「水着なんて買いたくない」
「あ、あの……五十冬さん…?」
絶賛私は拗ねている。別に、拗ねているから水着を買わないと思っているわけじゃない。逆だ、水着が買えない…というよりかは買っても意味が無いので拗ねているのだ。
「その…ごめんなさい…」
「いいよ、セシリアは1人で買いに行ってて」
「はい……」
単純な話だ。面倒くさがっていてもしょうがない話だが、私は今水着を着ることが出来ない。というか、来たら…どう足掻いても目立つ。
体を改造しているのです、ある程度隠しておけるところは隠しておかないと……見る人が見れば違和感のあるからだのデザインになってしまう。
だからといって、全身タイツを着ることも論外だ。どっちも目立つ。
「上から羽織ればいいのでは…?」
なんて、1度セシリアに言われた。けどね、競泳水着を着ても目立つんだよ…私の体はセシリアと違ってスリム窮まっている…いや、大きくないわけじゃない。ただちょっと控えめな性格なだけだ。
兎も角、競泳水着でも見える可能性があるのは回避したい。ISのスーツもラインが出るだろうって?そこら辺の配慮があるスーツだ。というか、スーツってあれそこまで着なけれらならないって程じゃない気が…
「いいじゃんいいじゃん、付き合ってあげなよいふゆん」
「いふゆんって…?別に買い物について行くのはいいけど…」
水着ショップで水着を選んでいない女が、1人でぽつんと更衣室の前に立つ。悪目立ち安定だろう。店員に話しかけられるのもめんどくさい。ただ、対処がめんどくさいと言ってるだけだが。
因みに話しかけてきたのは、布仏本音だ。何故かいふゆんというあだ名を今言われた。
「なら私達と一緒に行く?」
「……まぁ、複数人なら…ん?」
「どしたの?」
「ちょっと連絡が…ごめんね」
突然携帯機器に連絡が入る。電話ではなく、やたら長いメールだった…着信音別々にわけてもいいけれど、メールをうっかり人前で覗いてしまうなんてことありえるし…
「……あれ、店長と…おじさんからだ」
セシリアの相手をしてる人と、ラウラが通ってるお店の店長から連絡が来た。どうやら、当日何やら面白いことをするので来て欲しい場所があるとかなんとか…
「…まぁ、ならここに1人で向かおうかな」
この住所…どこだろう?そう思った私は直ぐに調べて……余計に困惑していた。
「……水着が、売ってる店がいっぱいあるところ……」
まるで、今のIS学園の為だけにあるような場所……私はそこに向かうことになったのだが……ここって、IS学園の生徒も大勢いるのだが何をする気なのだろうか二人とも。
「━━━まさか待ち合わせまで一緒のところなんて」
「あはは、偶然の一致って怖いなぁ」
「そうだねぇ……」
「で、面白い事って?」
早速本題を聞く私。2人は顔を見合わせてから、口角を上げて笑みを浮かべていた。余計に私は困惑していたのだが、すぐさま2人は携帯を取り出してとある画像を…いや、マップだこれ。何故かマップを見せていた。
「僕のはセシリアちゃんの現在地」
「俺のは黒兎ちゃんの現在地」
「……えっと…?」
「実は、2人して同じことを考えていてね━━━」
2人は、偶然にも同じことを思いついてそれを実行していたらしい。それは、この街で『援交』を行う事だった。目標金額こそ少ないが、そこら辺は店長と話したのか、2~3人で終わるほどの金額だった。
「……で、それがどうしてマップと関係が?」
「ま、位置だけを把握するためだよ。もし街から出てたら、それぞれペナルティを課す事になってるから」
「勿論、今本当に売春してるのかを見ることだって出来る……ハッキングなんて高尚な事は出来ないけど、移動が止んだら密かに見に行く…そんな感じさ」
「許してるのは、本番だけ。本番なんてしてたら、早々終わるわけないし悠々と見に行けるってわけ」
よく分からないが、つまり2人は援交させられているということである。ラウラは兎も角、セシリアは撮っておきたかった。ただ個人で眺める程度のものだが、お嬢様が平民の男に腰を振ってるなんて相当なネタだし。
「……それで、私はどうしたらいいの?」
「2人の位置が分かるようにしておくからさ、それとなぁく会いに行くだけでいいよ」
「セシリアとかいう子は、君がいるから巻き込まれると思い込み、黒兎ちゃんはいつでも見張られているという恐怖に刈られる」
「なるほど、よく考えられてるんだね」
確かに、セシリアは私が被害者だと考えてしまってるし、私が近くを通ったら直ぐに男に呼び出されたと思うか、誘われたのだと思うだろう。何だかんだ、悪質な男の思考は理解しているのだ彼女は。
そして、黒兎……つまりはラウラの事なのだが、彼女はどうやら一度できた自信を崩されると滅法弱いらしい。そのせいか、私に対しての恐怖がそれなりに残っているようだ。
「じゃあ、私は見てきたらいいだけ?」
「うん、まぁ場合によっては見れないと思うからそこは部屋から確認してね」
「了解……そう言えば、集めきれなかった時のペナルティは?」
セシリアはともかく、ラウラでは難しいところが出てくるかもしれない。その場合のペナルティなどはあるのだろうか?
「ふふん、この特注のローターを付けて貰うことにするよ」
そう言って店長が見せてきたのは、何やら普通のローターよりもふた周りくらいでかいものを取り出してきた。鶏の卵か何かで?と突っ込みたくなるようなものだった。
「何ですかそれ」
「GPS付きのローター」
「何でそんなもん持ってるんですか…」
「いやぁ、こんな仕事してるせいか変な役職の人達と仲良くなることが多くてね。その内の一人に作ってもらったものなんだよ」
何故ローターにGPSを付けるのだろうか。用途が1つ程度しか思いつかないのだが。天才は変なものを作りやすいと言うやつだろうか?
「まぁ、これをおま〇この中に入れて貰うだけなんだけどね」
「…位置を把握するんでしょ?」
「だと思うでしょ?実はこれ、時間の計測なんかもできるんだよね」
時間の計測……つまりあれか、『このローターを中に入れて〇時間になるまで抜くな』的なやつだろうか?それくらいしか使い道がなくなってしまうのだが、それだけのために作ったのだとしたら余程の変人である。
「……で、これをどう使うんですか?」
「IS学園にいる間、付けてもらう」
「うわぁ……それ、織斑千冬にバレたら殺されますよ?」
「まぁその場合、ペナルティ受ける方には小型の通信機みたいなの渡す予定だし……織斑千冬がいない時を教えて貰うだけだね」
それ、かなり受け前提のペナルティになっているのだけれど、もし嘘でもつかれたらどうする気なのだろう?しかしこれ以上聞くのも時間のロスなのでさっさと動くことにしよう。
「私は動いてるだけで?」
「あぁ、一応ね。ちゃんと確認しながら行くんだよ」
携帯に専用のアプリを入れられたが、まぁ面白半分で済ませておくことにしよう。
ご丁寧に、2人の識別の色分けがきちんとされていた。セシリアが青、ラウラが黒色…まぁわかりやすい色です。
ともかく…覗きに行くとしよう。
「ふっ…う、うぅ…!」
よく耳を立てて聞いていると、どこかから声が漏れてきていた。周りをキョロキョロ見渡して……ほんの少しだけ、物陰からはみ出ているブロンドの髪が目に入った。
「いたいた……」
あくまでも近づき過ぎないように…それでいて遠過ぎないように。絶妙な距離を保ちながら、私はセシリアがちゃんと全体像が映る位置に移動する。器用なもんだと思うが、これだけ意識を持って近づいている人間の気配かわからないなんて、余程セシリアも切羽詰まっているらしい。まぁ無理矢理援交させられているようなものだから、当たり前なのかもしれないが。
「ほんとに……かの、IS学園の生徒であるオルコット社の社長令嬢がこんなところで援交だなんて…がっかりだよ」
「貴方なんか、に…ガッカリされたところで…!ふぅ、ふぅ…!」
「そんな悪態ついていても、ここはまんべんなく濡れてるせいで説得力がまるでないよ」
「そんな、わけ…」
いやいや、びっしょりだよセシリア。しかもIS学園の制服を着ているせいで、余計に興奮してしまっているらしい。背徳感が、否応なしにセシリアの快楽指数を上げているのだろう。
「ふふ…さっきも、IS学園の生徒がいたけど…皆君達みたいに淫乱なのかな?」
「私は、別に…!」
ん?どうやら、あの口振りから察するにあの男ラウラも抱いたと見える。他の生徒が援交してると言うのは、さすがにありえない……だろうし?
「さて……じゃあ、中に出すよ…!」
「っ!?ひ、避妊は……」
「してるなんて、思うなよ…!」
「ぁっ……!ひぃ……」
そして、セシリアの中に精液が出される。どうやら、相手をしていた男は…コンドームを付けていなかったようだ。精液が溢れて、セシリアの中から漏れだしていた。
「そんな…中に…」
「ふぅ…ま、遠慮なしに誰にでも腰を振る淫乱にはこれくらいがちょうどいいでしょ」
「私は、淫乱などでは……」
「わざわざ援交しててビッチじゃないはちょっと説得力ないよ」
確かにその通りだ。仮に援交が自分の意思でないものだったとしても、そんな方法を取っている時点で説得力は無いだろう。私のために行ってくれているというのは少々嬉しいが、その程度のものである。
「さて、お金だったね……まぁこの程度渡しておくから、頑張ってね」
「うぅ……」
……もしかして、あの男は店長の関係者なのだろうか?今のは明らかにこちら側の事情を理解している者の発言である。仮に関係者だとすると、この援交そのものが店長達が仕組んだものなのかもしれない。
「うっ……っ!?」
路地裏から出てきたセシリア、微妙な距離にいる私のことを発見したようだ。まぁ、見つかる前に私は携帯をいじる今どきの女子高生に変装している訳だが。携帯をいじってるだけだけど。
「……っ…」
私がセシリアの存在に気づいていないと思ったのか、少しだけキョロキョロした後にセシリアは私のいる方の道とは真逆の方へと歩き始めた。私からなるべく離れて、そこで再び援交を行おうと思っているのだろう。
このままセシリアをいじっていてもいいのだが、ラウラの様子も見ておきたいので一旦セシリアとは別れることにしよう。
「……ひとまず、行こうか」
私はセシリアが足を向けた向きとは真逆に歩き始める。ちょうどラウラがいる場所からも近く、そしてセシリアが離れていっている以上何も問題は起きなさそうな状況だしちょうどいい。
私がそうやって遊んでいる。この時は、まだそんなバカをやっているだけで平和だっただろう。
しかし、私は突然に心をかき乱されるのだ。この林間合宿において、全く考慮をしていなかった1部分によって、私の心は平然をたもてなくなってしまうのである。
それが分かるのは、まだ先の話である。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい