「……熱い、暑い…」
私はブツブツと呟きながら、海へと潜っていた。首から下は、なるべく海上に出すようにしている。さすがの私もエラ呼吸できる様な体の改造は行っていない。
「そんでもって……」
私はチラリと砂浜の方へと視線を向ける。そこではビーチバレーが行われているが、織斑千冬が山田先生と対決する形になっているかのようにそれぞれ生徒達のチームへと混じっていた。
因みに、山田先生のチームにはシャルロット・デュノアと織斑一夏がいた。
水着は大体みんなビキニだ。それによって、山田先生のどデカいものが更にどでかく見えていた。
「ぶ厚い……」
暑さで頭がやられてしまっているのか、私はブツブツとそんな感じのことしか呟けなくなっている。それでも、やるべき事とそのやるべき事の為の準備は忘れていない。
「……ちゃんと間に合ってよォ…」
シャルロット・デュノアとの対決。それが私がこの合宿内で行うことだ。しかし、面と対決する…そんな訳が無い。彼女も、恐らく理解するだろう。私がどんな対決の仕方を望んでいるか、を。
「……それにしても、暑い」
私は海に浸かりながら、ぼーっとするかのように眺めてる。ラウラが、まるで少女のような黒いビキニの水着を着ていること以外は、特に進展はないし変化もなかった。
いやぁ、何で急に乙女のような水着と制服になったんでしょうかねぇ。私には全く理解できないなぁ。
「……んー…すー…!」
大きく息を吸い込んで、特に意味の無いダイビング…という訳では無い。ただ、あまり目立ちたくないので目立たない方法で少し移動したいだけだ。
行き場所の目処は既につけてある。この近くに綺麗な岩場があるので、そこを拠点とする。
「はー…今度えらつけてもらおうかな。呼吸が存分に楽になりそう」
一体どれほどの水分を取れば、その中から空気を得られるのかが問題だが、おそらくちゃんと摂取事態はできるだろう。それで空気が足りなくなるのか、足りるのかは別問題である。
「……ハイハイもしもし?S?」
『残念私』
「あー、どうも私の主治医さん……いいんですか、こんなタイミングで電話なんて掛けてしまうと、若い子に嫉妬してるみたいになりますよ」
『え、体に酸素送り込んで欲しいって?』
「ごめんなさい冗談です……ってか、なんか用ですか?」
突然こんな電話をかけてくるなんて、一体どんな要件だろうか?私が臨海合宿にいるというのは、向こうも知っているはずである。任務でどこかに出かけろというのは、流石に有り得ないと思うが……
『あぁ、ちょっとねまずいことになってるみたいよ』
「はぁ……まずいこと?織斑千冬の筋力がゴムボールを寸断するレベルとか?」
『え、それほんとに人間?』
「少なくとも私以上のサイボーグでしょ……で、不味いこと?」
『あぁ、うん……黒兎隊って奴らがそっち向かってる』
「……理由なんて聞かなくても分かるけど、一応聞いていいですか?」
『ラウラ・ボーデヴィッヒの救出、だそうで』
面倒臭いなぁ……でもそうなると、私が招いたことだし確かに私が処理しないといけない事案なのかもしれない。
ま、それならそれで……今ここでその部隊を潰すのもいいかもしれない。恐らく、ラウラは通信を行っていないだろう。それが理由かもしれない。
「私のIS、いつ届きますー?」
『打ち出せばすぐだけど?』
「え、IS学園1年の専用機持ち達に落とされますけど?」
『ISに落とされるようじゃ、生き残れないってことで…因みに、要望は認識阻害特化になったからバレないよ絶対』
「わー助かるー…そんなもん要求した覚えはないし、私はバレなければそれでいいって言わなかったっけ」
『実際バレないんだからいいでしょ』
「まぁ確かにいいかな……じゃあ打ち出してー、私のいるとこー」
『着地時の衝撃波に気をつけてー……発射ァ!』
恐らく通信の向こうでは、思いっきりスイッチが叩かれたことだろう。そして元気よく私のISが打ち出される。待機状態の癖に、こいつ直接この場所に呼べないのか?と思った人もいるだろう。
残念、後付けだが整備していたのだ。なにせ、他の専用機のデータのフルコピーしてそれを見ながら改造したようなものなのだから。だから、本当にただのアクセサリと化している。あれ?ならなんで私これ付けてんだ…?まぁ、いいか……
「……って、いつ着くんですか」
『目標到達時間、後5秒』
「え」
なんて聞き返した直後から、やけにでかい音が響き渡ってくる。これはあれだ、風が強い日にイヤホンつけてると風の音が大きく聞こえる的なあれだ。
そんな感じの音が、響いてきてた。というか今目の前に━━━
『飛んできて落下すると思った?』
「見事に海中進んできましたね」
『一応中に機体は入ってるよ。ただぶつけて壊したらやだし、ちゃんとオートで安全に君のところに届くようにしてたってわけ』
「ちなみに学園側にバレてませんよねこれ」
『え、それは知らない。君が勝手にやってることに、どうして配慮を考えないといけないわけ?』
「なるほど確かに」
とは言ったものの、バレてしまってたら…と考えなくもない。バレてたらそれまでだが、バレてなければなんとでもなる。別に水しぶき上げて来たわけじゃないし、全員外にいることも考えたら案外バレていないかもしれない。
『大丈夫大丈夫、視認阻害つったでしょ。適当な事言ったけどそれその状態でも効いてるから』
「はぁ…そうですか」
『あ、リンクし直しといてね』
まぁバレてないのならいい。わたしはこれを改めて直して、タイミングを見計らって使うだけである。まぁそのタイミングをきっちりと計らないといけないのが辛いところだが……
『とりあえず戻ったら?』
「まぁ、そうか…そうする」
実際、特にやることもないし戻るしかない。まぁ戻ったところで砂浜に上がったら私の体が熱を持っちゃうんだけど。焼いた石を水に突っ込んだみたいになるよマジで。
はっきり言おう。その日の晩は特に何もなかった。私とセシリア、そしてラウラが一緒の部屋だったが特に問題を起こすことなく終わる。晩御飯の時に一悶着あったが、織斑一夏絡みな上にただ騒いでいたと言うだけで終わったのであまり重要ではない。
織斑一夏を好意的に見ている3人が部屋に行ったらしいが、私はよく知らないのだ。
でまぁ……色々あって翌朝になった。
「ふぁ……眠…」
「あまり疲れが取れていないのかもしれませんわね……あら?」
「…織斑君?」
私とセシリアが早く起床したところ、目の前に織斑一夏がいた。何故か外に埋まっている、謎の耳のような物体の前に座り込んでいた。『引き抜いてください』……って、アホかと。
「うぉお!」
しかし、引き抜かれた耳はそれ単体でのみの存在だった。つまり、埋まっているところから下は特に何もなし。
「織斑君?何そ━━━」
私が言い終える前に、突如上から何かが降ってきた。なんの前触れもなく……明らかにあの耳が関係しているのは間違いがない、としか言えないが。
「引っかかったねいっくん!」
中からおっぱいのでかい赤紫色の髪をした女性が現れる。地面に埋まっていた耳と同じものを頭につけているが…それ以上に、性格や纏う雰囲気が私の中の何かを高ぶらせていた。
「お、お久しぶりです束さん」
「…え……」
束、束……名前を知っているという事は織斑一夏の知り合いだ。そして、こんなばかげたことをするやつがただの無名の一般人なわけかない。
そうだ、束…篠ノ之束……私が殺そうとしている相手で、世界を変えた張本人…篠ノ之、束……
「うんうん、久しぶりだねいっくん。ところで箒ちゃん知らない?まぁ私が開発したこの箒ちゃんレーダーで探知できるから探せるんだけど!それじゃあね!」
「あの、一夏さん…今のは……?」
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
「篠ノ之束さん……箒のお姉さんだ」
「まぁ…!」
私の兄を殺した女達の精神性を生み出した社会を生み出した篠ノ之束、殺さず生かして死んだ方がマシという苦痛をひたすらに与え続けろ、精神を殺し肉体を殺し魂ごと殺してでも生かし続けて飼い続けて呆気なく殺して━━━
「とりあえず戻ろうぜ……って鬼村、大丈夫か?」
「━━━うん、大丈夫だよ」
精一杯の作り笑い。それでも相手はごまかせる。けれど、私の心は嵐のように荒れ狂っていた。頭がどうにかなってしまっているほどには、私の心は今の一瞬で荒ぶらされていた。
冷静になっているだろうか、顔はおかしくなってないだろうか…頭が痛い、目が回る、吐き気がする、痛い痒い暑い寒い
「ごめん、ちょっと御手洗行ってくるね。セシリアと織斑君は先に行ってて?」
「おう」
「では先に行って参りますわ」
2人は納得した、アホだと罵るべきなのか救世主だと崇めるべきなのか。私はそんなどうでもいいことを考えながら、2人が視界から無くなって、恐らく私の足音すら全く入らないであろう距離に入った瞬間に、走り出していた。
「━━━うぶっ、ぼぁ…おぇええ…!」
吐き出していた。名前を、名前を聞かなければまだマシだったかもしれない。もっと私が冷静になれてたら、良かったのかもしれない。けれどダメだ、動けないし動く気力すらも削がれそうだ。
出来れば殺したい、今すぐにでも殺したい。でもダメだ、殺しちゃダメだ。生かさなければならない。死んでも死にきれないほどの苦痛を与えた後勝手に野垂れ死にさぬようにする。そこら辺の、ハードかつリョナティックな奴らにでも売り渡せば、生きながら死んでいる生活を味わせることが出来る。
だから、今は喧嘩を売らない…まだ戦力が足りない。私の本来のISに、まだ力が足りない。全てを取り込んで、自爆特攻してあいつを殺せるくらいには強くなりたいし、織斑千冬に勝てるほどには強くなりたい。
「篠ノ之、束ぇ……!」
恨み節も恨み節、逆恨みも逆恨み。けれど私はあいつを倒す、死なないように生きながらえさせながら、精神が死んでも活力剤を打ち込んで、肉体が死にかけるなら治してあげる。
病気にはさせないし、不慮の事故なんかで怪我を負ったら治すだけだ。
「全部、全部あいつがァ…!」
私の思考と言葉は乖離している。これはまずい、私が私の思いどおりになるまでは休まないといけない。普通の人間ならありえないが、あの女に対する殺意が私をこんな化け物にした。本人からしてみれば、逆恨みで八つ当たりもいい所なのかもしれないが、私は彼女が原因だと喚き続ける。
「うぶっ…!?」
……ひとまず、私は体がちゃんと思考に追いつくように、本能が理性で押し込められるようになるように、休ませないといけない。それまでは……考えよう、どうやったらあの女を殺せるのか、と。
不慮の事故で1度投稿してしまってから色々あったので、文章の繋ぎがおかしくなってたらすいません。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい