倒して、ラウラを集中的に狙うとしよう…ちょっと、卑怯かもしれねぇけどな」
「そういうことなら……僕に任せて。なんとか、知った理由を聞き出してみるよ」
「そうだな…じゃあ俺は、ラウラの方を…」
「そっちは任せたよ、一夏」
まだ何やら相談しているようだが……関係ない、勝敗の結果関係なく、早く終わらせたいのだ私は。…あれ?となると私負けた方が早く終わるのでは?
いや…さすがにわざと負けたらわかるか……
「じゃあ!僕が相手してあげるよ!!」
さて……量産型の打鉄とはいえ、その気になれば専用機持ちすら倒せる機体だ。ISは装備と性能だけじゃないってところを見せてあげるよ、御曹司ちゃん。
「はぁっ!!」
シャルル・デュノアの銃撃が、まるで雨のように私に降り注ぐ。私はISのシールドに接触するよりも早く、刀を動かして弾丸を切り落としていく。しかし、これだけではジリ貧なのは確実なので……
「なっ…!?君、本当にただの女子高生!?」
「ごめんね?こういうのは才能だと思うんだ。それに、打鉄をよく理解してないと出来ない動きだよ」
この程度のことは、恐らく山田先生も出来るだろう。あの人はおっちょこちょいではあるが、ISの腕は少なくとも1年生の生徒では勝てるものはいない。例外なく、私もまだ先生には勝てないだろう。あくまでも『まだ』だが。
「それでも……負けられない!」
「カスタム機とはいえ、専用機…舐めないで…今の私の全力で倒すよ」
織斑一夏とラウラ・ボーデヴィッヒ、私こと鬼村五十冬とシャルル・デュノア。この2組の対決が、いま始まるのであった。
ソープ嬢黒兎誕生の回
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい