ラウラ・ボーデヴィッヒ&鬼村五十冬VS織斑一夏&シャルル・デュノアの試合。
振り返ることがあるとすれば、私こと鬼村五十冬はシャルル・デュノアと戦い、ラウラは織斑一夏と戦うことになった。いや、単純に同じグラウンドの中で1VS1というものは出来ない。
一応体裁程度で行われているものであり、時々少しの間だけ入れ替わったりしていた。
しかし、向こう2人は専用機でこちらは私が量産型。戦い方さえなんとか出来れば、カスタム機のシャルル・デュノアとも互角に戦えるし、いくら特訓しているからと言っても付け焼き刃の織斑一夏とも戦える。
「これを出す気は…無かったんだけど!!」
「シールドスピア!?」
━━━だが、試合の持ち運び方は向こうの方が上だった。シャルル・デュノアのIS…シールドと見せかけて、中に飛び出す槍……なんだっけ、パイルバンカー?のようなものが仕込まれているのだ。100%不意打ちでしか使えないものの……零距離で当てられるとそれなりに吹き飛ばされるしエネルギーも減らされる。
そして、予測出来ていなかった私は、ギリギリで避けようとしたが簡単に吹き飛ばされる始末である。
「がはっ…!」
あんな啖呵を切っておいてこのザマというのは、些か情けなさを感じてしまう。しかし、エネルギーはまだ十分残っている。回避運動が多少功を奏したのか、思っていたよりもエネルギーが減ることは無かった。
「……驚いたよ、あれまで回避されるなんて…ね!!」
「危なっ!?」
まさか連続でピストン運動できる代物だとは。壁に叩きつけられていた私だが、ギリギリで回避ができた。
「あぁもう……!」
「どうしてあんなことを言ったのかは、後で聞かせてもらうよ…今はラウラを━━━」
「ボーデヴィッヒさん!!」
私は片腕を伸ばす。ラウラから飛ばされたアンカーが、打鉄のアームに絡まっていく。そしてラウラはそれを引っ張って、私を強制的に逃がさせる。
「なっ!?」
「ついでに不意打ち!!」
逃げざまに、彼には刀を投げつけておいた。後で拾えばいいでしょ。ちゃんとぶつかったようで、エネルギーを消費させることが出来たよ。
「……あぁもう、お互い派手にやられちゃって…」
ラウラのご自慢の砲塔は見るも無残な形で爆散していた。転校してきた初日から、コンビを組んでいた男子チーム。それに比べて即興チームもいいところの私たちではこの程度だろう。
「かと言って、負ける訳には…」
「………」
「……ボーデヴィッヒさん?」
ラウラが何やらぼーっとした顔で何かを呟いていた。チラチラと見ていたが、時折私が織斑一夏に仕掛けるようにシャルル・デュノアもまたラウラに仕掛けているのだ。
ボロボロにやられているせいで、プライドでも傷つけられたのだろうか?
「━━━寄越せ…力を…!」
「……は?」
「うっ、くっ……うおああああああ!!!!」
叫び出すラウラ。それと同調するかのように、突然彼女の周りには電流が迸り始める。そして、彼女の専用機が液状化していき彼女の体を飲み込んでいく。
「……何これ、ドイツ軍こんなもん積んでたの…?」
一応、彼女のISのデータは私が取ってある…が、こんなものまで混じっていたら…少々使うのが億劫になってくる。というか、再現できなかったらいいのに。
そのまま彼女の変貌を眺めていくうちに、それはまるで…ISを纏った女性の人形のようなものになる。
「鬼村!!」
「鬼村さん!今彼女に近いのはまずいよ!!」
「あっ」
そういや私、真隣じゃん。なんて気づいた瞬間に、私の体は吹き飛ばされていた。先程のシールドスピアよりも、圧倒的に高いパワーによって…当然、そんなパワーで押し出されてしまっているので、私の体は再びアリーナのグラウンドの外壁に突撃する。
「鬼村ああああああ!!」
大変だ。ISが解除されてしまった。いや、エネルギーは足りている。だが、ISの所謂生命維持装置的なものが発動し、勝手に解除されたのだ。私の体の中って、所々鉄なせいで壊れたら偶にこういうことが起こるんだよね。
まぁ、さっきの一撃で両手使用不能になったっぽいし。痛くはないんだけどねぇ……中の鉄がボコボコに凹んじゃって、曲がってるどころの騒ぎじゃない腕の形になってる。
「……ぁ…う……」
そして、何故か声が出ない。ちょっと確認……あ、首の中の鉄が凹んで空気を送るスペースが少なくなってるんだ。
そのせいで、声を出そうにもかすれ声程度の空気しか出てこない。
「この野郎!!」
そして、騒動の中心では織斑一夏が簡単に吹き飛ばされていた。まぁ、そもそもあれがなんなのかよく分かっていないのが現状なのだが……ラウラの専用機が液状化…もうこの時点で意味不明なのだが、その後にまた別の形を取っていた。
あれは…黒一色なせいでわかりづらいが、打鉄を身にまとった別の女性のシルエットに見える。多分、織斑千冬辺りだろう。刀を持っているし、彼女と関係があるのは織斑千冬だけだ。
「ぁ…あー…」
うん、声が出るようになってきた。無理やり入れられたナノマシンだけど、体の修復をしてくれるなら便利である。武器にも使えるという話だったけど……まぁそれをする余裕はないかな。
出来れば体から治って欲しかったところだけど、全部同時作業で進められてしまっているから文句は言えない。
後数分もあれば、体は治せる。その間に何とかなるだろうか…?
「一夏」
「シャルル…」
「僕のISのエネルギー、分けてあげるよ」
……向こうでは、シャルル・デュノアが自身のISのコードを取り出して、待機状態となっている白式にエネルギーを送っていた。しかし、白式は先程の一撃でエネルギー切れ、シャルル・デュノアの方もエネルギーは残り少ないだろう。
それを証明するかのように、エネルギーをチャージしたにも関わらず白式が展開できたのは片腕と武装の2つだけだった。だが、恐らく織斑一夏が狙っているのは……零落白夜だ。あれが当たれば、問答無用であの物体は切り裂かれてラウラはあの中から出てくるだろう。
他のISが無力化するよりも現実的で楽な戦法だ。
「それを見逃すわけが無いんだけどね……よし、声が出てきた」
私の打鉄は……こっちもさっきのでエネルギーをかなり持っていかれたからなぁ…にしても私の体、鉄の部分が妙に脆いわ。凹みやすいだけかな…後で入れ替えても良さそう。
兎も角、だ。少ないと言っても展開自体はできる。ブーストで不意打ちで突っ込んで……『あれ』の両腕を飛ばす。ラウラの腕が切れる可能性があるけど、多分大丈夫でしょ。
ロボットアニメみたいに、多分中心に棒立ちで居るだけだろうしね。そもそも、あれの大きさとラウラの大きさが噛み合ってないからそう考えてるだけだけど。
「ま、いいや……一瞬で飛び込む━━━」
幾つか邪魔な教師陣のISがいるけど、織斑千冬が引かせてくれたようで何よりである。
私は一瞬だけ感謝をしながら打鉄を展開、そしてそのまま一気にブーストをかけて突っ込んでいく。切り終わったら、打鉄もエネルギー切れになるけど……大丈夫でしょ。
「鬼村!?」
「鬼村さん!?」
「手伝う、よっ!!」
所々しか聞いてないから事情は知らない。知る気もない。私はさっさと終わらせて部屋で寝たいんだ。じっとしててもいいが、無駄に長引かせるのも面倒だし癪だ。
というか、1回勝った相手に不本意に負けさせられたのがなんか腹立つ。
「ふっ…!」
ラウラの元ISが1番早く反応して攻撃をけしかけてきたが、さすがに偽物の織斑千冬だ。丸見えである。
私はまず刀を持っている腕を根元から切り上げる。吹き飛ばされた腕を確認する前に、片足を軸にして切り上げた体勢のまま背後に回る。そしてもう片方の腕を一気に切り落とす。
「はああぁぁぁぁあ!!」
そして、トドメと言わんばかりに織斑一夏が真ん中を切り裂く。その中から、ラウラがまるで桃太郎のように現れていた。無論、無傷である。
そして私は、切り終えた直後に打鉄のエネルギー切れが訪れたために、慣性の法則で吹っ飛んで行った。しかも無駄に体を回転させていたので、ブーメランの様に飛んで行った。吐きそう。
その後地面に落ちたあと確認したが、ひとまずラウラは保健室…私も織斑一夏も、みんなまとめて保健室……ナノマシン入ってるのバレたくないので、軽く体を動かして無理がないことだけ証明して、私は先に帰った。
体の中に鉄を入れてる…なんて情報だけを先に教えていたせいか、簡単に信用してくれたな…
そして、この事態も簡単に終わりすぎである。
「五十冬さん!大丈夫でしたか!?」
「うん、すこぶる大丈夫!」
部屋に帰ると、セシリアが出迎えてくれた。大丈夫なのは本当の話である。体の中身はほとんど鉄製品なので、ナノマシンがその辺補強してくれてれば、だいたい何とかなってる。
「先生達から、ひどい怪我を負っていてもおかしくない……と聞かされていましたので…」
「打鉄がいい感じに私の体守ってくれたよ。おかげで、打鉄1つおじゃんらしいけど」
あの後、実を言うと打鉄が何故か起動しなくなった。打ちどころが悪かったのを、無理して起動させたから…という予想だけ聞いたのだが、まぁ仕方ない。私はしばらく授業に参加することが出来なくなった。
「セシリアのISはどう?」
「しばらくは使えないので……しばらく私達は見学ですわね」
私達のISが治るまでは、授業に参加することは不可能らしい。ま、こればかりは仕方ないだろう。さて、打鉄をおじゃんにしてしまった後どうなるか…反省文…だけで済むといいなぁ……
「そう言えば、織斑先生から伝言を預かってますのよ?」
「伝言?」
「何やら重大な話…らしいのですが……私も詳しいことは聞いていないんですの」
「……何だろう?」
「何やら楽しそうに微笑んでいましたが……」
楽しそう、か……私がスパイって確定したから処刑する楽しみ…ではないと思いたいが…織斑千冬が、人を処刑するにあたって笑顔になるような人物でないことを祈るしかないだろう。
「それで……本日はどうなされるのですか?」
「もう休むよ。ご飯食べて、お風呂入って……ゆっくりしたいかな」
「それがいいですわね、今日は色々ありすぎましたもの」
私達は軽く談笑しながら、ひとまず休む手段を整えていく。確かに、セシリアの言う通り今日は色々ありすぎた。
時間にして、1時間もないのではないだろうか?そんな短い間に、色々起こされると確かにめんどくさいものがある。
「……ま、終わったしいいかな」
これからやることは……セシリアのことに関してはいつも通り、けどこれに加えてラウラの事とシャルル・デュノアの事まで入ってくる。
ラウラはまぁ店長に任せればいいとして、シャルル・デュノアはどうするかまだ決めていないのだ。
同じ店長に任せるのは流石に負担がでかいだろうし……AVの社長とか、社員みたいな知り合いいたかなぁ。ま、いなかったら調べればいいかな。
「何とかなるなる、前向きに考えていこう」
「そうですわね、きっと織斑先生からの言伝もいいものですわ」
おっと、どうやらセシリアに聞こえるくらいの声で言ってしまったらしい。だが、勝手に解釈してくれたようで助かった。
兎も角、私も色々と考えていかねばならないだろう。面倒くささ半分だが、楽しさも半分存在しているので……明日からまた楽しい学園生活を送れそうである。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい